大切に育てている観葉植物に、ある日突然カメムシが…。「なんで室内にいるの?」「植物は大丈夫?」そんな不安と焦りで、どうしていいか分からなくなってしまいますよね。あの独特の臭いを放たれたら…と考えると、駆除するのもためらわれるかもしれません。でも、安心してください。この記事を読めば、観葉植物に付いたカメムシの正しい対処法から、二度と寄せ付けないための予防策まで、すべて分かります。あなたの大切なグリーンを、厄介なカメムシから守りましょう。
がっかり…観葉植物が危ない!カメムシが引き起こす被害と発生原因

室内にいるはずのないカメムシが観葉植物に付いていると、本当に驚きますよね。実は、カメムシは観葉植物にとって、見た目の不快さだけでなく、直接的な害をもたらす厄介な存在なのです。まずは、カメムシが観葉植物にどのような影響を与えるのか、そして、なぜあなたの家の観葉植物に寄ってきてしまうのか、その原因を詳しく見ていきましょう。
- カメムシによる観葉植物への具体的な被害
- なぜ?観葉植物にカメムシが寄ってくる3つの原因
- どこから入ってくるの?カメムシの主な侵入経路
カメムシによる観葉植物への具体的な被害
カメムシは、ストローのような細長い口(口針)を植物の茎や葉、そして果実などに突き刺して汁を吸います。 これが「食害」です。観葉植物がカメムシの被害にあうと、以下のような症状が現れることがあります。
葉や茎に斑点ができたり、変色したりする
カメムシに汁を吸われた部分は、栄養が失われて細胞が壊死し、白や茶色の斑点となって現れます。被害が広がると、葉全体の色が悪くなり、見た目の美しさが損なわれてしまいます。
新芽の生育が悪くなる・奇形になる
特に柔らかい新芽はカメムシの標的になりやすい部分です。 新芽が吸汁されると、正常な成長が妨げられ、葉が縮れたり、いびつな形になったりすることがあります。
植物全体の元気がなくなる
被害が広範囲に及ぶと、植物は栄養を十分に作れなくなり、全体的に元気がなくなってしまいます。最悪の場合、枯れてしまう原因にもなりかねません。
このように、カメムシは観葉植物の健康と美観を著しく損なう害虫なのです。見つけ次第、早急な対策が必要となります。
なぜ?観葉植物にカメムシが寄ってくる3つの原因
「しっかり窓も閉めているのに、どうしてカメムシが?」と不思議に思う方も多いでしょう。カメムシが室内の観葉植物に引き寄せられるのには、いくつかの理由があります。
- 暖かい場所を求めている
カメムシは、秋になると越冬するための暖かい場所を探して活動が活発になります。 日当たりの良い窓辺に置かれた観葉植物や、暖かい室内は、カメムシにとって絶好の隠れ家になるのです。特に白っぽい壁や明るい色のものに集まる習性があるため、日当たりの良いリビングなどは注意が必要です。 - 植物そのものがエサだから
言うまでもなく、植物はカメムシのエサです。 特にマメ科の植物などを好む種類もいますが、多くのカメムシは様々な植物の汁を吸います。 観葉植物も例外ではなく、カメムシにとっては格好のごちそうに見えているのです。 - 光に集まる習性がある
カメムシは光に集まる性質(正の走光性)を持っています。 夜、室内の明かりが漏れていると、それに引き寄せられて家に侵入し、近くにある観葉植物にたどり着いてしまうケースも少なくありません。
どこから入ってくるの?カメムシの主な侵入経路
カメムシは、私たちが思っている以上にわずかな隙間から侵入してきます。その体は平べったいため、2mm程度の隙間があれば簡単に入り込めてしまうのです。 主な侵入経路を知っておくことが、予防の第一歩となります。
- 窓や網戸の隙間: 最も一般的な侵入経路です。サッシの隙間や、網戸の破れ、網戸と窓の間にできたわずかな隙間から侵入します。
- 換気扇や通気口: 換気扇の隙間や、壁にある24時間換気の通気口も要注意ポイントです。
- エアコンのドレンホース: 室外機のドレンホース(排水ホース)の先から侵入し、室内機まで到達することがあります。
- 洗濯物への付着: 外に干した洗濯物、特に白いシャツなどに付着して、気付かずに室内に取り込んでしまうケースも非常に多いです。 洗濯物に卵を産み付けられ、室内で孵化してしまうこともあります。
これらの侵入経路を把握し、対策を講じることが、カメムシ被害を防ぐ上で非常に重要になります。
【室内でも安心】観葉植物に使えるカメムシ駆除方法5選

観葉植物にカメムシを見つけたら、とにかく早く、そして臭いを出させずに駆除したいもの。特に室内で使うとなると、薬剤の安全性も気になりますよね。ここでは、薬剤を使わない手軽な方法から、観葉植物にも安心して使える殺虫剤まで、5つの駆う除方法を具体的にご紹介します。
- 薬剤を使わない!手軽な駆除方法
- 観葉植物にも使える!おすすめ殺虫剤
- 見つけたら即対処!カメムシの卵の駆除方法
薬剤を使わない!手軽な駆除方法
「殺虫剤は使いたくない」「とりあえず目の前の一匹をなんとかしたい」という方におすすめの方法です。カメムシを刺激しないように、そっと行うのがコツです。
1. 粘着テープで捕獲する
ガムテープや粘着クリーナー(コロコロ)のテープが有効です。カメムシの背後からそっとテープを被せて貼り付け、そのままテープを折りたたんで包み込んでしまいます。 カメムシは腹側から臭いを出すため、背中からそっと貼り付けるのがポイントです。捕獲後は、ビニール袋などに入れて口をしっかり縛ってから捨てましょう。
2. ペットボトルで簡単トラップ
空のペットボトルを使った捕獲器も手軽で効果的です。
- ペットボトルの上部3分の1あたりをカッターで切り離します。
- 切り離した上部を逆さにして、下部に差し込み、テープで固定します。
- 中に数滴、食器用洗剤を入れておくと、落ちたカメムシが動けなくなります。
このトラップをカメムシの下にそっと近づけ、カメムシを中に落とすように誘導します。カメムシは危険を感じると下に落ちる習性があるので、比較的簡単に捕獲できます。
やってはいけないNG駆除法
良かれと思ってやったことが、大惨事を引き起こす可能性も。以下の方法は避けましょう。
- 掃除機で吸う: 絶対にNGです。掃除機の中でカメムシが驚き、悪臭を放出。排気口から部屋中に臭いが拡散してしまいます。掃除機本体に臭いが染み付いてしまうことも。
- 叩き潰す: 言うまでもありませんが、刺激を与えることで強烈な臭いを放ちます。壁や床に体液のシミが付いてしまう可能性もあります。
観葉植物にも使える!おすすめ殺虫剤
カメムシが複数いる場合や、確実に駆除したい場合は、殺虫剤の使用が効果的です。観葉植物に使う際は、「園芸用」や「植物に使える」と明記された製品を選びましょう。
3. 凍結タイプの殺虫スプレー
殺虫成分を含まない、-85℃などの超低温で虫を瞬間的に凍らせて動きを止めるタイプのスプレーです。 殺虫成分不使用なので、室内や食品の近く、ペットや小さなお子様がいるご家庭でも比較的安心して使用できます。臭いを出す前に動きを止められるのが最大のメリットです。ただし、植物に直接かかると凍傷を起こして枯れてしまう可能性があるので、カメムシだけを狙ってスプレーしましょう。
4. 園芸用の殺虫スプレー
「カメムシ」に効果があると記載されている園芸用の殺虫スプレーも有効です。 住友化学園芸の「ベニカXファインスプレー」やアース製薬の「アースガーデン」シリーズなど、様々な製品が販売されています。 これらは害虫駆除と同時に、病気の予防効果があるものも多く、観葉植物の健康維持に役立ちます。使用する際は、必ず製品の注意書きをよく読み、対象植物や使用方法を守ってください。
見つけたら即対処!カメムシの卵の駆除方法
5. 卵の物理的な除去
カメムシは、葉の裏などに1度に20~30個ほどの卵をきれいに並べて産み付けます。 卵を見つけたら、孵化する前に取り除くことが重要です。葉ごと切り取ってしまうのが最も確実です。もし葉を切りたくない場合は、ガムテープなどでそっと貼り付けて取り除くか、ティッシュなどで優しくこすり落としましょう。卵には臭いはありませんが、潰すと汁が出ることがあるので、直接手で触らないように注意してください。
二度と寄せ付けない!観葉植物をカメムシから守る徹底予防策

一度カメムシを駆除しても、また侵入されては意味がありません。大切なのは、カメムシが「寄り付きにくい環境」を作ることです。ここでは、カメムシを寄せ付けないための具体的な予防策を、今日からできる簡単なことから本格的な対策までご紹介します。
- カメムシが嫌いな植物を置く【コンパニオンプランツ】
- カメムシの侵入経路を物理的にシャットアウト!
- カメムシが好まない環境づくり
カメムシが嫌いな植物を置く【コンパニオンプランツ】
カメムシは、特定のハーブの香りを嫌う性質があります。 これらの植物を観葉植物の近くに置くことで、天然の忌避剤(きひざい)として効果を発揮してくれます。見た目もおしゃれなものが多いので、インテリアグリーンとしても楽しめます。
ミント類(ハッカ)
カメムシ対策の代表格ともいえるのがミントです。 特にペニーロイヤルミントや和種ハッカは忌避効果が高いとされています。 爽やかな香りは人間にとっては心地よいですが、カメムシにとっては苦手な香り。鉢植えにして観葉植物のそばに置くだけで効果が期待できます。
その他のハーブ類
ローズマリー、ゼラニウム、タイムなどもカメムシが嫌う香りを持つハーブです。 これらのハーブをいくつか組み合わせてベランダや窓辺で育てると、より効果的かもしれません。
また、手軽な方法として、ハッカ油を水で薄めてスプレーボトルに入れ、網戸や窓枠、玄関周りなどに吹きかけておくのもおすすめです。
カメムシの侵入経路を物理的にシャットアウト!
カメムシを室内に入れないためには、侵入経路を徹底的に塞ぐことが最も確実な方法です。
- 隙間テープを活用する: 窓のサッシやドアの隙間に隙間テープを貼って、物理的に侵入を防ぎます。 ホームセンターなどで手軽に購入できます。
- 網戸の点検と補修: 網戸に破れやほつれがないか定期的にチェックし、見つけたら補修シールなどで塞ぎましょう。
- 換気口にフィルターを設置: 換気口や通気口には、専用の防虫フィルターや網を取り付けると効果的です。
- ドレンホースにキャップを装着: エアコンのドレンホースの先端に、防虫キャップを取り付けます。 100円ショップなどでも手に入ります。
- 忌避剤を散布する: 窓枠や網戸、玄関周りなど、カメムシが侵入しそうな場所に、あらかじめカメムシ用の忌避スプレーを吹き付けておくと、長期間侵入を防ぐ効果が期待できます。
カメムシが好まない環境づくり
日々のちょっとした心がけで、カメムシが寄り付きにくい環境を作ることができます。
ベランダや庭の手入れ
カメムシは雑草が生い茂っている場所を好みます。 ベランダや庭の雑草はこまめに抜き、落ち葉なども掃除して、カメムシの隠れ家をなくしましょう。観葉植物の周りも清潔に保ち、風通しを良くしておくことが大切です。
洗濯物の取り込みに注意
洗濯物を取り込む際は、カメムシが付いていないか一枚一枚よく確認する習慣をつけましょう。特に白や明るい色の衣類は要注意です。 パンパンと軽くはたいてから取り込むと効果的です。カメムシの活動が活発な時期(春と秋)は、室内干しにするのも有効な対策です。
もしもの時のために!カメムシの悪臭撃退法

どんなに気をつけていても、うっかりカメムシを刺激してしまい、あの強烈な臭いを放たれてしまうことがあるかもしれません。でも、大丈夫。臭いの成分の性質を知れば、効果的に消すことができます。慌てずに対処しましょう。
カメムシの臭いの主成分は「トランス-2-ヘキセナール」という油性の物質です。 この成分は水には溶けにくいですが、油やアルコール、界面活性剤には溶けやすいという特徴があります。また、熱で揮発しやすい性質も持っています。
手や皮膚に付いた場合
すぐに水で洗ってもなかなか落ちません。まずは、サラダ油やオリーブオイル、クレンジングオイルなどを手に取り、臭いが付いた部分によく馴染ませます。 その後、石鹸や食器用洗剤で洗い流すと、すっきりと臭いが落ちます。消毒用アルコールで拭き取るのも効果的です。
服や布製品に付いた場合
臭いが付いた部分に、界面活性剤入りの食器用洗剤の原液を少量つけて、優しくもみ洗いします。その後、普段通りに洗濯機で洗いましょう。 また、スチームアイロンやドライヤーの熱を当てることで、臭い成分を揮発させて飛ばす方法も有効です。
部屋の中に臭いが充満した場合
まずは窓を開けてしっかりと換気することが基本です。臭いの発生源が壁や床などであれば、アルコール除菌スプレーや柑橘系の消臭スプレーを吹きかけて拭き取ると良いでしょう。
カメムシと観葉植物の気になるQ&A

ここでは、カメムシと観葉植物に関して、多くの方が疑問に思うことをQ&A形式でまとめました。あなたの「これってどうなの?」という疑問も、ここで解決するかもしれません。
カメムシは観葉植物の土の中で冬眠しますか?
カメムシは成虫の姿で冬を越しますが、土の中で冬眠することはあまり一般的ではありません。 彼らが好む越冬場所は、木の皮の隙間や、建物の壁の隙間、屋根裏など、暖かくて乾燥した狭い場所です。 そのため、観葉植物の土の中に潜んでいる可能性は低いと言えるでしょう。ただし、鉢の縁の隙間や、受け皿の下などに隠れている可能性はゼロではありません。
カメムシが特に好む観葉植物、嫌う観葉植物はありますか?
カメムシは広食性で様々な植物の汁を吸いますが、特にマメ科やナス科の植物を好む傾向があります。 観葉植物の中では、特定の品種を極端に好むというよりは、新芽が柔らかく、日当たりの良い場所に置かれているものが被害に遭いやすいと考えられます。
逆に、カメムシが嫌うのは、ミントやローズマリー、ゼラニウムといった香りの強いハーブ類です。 これらを「虫除けプランツ」として観葉植物の近くに置くのは非常に有効な対策です。
観葉植物に使えるカメムシ用の殺虫剤はどこで買えますか?
観葉植物に使用できるカメムシ用の殺虫剤や忌避剤は、ホームセンターの園芸コーナー、ドラッグストア、園芸専門店、またはAmazonや楽天市場などのオンラインストアで購入できます。
購入する際は、必ず「観葉植物用」「園芸用」といった表記があるか、また、対象害虫に「カメムシ」が含まれているかを確認してください。 住友化学園芸、アース製薬、フマキラーといった大手メーカーから様々な種類の製品が販売されています。
カメムシの発生時期はいつですか?
カメムシは春から秋にかけて活動しますが、特に注意が必要なのは春(4月~6月頃)の産卵期と、秋(9月~11月頃)の越冬準備期です。
春は、越冬を終えたカメムシが繁殖のために活動を始めます。秋は、冬を越すための暖かい場所を求めて、家屋への侵入が最も多くなる時期です。この時期に洗濯物や窓の隙間からの侵入が急増するため、特に念入りな対策が必要になります。
カメムシの臭いは人体に害がありますか?
カメムシの臭い成分自体が、人体に深刻な健康被害を及ぼすことは基本的にありません。しかし、分泌液が直接皮膚に付着したり、その手で目や口をこすったりすると、皮膚炎やアレルギー反応を引き起こす可能性があります。 特に肌が弱い方やアレルギー体質の方は注意が必要です。もし分泌液が皮膚に付着した場合は、速やかに油で拭き取り、石鹸で洗い流すようにしてください。
まとめ

- カメムシは観葉植物の汁を吸い、斑点や変色、生育不良を引き起こす。
- 暖かい場所や光を求めて、わずかな隙間から室内に侵入する。
- 主な侵入経路は窓・網戸の隙間、換気口、エアコンのドレンホース。
- 洗濯物に付着して室内に持ち込まれるケースも多い。
- 駆除は粘着テープやペットボトルトラップが手軽で安全。
- 掃除機で吸ったり、叩き潰したりするのは悪臭の原因になるのでNG。
- 観葉植物には凍結スプレーや園芸用殺虫剤が使用可能。
- 葉の裏の卵は孵化する前にテープやティッシュで除去する。
- 予防にはミントなどのハーブを置くのが効果的。
- 侵入経路となりうる隙間をテープやフィルターで塞ぐことが重要。
- ベランダや庭の雑草を除去し、カメムシの隠れ家をなくす。
- 洗濯物は取り込む前によく確認し、はたく習慣をつける。
- 臭いが付いたら、水ではなく油やアルコールで落とすのが正解。
- 服の臭いは界面活性剤入りの洗剤や熱で対処できる。
- カメムシの活動が活発になる春と秋は特に注意が必要。