大切に育てている植物に、いつの間にかびっしりとついている小さな虫…その正体はアブラムシかもしれません。特に、羽の生えたアブラムシが飛んでいるのを見かけると、「どこから来たの?」「これからもっと増えるの?」と不安になりますよね。この記事では、アブラムシが飛ぶ時期やその理由、そして飛んでくるアブラムシへの効果的な対策・予防法まで、あなたの悩みを解決する情報を詳しく解説します。
アブラムシが飛ぶ時期はいつ?春と秋に要注意!

ガーデニングや家庭菜園を楽しんでいると、特定の時期にアブラムシが大量に発生して飛んでいるのを見かけることがあります。アブラムシの活動が最も活発になり、飛ぶ姿が多く見られるのは、春(4月~6月)と秋(9月~10月)の2つの時期です。この時期は、アブラムシにとって最も過ごしやすく、繁殖に適した気候だからです。
本章では、アブラムシが飛ぶ時期や、なぜその時期に大量発生するのかについて詳しく解説します。
- アブラムシの活動が活発になる時期
- なぜ春と秋に大量発生するのか?
- 羽のあるアブラムシ(有翅型)が生まれる理由
アブラムシの活動が活発になる時期
アブラムシの活動が最も活発になるのは、気温が15℃~25℃くらいの過ごしやすい季節です。具体的には、春の4月から6月と、秋の9月から10月が、アブラムシの発生ピークとなります。
アブラムシは極端な暑さや寒さが苦手です。 そのため、真夏や真冬は活動が鈍る傾向にありますが、暖かい地域では一年中発生することもあります。 特に春は、越冬した卵が一斉に孵化し、新芽などの柔らかい部分に寄生して爆発的に増殖を始めます。
なぜ春と秋に大量発生するのか?
春と秋にアブラムシが大量発生するのには、いくつかの理由があります。一つは、先述の通りアブラムシにとって快適な気温であることです。
もう一つの大きな理由は、植物の生育サイクルと関係しています。春は植物が新芽を出し、成長が著しい時期です。アブラムシは、この柔らかくて栄養豊富な新芽を好んで吸汁します。 秋も、夏を越して再び生育が活発になる植物があり、アブラムシにとって格好の餌場となるのです。
さらに、アブラムシの驚異的な繁殖力も大量発生の要因です。春から秋にかけて、メスはオスなしで子どもを産む「単為生殖」を行います。 しかも、卵ではなく直接幼虫を産む「卵胎生」で、生まれた幼虫も約10日で成虫になり、すぐに繁殖を始めます。 このサイクルが繰り返されることで、あっという間に数が増えてしまうのです。
羽のあるアブラムシ(有翅型)が生まれる理由
アブラムシには、羽のない「無翅型(むしがた)」と、羽のある「有翅型(ゆうしがた)」がいます。 普段は植物に寄生して汁を吸っているのは、ほとんどが羽のない無翅型です。
では、なぜ羽のあるアブラムシが生まれるのでしょうか?その理由は、生息環境の悪化にあります。 一つの植物にアブラムシが増えすぎて密度が高くなると、エサである植物の汁が足りなくなります。また、天敵に見つかりやすくなるなどの危険も増えます。
このような状況になると、アブラムシは新しい寄生先を求めて移動するために、羽のある有翅型を産むようになります。 有翅型のアブラムシは風に乗って広範囲に飛んでいき、新たな植物を見つけてそこで再び繁殖を始めるのです。これが、アブラムシが飛ぶ主な理由です。
どこから来るの?アブラムシの発生源と侵入経路

「昨日までいなかったのに、今日見たらアブラムシだらけ…」そんな経験はありませんか?アブラムシは非常に小さく、いつの間にか発生していることが多い厄介な害虫です。彼らは一体どこからやってくるのでしょうか。その発生源と侵入経路を知ることは、効果的な対策の第一歩となります。
本章では、アブラムシの主な発生源と、庭やベランダ、室内への侵入経路について解説します。
- 羽を持つアブラムシが風に乗って飛来
- 購入した苗や土に卵が付着しているケース
- 近くの雑草などから移動してくる
- 室内への侵入経路
羽を持つアブラムシが風に乗って飛来
アブラムシの最も一般的な侵入経路は、羽のある有翅型が風に乗って飛んでくることです。 前の章で解説したように、アブラムシは生息環境が悪化すると、新天地を求めて有翅型を産みます。この有翅型は、自力での飛翔能力はそれほど高くありませんが、風に乗ることで長距離を移動することができます。
春や秋の発生ピーク時には、多くの有翅型アブラムシが風に乗って飛散し、あなたの庭やベランダの植物にたどり着くのです。非常に小さいため、飛んでいる姿に気づくのは難しいかもしれません。
購入した苗や土に卵が付着しているケース
意外と見落としがちなのが、新しく購入した花の苗や野菜の苗、培養土にアブラムシの卵や幼虫が付着しているケースです。 アブラムシは秋に交尾をして卵を産み、その卵の状態で冬を越します。
購入した苗や土に、目に見えないほどの小さな卵が産み付けられていると、春になって暖かくなると同時に孵化し、一気に繁殖してしまうことがあります。新しい植物を家に迎える際は、葉の裏などをよく確認することが大切です。
近くの雑草などから移動してくる
庭やベランダの周りに雑草が生い茂っている場合も注意が必要です。雑草はアブラムシの隠れ家や発生源となることがあります。 雑草地で増えたアブラムシが、羽のない無翅型のままで歩いて移動してきたり、そこで発生した有翅型が飛んできたりします。
特に、手入れされていない空き地や公園が近くにある場合は、そこからアブラムシが飛来する可能性が高まります。定期的に庭周りの雑草を取り除くことも、アブラムシ対策には重要です。
室内への侵入経路
屋外だけでなく、室内の観葉植物にアブラムシが発生することもあります。「窓を閉めているのにどこから?」と不思議に思うかもしれません。
室内への侵入経路としては、以下のようなものが考えられます。
- 窓や網戸の隙間からの侵入
- 人の衣類や持ち物への付着
- 外から取り込んだ洗濯物への付着
- 購入した観葉植物に元々付いていた
室内は天敵がおらず、風雨の心配もないため、一度侵入を許すとアブラムシにとっては繁殖しやすい快適な環境となってしまいます。
飛んでくるアブラムシをシャットアウト!効果的な予防策

アブラムシは一度大量発生してしまうと駆除が大変です。そのため、何よりも「寄せ付けない」ための予防が重要になります。アブラムシの習性を理解し、事前に対策を講じることで、被害を最小限に抑えることが可能です。
ここでは、飛んでくるアブラムシを効果的に防ぐための、誰でも簡単にできる予防策をいくつかご紹介します。
- キラキラ光るもので寄せ付けない(シルバーマルチなど)
- 防虫ネットで物理的に防ぐ
- 窒素肥料の与えすぎに注意する
- 風通しを良くして発生しにくい環境を作る
- 天敵(テントウムシなど)を味方につける
- コンパニオンプランツを活用する
- 予防効果のある薬剤を散布する
キラキラ光るもので寄せ付けない(シルバーマルチなど)
アブラムシは、キラキラと乱反射する光を嫌う性質があります。 この習性を利用して、植物の株元にシルバーマルチ(銀色のフィルムシート)やアルミホイルを敷くことで、アブラムシが寄り付きにくくなります。 光の反射によって方向感覚を失い、植物に近づけなくなるのです。特に、野菜などを育てる際には非常に効果的な方法です。
防虫ネットで物理的に防ぐ
最も確実な予防法の一つが、防虫ネットで植物全体を覆ってしまうことです。 目の細かいネットをトンネル状にかけることで、飛んでくるアブラムシの侵入を物理的に防ぐことができます。
特に、アブラムシがつきやすい葉物野菜などを育てる際にはおすすめです。ただし、ネットをかける際にすでにアブラムシが中にいないか、しっかりと確認してから設置しましょう。
窒素肥料の与えすぎに注意する
植物の成長に欠かせない肥料ですが、与え方には注意が必要です。特に、窒素(チッソ)成分の多い肥料を与えすぎると、アブラムシを呼び寄せる原因になります。
窒素分が多いと、植物の体内でアブラムシの好物であるアミノ酸が過剰に作られてしまいます。 その結果、葉が柔らかく、栄養満点になり、アブラムシにとって魅力的なエサとなってしまうのです。肥料は規定量を守り、適切に与えることが大切です。
風通しを良くして発生しにくい環境を作る
アブラムシは、日当たりが悪く、風通しの悪いジメジメした環境を好みます。 植物の葉が密集していたり、枝が混み合っていたりすると、アブラムシにとって絶好の隠れ家になってしまいます。
定期的に剪定を行って枝葉の風通しを良くし、株元まで日光が当たるように心がけましょう。 これだけでも、アブラムシが発生しにくい環境を作ることができます。
天敵(テントウムシなど)を味方につける
自然界には、アブラムシを食べてくれる心強い味方がいます。その代表格がテントウムシです。テントウムシの成虫や幼虫は、アブラムシを大好物としており、1日に何十匹も食べてくれます。
他にも、ヒラタアブの幼虫やクサカゲロウの幼虫、アブラバチなどもアブラムシの天敵です。 殺虫剤を使いすぎると、これらの益虫まで殺してしまう可能性があります。天敵が活動しやすい環境を整えることも、長期的なアブラムシ対策につながります。
コンパニオンプランツを活用する
コンパニオンプランツとは、一緒に植えることでお互いに良い影響を与え合う植物のことです。アブラムシ対策としては、アブラムシが嫌う香りを放つハーブ類を近くに植えるのが効果的です。
例えば、ミント、セージ、ローズマリー、マリーゴールドなどは、その強い香りでアブラムシを遠ざける効果が期待できます。 育てたい植物の周りにこれらのハーブを植えて、自然の力でアブラムシを防ぎましょう。
予防効果のある薬剤を散布する
手軽に予防したい場合は、市販の予防スプレーを利用するのも一つの手です。 アブラムシが嫌う成分が入ったスプレーを定期的に散布することで、寄せ付けない効果が期待できます。
また、植え付け時に土に混ぜ込むタイプの粒剤もあります。 これは「浸透移行性」と呼ばれ、薬剤の成分が根から吸収されて植物全体に行き渡り、植物の汁を吸ったアブラムシを駆除する仕組みです。 効果が長期間持続するものが多く、手間をかけずに予防したい方におすすめです。
もう困らない!発生してしまったアブラムシの駆除方法

予防策を講じていても、いつの間にかアブラムシが発生してしまうことはあります。大切なのは、発見したらすぐに対処し、被害が広がる前に駆除することです。アブラムシの数や状況に応じて、適切な駆除方法を選びましょう。
ここでは、発生初期に手軽にできる方法から、大量発生してしまった場合の本格的な駆除方法まで、具体的なやり方をご紹介します。
- 【発生初期】薬剤を使わない手軽な駆除方法
- 【大量発生時】効果的な殺虫剤の使い方
【発生初期】薬剤を使わない手軽な駆除方法
アブラムシの数がまだ少ない発生初期であれば、薬剤を使わずに駆除することも可能です。 家庭にあるものや、体への影響が少ない方法で対処したい方におすすめです。
テープで貼り取る
最も手軽なのが、粘着テープを使ってアブラムシを貼り付けて取り除く方法です。 セロハンテープやガムテープなどを指に巻きつけ、アブラムシがいる場所にペタペタと軽く押し当てて捕殺します。
ただし、粘着力が強すぎると植物の葉や茎を傷つけてしまう可能性があるので、粘着力の弱いテープを選ぶか、一度手などに貼って粘着力を少し落としてから使うと良いでしょう。
水で洗い流す
ホースのシャワーや霧吹きを使って、強い水流でアブラムシを洗い流すのも効果的です。 アブラムシは水に弱く、強い水圧で簡単に植物から剥がれ落ちます。特に葉の裏にびっしりついている場合に有効です。
ただし、水の勢いが強すぎると植物を傷める原因になるので、水圧を調整しながら行いましょう。洗い流したアブラムシが地面で生き残り、再び植物に登ってくることもあるため、定期的に行うことが大切です。
牛乳や石鹸水スプレー
牛乳や石鹸水を薄めたものをスプレーで吹きかける方法もあります。牛乳や石鹸水が乾く際に膜を作り、アブラムシの気門(呼吸するための穴)を塞いで窒息させる効果があります。
スプレーした後は、牛乳の腐敗や石鹸成分が植物に残るのを防ぐため、しばらくしてから水でしっかりと洗い流すようにしてください。
重曹スプレー
食用にも使われる重曹もアブラムシ駆除に利用できます。 水500mlに対し、重曹小さじ1杯程度をよく溶かしてスプレーボトルに入れ、アブラムシに直接吹きかけます。 重曹がアブラムシの体に作用して駆除する効果が期待できます。こちらも使用後は水で洗い流すのがおすすめです。
【大量発生時】効果的な殺虫剤の使い方
アブラムシが大量に発生してしまい、手作業での駆除が追いつかない場合は、園芸用の殺虫剤を使用するのが最も手軽で確実です。 殺虫剤には様々なタイプがあるので、用途に合わせて選びましょう。
スプレータイプの殺虫剤
見つけたアブラムシに直接吹きかけて駆除するタイプです。 速効性が高く、すぐに効果を実感したい場合に適しています。葉の裏など、アブラムシが潜んでいる場所にもしっかりと薬剤がかかるように散布するのがコツです。
製品によっては、殺虫効果だけでなく、病気の予防も同時にできるものや、アブラムシを寄せ付けない予防効果が持続するものもあります。
粒剤タイプの殺虫剤(浸透移行性)
植物の株元にまくタイプの殺虫剤です。 薬剤の成分が根から吸収されて植物全体に行き渡り、その植物の汁を吸ったアブラムシを内側から駆除します。
効果が現れるまでに少し時間がかかりますが、効果の持続期間が長いのが特徴です。 葉の裏など、スプレーが届きにくい場所にいるアブラムシにも効果を発揮します。植え付け時や、発生初期に使うと高い予防効果も期待できます。
薬剤選びのポイントと注意点
殺虫剤を選ぶ際は、必ず対象の植物(野菜、花、庭木など)に使用できるかを確認してください。特に野菜や果物など、口にする植物に使う場合は、収穫前日まで使用できるかなど、使用時期の制限を必ずラベルで確認しましょう。
また、同じ薬剤を使い続けると、アブラムシに薬剤抵抗性がついて効きにくくなることがあります。 異なる系統の薬剤をいくつか用意し、ローテーションで使用するのがおすすめです。
室内でアブラムシが飛んでいる場合の対策

屋外だけでなく、室内の観葉植物にアブラムシが発生し、小さな虫が飛んでいるのを見つけて不快に感じたことはありませんか?室内は天敵がおらず、アブラムシにとって繁殖しやすい環境のため、一度発生するとあっという間に増えてしまうことがあります。
ここでは、室内でアブラムシが飛んでいる場合の原因と、具体的な対策について解説します。
- 室内への侵入経路と原因
- 室内での駆除方法
- 観葉植物の管理方法
室内への侵入経路と原因
室内でアブラムシが発生する主な原因は、外部からの侵入です。考えられる経路はいくつかあります。
- 窓や網戸の隙間: アブラムシは非常に小さいため、わずかな隙間からでも侵入します。
- 人やペットへの付着: 外出した際に、衣類や髪、ペットの毛などに付着して室内に持ち込まれることがあります。
- 購入した植物: 新しく購入した観葉植物や花に、最初から卵や幼虫が付着していたケースも多いです。
- 換気扇: 換気扇の隙間から侵入することもあります。
また、室内の環境も発生を助長する要因となります。特に、風通しが悪く、日当たりの良くない場所はアブラムシが好むため、注意が必要です。
室内での駆除方法
室内でアブラムシを見つけたら、屋外と同様に早めの駆除が肝心です。しかし、室内では薬剤の使用に抵抗がある方も多いでしょう。
まずは、薬剤を使わない方法を試してみましょう。
- テープで取る: 粘着テープでペタペタと取り除くのが、手軽で確実です。
- 水で洗い流す: 植物を浴室やベランダに運び、シャワーで優しく洗い流します。
- 拭き取る: 湿らせた布やティッシュで、葉の裏などを優しく拭き取ります。
- 食品成分のスプレー: お酢やでんぷんなどを主成分とした、室内でも安心して使える市販のスプレーを利用するのも良いでしょう。
もし大量に発生してしまった場合は、ベランダなど屋外で園芸用の殺虫剤を使用し、薬剤が乾いてから室内に戻すようにしましょう。その際は、製品の注意書きをよく読んで正しく使用してください。
観葉植物の管理方法
室内でのアブラムシの発生を防ぐには、日頃の観葉植物の管理が重要です。
- 風通しを良くする: 定期的に窓を開けて換気し、空気がよどまないようにします。 植物同士の間隔をあけて置くのも効果的です。
- 葉水(はみず)を与える: 霧吹きで葉に水をかける「葉水」をこまめに行うと、乾燥を防ぎ、アブラムシの発生を抑制できます。
- 定期的にチェックする: 水やりの際に、葉の裏や新芽の部分をよく観察する習慣をつけましょう。早期発見が被害を最小限に抑えるコツです。
- 肥料の与えすぎに注意: 屋外と同様に、窒素分の多い肥料の与えすぎはアブラムシを呼び寄せます。 適量を守りましょう。
新しい植物を室内に持ち込む際は、すぐに他の植物の隣に置かず、数日間は別の場所で様子を見て、アブラムシがいないことを確認してから定位置に置くとより安心です。
よくある質問

アブラムシが好きな植物は何ですか?
アブラムシは非常に多くの種類の植物に寄生しますが、特に好むのは柔らかい新芽や若葉、つぼみがある植物です。 具体的には、以下のような植物が被害に遭いやすいです。
- 野菜: キュウリ、ナス、トマト、ピーマン、キャベツ、ダイコン、ジャガイモなど
- 花: バラ、キク、ハイビスカス、パンジー、ビオラなど
- 果樹: ウメ、サクラ、モモ、柑橘類など
- 庭木: カエデ、ツバキなど
特に、モモアカアブラムシやワタアブラムシといった種類は、非常に広範囲の植物に寄生することが知られています。
アブラムシを放置するとどうなりますか?
アブラムシを放置すると、植物に様々な悪影響が出ます。
- 生育阻害: 大量のアブラムシに汁を吸われることで、植物の栄養が奪われ、成長が悪くなったり、最悪の場合枯れてしまったりします。
- ウイルス病の媒介: アブラムシは、植物から植物へウイルス病を媒介します。 一度ウイルス病に感染すると治療法はなく、株ごと処分するしかありません。
- すす病の発生: アブラムシの排泄物(甘露)にカビが発生し、葉や茎が黒いすすで覆われたようになる「すす病」を引き起こします。 これにより光合成が妨げられ、植物が弱ってしまいます。
- アリを呼び寄せる: アブラムシの甘い排泄物を求めてアリが集まってきます。 アリはアブラムシの天敵を追い払うため、結果的にアブラムシの繁殖を助けてしまいます。
アブラムシの天敵は何ですか?
アブラムシには多くの天敵がいます。これらの益虫を味方につけることは、薬剤に頼らない害虫管理につながります。
- テントウムシ: 成虫も幼虫もアブラムシを捕食します。特にナナホシテントウやナミテントウが有名です。
- ヒラタアブ: 幼虫がアブラムシを捕食します。成虫は花の蜜を吸うため、見た目はハチに似ています。
- クサカゲロウ: 幼虫が「アリジゴク」のように旺盛な食欲でアブラムシを食べます。
- アブラバチ: アブラムシの体に卵を産み付け、内部から幼虫が食べて成長する寄生蜂です。
重曹はアブラムシに効きますか?
はい、重曹はアブラムシの駆除に効果が期待できます。 水に溶かした重曹水をスプレーすることで、アブラムシを駆除することができます。作り方は、水500mlに対して重曹を小さじ1杯程度混ぜるのが一般的です。
ただし、濃度が濃すぎると植物に害を与える可能性があるため、注意が必要です。使用後は水で洗い流すことをおすすめします。大量発生した場合は、殺虫剤ほどの即効性や持続性はないため、発生初期の対策として利用するのが良いでしょう。
木酢液の効果は?
木酢液(もくさくえき)は、木炭を作る際に出る煙を冷却して液体にしたもので、独特の燻製のような香りがあります。この香りをアブラムシが嫌うため、忌避(きひ)効果が期待できます。
殺虫効果は直接的にはありませんが、定期的に薄めた木酢液を散布することで、アブラムシを寄せ付けにくくする予防策として有効です。また、土壌改良効果や植物の生育を促進する効果もあるとされています。 使用する際は、必ず規定の倍率に薄めてから使いましょう。
まとめ

- アブラムシが飛ぶのは主に春(4~6月)と秋(9~10月)。
- 気温が15~25℃で、植物の新芽が出る時期に活発化する。
- 生息環境が悪化すると、新天地を求め羽のある個体が生まれる。
- 主な侵入経路は、風に乗っての飛来や購入した苗への付着。
- 予防にはシルバーマルチや防虫ネットが物理的に効果的。
- 窒素肥料の与えすぎはアブラムシを呼び寄せる原因になる。
- 風通しを良くし、日当たりの良い環境を保つことが重要。
- 天敵のテントウムシや、香りの強いハーブ類も予防に役立つ。
- 発生初期はテープや水、牛乳スプレーなどで駆除できる。
- 大量発生時は殺虫剤が手軽で確実な方法。
- 殺虫剤は対象植物や使用時期を確認して正しく使うこと。
- 同じ薬剤の連続使用は避け、ローテーションがおすすめ。
- 室内では換気や葉水で発生を予防し、早期発見が大切。
- 放置するとウイルス病や、すす病の原因となり植物が弱る。
- 木酢液や重曹も、予防や初期駆除に活用できる。