大切に育ててきた野菜の苗が、ある朝突然、根元からポッキリと折れていた…。そんな悲しい経験はありませんか?その犯人は、土の中に潜む厄介な害虫「ネキリムシ」かもしれません。夜行性で日中は姿が見えないため、気づいた時には被害が広がっていることも少なくありません。しかし、ご安心ください。ネキリムシの発生には必ず原因があります。本記事では、ネキリムシの発生原因を徹底的に解明し、農薬に頼らない方法から効果的な薬剤まで、具体的な駆除・予防策を詳しく解説します。原因を正しく理解し、適切な対策を講じることで、あなたの菜園をネキリムシの被害から守り抜きましょう。
突然苗がポッキリ…その犯人、ネキリムシの仕業かも?

朝、畑やプランターを見に行って、元気だったはずの苗が根元から切られたように倒れていたら、それはネキリムシによる被害の可能性が非常に高いです。彼らはその名の通り、植物の根元を切り倒す厄介な存在。まずは、この見えない敵の正体と、よく似た害虫との違いをしっかり把握しましょう。
この章では、以下の点について解説します。
- ネキリムシの正体と生態
- ネキリムシの被害の特徴
- よく似た害虫「ヨトウムシ」との違い
ネキリムシの正体は「ヤガ(夜蛾)」の幼虫
ネキリムシとは、カブラヤガやタマナヤガといった「ヤガ(夜蛾)」という種類のガの幼虫の総称です。 成虫であるガが野菜の葉や地面近くの茎に卵を産み付け、そこから孵化した幼虫がネキリムシとなります。 若い幼虫は葉を食べますが、成長するにつれて地中に潜むようになり、夜になると地上に出てきて活動します。 彼らの最も特徴的な行動が、植物の地際部の茎をかじり、食い切ってしまうことです。 この行動から「根切虫(ネキリムシ)」と呼ばれていますが、実際に根を主食にしているわけではありません。
体長は4cmほどで、色は灰色や褐色系のものが多く、ずんぐりとしたイモムシ状の姿をしています。 昼間は土の中に数cm潜って隠れているため、被害が出ても犯人の姿が見えないことが多いのが特徴です。
ネキリムシの被害の特徴
ネキリムシの被害は非常に分かりやすい特徴があります。それは、苗の地際部がスパッと切られたように倒れていることです。 まるで小さな斧で切り倒されたかのような被害跡は、ネキリムシの仕業であると判断する大きなポイントになります。特に、植え付けたばかりの若い苗は茎が柔らかいため、格好の標的となります。 被害は夜間に発生し、一晩で複数の苗が被害に遭うことも珍しくありません。
被害を受けた株の周りの土を少し掘り返してみると、丸まったネキリムシの幼虫が見つかることがよくあります。 もし、あなたの菜園でこのような被害が見られたら、すぐに土の中を確認してみましょう。
よく似た害虫「ヨトウムシ」との違い
ネキリムシとよく混同される害虫に「ヨトウムシ」がいます。ヨトウムシも同じくヤガの幼虫で夜行性のため、「夜盗虫」と書きます。 しかし、被害の出方に明確な違いがあります。
ネキリムシが苗の茎を「切断」するのに対し、ヨトウムシは主に葉を「食害」します。 ヨトウムシは集団で発生することが多く、葉脈を残して葉を食べ尽くし、ボロボロにしてしまうのが特徴です。 一方、ネキリムシは単独で行動し、株元を狙って致命的なダメージを与えます。 見た目も似ていますが、被害の状況を見れば、どちらの害虫によるものか判断することができます。
以下の表に、ネキリムシとヨトウムシの主な違いをまとめました。
項目 | ネキリムシ | ヨトウムシ |
---|---|---|
主な被害場所 | 苗の地際部の茎 | 葉、実、茎など広範囲 |
被害の様子 | 茎が切断され、株が倒れる | 葉が食べられ、穴が開いたり葉脈だけになったりする |
行動 | 単独で行動することが多い | 集団で発生することが多い |
主な潜伏場所 | 昼間は土の中 | 昼間は葉裏や株元、土の中 |
なぜ発生する?ネキリムシの主な原因5つ

ネキリムシの被害を防ぐためには、まず「なぜ発生するのか」という原因を知ることが不可欠です。彼らが好む環境を理解し、その環境を作らないようにすることが、最も効果的な予防策につながります。ここでは、ネキリムシが発生する主な原因を5つに絞って詳しく解説します。
この章で解説する主な原因は以下の通りです。
- 原因1: 雑草の放置
- 原因2: 未熟な堆肥や有機物の使用
- 原因3: 連作
- 原因4: 水はけの悪い土壌
- 原因5: 成虫(ガ)の飛来と産卵
原因1: 雑草の放置
最も大きな原因の一つが、畑やその周りの雑草です。 ネキリムシの成虫であるヤガは、雑草が生い茂っている場所に好んで卵を産み付けます。 雑草は幼虫にとって格好の隠れ家であり、初期の食料にもなります。特に、畑の周りにギシギシなどの雑草が多いと、そこで育った幼虫が畑に侵入してくる可能性が高まります。
また、植え付け前に畑を耕す際、雑草を土にすき込んでしまうと、土の中に残った雑草の根や茎がネキリムシの餌となり、生き残る手助けをしてしまうことがあります。畑の中だけでなく、周囲の雑草管理を徹底することが、ネキリムシの発生を抑える第一歩です。
原因2: 未熟な堆肥や有機物の使用
土作りは野菜栽培の基本ですが、使用する有機物の状態によっては、かえってネキリムシを呼び寄せる原因になることがあります。特に、十分に発酵・分解していない「未熟な」堆肥や米ぬか、油かすなどを土に混ぜ込むと、それがネキリムシの産卵場所や餌になる可能性があります。
未熟な有機物は土の中で発酵を続ける過程で特定の匂いを発生させ、それが成虫であるガを引き寄せてしまうのです。 また、コガネムシの幼虫なども同様に未熟な有機物を好むため、土壌環境の悪化にもつながります。堆肥などを使用する際は、必ず完熟したものを選ぶようにしましょう。完熟堆肥は匂いが少なく、さらさらしているのが特徴です。
原因3: 連作
同じ場所で同じ科の野菜を続けて栽培する「連作」も、ネキリムシの発生原因の一つです。 特定の野菜を好むネキリムシが、その場所に定着しやすくなるからです。前年にネキリムシの被害があった畑で、対策をせずに同じ作物を植えると、土の中で越冬した幼虫や蛹が春に活動を再開し、再び大きな被害をもたらすことがあります。
キャベツやハクサイなどのアブラナ科、トマトやナスなどのナス科の野菜は特にネキリムシの被害に遭いやすいため、連作は避けるのが賢明です。 異なる科の野菜を順番に育てる「輪作」を取り入れることで、土の中の特定の害虫密度が高まるのを防ぎ、土壌のバランスを保つことができます。
原因4: 水はけの悪い土壌
ネキリムシは、湿った土壌を好む傾向があります。 水はけが悪く、ジメジメした土壌は、彼らにとって快適な住処となります。過剰な水やりや、粘土質で水がたまりやすい土壌は、ネキリムシが活動しやすく、また産卵場所としても選ばれやすい環境です。
水はけを良くするためには、畑に畝(うね)を立てて栽培する、腐葉土や堆肥などの土壌改良材を混ぜ込んで土をふかふかにする、といった対策が有効です。適切な土壌管理は、ネキリムシだけでなく、多くの土壌病害を防ぐ上でも非常に重要になります。
原因5: 成虫(ガ)の飛来と産卵
根本的な原因は、成虫であるヤガがどこかから飛んできて、あなたの畑に卵を産み付けることです。 周囲に雑草地や耕作放棄地などがあると、そこが発生源となり、夜間に飛来してきます。 特に、春(4月~6月)と秋(9月~11月)は成虫の活動が活発になる時期で、産卵のピークと重なります。
周囲に発生源がない場合、野菜の株そのものに集中的に産卵されることもあります。 成虫の飛来を完全に防ぐことは難しいですが、後述する防虫ネットなどの物理的な対策を講じることで、産卵のリスクを大幅に減らすことが可能です。
見つけたら即実行!ネキリムシの駆除方法

ネキリムシの被害を見つけたら、被害の拡大を防ぐために迅速な対応が求められます。幸い、ネキリムシは薬剤を使わなくても駆除する方法がありますし、より効果的に退治するための農薬も存在します。ここでは、状況に応じた駆-除方法を具体的に紹介します。
この章で紹介する駆除方法は以下の通りです。
- 農薬を使わない駆除方法
- 農薬を使った効果的な駆除方法
農薬を使わない駆除方法
できるだけ農薬を使いたくない、という方でも実践できる手軽な駆除方法があります。手間はかかりますが、見つけた時の達成感は格別です。
夜間の捕殺
最も確実で原始的な方法が、夜間に探し出して捕殺することです。 ネキリムシは夜行性なので、夜8時以降に懐中電灯を持って畑を見回りましょう。 被害にあった株の周りや、元気な苗の根元で食事中のネキリムシを見つけることができます。見つけ次第、割り箸などで捕まえて駆除します。昼間に探すよりも効率的に見つけることができます。
被害株周辺を掘って探す
昼間に駆除作業を行う場合は、被害にあった株の周りの土を優しく掘り返してみましょう。 ネキリムシは、食害した株の近くの土中(深さ数cm程度)に潜んでいることがほとんどです。 土を少しずつ掘り進めると、丸まった状態の幼虫が見つかるはずです。見つけたら、手で取り除いて処分しましょう。1匹見つけたら、近くにまだいる可能性も考えて、周辺も探してみることをおすすめします。
米ぬかトラップ
米ぬかを使ったおびき出し作戦も有効です。米ぬかはネキリムシの好物の一つで、その匂いで土の中から誘い出すことができます。使い方は簡単で、米ぬかを水で軽く湿らせて、夕方に株元や畝の間に撒いておくだけです。夜になると、匂いにつられてネキリムシが集まってくるので、そこを捕殺します。農薬と混ぜて効果を高める方法もありますが、米ぬか単体でもおびき寄せる効果が期待できます。
農薬を使った効果的な駆除方法
被害が広範囲に及んでいたり、手作業での駆除が難しい場合には、農薬の使用が効果的です。ネキリムシに特化した薬剤が市販されており、正しく使えば高い効果を発揮します。
粒剤タイプの農薬(ダイアジノン粒剤など)
植え付け前や植え付け時に土に混ぜ込むタイプの農薬です。 代表的なものに「ダイアジノン粒剤」などがあります。 土の中に薬剤の層を作ることで、土中のネキリムシや他の害虫を駆除し、長期間にわたって効果が持続するのが特徴です。作付け前に畑全体に散布して土とよく混ぜ合わせる方法や、植え穴の底に少量施す方法があります。予防効果が非常に高いので、毎年被害に悩まされている畑には特におすすめです。
誘引殺虫剤タイプの農薬(ネキリベイトなど)
ネキリムシを誘い出して食べさせて駆除する、ベイト剤(毒餌剤)と呼ばれるタイプの農薬です。 「ネキリベイト」や「ガードベイトA」といった商品が有名です。 ペレット状になっており、夕方に株元や畝間にパラパラと撒くだけで手軽に使用できます。 夜間に活動を始めたネキリムシがこのベイト剤を食べ、死に至ります。発生してからの駆除に即効性があり、被害の拡大をすぐに食い止めたい場合に有効です。
農薬を使用する際の注意点
農薬を使用する際は、必ず商品のラベルに記載されている使用方法、使用量、対象作物を守ってください。 間違った使い方をすると、作物に悪影響が出たり、効果が十分に得られなかったりする可能性があります。また、散布する際はマスクや手袋を着用し、作業後は手洗いうがいを徹底するなど、安全対策を怠らないようにしましょう。
もう発生させない!今日からできるネキリムシの徹底予防策

ネキリムシの被害を一度経験すると、二度とあんな思いはしたくないと強く思うはずです。駆除も大切ですが、それ以上に重要なのが「発生させない」ための予防策です。日頃の畑の管理を見直すことで、ネキリムシが寄り付きにくい環境を作ることができます。ここでは、今日から実践できる徹底的な予防策を紹介します。
この章で紹介する予防策は以下の通りです。
- 植え付け前の土壌準備
- 植え付け時の物理的ガード
- 環境を整える
植え付け前の土壌準備
野菜を植え付ける前の準備段階で、ネキリムシの発生リスクを大幅に減らすことができます。土作りは全ての基本です。
深く耕して幼虫・蛹を駆除
植え付けの1〜2週間前に、畑を深く耕しましょう。 土を掘り返して空気にさらすことで、土の中に潜んでいる幼虫や蛹(さなぎ)を地表に露出し、乾燥や鳥などの天敵に狙わせることができます。特に、前年に被害があった場所は念入りに行うと効果的です。このひと手間で、越冬したネキリムシの数を減らすことができます。
雑草を徹底的に除去
前述の通り、雑草はネキリムシの温床です。 植え付け前には、畑の中はもちろん、周囲の雑草もきれいに取り除いておきましょう。特に、根が残らないようにしっかりと抜き取ることが重要です。雑草がないクリーンな環境は、成虫が産卵場所として魅力を感じにくくなります。
完熟堆肥の使用
土作りに堆肥を使う際は、必ず「完熟」したものを選びましょう。 未熟な堆肥はネキリムシの成虫を引き寄せる原因になります。 完熟堆肥は、さらさらとしていて不快な臭いがなく、土壌の物理性を改善し、有益な微生物を増やす効果も期待できます。良い土は、病害虫に強い健康な野菜を育てます。
植え付け時の物理的ガード
植え付けの際に少し工夫するだけで、ネキリムシの食害から苗を物理的に守ることができます。非常に効果的な方法です。
苗ガード(ストロー、筒など)
植え付けた苗の地際の茎を、筒状のものでガードする方法です。 トイレットペーパーの芯を3cm程度の長さに切ったものや、飲み口の太いストロー、ペットボトルを輪切りにしたものなどを苗の周りに差し込むだけで、ネキリムシが茎に到達するのを防ぐことができます。 簡単ですが、絶大な効果を発揮する予防策なので、ぜひ試してみてください。
防虫ネットの活用
成虫であるヤガの飛来と産卵を防ぐためには、防虫ネットが非常に有効です。 畝全体をトンネル状に防虫ネットで覆うことで、物理的にガの侵入を防ぎます。ネットの目が細かいものを選び、裾に土をかぶせるなどして隙間ができないようにしっかりと設置することがポイントです。ネキリムシだけでなく、アオムシやコナガなど他の害虫対策にもなるため、一石二鳥の方法です。
環境を整える
日々のちょっとした心がけで、ネキリムシが嫌う環境を作り出すことができます。
コーヒーかすの利用(忌避効果)
コーヒーかすには、ネキリムシを遠ざける忌避(きひ)効果があると言われています。 コーヒーに含まれるカフェインや独特の香りをネキリムシが嫌うためです。よく乾燥させたコーヒーかすを、株元や畝の周りに撒くことで、予防効果が期待できます。 ただし、殺虫効果はないため、あくまで寄り付きにくくするための対策と捉えましょう。 また、湿ったまま撒くとカビの原因になるので、必ず乾燥させてから使用してください。
天敵を呼び込む環境づくり
ネキリムシには、カエルや鳥、クモ、ゴミムシといった天敵が存在します。 畑の周りに彼らが住みやすい環境を整えることも、長期的な害虫管理につながります。例えば、近くに草むらや水辺を少し残しておく、殺虫剤の使用を最小限に抑えるといった配慮で、天敵が自然と集まり、害虫の数をコントロールしてくれるようになります。
ネキリムシに狙われやすい野菜と注意点

ネキリムシは雑食性で多くの植物を食害しますが、特に被害に遭いやすい、好物の野菜が存在します。 ご自身が育てている、あるいはこれから育てようとしている野菜が狙われやすいかどうかを知っておくことは、重点的に対策を講じる上で非常に重要です。ここでは、特に注意が必要な野菜のグループと、その理由について解説します。
この章で紹介する狙われやすい野菜は以下の通りです。
- 特に注意したいアブラナ科の野菜
- 被害が多いナス科の野菜
- 豆類の野菜も油断禁物
- その他、注意が必要な野菜
特に注意したいアブラナ科の野菜
キャベツ、ハクサイ、ブロッコリー、ダイコン、カブといったアブラナ科の野菜は、ネキリムシの大好物として知られています。 これらの野菜は、比較的茎が柔らかく、特に植え付け直後の苗の時期はネキリムシにとって格好の標的となります。アブラナ科の野菜を栽培する際は、植え付け時の苗ガードや、定植前の土壌消毒、防虫ネットの利用など、入念な予防策を講じることを強くおすすめします。
特にキャベツやレタスなどの結球する野菜は、一度芯を食害されると正常に結球しなくなり、収穫が絶望的になることもあります。早期の対策が収穫を左右すると言っても過言ではありません。
被害が多いナス科の野菜
トマト、ナス、ピーマン、ジャガイモなどのナス科の野菜も、ネキリムシによる被害が多発する品目です。 これらの野菜も、定植後の若い苗の時期が最も危険です。ある程度生育して茎が硬く(木質化)なれば被害は受けにくくなりますが、油断は禁物です。ジャガイモの場合、地中のイモ自体が食害されることは稀ですが、地上に出たばかりの若い芽が切られてしまうことがあります。
ナス科野菜は比較的栽培期間が長いものが多いですが、被害は初期に集中します。スタートダッシュでつまずかないためにも、植え付け時の予防を徹底しましょう。
豆類の野菜も油断禁物
エダマメ、インゲン、ソラマメなどの豆類もネキリムシの被害を受けやすい野菜です。 発芽したばかりの双葉や、本葉が出始めた頃の若い茎が狙われます。豆類は直播き(畑に直接タネをまく)することも多いですが、発芽直後の最も無防備な時期にやられてしまうと、欠株だらけになってしまいます。
対策としては、少し多めにタネをまいて間引くことを前提にするか、ポットで苗をある程度大きく育ててから畑に定植する方法が有効です。 ポット育苗であれば、畑に植えるまでの間、ネキリムシの被害から守ることができます。
その他、注意が必要な野菜
上記の科以外にも、多くの野菜がネキリムシのターゲットになります。例えば、以下のような野菜も注意が必要です。
- レタス、ホウレンソウ、シュンギクなどの葉物野菜
- トウモロコシ、ネギ、タマネギ
- ニンジン、ゴボウなどの根菜類
- スイカ、キュウリなどのウリ科野菜
基本的に、植え付け直後の柔らかい苗は、どんな野菜であってもネキリムシの被害に遭う可能性があると認識しておくことが大切です。 自分の畑でどの野菜を育てるにしても、基本的な予防策である「雑草管理」「適切な土作り」「物理的ガード」を怠らないようにしましょう。
よくある質問

Q. ネキリムシの天敵は何ですか?
A. ネキリムシの天敵には、鳥類(スズメ、ムクドリなど)、カエル、アシダカグモ、ゴミムシなどがいます。 また、土壌中には昆虫に寄生する微生物(天敵製剤として利用されるものもある)も存在します。 畑の生物多様性を豊かに保ち、農薬の使用を最小限にすることで、これらの天敵が活動しやすい環境を作ることが、ネキリムシの数を自然に抑制することにつながります。
Q. ネキリムシにコーヒーかすは効きますか?
A. コーヒーかすには、ネキリムシを寄せ付けにくくする忌避効果が期待できます。 これはコーヒーに含まれるカフェインやその独特の香りをネキリムシが嫌うためと言われています。ただし、殺虫効果はないため、すでに発生しているネキリムシを駆除する力はありません。 あくまで予防策の一つとして、よく乾燥させたものを株元に撒いて利用するのがおすすめです。
Q. ネキリムシとヨトウムシの違いは何ですか?
A. 最も大きな違いは被害の出方です。 ネキリムシは主に苗の地際部の茎を「切断」し、株を倒してしまいます。 一方、ヨトウムシは葉を食べる「食害」が中心で、葉が穴だらけになったり、葉脈だけが残ったりします。 ネキリムシは単独で行動することが多いのに対し、ヨトウムシは集団で発生することが多いという違いもあります。
Q. ネキリムシの発生時期はいつですか?
A. ネキリムシの主な活動時期は、春(4月~6月)と秋(9月~11月)です。 この時期は成虫であるヤガの産卵期と重なり、幼虫による被害が最も多くなります。温暖な地域では冬でも活動することがあり、年に2~4回発生します。 特に、野菜の植え付け時期と重なるため、定植直後の苗は厳重な注意が必要です。
Q. ネキリムシに米ぬかはどう使いますか?
A. 米ぬかはネキリムシの好物なので、おびき寄せるための「トラップ」として利用できます。夕方に、米ぬかを水で軽く湿らせて団子状にし、株元や畝間に置いておきます。夜になると、その匂いに誘われて土の中からネキリムシが出てくるので、そこを捕殺します。農薬のベイト剤と混ぜて使うと、より誘引効果が高まるとも言われています。
まとめ

- ネキリムシはヤガ(夜蛾)の幼虫の総称です。
- 夜間に活動し、苗の地際部を切り倒すのが特徴です。
- 主な発生原因は雑草の放置です。
- 未熟な堆肥の使用も発生原因の一つになります。
- 連作や水はけの悪い土壌も好む環境です。
- 成虫(ガ)の飛来と産卵が根本的な原因です。
- 駆除は夜間の捕殺や土を掘って探すのが基本です。
- 農薬では粒剤や誘引殺虫剤が効果的です。
- 予防には植え付け前の土壌管理が重要です。
- 雑草を徹底的に除去し、完熟堆肥を使いましょう。
- 苗ガードや防虫ネットによる物理的防御は効果絶大です。
- コーヒーかすには忌避効果が期待できます。
- アブラナ科やナス科の野菜は特に狙われやすいです。
- ヨトウムシとの違いは被害の出方で見分けます。
- 発生時期は春と秋がピークです。