北海道のご自宅や庭で、ムカデのように足がたくさんある虫を見つけて、思わず「ヒヤッ」とした経験はありませんか?「もしかして、これってムカデ?」「北海道にムカデなんているの?」「刺されたらどうしよう…」そんな不安で頭がいっぱいになってしまいますよね。そのお気持ち、とてもよく分かります。でも、ご安心ください。その虫、もしかしたらムカデではないかもしれません。本記事では、北海道で目撃されるムカデのような虫の正体を突き止め、それぞれの特徴や見分け方、そして万が一の時のための安全な対処法から予防策まで、詳しく解説していきます。
北海道で見るムカデのような虫の正体はこれ!

北海道で「ムカデかもしれない」と不安にさせる虫の正体は、多くの場合「ゲジゲジ」か「ヤスデ」であることがほとんどです。まずは、下の写真を見比べて、あなたが見かけた虫がどれに近いか確認してみてください。
ムカデ、ゲジゲジ、ヤスデは、足がたくさんあるという共通点から混同されがちですが、実は生態も危険性も全く異なります。見た目の第一印象で慌ててしまう前に、それぞれの特徴を知ることが、冷静な対処への第一歩です。
本記事で詳しく解説していく内容は以下の通りです。
- そもそも北海道にムカデはいるのか?
- 【写真で比較】ムカデ?ゲジゲジ?ヤスデ?見分け方完全ガイド
- 注意!ムカデに似た危険な虫「やけど虫(アオバアリガタハネカクシ)」
- 【虫別】シーンに合わせた正しい駆除・対策方法
- 自分での駆除は難しい…北海道で頼れる害虫駆除業者
これらの情報を読み進めることで、あなたの不安はきっと解消されるはずです。
そもそも北海道にムカデはいるの?

「北海道にはムカデはいない」という話を、一度は聞いたことがあるかもしれません。しかし、残念ながらその話は俗説で、実際には北海道にもムカデは生息しています。 とはいえ、本州などで見かける大型のムカデに比べると種類や個体数は少なく、目撃される頻度はそこまで高くありません。
北海道で主に確認されているのは「セスジアカムカデ」という種類で、体長は4~7cm程度とムカデの中では比較的小型です。 咬まれた場合の痛みもそれほど強くはないとされていますが、体質によっては腫れることもあるため油断は禁物です。
また、2021年には帯広市で、それまで日本では北方領土でしか確認されていなかった「オオチャイロイシムカデ」という種類が日本本土で初めて発見され、話題となりました。 このように、数は少ないながらも北海道にはムカデが生息しているのが事実です。しかし、家の中などで遭遇する「ムカデのような虫」の多くは、次にご紹介する別の虫である可能性が高いのです。
【写真で比較】ムカデ?ゲジゲジ?ヤスデ?見分け方完全ガイド

ムカデ、ゲジゲジ、ヤスデは、見た目が似ているため見分けるのが難しいと感じるかもしれません。しかし、いくつかのポイントを押さえれば、誰でも簡単に見分けることができます。ここでは、それぞれの特徴を写真と共に詳しく解説します。
ムカデの特徴:平たくて攻撃的
まず、最も警戒すべきがムカデです。体は平べったい形状をしており、1つの体の節から1対(左右1本ずつ)の脚が生えているのが最大の特徴です。 動きは非常に素早く、攻撃性が高いことでも知られています。刺激を与えると積極的に咬みついてくることがあり、毒を持っているため注意が必要です。
- 見た目:光沢のある平たい体。頭部に毒アゴがある。
- 脚:1つの節から1対の脚。体に対して脚がしっかりしている。
- 動き:非常に素早い。クネクネと体を動かして走る。
- 危険性:毒があり、咬まれると激しい痛みや腫れを引き起こす。アナフィラキシーショックを起こす可能性も。
ゲジゲジの特徴:脚が長くて益虫
次に、ゲジゲジ(正式名称:ゲジ)です。ムカデと最も間違えられやすい虫ですが、非常に細くて長い脚と触角が特徴的です。 体よりも脚の方が目立つような独特の見た目をしています。動きは電光石火のごとく速く、壁や天井も平気で走り回ります。その見た目から不快害虫として扱われがちですが、実はゴキブリやダニなどを捕食してくれる「益虫」なのです。
北海道でも全域に生息が確認されています。
- 見た目:細くて長い脚が多数。体は灰色がかった色をしている。
- 脚:体から放射状に広がるように生えた、非常に細長い脚。
- 動き:驚くほど素早い。カサカサと音を立てて走る。
- 危険性:基本的に無害。人間を咬んだり刺したりすることはなく、毒も人間には影響がないレベル。
ヤスデの特徴:筒状で動きが鈍い
最後に、ヤスデです。ムカデに似ていますが、体は平たくなく、丸い筒状をしています。ダンゴムシを細長くしたようなイメージです。 1つの体の節から2対(左右2本ずつ)の脚が生えているのが特徴で、脚の数が非常に多く見えます。動きはムカデやゲジゲジに比べて非常に遅く、のっそりと進みます。危険を感じると体を丸めたり、刺激臭のある液体を出したりすることがあります。
ヤスデも北海道に広く分布しており、特に梅雨の時期に大量発生することがあります。
- 見た目:細長い筒状の体。たくさんの脚が体の下側に密集している。
- 脚:1つの節から2対の脚。短くてワシャワシャしているように見える。
- 動き:非常に遅い。ゆっくりと進む。
- 危険性:毒はないが、刺激すると臭い液体を出すことがある。この液体が皮膚につくとヒリヒリすることも。
種類 | 体の形 | 脚の生え方(1節あたり) | 動き | 危険性 |
---|---|---|---|---|
ムカデ | 平たい | 1対 | 非常に速い | 毒アリ(咬む) |
ゲジゲジ | やや平たい | 1対(非常に長い) | 電光石火 | ほぼ無害(益虫) |
ヤスデ | 筒状 | 2対 | 遅い | 毒ナシ(悪臭を放つ) |
注意!ムカデに似た危険な虫「やけど虫(アオバアリガタハネカクシ)」

ムカデのような見た目の虫で、もう一つ注意してほしいのが「やけど虫」です。正式名称は「アオバアリガタハネカクシ」といい、体長7mmほどの小さなアリのような見た目の虫です。 オレンジと黒のツートンカラーが特徴で、一見するとそれほど危険には見えません。
しかし、この虫は体液に「ペデリン」という強力な毒を持っています。 この虫を叩いたり潰したりした際に体液が皮膚に付着すると、数時間後から火傷のような水ぶくれや激しい痛みを引き起こします。 これが「やけど虫」と呼ばれる所以です。
この虫は北海道を含む日本全国に分布しており、特に湿度の高い時期に活動が活発になります。 光に集まる習性があるため、夜間に網戸などに止まっていることもあります。もし見かけても、絶対に素手で触ったり、叩き潰したりしないでください。 虫が肌にとまった際は、息で吹き飛ばすか、そっと紙などですくい取って逃がすのが安全です。
【虫別】シーンに合わせた正しい駆除・対策方法

家の中でムカデのような虫に遭遇してしまったら、パニックにならず冷静に対処することが大切です。ここでは、虫の種類に合わせた駆除方法と、今後の侵入を防ぐための対策をご紹介します。
ゲジゲジの駆除と対策
ゲジゲジはゴキブリなどを食べてくれる益虫なので、もし平気であれば、殺さずに外に逃がしてあげるのが一番です。 チリトリとホウキでそっと集めて外に出したり、長い棒などで誘導したりしましょう。
どうしても見た目が無理で駆除したい場合は、ゴキブリ用の殺虫スプレーや、マイナス温度で凍らせて動きを止めるタイプのスプレーが効果的です。 ゲジゲジが家にいるということは、エサとなる他の害虫(ゴキブリなど)がいるサインかもしれません。ゲジゲジの侵入を防ぐには、エサとなる害虫を駆除し、家を清潔に保つことが根本的な対策になります。
ヤスデの駆除と対策
ヤスデは梅雨時期などに大量発生することがあります。 1匹見つけたら、他にもたくさんいる可能性を考えましょう。駆除する際は、殺虫剤が有効です。ただし、踏み潰すと悪臭を放つ体液を出すため、スプレータイプの殺虫剤で直接退治するのがおすすめです。
ヤスデの侵入を防ぐには、家の周りの環境整備が重要です。ヤスデは湿った落ち葉や腐葉土を好むため、庭や家の周りをこまめに掃除し、水はけを良くしましょう。 また、家の基礎周りに粉末状の忌避剤を撒いておくことで、家への侵入を効果的に防ぐことができます。
ムカデの駆除と対策
ムカデは危険なので、絶対に素手で触らないでください。退治する際は、熱湯をかけるのが最も確実で安全な方法の一つです。火傷に注意しながら、やかんでお湯を沸かしてかけましょう。殺虫剤も有効ですが、ムカデ専用のものか、効果が明記されているものを選びましょう。
ムカデの侵入防止策もヤスデと共通する部分が多く、家の周りの環境整備が基本です。 湿気を好み、ゴキブリなどをエサにするため、家の周りの落ち葉や石などを片付け、エサとなる虫が住み着かないようにすることが大切です。サッシの隙間やエアコンの配管周りなど、わずかな隙間からでも侵入するため、隙間テープなどで物理的に塞ぐのも効果的です。
自分での駆除は難しい…北海道で頼れる害虫駆除業者

「虫が苦手で自分で駆除なんてできない」「対策をしても何度も出てくる」そんな時は、無理せずプロの害虫駆除業者に相談するのがおすすめです。プロに依頼すれば、安全かつ確実に駆除してくれるだけでなく、再発防止のための専門的なアドバイスももらえます。
北海道内にも、害虫駆除を専門に行う業者が多数あります。業者を選ぶ際は、以下のポイントをチェックしましょう。
- 無料で見積もりをしてくれるか: 料金体系が明確で、作業前に必ず見積もりを提示してくれる業者を選びましょう。
- 実績や口コミはどうか: ホームページで施工実績を確認したり、ネットの口コミを参考にしたりするのも良い方法です。
- 保証制度はあるか: 万が一再発した場合の保証があると、より安心です。
北海道で対応している主な害虫駆除業者には、以下のような会社があります。
- 害虫駆除110番
- 株式会社害虫センター
- さくらパートナーズ株式会社
- 便利屋お助けマスター
複数の業者から見積もりを取り、サービス内容や料金を比較検討して、納得のいく業者に依頼しましょう。
よくある質問

北海道でムカデに咬まれることはありますか?
可能性はゼロではありません。北海道に生息するムカデの種類は本州のものに比べて毒性は弱いとされていますが、咬まれれば痛みや腫れを引き起こす可能性があります。 万が一咬まれた場合は、すぐに傷口を流水でよく洗い流し、患部を冷やしてください。症状がひどい場合や、気分が悪くなった場合は、速やかに皮膚科を受診しましょう。
ゲジゲジは本当に益虫なんですか?
はい、本当です。ゲジゲジはゴキブリ、クモ、ダニ、蚊など、人間にとって不快な害虫を捕食してくれます。 見た目がグロテスクなため嫌われがちですが、家の中の衛生環境を保つ上で役立ってくれている側面もあります。人間に直接的な害を与えることはほとんどありません。
ヤスデが大量発生するのはなぜですか?
ヤスデは一度に数百個の卵を産み、秋に孵化した幼虫が集団で越冬します。 そして、翌年の梅雨時期に一斉に成虫となって地上に出てくるため、大量発生という現象が起こります。 特に雨が降って土の中が水浸しになると、溺れるのを避けるために一斉に地上へ避難してくるのです。
赤ちゃんやペットがいても安全な駆除方法はありますか?
殺虫成分を含まない、冷却効果で虫の動きを止めるタイプの凍結スプレーがおすすめです。 これなら薬剤が部屋に残る心配が少なく、赤ちゃんやペットがいるご家庭でも比較的安心して使用できます。また、ヤスデやムカデには熱湯をかけるのも薬剤を使わない有効な方法です。ただし、火傷には十分注意してください。
やけど虫に触ってしまったら、まず何をすればいいですか?
絶対にこすらず、すぐに大量の流水で体液を洗い流してください。 石鹸を使うとより効果的です。体液が付着した手で目などをこすると、結膜炎などを引き起こす可能性があり大変危険です。 洗い流した後、赤みや痛み、水ぶくれなどの症状が出た場合は、ステロイド外用剤(塗り薬)が有効な場合がありますが、自己判断せず、できるだけ早く皮膚科を受診することをおすすめします。
まとめ

- 北海道で見るムカデのような虫はゲジゲジやヤスデが多い。
- 北海道にもムカデは生息するが、本州よりは少ない。
- ムカデは平たく、ゲジゲジは脚が長く、ヤスデは筒状。
- ムカデは毒があり危険、ゲジゲジは益虫、ヤスデは悪臭を放つ。
- 「やけど虫」は体液に毒があり、触れると火傷のような症状が出る。
- ゲジゲジは益虫なので、できれば逃がしてあげるのが良い。
- ヤスデやムカデの駆除には殺虫剤や熱湯が有効。
- 踏み潰すと悪臭を放つヤスデには注意が必要。
- 侵入防止には家の周りの清掃と湿気対策が重要。
- 忌避剤や隙間テープの活用も効果的である。
- ゲジゲジがいるのは、エサとなる他の害虫がいるサインかもしれない。
- やけど虫には絶対に素手で触れないこと。
- 虫の駆除が難しい場合は、プロの業者に相談するのが安心。
- 業者選びは無料見積もりや保証の有無を確認する。
- 虫の正体を知り、特徴に合わせた正しい対処をすることが大切。