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コガネムシに殺虫剤が効かない!イライラを解消する5つの原因とプロが教える駆除・予防法

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コガネムシに殺虫剤が効かない!イライラを解消する5つの原因とプロが教える駆除・予防法
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大切に育てている植物の葉が、いつの間にか網目状に…。犯人は、キラキラと光る甲虫、コガネムシ。慌てて殺虫剤を撒いたのに、一向に減る気配がない。「どうして殺虫剤が効かないの?」と、頭を抱えていませんか?そのイライラ、とてもよく分かります。実は、コガネムシに殺虫剤が効かないのには、はっきりとした理由があるのです。間違った対策を続けていては、時間も労力も無駄になってしまいます。本記事では、なぜ殺虫剤が効かないのか、その原因を徹底的に解明し、成虫から土の中の幼虫まで、効果的に駆除する方法を詳しく解説します。もうコガネムシに悩まされない、快適なガーデニングライフを取り戻しましょう。

目次

なぜ?コガネムシに殺虫剤が効かない5つの原因

なぜ?コガネムシに殺虫剤が効かない5つの原因

一生懸命殺虫剤を撒いているのに、コガネムシが一向にいなくならない…。その理由は、コガネムシの生態や殺虫剤の特性を理解していないからかもしれません。まずは、殺虫剤が効かない主な5つの原因を知ることから始めましょう。原因が分かれば、正しい対策が見えてきます。

  • 原因1:成虫と幼虫で使うべき殺虫剤が違う
  • 原因2:殺虫剤が届いていない(土の中にいる幼虫)
  • 原因3:散布するタイミングが間違っている
  • 原因4:殺虫剤の種類が合っていない(接触性 vs 浸透移行性)
  • 原因5:そもそもコガネムシではない可能性(カナブンとの違い)

原因1:成虫と幼虫で使うべき殺虫剤が違う

コガネムシ対策で最も見落としがちなのが、成虫と幼虫では生息場所が全く違うという点です。成虫は植物の葉や花の上で活動していますが、幼虫は土の中で植物の根を食べて成長します。 そのため、葉にスプレーするタイプの殺虫剤をいくら撒いても、土の中にいる幼虫には全く効果がありません。

逆に、土に混ぜるタイプの殺虫剤は、主に幼虫をターゲットにしています。成虫になって飛び回っているコガネムシには効果が薄いのです。このように、成虫対策と幼虫対策は、別物として考える必要があります。今使っている殺虫剤が、どちらを対象にしたものか、一度確認してみましょう。

原因2:殺虫剤が届いていない(土の中にいる幼虫)

コガネムシの被害で最も深刻なのは、実は目に見えない土の中にいる幼虫によるものです。 幼虫は植物の根を食い荒らし、ひどい場合には植物を枯らしてしまいます。 この土の中の幼虫に、葉にかけるスプレータイプの殺虫剤が届かないのは当然です。

幼虫を駆除するためには、薬剤の成分が土の中に浸透し、直接幼虫に作用するか、植物が根から薬剤を吸収して、その根を食べた幼虫が死ぬ、という仕組みが必要です。「土の中にいる厄介な幼虫に、薬剤が届いていない」、これが殺虫剤が効かない大きな原因の一つなのです。

原因3:散布するタイミングが間違っている

殺虫剤の効果を最大限に引き出すには、散布するタイミングが非常に重要です。コガネムシの活動が活発になるのは、成虫は初夏から夏、幼虫は春と秋です。 特に、幼虫は冬になると土の奥深くに潜って越冬するため、この時期に薬剤を撒いても効果はほとんど期待できません。

最も効果的なタイミングは、卵から孵化したばかりの幼虫が、まだ地表近くで活動している時期です。 具体的には、初夏に成虫を見かけたら、その付近の土に産卵された可能性を考え、幼虫向けの粒剤を撒いておくと予防効果が高まります。 成虫に対しては、活動が活発な日中に見つけて直接スプレーするのが効果的です。

原因4:殺虫剤の種類が合っていない(接触性 vs 浸透移行性)

殺虫剤には、大きく分けて「接触性」と「浸透移行性」の2種類があります。

  • 接触性殺虫剤:薬剤が直接かかった害虫を駆除します。即効性が高いのが特徴ですが、かからなかった害虫には効果がありません。スプレータイプに多いです。
  • 浸透移行性殺虫剤:植物の根や葉から成分が吸収され、植物全体に薬剤が行き渡ります。 その植物を食べた害虫を駆除するため、隠れている害虫にも効果があり、持続性が高いのが特徴です。土に撒く粒剤タイプに多いです。

土の中にいる幼虫には、根から薬剤を吸収させる「浸透移行性」の粒剤タイプが有効です。 一方、目の前の成虫をすぐに駆除したい場合は、「接触性」のスプレータイプが向いています。用途に合わせて適切な種類の殺虫剤を選ばないと、「効かない」と感じてしまうのです。

原因5:そもそもコガネムシではない可能性(カナブンとの違い)

意外な落とし穴として、駆除しようとしている虫が、実は植物に害を与えない「カナブン」や「ハナムグリ」である可能性も考えられます。 コガネムシとカナブンは見た目が非常によく似ていますが、生態は全く異なります。

  • コガネムシ:成虫は植物の葉や花を、幼虫は根を食べる「害虫」。 体は丸みを帯びています。
  • カナブン:成虫は樹液を吸う「益虫」。 植物の葉は食べません。体はコガネムシより角ばった形をしています。

もし、庭で見かける虫がカナブンであれば、殺虫剤を撒く必要はありません。見分けが難しい場合は、インターネットの画像検索などで比較してみましょう。害虫ではない虫に殺虫剤を使っているケースも、「効かない」と感じる一因かもしれません。


【ステージ別】効果絶大!コガネムシに効く殺虫剤と正しい使い方

【ステージ別】効果絶大!コガネムシに効く殺虫剤と正しい使い方

コガネムシに殺虫剤が効かない原因がわかったところで、次は具体的な対策です。ここでは、「土の中の幼虫」と「葉や花を食べる成虫」のステージ別に、効果的な殺虫剤とその正しい使い方をご紹介します。適切な薬剤を適切な方法で使えば、厄介なコガネムシをしっかりと退治できます。

  • 土の中の幼虫(ネキリムシ)を退治する殺虫剤
  • 葉や花を食べる成虫を駆除する殺虫剤

土の中の幼虫(ネキリムシ)を退治する殺虫剤

植物の根を食べて枯らしてしまう、最も厄介なコガネムシの幼虫。この見えない敵には、土壌に直接作用する殺虫剤が不可欠です。ここでは、プロの農家も使用する信頼性の高い薬剤を2つ紹介します。

ダイアジノン粒剤(住友化学園芸、日本化薬など)

コガネムシの幼虫駆除の定番といえば、「ダイアジノン粒剤」です。 多くの農家や園芸愛好家から長年支持されている、非常に効果の高い土壌殺虫剤です。 土に混ぜ込むことで、殺虫成分が土中に広がり、コガネムシの幼虫だけでなく、ネキリムシなど他の土壌害虫も同時に駆除できます。

特に、ガス効果(ベーパーアクション)によって、薬剤が直接触れていない場所にいる害虫にも効果を発揮するのが大きな特徴です。 植え付け時や、コガネムシの産卵時期である初夏に土に混ぜ込んでおくことで、長期間(約3~4週間)の予防効果も期待できます。 住友化学園芸の「サンケイダイアジノン粒剤3」 や、日本化薬の「ダイアジノン粒剤5」 などが有名です。

オルトラン粒剤(住友化学園芸)

もう一つのおすすめが、「オルトラン粒剤」です。 この薬剤の最大の特徴は、「浸透移行性」にあります。 株元に撒くと、有効成分が根から吸収されて植物全体に行き渡ります。 その結果、根を食べたコガネムシの幼虫はもちろん、葉や茎を吸汁するアブラムシなど、地上部の害虫にも効果を発揮します。

まさに一石二鳥の殺虫剤で、「土の中も地上もまとめて対策したい」という方には最適です。効果が持続するため、害虫の発生を長期間抑えることができます。植え付け時に土に混ぜ込んだり、生育中に株元に散布したりと、手軽に使える点も魅力です。

粒剤タイプの正しい使い方

粒剤タイプの殺虫剤の効果を最大限に引き出すには、正しい使い方が重要です。

  1. タイミング:植物の植え付け時や植え替え時、またはコガネムシの産卵期(初夏~夏)に散布するのが最も効果的です。
  2. 散布方法:鉢植えの場合は、土の表面に均一にばらまき、軽く土と混ぜ合わせます。地植えの場合は、株の周りに溝を掘って薬剤をまき、土をかぶせると良いでしょう。
  3. 使用量:必ず製品のラベルに記載されている使用量を守ってください。多すぎると植物に害(薬害)が出ることがあり、少なすぎると十分な効果が得られません。

この3つのポイントを守ることで、土の中の幼虫を確実に駆除し、大切な植物を根元から守ることができます。

葉や花を食べる成虫を駆除する殺虫剤

葉や花をボロボロにして景観を損なう成虫には、即効性のあるスプレータイプや乳剤が効果的です。見つけ次第、素早く退治しましょう。

スミチオン乳剤(住友化学園芸)

家庭園芸の代表的な殺虫剤として知られる「スミチオン乳剤」は、コガネムシの成虫にも高い効果を発揮します。 有機リン系の殺虫剤で、害虫に直接かかることで効果を発揮する「接触効果」と、薬剤が付着した葉を食べさせることで効果を発揮する「食毒効果」の両方を持ち合わせています。

幅広い種類の害虫に効くため、一本持っておくと様々な場面で役立ちます。水で薄めて噴霧器などで散布するため、広範囲の庭木や草花にも手軽に使用できます。

ベニカXファインスプレー(住友化学園芸)

手軽さを重視するなら、「ベニカXファインスプレー」がおすすめです。 この製品は、殺虫成分と殺菌成分が両方入っているため、コガネムシなどの害虫を駆除しながら、うどんこ病などの病気も予防できる優れものです。

スプレータイプなので、希釈する手間がなく、コガネムシの成虫を見つけたらすぐにシュッと吹きかけるだけで駆除できます。速効性と持続性を兼ね備えており、初心者の方でも扱いやすいのが大きなメリットです。

スプレー・乳剤タイプの正しい使い方

スプレーや乳剤を効果的に使うためのコツは以下の通りです。

  1. タイミング:コガネムシの成虫を見つけ次第、すぐに散布するのが基本です。特に、活動が活発な日中が狙い目です。
  2. 散布方法:風のない日を選び、葉の表だけでなく、葉の裏や茎にもまんべんなく薬剤がかかるように散布します。コガネムシは危険を察知すると下に落ちる習性があるので、下から上に向かって吹きかけるのも効果的です。
  3. 注意点:花や蕾に直接かかるとシミになることがあるため、注意が必要です。また、夏場の高温時に散布すると薬害が出やすくなるため、朝夕の涼しい時間帯に作業しましょう。

これらのポイントを押さえて、厄介な成虫を確実に退治しましょう。

もう頼らない!殺虫剤を使わないコガネムシ対策

もう頼らない!殺虫剤を使わないコガネムシ対策

「できるだけ殺虫剤は使いたくない」という方も多いでしょう。ご安心ください。薬剤に頼らなくても、コガネムシの被害を減らす方法はたくさんあります。ここでは、物理的な方法から自然の力を借りる方法まで、環境にも優しいコガネムシ対策をご紹介します。

  • 物理的にシャットアウト!予防策
  • 自然の力を借りる対策

物理的にシャットアウト!予防策

コガネムシの侵入や産卵を物理的に防ぐ方法は、最も確実で安心な対策の一つです。少しの手間で、大きな効果が期待できます。

成虫を見つけ次第、捕殺する

最もシンプルで原始的な方法ですが、非常に効果的です。コガネムシの成虫は、特に早朝や雨の日は動きが鈍いため、捕まえやすいです。 庭木を揺するとポトポトと落ちてくるので、下にビニールシートなどを広げておき、まとめて捕獲しましょう。

捕まえた成虫は、石鹸水を入れたバケツなどに入れると簡単に駆除できます。1匹のメスが数十個の卵を産むことを考えれば、地道な捕殺が翌年の幼虫発生を抑える上で非常に重要になります。

防虫ネットやマルチングで産卵を防ぐ

コガネムシの成虫に、土の中に卵を産み付けさせないようにすることが、最も効果的な予防策です。 プランターや鉢植えであれば、鉢全体を目の細かい防虫ネットで覆ってしまうのが確実です。

地植えの場合は、株元を物理的に覆う「マルチング」が有効です。バークチップなどでは隙間から侵入されることがありますが、不織布の防草シートや、ヤシ繊維でできた円盤マットなどで土の表面をきっちり覆うと、産卵を大幅に防ぐことができます。 これにより、幼虫の発生源を断つことができるのです。

フェロモントラップで誘き寄せる

コガネムシのオスを誘引する性フェロモンを利用したトラップも市販されています。 これを庭に設置することで、交尾前のオスを捕獲し、繁殖を防ぐことができます。

ただし、周囲のコガネムシまで呼び寄せてしまう可能性もあるため、設置場所には注意が必要です。被害を減らしたい植物から少し離れた場所に設置するのがコツです。捕獲した虫の種類を確認することで、自分の庭にどんな種類のコガネムシがいるのかを知る手がかりにもなります。

自然の力を借りる対策

化学薬品に頼らず、自然界の仕組みを利用してコガネムシを遠ざける方法もあります。時間はかかりますが、持続可能な庭づくりに繋がります。

天敵(鳥、カエルなど)を味方につける

コガネムシには、鳥類(特にムクドリ)、カエル、トカゲ、クモなど、多くの天敵が存在します。 庭に鳥がやってきやすいようにバードバス(水飲み場)を設置したり、天敵の隠れ家になるような多様な植物を植えたりすることで、自然と害虫を抑制する環境を作ることができます。

化学殺虫剤の使用を控えることは、こうした益虫や天敵を守ることにも繋がり、庭全体の生態系のバランスを整える上で非常に重要です。

木酢液やニームオイルを活用する

木酢液やニームオイルといった、植物由来の資材もコガネムシ対策に利用できます。

  • 木酢液:木炭を作る際に出る煙を液体にしたもので、独特の燻製のような香りで害虫を寄せ付けにくくする忌避効果が期待できます。 水で薄めて土壌に散布したり、葉に散布したりして使います。
  • 椿油粕:椿の種から油を搾ったあとの粕に含まれる「サポニン」という成分には、コガネムシの幼虫に対する殺虫効果があるとされています。 土に混ぜ込むことで、幼虫の発生を抑制します。

これらの自然資材は、化学農薬に比べて効果は穏やかですが、土壌環境を改善する効果も期待できるため、継続的に使用することで健康な植物を育て、害虫に強い庭づくりに貢献します。

二度と発生させない!コガネムシの予防策

二度と発生させない!コガネムシの予防策

コガネムシの駆除に成功したら、次は「二度と発生させない」ための予防が重要です。コガネムシが好む環境をなくし、寄せ付けない庭づくりを心がけることで、翌年以降の悩みから解放されます。ここでは、長期的な視点に立った効果的な予防策をご紹介します。

  • 産卵させない環境づくり
  • コガネムシが嫌う植物(コンパニオンプランツ)を植える

産卵させない環境づくり

コガネムシのメスは、幼虫が育ちやすい、有機物が豊富で適度に湿った土を好んで卵を産み付けます。 この「産卵したくなる環境」をなくすことが、予防の第一歩です。

堆肥は完熟したものを使う

家庭菜園などで使う堆肥ですが、未熟なものを使うと、それが発酵する過程でコガネムシの成虫を誘引する原因となります。また、未熟な有機物は幼虫の格好のエサになってしまいます。

土作りに堆肥を使用する際は、必ず完全に発酵・分解が進んだ「完熟堆肥」を選びましょう。完熟堆肥は匂いも少なく、幼虫のエサにもなりにくいため、コガネムシを寄せ付けにくくなります。

水はけのよい土壌を保つ

コガネムシは、ジメジメと湿った土壌を好みます。 常に土が湿っているような水はけの悪い場所は、産卵場所として狙われやすくなります。

水はけを改善するために、腐葉土やパーライトなどを土に混ぜ込むのが効果的です。また、プランターの場合は、鉢底石をしっかり敷く、受け皿の水をこまめに捨てるといった基本的な管理が、根腐れ防止だけでなくコガネムシ予防にも繋がります。

コガネムシが嫌う植物(コンパニオンプランツ)を植える

特定の植物が持つ香りや根から出る物質が、害虫を遠ざける効果を持つことがあります。これを「コンパニオンプランツ(共栄作物)」と呼びます。コガネムシ対策として、大切な植物の近くにこれらの植物を植えるのも有効な方法です。

マリーゴールド

コンパニオンプランツの代表格であるマリーゴールドは、その独特の強い香りで多くの害虫を遠ざけます。特に、根に寄生するセンチュウへの効果が有名ですが、コガネムシの成虫もこの香りを嫌うと言われています。

バラや野菜など、コガネムシの被害に遭いやすい植物の株元にマリーゴールドを植えることで、被害を軽減できる可能性があります。見た目も華やかなので、ガーデンの彩りとしても楽しめます。

ニンニク、スイセン

ニンニクやネギ類、スイセンといったユリ科(ヒガンバナ科)の植物が持つ特有の匂いも、コガネムシを寄せ付けにくくする効果が期待できます。

これらの植物の球根を、守りたい植物の周りに植えておくと、土の中からバリアを張るような形で、産卵を防ぐ助けになります。特にスイセンの球根には毒性があるため、多くの土壌害虫が嫌うとされています。

そもそもコガネムシってどんな虫?生態を知って対策に活かす

そもそもコガネムシってどんな虫?生態を知って対策に活かす

「敵を知り、己を知れば百戦殆うからず」という言葉があるように、コガネムシ対策を万全にするためには、その生態を理解することが不可欠です。彼らがいつ、どこで、どのように活動するのかを知ることで、より効果的な対策を立てることができます。

  • コガネムシのライフサイクルと活動時期
  • コガネムシによる被害のサイン
  • コガネムシとカナブンの見分け方【写真で比較】

コガネムシのライフサイクルと活動時期

コガネムシの一生は、卵→幼虫→サナギ→成虫というサイクルで進みます。 このサイクルを知ることが、対策のタイミングを見極める鍵となります。

  • :成虫が初夏から夏(6月~8月頃)にかけて、土の中に産み付けます。
  • 幼虫:卵から孵化した幼虫は、秋(9月~10月頃)にかけて土の中で植物の根などを食べて成長します。 冬は土の深くで越冬し、春(4月~5月頃)に再び活動を始めます。 被害が最も大きいのはこの幼虫の時期です。
  • サナギ:春に十分に成長した幼虫は、土の中でサナギになります。
  • 成虫:初夏(5月~6月頃)にサナギから羽化して地上に出てきます。 成虫は夏の間、葉や花を食べて活動し、交尾・産卵を行います。

つまり、夏に成虫を見かけたら、その土の中では卵や小さな幼虫が育っている可能性が高いということです。このライフサイクルを頭に入れて、先回りした対策を心がけましょう。

コガネムシによる被害のサイン

コガネムシの被害は、成虫によるものと幼虫によるものでサインが異なります。早期発見が、被害を最小限に食い止めるポイントです。

葉が網目状に食べられている

これはコガネムシの成虫による食害の典型的なサインです。 成虫は、葉の硬い葉脈を残して、柔らかい部分だけを食べる習性があります。そのため、葉がレースのように透けた網目状になります。バラやブドウ、ダイズなどの葉でこの症状を見つけたら、成虫がいる証拠です。

植物の元気がない、グラグラする

水やりも肥料も適切にしているのに、なぜか植物の元気がなく、葉が黄色くなったり萎れたりする…。そんな時は、土の中の幼虫による根の食害を疑いましょう。

被害が進行すると、根がほとんど食べられてしまい、植物を支えきれなくなります。 株元を軽く揺すってみて、グラグラと不安定な状態であれば、幼虫がいる可能性が非常に高いです。 こうなる前に、早めの土壌対策が必要です。

コガネムシとカナブンの見分け方【写真で比較】

前述の通り、植物に害を与えるコガネムシと、樹液を吸う益虫のカナブンはよく似ています。 間違えて益虫を駆除してしまわないよう、見分け方のポイントを覚えておきましょう。

コガネムシ(害虫)

・体が丸みを帯びている
・頭が丸い
・葉や花を食べる

カナブン(益虫)

・体が角ばっている(四角い印象)
・頭が四角い
・樹液を吸う

一番分かりやすいのは、体の形です。コガネムシはずんぐりと丸っこいシルエットなのに対し、カナブンは肩が張ったような、やや四角いシルエットをしています。 慣れてくると一目で見分けがつくようになります。もし迷ったら、捕まえてみて、頭の形や体のラインをじっくり観察してみてください。

よくある質問

よくある質問

コガネムシの幼虫はいつ駆除するのが効果的ですか?

コガネムシの幼虫を駆除する最も効果的な時期は、卵から孵化してまだ小さく、地表近くで活動している夏の終わりから秋(8月下旬~10月頃)です。 この時期にダイアジノン粒剤などの土壌殺虫剤を使用すると、効率的に駆除できます。冬になると土の奥深くに潜ってしまい、薬剤が効きにくくなるため注意が必要です。

殺虫剤は人体やペットに影響はありませんか?

市販の家庭園芸用殺虫剤は、ラベルに記載された使用方法や使用量を守れば、安全に使用できるように作られています。 しかし、薬剤であることに変わりはないため、取り扱いには注意が必要です。散布する際はマスクや手袋を着用し、風向きに注意して、薬剤を吸い込んだり皮膚に付着したりしないようにしましょう。 また、散布中や散布当日は、お子様やペットが処理した場所に立ち入らないように配慮することが大切です。

芝生に発生したコガネムシの幼虫はどうすればいいですか?

芝生に発生したコガネムシの幼虫は、芝の根を食べてしまい、芝が部分的に枯れる原因となります。対策としては、芝生に適用のある殺虫剤を使用します。例えば、「スミチオン乳剤」の希釈液をジョウロなどで土壌に染み渡るように散布(土壌灌注)する方法があります。 薬剤を散布した後は、効果を高めるために軽く水やりをすると良いでしょう。

プランターのコガネムシ対策はどうすればいいですか?

プランターは、コガネムシにとって絶好の産卵場所です。最も効果的な対策は、成虫の侵入と産卵を防ぐことです。

  • 物理的防除:プランターの土の表面を不織布のシートやヤシ繊維マットで覆い、物理的に産卵できないようにします。 鉢ごと防虫ネットで覆うのも確実です。
  • 薬剤による予防:植え付け時に、土にダイアジノン粒剤やオルトラン粒剤を混ぜ込んでおくと、幼虫の発生を予防できます。
  • 水責め:もし幼虫が発生してしまった場合、プランターごと大きなバケツなどに沈めて数時間水に浸けておくと、幼虫が窒息して浮き上がってくるので、取り除くことができます。

まとめ

まとめ
  • 殺虫剤が効かないのは成虫と幼虫で対策が違うためです。
  • 幼虫には土に混ぜる「ダイアジノン粒剤」が効果的です。
  • 成虫には見つけてすぐ使えるスプレー剤が有効です。
  • 薬剤が効かない原因はタイミングや種類の誤りです。
  • 幼虫の駆除は孵化直後の秋が最も効果的です。
  • 浸透移行性殺虫剤は根から吸収され効果が持続します。
  • コガネムシとカナブンは見た目が似ていますが別物です。
  • カナブンは樹液を吸う益虫なので駆除は不要です。
  • 殺虫剤を使わない物理的防除も有効な手段です。
  • 防虫ネットやマルチングで産卵そのものを防ぎましょう。
  • 天敵である鳥やカエルが住みやすい環境作りも大切です。
  • 完熟堆肥を使い、水はけの良い土壌を保つことが予防に繋がります。
  • マリーゴールドなどを植えるコンパニオンプランツも試す価値ありです。
  • 植物がグラグラしたら根が食べられているサインです。
  • 正しい知識で対策すればコガネムシの悩みは解決できます。
コガネムシに殺虫剤が効かない!イライラを解消する5つの原因とプロが教える駆除・予防法

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