大切に育てている庭木が、いつの間にか害虫の被害に…。「葉が食べられている」「虫がたくさんついている」そんな光景は、ガーデニングを楽しむ人にとって本当にショックですよね。害虫対策の強い味方として知られる「オルトラン」ですが、「一体いつ使うのが一番効果的なの?」と悩んでいませんか?本記事では、オルトランを庭木に使う最適な時期や効果を最大化する使い方、注意点まで、あなたの疑問に全てお答えします。この記事を読めば、もう害虫に悩まされることはありません。
オルトランを庭木に使う最適な時期は害虫の活動前!

オルトランの効果を最大限に引き出すための最も重要なポイント、それは散布する時期です。結論から言うと、害虫が活発に動き出す前に予防的に散布するのが最も効果的です。害虫の被害が目に見えてから慌てて散布するのではなく、先手を打つことが大切なのです。
この章では、オルトランを散布する具体的な時期について、以下のポイントを詳しく解説していきます。
- 基本は春!新芽が出始める頃がベストタイミング
- なぜ春が最適?害虫のライフサイクルから考える
- 2回目の散布はいつ?効果の持続期間と追加散布の目安
- 秋の散布も効果的!越冬する害虫対策
基本は春!新芽が出始める頃がベストタイミング
オルトランを庭木に使う最も基本的な時期は、春、3月〜5月頃です。具体的には、冬の寒さが和らぎ、庭木の新芽が芽吹き始めるタイミングがベストと言えるでしょう。
なぜなら、オルトランは「浸透移行性殺虫剤」と呼ばれるタイプの薬剤だからです。これは、根から薬剤の成分を吸収し、植物全体(葉や茎、新芽の隅々まで)に行き渡らせることで、その植物を食べた害虫を駆除するという仕組みです。
植物が休眠している冬に散布しても、根が成分を十分に吸収できません。逆に、植物が成長のために水分や養分を盛んに吸い上げる春に散布することで、薬剤の成分が効率よく木全体に行き渡り、高い効果を発揮するのです。
地域やその年の気候によって多少時期は前後しますが、桜の開花が一つの目安になります。お住まいの地域の桜が咲き始める頃、あなたの庭の木々も活動を開始するサインです。そのタイミングを逃さずにオルトランを散布しましょう。
なぜ春が最適?害虫のライフサイクルから考える
春が最適な理由は、植物の活動サイクルだけではありません。害虫のライフサイクルにも密接に関係しています。
アブラムシやケムシ(ガの幼虫)といった多くの害虫は、春になると卵から孵化し、活動を開始します。そして、柔らかい新芽や若葉を好んで食べ、爆発的に増殖していきます。
被害が拡大してからでは、駆除に手間がかかるだけでなく、庭木の生育にも大きなダメージを与えてしまいます。そこで、害虫が本格的に活動を始める前の「予防」としてオルトランを散布しておくことが非常に重要になるのです。
春先にオルトランを散布しておけば、孵化したばかりの小さな幼虫が葉を食べた時点で駆除できます。これにより、大量発生を防ぎ、庭木を美しい状態に保つことができるのです。まさに「先手必勝」の害虫対策と言えるでしょう。
2回目の散布はいつ?効果の持続期間と追加散布の目安
オルトランの効果は永遠に続くわけではありません。一般的に、オルトラン粒剤の効果持続期間は約1ヶ月とされています。そのため、害虫の発生期間が長い場合は、追加の散布が必要になります。
2回目の散布時期の目安は、春の最初の散布から1ヶ月後、つまり4月〜6月頃です。特にアブラムシなどは、春から初夏にかけて何度も発生することがあります。最初の散布で安心せず、庭木の様子をよく観察し、害虫の発生が見られるようであれば追加で散布しましょう。
また、梅雨の時期は雨によって薬剤の成分が流れてしまい、効果が薄れやすくなることがあります。長雨が続いた後などは、持続期間内であっても追加散布を検討するのがおすすめです。
ただし、薬剤の使いすぎは植物に負担をかける可能性もあります。製品に記載されている使用回数や使用量を必ず守り、計画的に散布することが大切です。
秋の散布も効果的!越冬する害虫対策
春の散布が最も重要ですが、実は秋(9月〜10月頃)の散布も非常に効果的です。
なぜなら、来年の春に発生する害虫の中には、成虫のまま、あるいは卵の状態で樹皮の隙間や土の中で冬を越すものがいるからです。代表的なのがカイガラムシや、一部のガの仲間です。
秋にオルトランを散布しておくことで、越冬しようとする害虫や、越冬前に栄養を蓄えようとする害虫を駆除することができます。これにより、翌年の春の害虫発生を大幅に抑制することが可能になります。
特に、その年に特定の害虫が大量発生してしまった庭木には、秋の「ダメ押し」散布がおすすめです。春と秋、年2回の計画的な散布で、年間を通した害虫管理を目指しましょう。
【重要】オルトランの正しい使い方|粒剤と水和剤(液剤)

オルトランの時期が分かったところで、次に重要なのが「正しい使い方」です。オルトランにはいくつかの種類があり、それぞれ特徴や使い方が異なります。使い方を間違えると、効果が半減してしまったり、植物に悪影響を与えたりすることもあるので、しっかり確認しておきましょう。
この章では、代表的なオルトランの種類とそれぞれの使い方について、詳しく解説します。
- オルトラン粒剤の使い方|手軽で初心者におすすめ
- オルトランDX粒剤との違いは?
- オルトラン水和剤(液剤)の使い方|即効性が欲しい時に
- 散布後の水やりはどうする?雨の日は避けるべき?
オルトラン粒剤の使い方|手軽で初心者におすすめ
ガーデニング初心者の方に最もおすすめなのが「オルトラン粒剤」です。計量スプーンが付属していることが多く、パラパラと株元に撒くだけなので、誰でも簡単に使うことができます。
使い方の手順は以下の通りです。
- 計量する: 庭木の大きさに合わせて、製品の裏に記載されている使用量を計量スプーンで正確に測ります。多すぎても少なすぎてもいけません。
- 散布する: 庭木の株元(幹の根元)を中心に、円を描くようにパラパラと均一に撒きます。葉や花に直接かからないように注意しましょう。
- 軽く混ぜる: 薬剤が土の表面に露出したままだと、分解が早まったり、匂いが気になったりすることがあります。土の表面を軽くほぐし、薬剤と土を混ぜ込むようにするとより効果的です。
この手軽さが粒剤の最大のメリットです。特別な道具も必要なく、思い立った時にすぐ作業できるのが嬉しいポイントですね。
オルトランDX粒剤との違いは?
ホームセンターなどに行くと、「オルトラン粒剤」の隣に「オルトランDX粒剤」という商品が並んでいることがあります。この二つの違いは何なのでしょうか?
大きな違いは、含まれている有効成分です。
- オルトラン粒剤: 有効成分は「アセフェート」のみ。浸透移行性があり、植物を吸汁するアブラムシや、葉を食べるケムシなどに効果があります。
- オルトランDX粒剤: 「アセフェート」に加えて、「クロチアニジン」という成分が含まれています。このクロチアニジンも浸透移行性があり、アブラムシやアザミウマなどに高い効果を発揮します。
簡単に言うと、DX粒剤は2種類の有効成分で、より広範囲の害虫に、より長く効果を発揮するパワーアップ版と考えることができます。特に、アブラムシやコナジラミなど、薬剤抵抗性がつきやすい害虫に悩まされている場合は、DX粒剤を選ぶと良いでしょう。ただし、その分価格も少し高くなる傾向があります。ご自身の庭の状況に合わせて選んでみてください。
オルトラン水和剤(液剤)の使い方|即効性が欲しい時に
「オルトラン水和剤」は、水に溶かしてスプレーなどで散布するタイプの薬剤です。粒剤と比べて少し手間はかかりますが、即効性が高いのが特徴です。
すでに害虫が発生してしまい、「今すぐこの虫をなんとかしたい!」という場面で活躍します。水和剤は、薬剤が直接害虫にかかること(接触効果)と、葉や茎から吸収されて効果を発揮すること(浸透移行性)の両方の作用を持っています。
使い方の手順は以下の通りです。
- 希釈する: 製品に記載されている希釈倍率を守り、水で正確に薄めます。例えば「1000倍」なら、水1リットルに対して薬剤1グラム(または1ml)です。
- 散布する: 噴霧器(スプレー)などに入れ、害虫がいる場所や、葉の裏表にまんべんなくかかるように散布します。風のない、晴れた日の朝か夕方に行うのがおすすめです。
希釈倍率を間違えると薬害(植物が傷むこと)の原因になるため、計量は慎重に行いましょう。また、散布時にはマスクや手袋、保護メガネを着用し、薬剤を吸い込んだり、皮膚に付着したりしないよう注意が必要です。
散布後の水やりはどうする?雨の日は避けるべき?
オルトランを散布した後の管理も大切なポイントです。
粒剤の場合、散布後に軽く水やりをすると、薬剤の成分が土に溶け出し、根から吸収されやすくなるため効果的です。ただし、水をやりすぎると成分が流れてしまう可能性があるので、土の表面が湿る程度で十分です。
水和剤の場合は、散布後すぐに水やりをするのは避けましょう。せっかく葉や茎に付着した薬剤が流れてしまいます。薬剤が乾いて植物に吸収されるまで、少なくとも数時間〜半日程度は水やりを控えるのが賢明です。
また、どちらのタイプを使う場合でも、雨が降る直前や雨天時の散布は避けるべきです。薬剤が流されてしまい、十分な効果が得られません。天気予報をよく確認し、散布後少なくとも1日は晴れが続く日を選んで作業しましょう。
庭木の種類別|オルトラン散布のポイントと注意点

「うちの庭木にオルトランは使えるの?」と不安に思う方もいるかもしれません。基本的に多くの庭木に使用できますが、いくつか知っておくべきポイントや注意点があります。大切な庭木を枯らしてしまわないためにも、しっかりと確認しておきましょう。
この章では、庭木の種類に応じたオルトランの使い方について解説します。
- オルトランが使える庭木・使えない庭木
- 植え付け時の使い方
- 果樹や野菜には使っても大丈夫?
オルトランが使える庭木・使えない庭木
オルトランは、非常に多くの種類の庭木に適用があります。例えば、以下のような樹木です。
- 花木: つばき、さざんか、ばら、つつじ類、まさき など
- 庭園樹: さくら、かいづかいぶき、つげ、さんごじゅ など
基本的に、ホームセンターなどで一般的に見かける庭木の多くには使用できると考えて良いでしょう。
一方で、明確に「使えない」とされている庭木はほとんどありませんが、注意が必要なケースはあります。例えば、非常にデリケートな品種や、弱っている庭木に規定量以上の薬剤を使用すると、薬害が出てしまう可能性があります。
もし心配な場合は、いきなり全体に散布するのではなく、一部の枝で試してみて、数日間様子を見る「テスト散布」を行うと安心です。また、製品のパッケージには適用植物名が記載されているので、購入前に必ず確認する習慣をつけましょう。
植え付け時の使い方
オルトランは、害虫予防だけでなく、庭木の植え付け時にも活用できます。新しい苗木を植える際に、あらかじめ土に混ぜ込んでおくことで、植え付け後の害虫被害を初期段階で防ぐことができます。
使い方は簡単です。苗木を植えるために掘った穴の底に、規定量のオルトラン粒剤をパラパラと撒き、掘り上げた土と軽く混ぜ合わせます。その上から苗木を植え付け、残りの土をかぶせれば完了です。
こうすることで、根が伸び始めると同時に薬剤の成分を吸収し始め、害虫に対する抵抗力を持った状態でスタートさせることができます。植え付け直後のデリケートな時期を乗り越えるための、心強いお守りのような役割を果たしてくれます。
果樹や野菜には使っても大丈夫?
ここが非常に重要な注意点です。「庭木に使えるなら、家庭菜園の野菜や果樹にも使えるのでは?」と考える方もいるかもしれませんが、安易な使用は絶対にやめてください。
農薬には、作物ごとに「使用できるか」「収穫前のいつまで使えるか(使用時期)」「何回まで使えるか(総使用回数)」といったルールが法律で厳しく定められています。これを「農薬取締法」といいます。
オルトラン粒剤や水和剤も、製品によってはトマト、きゅうり、なすなどの野菜や、一部の果樹に登録があります。しかし、「樹木用」として販売されている製品を、登録のない食用作物に使用することは法律で禁止されています。
もし家庭菜園などで使用したい場合は、必ずその作物が「適用作物」として記載されている製品を選び、記載されている使用時期や使用回数を厳守してください。安全に美味しく収穫するためにも、ルールは必ず守りましょう。
オルトランが効く害虫・効きにくい害虫

万能に見えるオルトランですが、実はすべての害虫に効果があるわけではありません。得意な相手と、そうでない相手がいます。これを理解しておくことで、より効果的な害虫対策が可能になります。
この章では、オルトランの得意な害虫や、効かない場合の対処法について掘り下げていきます。
- アブラムシやケムシには効果絶大!
- カミキリムシ(テッポウムシ)への効果的な使い方
- オルトランが効かない?考えられる原因と対処法
アブラムシやケムシには効果絶大!
オルトランが最も得意とするのは、植物の汁を吸うタイプの害虫(吸汁性害虫)と、葉を食べるタイプの害虫(食害性害虫)です。
代表的な害虫は以下の通りです。
- アブラムシ類: 新芽や若葉にびっしりと群がり、汁を吸って植物を弱らせます。オルトランの成分が植物全体に行き渡るため、隠れた場所にいるアブラムシにも効果的です。
- ケムシ・アオムシ類(ガの幼虫): ツバキやサザンカにつくチャドクガの幼虫など、葉を食い荒らす害虫です。薬剤を含んだ葉を食べることで駆除できます。
- グンバイムシ類: ツツジやサツキの葉の裏に寄生し、葉を白っぽく変色させます。
- カイガラムシ類: 種類によっては効果が期待できますが、ロウ状の殻で覆われているため、成虫には効きにくい場合があります。幼虫が発生する時期(5月〜7月頃)を狙って散布するのがコツです。
これらの害虫に悩まされている場合は、オルトランが第一選択の薬剤となるでしょう。
カミキリムシ(テッポウムシ)への効果的な使い方
庭木にとって非常に厄介な害虫が、カミキリムシの幼虫(通称:テッポウムシ)です。この幼虫は木の幹の内部に侵入し、中から木を食い荒らすため、気づいた時には手遅れになっていることも少なくありません。
オルトラン粒剤を株元に散布することで、ある程度の予防効果が期待できます。根から吸収された成分が幹の内部にも行き渡り、侵入したばかりの小さな幼虫を駆除できる可能性があるからです。特に、バラやイチジク、ミカン類など、カミキリムシの被害に遭いやすい庭木には、成虫が発生する初夏(5月〜7月頃)に合わせて散布しておくと良いでしょう。
ただし、すでに大きく成長した幼虫が幹の奥深くにいる場合、オルトランだけでは完全に駆除するのが難しいこともあります。幹に穴が空き、木くず(フン)が出ているのを見つけたら、専用のノズルが付いた殺虫スプレーを穴に注入するなど、別の対策を併用する必要があります。
オルトランが効かない?考えられる原因と対処法
「オルトランを撒いたのに、全然効果がない…」そんな経験はありませんか?効かない場合には、いくつか原因が考えられます。
- 時期や使い方が間違っている: 最も多い原因です。散布時期が遅すぎたり、量が少なすぎたり、雨の日に撒いてしまったりすると効果は半減します。もう一度、本記事で解説した正しい時期と使い方を確認してみましょう。
- 対象外の害虫である: オルトランは、ハダニ類やナメクジ、ダンゴムシなどには効果がありません。また、カイガラムシの成虫のように、薬剤が効きにくい状態の害虫もいます。まずは敵を知ることが大切です。どんな害虫がいるのかをよく観察し、その害虫に合った薬剤を選びましょう。
- 薬剤抵抗性がついている: 同じ薬剤を長年使い続けていると、その薬剤が効きにくい性質を持った害虫(薬剤抵抗性害虫)が現れることがあります。もしオルトランの効果が薄れてきたと感じたら、系統の異なる別の殺虫剤(例えば、ネオニコチノイド系やジアミド系など)と交互に使用する「ローテーション散布」を試してみるのが有効です。
効かないからといって、やみくもに同じ薬を大量に撒くのは逆効果です。原因を冷静に分析し、適切な対策を講じることが解決への近道です。
オルトラン使用時の安全性と注意点

オルトランは正しく使えば非常に有効な薬剤ですが、化学薬品であることには変わりありません。人やペット、そして環境への影響を最小限にするために、使用時にはいくつかの注意点を守る必要があります。安全にガーデニングを楽しむためにも、必ず目を通してください。
この章では、安全性に関する重要なポイントを解説します。
- ペット(犬・猫)や子供への影響は?
- ミツバチなどの益虫への影響について
- 使用時の服装と保管方法
ペット(犬・猫)や子供への影響は?
小さなお子さんやペットがいるご家庭では、薬剤の安全性が最も気になるところでしょう。
オルトランの有効成分であるアセフェートは、人やペット(哺乳類)に対する毒性は比較的低い「普通物」に分類されています。しかし、だからといって絶対に安全というわけではありません。
特に粒剤の場合、ペットが誤って食べてしまう(誤食)危険性があります。散布する際は、お子さんやペットが作業場所に近づかないように配慮し、散布後は薬剤が土によく馴染むように軽く混ぜ込み、水やりをしておくと良いでしょう。薬剤の匂いが消えるまでは、ペットを庭に出さないようにするなどの対策も有効です。
万が一、誤って口にしてしまった場合は、すぐに吐き出させ、製品のパッケージを持って医師や獣医師の診断を受けてください。パッケージには対処法や有効な解毒剤(PAMなど)についての情報が記載されています。
ミツバチなどの益虫への影響について
近年、ミツバチの減少が世界的な問題となっています。ミツバチは、多くの植物の受粉を助けてくれる大切な益虫です。
オルトランを含む多くの殺虫剤は、残念ながらミツバチにも影響を与えてしまいます。特に、花が咲いている時期に水和剤などを散布すると、花の蜜や花粉を集めに来たミツバチが薬剤に接触してしまう可能性があります。
環境への配慮として、以下の点を心がけましょう。
- 開花中の散布は避ける: 庭木の花が満開の時期には、できるだけ薬剤散布を控える。
- 早朝や夕方に散布する: ミツバチの活動が少ない時間帯(早朝や夕方)に作業を行う。
- 粒剤を優先的に使用する: 粒剤は土に撒くため、水和剤の散布に比べてミツバチへの直接的な影響を低減できます。
害虫だけでなく、庭の生態系全体に目を向けることが、持続可能なガーデニングに繋がります。
使用時の服装と保管方法
使用者自身の安全を守ることも非常に重要です。
【使用時の服装】
薬剤を使用する際は、できるだけ肌の露出を避けましょう。
- 長袖、長ズボン
- 農薬用のマスク
- 保護メガネ
- ゴム手袋やビニール手袋
特に水和剤を散布する際は、風で薬剤が飛散して目に入ったり、吸い込んだりする危険性があるため、マスクとメガネの着用は必須です。作業後は、手や顔などを石鹸でよく洗い、うがいをしましょう。
【保管方法】
使い残した薬剤は、元の容器に入れたまま、しっかりと密閉してください。そして、直射日光を避け、子供やペットの手の届かない、鍵のかかる冷暗所に保管するのが原則です。食品や飼料とは絶対に一緒に保管しないでください。
正しい保管が、誤飲や誤用を防ぐ最後の砦となります。
よくある質問

オルトランはどこで買えますか?
オルトランは、全国のホームセンターの園芸コーナーや、園芸専門店、JA(農協)などで購入することができます。また、Amazonや楽天市場といったオンラインストアでも手軽に購入可能です。粒剤、DX粒剤、水和剤など、様々な種類が販売されているので、用途に合ったものを選びましょう。
オルトランの効果はどのくらい続きますか?
一般的に、オルトラン粒剤の効果持続期間の目安は約1ヶ月です。ただし、これは天候や土壌の条件、害虫の発生状況によって変動します。例えば、雨が多いと薬剤が流れて効果が短くなることがあります。定期的に庭木の様子を観察し、害虫の活動が見られるようであれば、1ヶ月を待たずに追加散布を検討してください。
オルトランを撒きすぎるとどうなりますか?
薬剤を規定量より多く撒きすぎると、「薬害」を引き起こす可能性があります。薬害の症状としては、葉が黄色く変色したり、縮れたり、ひどい場合には枯れてしまうこともあります。効果を高めたいからといって量を増やすのは絶対にやめてください。製品に記載されている使用量を必ず守ることが、植物を健康に保つ秘訣です。
オルトランの匂いはありますか?
はい、オルトランには特有の匂いがあります。特に粒剤は、開封時や散布時に独特の匂いを感じることが多いです。この匂いは、有効成分であるアセフェートに由来するものです。散布後に土と軽く混ぜたり、水やりをしたりすることで、ある程度匂いを抑えることができますが、風向きなどを考慮して散布し、作業後は手洗いやうがいをしっかり行いましょう。
古いオルトランは使えますか?
農薬には有効期限(使用期限)が定められています。通常、製品の袋やボトルに記載されています。期限が切れた古い薬剤は、成分が分解して十分な効果が得られない可能性があります。また、品質が変化していることも考えられるため、使用は避けるのが賢明です。有効期限内のものを使用するようにしましょう。
まとめ

- オルトラン散布の最適な時期は春(3月〜5月)。
- 新芽が芽吹くタイミングで散布するのがベスト。
- 害虫の活動前に「予防的」に使うのが効果的。
- 効果持続は約1ヶ月、必要に応じて追加散布を行う。
- 秋(9月〜10月)の散布は越冬害虫対策に有効。
- 粒剤は手軽で初心者におすすめ、株元に撒く。
- DX粒剤は2成分配合でより広範囲の害虫に効く。
- 水和剤は即効性が高く、発生した害虫に直接散布。
- 散布後の粒剤には軽い水やりが効果的。
- 雨の日の散布は避け、天気予報を確認する。
- 多くの花木や庭園樹に使用可能。
- 食用作物への使用は登録のある製品を正しく使う。
- アブラムシやケムシに特に高い効果を発揮する。
- ペットや子供の誤食に注意し、安全な場所に保管する。
- ミツバチ保護のため、開花中の散布は極力避ける。
