大切に育てている家庭菜園の野菜や、お庭を彩る草花に、びっしりと付着する緑色や黒色の小さな虫…その正体はアブラムシかもしれません。繁殖力が非常に強く、あっという間に増えて植物を弱らせてしまう厄介な害虫です。でも、ご安心ください!実は、100均で手に入るアイテムを活用すれば、お金をかけずに効果的なアブラムシ駆除が可能です。本記事では、ダイソーやセリアなどで揃えられる便利な駆除グッズから、食品由来で安心して使える手作りスプレーの作り方まで、プロのブロガーが徹底的に解説します。
もう悩まない!100均グッズでできるアブラムシ駆除の基本

アブラムシ駆除と聞くと、専用の薬剤が必要で面倒なイメージがあるかもしれません。しかし、まずは100円ショップで手に入る身近なアイテムで対策を試してみませんか。ここでは、見つけたらすぐに実行できる物理的な駆除方法と、100均で材料を揃えて作れる手作りスプレーをご紹介します。
- 【物理的に撃退】見つけたら即実行!おすすめアイテム5選
- 【100均で材料調達】食品由来で安心!手作り駆除スプレー3選
【物理的に撃退】見つけたら即実行!おすすめアイテム5選
アブラムシの数がまだ少ない初期段階であれば、物理的に取り除く方法が最も手軽で確実です。ダイソーやセリア、キャンドゥなどの100円ショップで手軽に購入できるアイテムを使って、今すぐアブラムシを撃退しましょう。
スプレーボトル(水圧で吹き飛ばす)
まず試してほしいのが、スプレーボトルを使った水での洗い流しです。100均で手に入る園芸用のスプレーボトルに水を入れ、アブラムシが付着している葉や茎に勢いよく噴射します。水の力でアブラムシを物理的に吹き飛ばす、とてもシンプルな方法です。
ポイントは、葉の裏側までしっかりと狙うこと。アブラムシは葉の裏に隠れていることが多いため、見逃さないように注意しましょう。水の勢いが強すぎると植物を傷つけてしまう可能性があるので、様子を見ながら調整してください。少し落ちにくい場合は、50℃程度のお湯を使うと効果が高まりますが、植物へのダメージを避けるため、温度管理には十分注意が必要です。
粘着テープ(ペタペタ捕獲)
ガムテープやセロハンテープといった粘着テープも、アブラムシ駆除に役立つアイテムです。 指に粘着面を外側にして巻き付け、アブラムシが付いている部分に軽く押し当ててペタペタと貼り付けて取り除きます。
この方法のメリットは、薬剤を使わずに虫を直接捕獲できる手軽さです。葉が大きな植物には幅広のガムテープ、小さな葉や細かい部分にはセロハンテープと使い分けると効率的です。 ただし、粘着力が強すぎると葉や茎を傷める原因になるため、粘着力の弱い養生テープなどを使うのがおすすめです。
歯ブラシ・ジェルクリーナー(優しくこすり落とす)
アブラムシの数が少ない場合は、使い古しの歯ブラシで優しくこすり落とす方法も有効です。 植物を傷つけないように、毛先の柔らかい歯ブラシを選びましょう。葉の裏や新芽など、デリケートな部分も丁寧に作業できます。
また、最近ではダイソーなどで販売されているパソコンのキーボードなどを掃除するための「ジェルクリーナー」を活用する方法も注目されています。 ぷにぷにしたジェルをアブラムシの上に押し当てると、ジェルが虫を吸着してごっそり取り除けます。手で直接触りたくない方や、楽しみながら駆除したい方にはぴったりの方法かもしれません。
防虫ネット(侵入を未然に防ぐ)
駆除と同時に、新たなアブラムシの侵入を防ぐことも重要です。そこでおすすめなのが、100均の防虫ネットです。 プランターごとすっぽり覆ったり、支柱を立ててトンネル状にしたりすることで、外からのアブラムシの飛来を防ぎます。
特に、野菜の植え付け直後や種まきの時期からネットをかけておくことで、初期の被害を大幅に減らすことができます。 ダイソーやセリアでは様々なサイズの防虫ネットが販売されているので、育てている植物に合わせて選びましょう。
アルミホイル(光の反射で寄せ付けない)
アブラムシはキラキラと光るものを嫌う習性があります。 この習性を利用して、植物の株元にアルミホイルを敷き詰めるという予防策も非常に効果的です。太陽の光がアルミホイルに反射し、乱反射した光を嫌ってアブラムシが寄り付きにくくなります。
100均で手に入るアルミホイルや、銀色のレジャーシートなどで代用可能です。 土の乾燥を防ぐマルチング効果も期待できるため、一石二鳥の対策と言えるでしょう。
【100均で材料調達】食品由来で安心!手作り駆除スプレー3選
薬剤は使いたくないけれど、物理的な駆除だけでは追いつかない…そんな方には、100均で材料を揃えて作れる手作りスプレーがおすすめです。食品由来の成分が中心なので、お子様やペットがいるご家庭でも比較的安心して使用できます。
重曹スプレーの作り方と使い方
お掃除でおなじみの重曹は、アブラムシ駆除にも効果を発揮します。 重曹スプレーは、アブラムシの気門(呼吸するための穴)を塞いで窒息させる効果が期待できます。
【作り方】
- スプレーボトルに重曹小さじ1杯と、展着剤の代わりになる食用油を少量(数滴~20ml程度)入れ、よく混ぜ合わせます。
- 水500mlを加えて、さらによく混ぜます。
- 混ざりにくい場合は、台所用中性洗剤を1~2滴加えると混ざりやすくなります。
【使い方】
完成したスプレーを、アブラムシに直接かかるように噴射します。噴射後は、植物への負担を避けるため、数時間後に水で洗い流すようにしましょう。 重曹の濃度が高すぎると葉が変色することがあるので、分量は必ず守ってください。 うどんこ病の予防にも効果が期待できる便利なスプレーです。
牛乳スプレーの作り方と使い方
牛乳もアブラムシ駆除に有効なアイテムです。 牛乳をアブラムシに吹きかけると、乾燥する過程で膜が張り、アブラムシの気門を塞いで窒息させることができます。
【作り方】
- スプレーボトルに牛乳を入れます。
- 水で2倍程度に薄めても効果がありますが、原液のままでも使用できます。
【使い方】
アブラムシ全体にまんべんなくスプレーし、牛乳が乾くのを待ちます。駆除が終わったら、必ず水で牛乳をきれいに洗い流してください。 洗い流さずに放置すると、牛乳が腐敗して悪臭を放ったり、雑菌が繁殖して別の病気を引き起こしたりする原因になります。
お酢・木酢液スプレーの作り方と使い方
お酢や木酢液の独特の匂いは、アブラムシが嫌うため、忌避剤として効果が期待できます。 100均でも穀物酢や木酢液が販売されているので、手軽に試すことができます。
【作り方】
- スプレーボトルに水1Lを入れます。
- お酢または木酢液を約30ml加え、よく混ぜ合わせます。(約30倍希釈)
【使い方】
アブラムシが発生している場所や、発生を予防したい場所に定期的にスプレーします。お酢や木酢液は殺虫効果というよりは、あくまで寄せ付けにくくする効果がメインです。濃度が高すぎると植物にダメージを与える可能性があるため、必ず薄めて使用し、かけすぎには注意しましょう。
そもそも、なぜアブラムシは発生するの?

効果的な対策を行うためには、敵を知ることが重要です。なぜアブラムシは発生し、植物にどのような被害をもたらすのでしょうか。その原因と被害内容を理解し、根本的な対策につなげましょう。
- アブラムシが好む環境とは?
- 放置は危険!アブラムシがもたらす3つの被害
アブラムシが好む環境とは?
アブラムシは、特定の条件下で爆発的に繁殖します。ご自身のガーデニング環境が、アブラムシにとって快適な場所になっていないかチェックしてみましょう。
窒素分の多い肥料
アブラムシは、植物の汁に含まれるアミノ酸を好みます。 肥料の中でも、葉や茎の成長を促す窒素成分が多すぎると、植物体内のアミノ酸が増加し、それを目当てにアブラムシが集まりやすくなります。 良かれと思って与えている肥料が、かえって害虫を呼び寄せる原因になっている可能性があるのです。肥料は適量を守って使用することが大切です。
日当たり・風通しの悪い場所
日当たりや風通しが悪い場所は、アブラムシにとって絶好の隠れ家となります。特に、葉が密集している場所や、壁際などは空気がよどみやすく、アブラムシが繁殖しやすい環境です。
また、アブラムシは春と秋の過ごしやすい気候で活発に活動します。 暖かくなるとメスだけで子どもを産む「単為生殖」を行い、驚異的なスピードで増えていくため、早期発見・早期駆除が何よりも重要になります。
放置は危険!アブラムシがもたらす3つの被害
「小さな虫だから」と油断していると、大切な植物が取り返しのつかない状態になってしまうことも。アブラムシがもたらす主な被害について解説します。
植物の生育を阻害する
アブラムシは、植物の茎や葉、新芽などに口針を突き刺し、養分を吸い取って生活しています。 大量のアブラムシに寄生されると、植物は栄養分を奪われてしまい、成長が著しく悪くなったり、葉が縮れたりするなどの生育不良を引き起こします。
「すす病」を誘発する
アブラムシは、吸汁した養分の中から余分な糖分を「甘露(かんろ)」と呼ばれる甘い排泄物として出します。 この甘露を放置しておくと、それを栄養源にして黒いカビが発生することがあります。これが「すす病」です。 葉の表面が黒いすすで覆われたようになり、光合成が妨げられ、植物の生育がさらに悪化してしまいます。
ウイルス病を媒介する
アブラムシの最も厄介な被害の一つが、ウイルス病の媒介です。 アブラムシがウイルスに感染した植物の汁を吸い、その後、健康な植物に移動して吸汁すると、ウイルスが伝染してしまいます。
一度ウイルス病に感染すると、治療法はなく、モザイク状の模様が葉に現れたり、株全体が萎縮したりして、最終的には枯れてしまうことも少なくありません。 このような深刻な被害を防ぐためにも、アブラムシの駆除は非常に重要です。
駆除の後は予防が肝心!アブラムシを寄せ付けない庭づくり

一度アブラムシを駆除しても、安心はできません。再び発生させないためには、日頃からの予防が何よりも大切です。ここでは、100均グッズで手軽にできる予防策と、自然の力を借りた対策をご紹介します。
- 100均グッズでできる簡単予防策
- 天敵を味方につける
100均グッズでできる簡単予防策
駆除だけでなく、予防にも100均グッズは大活躍します。コストをかけずに、アブラムシが寄り付きにくい環境を作りましょう。
アルミホイルや反射シートを敷く
前述の通り、アブラムシは光の反射を嫌います。 駆除が終わった後も、継続して株元に100均のアルミホイルや、ダイソーなどで販売されている「カラーアルミ流し台シート」などを敷いておくと、予防効果が期待できます。 地面の温度上昇を抑えたり、雑草の発生を防いだりする副次的な効果も見込めます。
防虫ネットで物理的にガード
最も確実な予防策の一つが、防虫ネットで植物を覆うことです。 特に、アブラムシが活発に活動し始める春先からネットをかけておくことで、産み付けられるのを防ぎます。100均では、プランター用の小さなものから、ある程度の大きさの畑にも使えるものまで、様々なサイズのネットが手に入ります。 支柱と組み合わせて、葉にネットが直接触れないように空間を確保するのがポイントです。
天敵を味方につける
自然界には、アブラムシを食べてくれる頼もしい益虫が存在します。薬剤に頼らず、生態系の力を借りてアブラムシをコントロールするのも一つの方法です。
テントウムシを呼ぶ
アブラムシの天敵として最も有名なのがテントウムシです。 特にナナホシテントウの成虫や幼虫は、一日に何十匹ものアブラムシを捕食してくれます。
テントウムシを庭に呼び寄せるには、キク科の植物(カモミールなど)やセリ科の植物(ディル、フェンネルなど)といった、テントウムシが好む花を植えておくと効果的です。殺虫剤の使用を控えることで、こうした益虫が住みやすい環境を整えることができます。
アブラムシ駆除のよくある質問

100均の殺虫剤って効果ありますか?
ダイソーなどの100円ショップでは、スプレータイプや粒状の園芸用殺虫剤が販売されています。 これらはアブラムシに効果があるものも多く、手軽に使えるのが魅力です。ただし、使用する際は必ず商品の説明書きをよく読み、対象となる害虫や植物、使用方法を確認してください。特に野菜などに使用する場合は、収穫までの日数制限などが設けられている場合があるので注意が必要です。
唐辛子スプレーも100均の材料で作れますか?
はい、作れます。唐辛子に含まれるカプサイシンもアブラムシが嫌う成分です。 100均で販売されている乾燥唐辛子とお酢(または焼酎などのアルコール)を使って、唐辛子スプレーを作ることができます。
【簡単な作り方】
- 100均の乾燥唐辛子を細かく刻み、ペットボトルなどの容器に入れます。
- お酢や焼酎を注ぎ、数週間から1ヶ月ほど漬け込みます。
- できた原液をガーゼなどでこし、水で300~500倍に薄めてスプレーします。
刺激が強いので、作成時や使用時は手袋やマスクを着用し、目や皮膚にかからないよう十分注意してください。
駆除した後の植物の手入れはどうすればいいですか?
牛乳スプレーや重曹スプレーなどを使用した後は、必ず水でしっかりと洗い流しましょう。 そのままにしておくと、植物の気孔を塞いだり、葉が変色したりする原因になります。また、アブラムシの死骸や甘露(排泄物)も病気の原因になるため、きれいに洗い流すことが大切です。その後は、風通しを良くするために、混み合った枝や葉を剪定してあげると、再発防止につながります。
牛乳スプレーは臭いが気になります。
確かに、牛乳スプレーは乾燥後に洗い流さないと腐敗し、強い臭いの原因となります。 駆除効果を確認したら、できるだけ速やかに、たっぷりの水で洗い流すことを徹底してください。臭いが気になる方や、洗い流す手間を省きたい方は、重曹スプレーやお酢スプレー、または水圧で飛ばす方法を試すのがおすすめです。
100均の木酢液は使えますか?
はい、ダイソーなどで販売されている木酢液もアブラムシの忌避剤として使用できます。 木を炭にする際に出る煙を冷却して液体にしたもので、独特の燻製のような香りが害虫を遠ざける効果が期待されています。 必ず規定の倍率(200~500倍程度)に水で薄めてから使用してください。 土壌の微生物を活性化させる効果も期待できると言われています。
まとめ

- アブラムシ駆除は100均グッズで手軽に始められる。
- 初期段階では水スプレーや粘着テープが有効。
- ダイソーのジェルクリーナーも意外な効果を発揮する。
- 食品由来の重曹や牛乳で安全な駆除スプレーが作れる。
- 重曹スプレーは分量を守り、使用後は洗い流すこと。
- 牛乳スプレーは腐敗を防ぐため必ず洗い流しが必要。
- お酢や木酢液スプレーは忌避効果が期待できる。
- アブラムシは窒素肥料の与えすぎで発生しやすくなる。
- 風通しの悪い場所はアブラムシの温床になりやすい。
- アブラムシは植物の栄養を吸い、生育を阻害する。
- 排泄物が原因で「すす病」を引き起こすことがある。
- ウイルス病を媒介するため、放置は非常に危険。
- 予防にはアルミホイルの反射光が効果的。
- 防虫ネットで物理的に侵入を防ぐのが確実な予防策。
- テントウムシなどの天敵はアブラムシの強力な捕食者。