ニジュウヤホシテントウの無農薬駆除|大切な野菜を守る10の方法

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ニジュウヤホシテントウの無農薬駆除|大切な野菜を守る10の方法
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家庭菜園で大切に育てているナスやジャガイモ。ふと見ると、葉っぱがレースのように透けていたり、実にかじられたような跡があったりしませんか?それはもしかしたら、ニジュウヤホシテントウの仕業かもしれません。見た目は可愛らしいテントウムシなのに、実は野菜を食い荒らす害虫なのです。「農薬は使いたくないけど、どうにかしたい…」そんな悩みを抱えるあなたのために、この記事では無農薬でニジュウヤホシテントウを駆除し、寄せ付けないための具体的な方法を徹底解説します。

目次

まずは敵を知ろう!害虫ニジュウヤホシテントウ(テントウムシダマシ)とは?

まずは敵を知ろう!害虫ニジュウヤホシテントウ(テントウムシダマシ)とは?

効果的な対策を行うためには、まず相手のことをよく知ることが重要です。ここでは、多くの人が間違えやすい益虫のテントウムシとの違いや、その恐ろしい被害、生態について詳しく見ていきましょう。

  • 益虫のテントウムシとの見分け方
  • 恐ろしい被害!葉や実がボロボロに
  • ニジュウヤホシテントウの生態と発生サイクル

益虫のテントウムシとの見分け方

ニジュウヤホシテントウは、その名の通り28個の黒い斑点を持つテントウムシですが、アブラムシなどを食べてくれる益虫のテントウムシとは全く違う草食性の害虫です。 しばしば「テントウムシダマシ」とも呼ばれ、家庭菜園家にとっては悩みの種。 見分けるポイントはいくつかありますが、最も分かりやすいのは体の光沢です。

アブラムシを食べてくれるナナホシテントウやナミテントウの体にはツヤツヤとした光沢がありますが、ニジュウヤホシテントウの体には光沢がなく、細かい毛がびっしりと生えていてマットな質感をしています。 星の数も、益虫のナナホシテントウは7つですが、害虫であるニジュウヤホシテントウは28個と非常に多いのが特徴です。 この違いを覚えておけば、間違って益虫を駆除してしまう悲劇を防げますね。

特徴ニジュウヤホシテントウ(害虫)ナナホシテントウ(益虫)
光沢ない(細かい毛が生えている)ある(ツヤツヤしている)
星の数28個7個
食べるものナス科の植物(葉、実)アブラムシ

恐ろしい被害!葉や実がボロボロに

ニジュウヤホシテントウの被害は、幼虫・成虫ともにもたらされます。 彼らは特にナス、ジャガイモ、トマト、ピーマンといったナス科の植物が大好き。 葉の裏側から、表面の薄皮を残すようにして食べるため、被害を受けた葉はレースのように透けた網目状になったり、さざ波状の食害痕が残ったりするのが特徴です。

この食害が進むと、植物は光合成が十分にできなくなり、生育が著しく悪化してしまいます。 葉だけでなく、果実の表面までかじってしまうため、見た目が悪くなるだけでなく、収穫量の減少に直結する深刻な被害となるのです。 大量に発生すると、あっという間に畑の野菜が丸裸にされてしまうこともある、まさに家庭菜園の天敵と言えるでしょう。

ニジュウヤホシテントウの生態と発生サイクル

ニジュウヤホシテントウは、成虫の姿で落ち葉の下や雑草の根元などで冬を越します。 そして春、気温が上がってくると活動を開始し、特にジャガイモの葉に集まって産卵を始めます。 卵は黄色い長円形で、数十個がまとまって葉の裏に産み付けられます。

卵は約1週間で孵化し、トゲトゲのついた黄色い幼虫が出てきます。 この幼虫が約1ヶ月間、葉を猛烈な勢いで食べ続け、その後蛹になり、約1週間で成虫になります。 暖かい地域では年に数回発生を繰り返し、6月から7月頃に最も被害が大きくなる傾向があります。 繁殖力が非常に高いため、見つけたらすぐに対処することが被害を最小限に抑える鍵となります。


【即実践】農薬を使わない!ニジュウヤホシテントウの駆除方法5選

【即実践】農薬を使わない!ニジュウヤホシテントウの駆除方法5選

「農薬は使いたくない」と考える方にとって、ここからが本番です。化学薬品に頼らず、環境にも優しく、そして効果的にニジュウヤホシテントウを駆除するための方法を5つ、具体的にご紹介します。どれも手軽に始められるものばかりですよ。

  • 最も確実!手で捕まえて駆除する
  • 自然の力で撃退!木酢液・竹酢液スプレー
  • キッチンにあるもので対策!重曹スプレー
  • 忌避効果を狙う!ニームオイルや唐辛子スプレー
  • 意外な効果?米ぬか・草木灰をまく

最も確実!手で捕まえて駆除する

最も原始的でありながら、最も確実な方法が、手で一匹ずつ捕まえることです。 農薬を使わない家庭菜園では、これが基本の駆除方法となります。ニジュウヤホシテントウは、危険を察知するとポロっと下に落ちて死んだふりをする習性があります。

この習性を利用して、駆除する際は株の下に受け皿となる容器や袋を置いておくと、取りこぼしが少なくなります。ペットボトルを加工して作った捕獲器も便利です。 朝方の涼しい時間帯は虫の動きが鈍いので、捕まえやすいでしょう。卵や幼虫も葉の裏にいることが多いので、葉をめくってこまめにチェックし、見つけ次第、葉ごと取り除くか、粘着テープなどで取り去るのが効果的です。 地道な作業ですが、見つけ次第駆除することが、大発生を防ぐ一番の近道なのです。

自然の力で撃退!木酢液・竹酢液スプレー

木酢液や竹酢液は、炭を焼くときに出る煙を冷やして液体にしたもので、独特の燻製のような香りが特徴です。 この香りを害虫が嫌うため、忌避剤として効果が期待できます。 直接的な殺虫効果はありませんが、定期的に散布することでニジュウヤホシテントウを寄せ付けにくくする環境を作ることができます。

使い方は、水で500倍から1000倍程度に薄めて、スプレーボトルで葉の表裏にまんべんなく散布します。 木酢液には土壌の微生物を活性化させる効果もあるため、土壌改良にもつながるという嬉しいおまけも。 ただし、原液は非常に酸性が強く、植物を傷める可能性があるので、必ず希釈して使用してください。 また、製品によって成分や濃度が異なるため、使用前には必ず説明書を確認しましょう。

キッチンにあるもので対策!重曹スプレー

掃除や料理でおなじみの重曹も、害虫対策に活用できます。重曹を水に溶かしたスプレーは、アブラムシやうどんこ病対策として知られていますが、ニジュウヤホシテントウのような体の柔らかい昆虫に対しても効果が期待できます。

作り方は簡単で、水500mlに対して重曹小さじ1杯をよく溶かします。 これに、展着剤の代わりとして食用油を数滴加えると、スプレー液が葉に付着しやすくなり効果が高まります。 このスプレーを葉の裏を中心に吹きかけることで、害虫が嫌がる環境を作ります。散布後は、重曹の成分が葉に残ると変色の原因になることがあるため、しばらくしたら水で洗い流すとより安心です。 身近な材料で手軽に作れるのが最大の魅力ですね。

忌避効果を狙う!ニームオイルや唐辛子スプレー

ニームオイルは、「ニーム」というインド原産の木の実から抽出されるオイルで、アザディラクチンという成分が含まれています。 この成分には、害虫の食欲を減退させたり、成長を阻害したりする効果があり、世界中で有機農業の資材として利用されています。ニジュウヤホシテントウに対しても忌避効果が期待できます。

また、唐辛子やニンニクを使った手作りスプレーも有効です。 唐辛子のカプサイシンやニンニクの匂いを害虫は嫌います。唐辛子数本とニンニクひとかけを水に入れて煮出し、冷ましてから布で濾してスプレーします。これらの自然由来のスプレーは、予防的に使うことで、ニジュウヤホシテントウが寄り付きにくい畑を目指すことができます。

意外な効果?米ぬか・草木灰をまく

米ぬかや草木灰を葉の上に軽くまくという方法も、一部の自然農法を実践する人たちの間で試されています。 これには、葉の表面の状態を変えることで、ニジュウヤホシテントウが葉を食べにくくする効果や、産卵をしにくくする効果があると考えられています。

特に米ぬかは、それをエサにする微生物が増えることで、植物の健康状態が良くなるという副次的な効果も期待できます。草木灰はカリウムを豊富に含むため、植物を丈夫にする肥料としての役割も果たします。ただし、どちらもやりすぎは禁物です。特に草木灰はアルカリ性なので、土壌のpHバランスを崩さないよう、軽く振りかける程度にしましょう。雨が降ると流れてしまうため、定期的にまき直す必要があります。

【未来の被害を防ぐ】ニジュウヤホシテントウを寄せ付けない予防策5選

【未来の被害を防ぐ】ニジュウヤホシテントウを寄せ付けない予防策5選

駆除も大切ですが、それ以上に重要なのが「そもそも害虫を寄せ付けない」ことです。ここでは、来年以降の被害を減らすために、今からできる予防策を5つご紹介します。計画的に行うことで、ニジュウヤホシテントウの発生しにくい環境を作りましょう。

  • 物理的にシャットアウト!防虫ネット・寒冷紗
  • 寄せ付けない環境づくり!コンパニオンプランツ
  • 越冬させない!畑の片付けと除草
  • ジャガイモの近くは避ける!作付け計画の工夫
  • 天敵を味方につける

物理的にシャットアウト!防虫ネット・寒冷紗

最も確実な予防策の一つが、防虫ネットや寒冷紗で野菜を覆ってしまうことです。 物理的に成虫の飛来と産卵を防ぐことができるため、非常に効果的です。特に、苗を植え付けた直後からネットをかけておくことで、初期の被害を大幅に減らすことができます。

選ぶ際は、ニジュウヤホシテントウが通り抜けられない1mm以下の網目のものを選びましょう。ネットをかける際は、支柱を立ててトンネル状にし、葉がネットに直接触れないようにするのがポイントです。また、裾に隙間ができないように、土でしっかりと埋めるか、専用のピンで固定することを忘れないでください。ここから侵入されては元も子もありません。

寄せ付けない環境づくり!コンパニオンプランツ

コンパニオンプランツとは、一緒に植えることでお互いによい影響を与え合う植物のことです。 特定のハーブや野菜の香りが、ニジュウヤホシテントウを遠ざける効果を発揮することがあります。

例えば、ナスの近くにバジルやパセリを植えると、その香りを嫌ってニジュウヤホシテントウが寄り付きにくくなると言われています。 また、マリーゴールドの根から出る物質は、土の中のセンチュウを減らす効果で有名ですが、その独特の香りは地上の害虫に対しても忌避効果が期待できます。 このように、様々な植物を一緒に植える「混植」は、特定の害虫が大量発生するリスクを減らし、畑の生態系を豊かにすることにも繋がります。

守りたい野菜おすすめのコンパニオンプランツ期待できる効果
ナス、トマトバジル、パセリ、ネギ香りでニジュウヤホシテントウを忌避
ジャガイモネギ、インゲンマメニジュウヤホシテントウの忌避
ナス科全般マリーゴールド香りで害虫を忌避、土壌のセンチュウ対策

越冬させない!畑の片付けと除草

ニジュウヤホシテントウは、成虫の姿で冬を越します。その隠れ家となるのが、収穫後の野菜の残骸や、畑の周りの枯れ草、落ち葉の下などです。 そのため、秋の畑じまいが非常に重要になります。

収穫が終わった株は放置せず、速やかに抜き取って片付けましょう。畑の周りの雑草も、彼らの絶好の越冬場所になるため、こまめに草刈りをして、風通しを良くしておくことが大切です。 こうして越冬場所を徹底的になくすことで、翌春に活動を始める成虫の数を減らし、スタートラインから有利な状況を作ることができます。

ジャガイモの近くは避ける!作付け計画の工夫

春、越冬から目覚めたニジュウヤホシテントウの成虫が、まず目指すのがジャガイモの畑です。 ここで食事をし、産卵して数を増やし、その後、ナスやトマトへと移動していきます。

この習性を逆手にとって、ジャガイモと、その後に栽培するナスやトマトの作付け場所をできるだけ離すという工夫が有効です。 ジャガイモ畑で発生したニジュウヤホシテントウが、他のナス科野菜へ簡単に移動できないようにするのです。家庭菜園のような限られたスペースでは難しいかもしれませんが、少しでも距離を置いたり、間に他の科の野菜(例えばマメ科やアブラナ科など)を植えたりするだけでも、被害の拡大を遅らせる効果が期待できます。

天敵を味方につける

ニジュウヤホシテントウには、残念ながら「これだ!」という強力な天敵は少ないと言われています。 しかし、自然界にはクモやカマキリ、鳥など、昆虫を捕食する生き物がたくさんいます。

農薬を使わない畑は、こうした天敵となる生き物たちにとっても安全な住処となります。特定の害虫だけを狙い撃ちにするのではなく、多様な生き物が生息できる環境を整えることが、結果的に害虫の異常発生を抑えることに繋がります。 例えば、畑の隅に草を残しておく場所(バンカープランツ)を作ったり、天敵の隠れ家となるような木や花を植えたりすることも、長期的に見れば有効な害虫対策となるでしょう。

よくある質問

よくある質問

ニジュウヤホシテントウの天敵は何ですか?

ニジュウヤホシテントウには特効薬となるような天敵は少ないですが、クモ、カマキリ、鳥類などが捕食することがあります。 また、寄生バエや寄生バチといった天敵も存在します。農薬を使わず、多様な生物が共存できる環境を整えることが、天敵を増やす手助けになります。

木酢液や重曹スプレーの作り方と使い方は?

木酢液スプレーは、製品の規定に従い、水で500~1000倍に薄めて使用します。 葉の表裏にまんべんなく散布し、月に2~3回の定期的な散布がおすすめです。
重曹スプレーは、水500mlに食用の重曹を小さじ1杯溶かし、展着剤代わりに食用油を数滴加えて作ります。 害虫を見つけたら、葉の裏を中心に吹きかけます。散布後、植物への影響を避けるため水で洗い流すとより安全です。

コンパニオンプランツで効果的な組み合わせは?

ニジュウヤホシテントウ対策としては、ナス科の植物の近くに香りの強いハーブや野菜を植えるのが効果的です。具体的には、ナスやトマトの株元にバジルやパセリ、ネギを植える組み合わせがよく知られています。 また、畑の周りにマリーゴールドを植えるのも、多くの害虫に対する忌避効果が期待できます。

大量発生してしまったらどうすればいいですか?

無農薬で対応する場合、まずは地道に手で捕殺するのが基本です。 被害がひどい葉は、卵や幼虫ごと切り取って処分します。その上で、木酢液や重曹スプレーなどをこまめに散布して、これ以上増えないように努めます。あまりにも被害が拡大し、収穫が望めない場合は、他の作物に被害が広がる前に、株ごと処分することも検討する必要があります。

駆除したニジュウヤホシテントウはどう処理すればいいですか?

手で捕まえた成虫や幼虫は、ビニール袋に入れて口を固く縛って処分するか、石鹸水を入れた容器に入れるとよいでしょう。そのまま畑に捨てると、再び活動を始める可能性があるため、確実に処理することが大切です。

まとめ

まとめ
  • ニジュウヤホシテントウは光沢がなく毛深い害虫。
  • 葉や実を網目状に食害し、生育を阻害する。
  • 無農薬駆除の基本は、手による捕殺である。
  • 木酢液や重曹スプレーは忌避効果が期待できる。
  • ニームオイルや唐辛子スプレーも有効な手段。
  • 予防には防虫ネットが最も確実な方法の一つ。
  • コンパニオンプランツで害虫を遠ざける。
  • ナスの近くにバジルやパセリを植えるのがおすすめ。
  • マリーゴールドは害虫対策の強い味方になる。
  • 秋の畑の片付けで越冬場所をなくすことが重要。
  • ジャガイモとナス科野菜の作付け場所を離す。
  • 天敵が住みやすい多様性のある環境を作る。
  • 卵や幼虫は葉の裏にいるのでこまめにチェック。
  • 見つけたらすぐに対処し、大発生を防ぐ。
  • 根気強い対策が、無農薬栽培成功の鍵となる。
ニジュウヤホシテントウの無農薬駆除|大切な野菜を守る10の方法

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