家に突然現れるクモ。「うわっ!」と声を上げてしまうほど、不快に感じる方も多いのではないでしょうか。そんな時、手元にあるゴキブリ用の殺虫剤「ゴキジェット」で退治できないか、と考えたことはありませんか?本記事では、ゴキジェットがクモに効くのかという疑問にお答えし、その効果や安全な使い方、さらにはクモを二度と見たくないあなたのための最強のクモ対策まで、余すところなく解説していきます。もうクモの出現に怯える必要はありません。
【結論】ゴキジェットはクモに効果がある!ただし注意点も

「ゴキジェットはクモに効くの?」その答えは、「はい、効果があります」。しかし、ゴキブリをターゲットにした製品ならではの特性や、使用する上での注意点が存在します。いざという時に慌てず、正しく対処できるよう、まずはゴキジェットがクモに効く仕組みと、使用時のポイントをしっかりと押さえておきましょう。
この章では、以下の点について詳しく解説していきます。
- ゴキジェットの主成分とクモへの作用
- なぜ「効かない」という声もあるのか?
- ゴキジェットをクモに使う際の重要な注意点
ゴキジェットの主成分とクモへの作用
ゴキジェットの主な殺虫成分は「ピレスロイド系」と呼ばれるものです。 この成分は、ゴキブリだけでなく、ハエや蚊、そしてクモを含む多くの昆虫の神経系に作用し、麻痺させて退治する効果があります。 そのため、ゴキジェットをクモに直接噴射すれば、ゴキブリ同様に素早い動きを止め、駆除することが可能です。
特に、アース製薬から販売されている「ゴキジェットプロ」は、速効性に優れた「イミプロトリン」という成分が配合されており、ゴキブリを秒速でノックダウンさせることを謳っています。 この強力な速効性は、俊敏に動き回るクモに対しても有効に働くことが期待できるでしょう。
なぜ「効かない」という声もあるのか?
「ゴキジェットを使ったけど、クモに効かなかった」という声が聞かれることもあります。 これにはいくつかの理由が考えられます。
一つは、クモの種類や大きさです。アシダカグモのような大型のクモは、体の大きさから薬剤に対する抵抗力が比較的高く、少量かかっただけではすぐに効果が現れない場合があります。 また、薬剤がクモの体に十分にかかっていないケースも考えられます。素早く逃げるクモに対して、焦ってしまい的確に噴射できなかった場合、十分な量の薬剤が付着せず、効果が薄れてしまうのです。
さらに、ゴキジェットはあくまでゴキブリ用として開発されているため、クモ専用の殺虫剤と比較すると、クモに対する特化性では劣る可能性があります。クモ専用スプレーには、クモを駆除するだけでなく、巣を張らせない忌避成分が含まれているものも多く、その点が大きな違いと言えるでしょう。
ゴキジェットをクモに使う際の重要な注意点
ゴキジェットをクモに使用する際は、いくつかの重要な注意点があります。まず最も大切なのは、必ずクモ本体に直接、十分な量がかかるように噴射することです。クモの巣にいくら噴射しても、クモ本体を駆除することはできません。 むしろ、スプレーの勢いで巣が飛び散り、掃除が大変になるだけです。
また、ゴキジェットは強力な殺虫剤であるため、使用する環境にも配慮が必要です。特に、小さなお子様やペット(犬、猫、小鳥など)、観賞魚がいるご家庭では、薬剤を吸い込んだり、舐めたりしないよう細心の注意を払う必要があります。 使用時は部屋の換気を十分に行い、食器や食品にかからないようにすることも忘れないでください。 冷蔵庫の裏など、ガスが溜まりやすい場所での過剰な噴射は、引火の危険性もあるため絶対に避けましょう。
ゴキジェットをクモに使うメリット・デメリット

手元にあるゴキジェットでクモを退治できるのは便利ですが、メリットばかりではありません。専用品ではないからこそのデメリットも存在します。ここでは、ゴキジェットをクモに使うことのメリットとデメリットを整理し、あなたが置かれている状況で最適な判断ができるように解説します。
この章で理解できることは以下の通りです。
- メリット:いざという時の速効性と手軽さ
- デメリット:状況によっては効果が薄く、予防はできない
メリット:速効性と手軽さ
ゴキジェットをクモに使う最大のメリットは、その速効性と手軽さにあります。多くのご家庭でゴキブリ対策として常備されているため、「クモが出た!」という緊急事態に、わざわざ新しい殺虫剤を買いに行く必要がありません。目の前のクモを今すぐどうにかしたい、という状況において、ゴキジェットは非常に頼りになる存在です。
ゴキブリの素早い動きを止めるために開発された強力な噴射力と速効性の高い殺虫成分は、壁や天井を素早く移動するクモの動きを止めるのにも役立ちます。 パニックになっている状況でも、狙いを定めて噴射すれば、ひとまずクモの動きを封じることができるでしょう。
デメリット:状況によっては効果が薄く、予防はできない
一方で、デメリットも存在します。前述の通り、アシダカグモのような大型のクモには、一度の噴射では効果が不十分な場合があります。 また、ゴキジェットはあくまで「駆除」を目的とした製品であり、クモを寄せ付けない「予防」効果は期待できません。
クモの巣の除去や、新たな巣を張らせないための効果は含まれていないため、その場にいるクモを退治できたとしても、また別のクモが現れる可能性があります。 根本的なクモ対策をしたいと考えている場合には、ゴキジェットだけでは不十分と言えるでしょう。クモの巣ごと対策したい、そもそもクモに入ってきてほしくない、というニーズには応えられないのがデメリットです。
【状況別】ゴキジェットの効果的な使い方とクモ退治のコツ

ゴキジェットがクモに効くことは分かりましたが、より確実に、そして安全に退治するためには、状況に応じた使い方のコツがあります。室内に現れた一匹のクモと、ベランダなどに張られたクモの巣では、対処法が異なります。正しい知識を身につけて、スマートにクモ問題を解決しましょう。
この章で学べる、具体的な退治のコツはこちらです。
- 室内にいるクモを確実に仕留める方法
- クモの巣への正しい対処法
室内にいるクモを退治する場合
室内にクモが現れた場合、パニックにならず冷静に対処することが成功の鍵です。まずは、クモから少し距離を取り、ゴキジェットを構えましょう。狙うべきは、クモ本体です。数秒間、薬剤がしっかりとクモにかかるように直接噴射します。この時、クモが逃げそうな方向を予測し、少し先回りして噴射するとより効果的です。
噴射後は、すぐにクモが動かなくなるわけではないかもしれません。薬剤が効くまで少し時間がかかることもあるので、しばらく様子を見ましょう。 動かなくなったことを確認したら、ティッシュペーパーやビニール袋などを使ってクモを処理します。直接手で触れるのは避けましょう。最後に、薬剤がかかった床や壁をきれいに拭き取っておくと安心です。
クモの巣への対処法
ベランダや軒下、窓の外側などにクモの巣が張られていて困っている場合、ゴキジェットを吹きかけるのは得策ではありません。ゴキジェットにはクモの巣を溶かしたり、除去したりする効果はないため、スプレーしても巣は残ったままです。
クモの巣の対処法として最も効果的なのは、物理的に取り除くことです。長い棒の先にブラシや布を巻き付けたものを用意し、巣を絡め取るように除去しましょう。掃除機で吸い取ってしまうのも一つの手です。
そして、巣を取り除いた後にこそ、専用スプレーの出番です。アース製薬の「クモの巣消滅ジェット」などのクモ専用スプレーには、殺虫成分に加えてシリコーンなどが配合されており、スプレーした場所にクモが巣を張るのを防ぐ効果があります。 巣を除去した後にスプレーしておくことで、同じ場所に再び巣が張られるのを長期間防ぐことができるのです。
ゴキジェットだけじゃない!クモ対策におすすめの殺虫剤・アイテム

ゴキジェットは緊急時には役立ちますが、クモ対策を万全にしたいなら、やはり専用のアイテムを揃えておくのがおすすめです。殺虫剤から、薬剤を使いたくない方向けのグッズまで、様々な選択肢があります。あなたのライフスタイルやクモの発生状況に合わせて、最適なアイテムを見つけましょう。
本章では、ゴキジェット以外の強力な選択肢をご紹介します。
- クモ専用殺虫剤との徹底比較
- 殺虫成分を使いたくない人向けの対策グッズ
クモ専用殺虫剤との比較
市場には様々なメーカーからクモ専用の殺虫剤が販売されています。それぞれに特徴があるため、比較して自分に合ったものを選びましょう。
製品名 | メーカー | 主な特徴 |
---|---|---|
クモの巣消滅ジェット | アース製薬 | 強力なジェット噴射で高い場所にも届く。シリコーンコートで巣作りを長期間予防。撥水性があり雨にも強い。 |
クモ用ハンター | KINCHO(大日本除虫菊) | 速効殺虫成分でクモを素早く駆除。造網阻止成分でクモの巣を張らせない効果が持続。 |
クモフマキラー | フマキラー | クモを直接駆除する効果に加え、巣作り予防効果も。逆さスプレー対応で、低い場所のクモにも使いやすい。 |
おすだけクモアーススプレー | アース製薬 | 屋内で使いやすいワンプッシュタイプ。ベタつかず、汚れにくい。約1ヵ月間、クモを寄せ付けない効果が持続。 |
屋外の軒下など、雨風にさらされる場所には撥水性の高い「クモの巣消滅ジェット」が、室内で手軽に使いたい場合は「おすだけクモアーススプレー」がおすすめです。
殺虫成分を使いたくない人向けの対策グッズ
小さなお子様やペットがいて、殺虫成分の使用に抵抗があるという方も少なくないでしょう。そんな方には、化学的な殺虫成分を含まない対策グッズがおすすめです。
- 凍殺ジェット: フマキラーなどから販売されている、マイナス85℃などの超低温で害虫を瞬間的に凍らせて動きを止めるスプレーです。 殺虫成分不使用なので、キッチンや食品の近くでも安心して使用できます。ただし、クモが生き返ることがあるため、しっかりと凍らせる必要があります。
- クモよけスプレー(天然成分): クモはハッカ油やミント、柑橘系の香りを嫌う性質があります。 これらの天然由来成分を使用した忌避スプレーを、窓際や玄関などクモの侵入経路になりそうな場所に定期的にスプレーすることで、クモが寄り付きにくくなります。
- 捕獲トラップ: 粘着シート式のトラップを部屋の隅などに設置し、歩き回るクモを捕獲する方法です。徘徊性のクモに有効です。
- 超音波発生器: 人間には聞こえない超音波を発生させて、クモなどの害虫を不快にさせ、家から追い出すとされる機器です。効果については製品や環境によって差があるようです。
もうクモに悩まない!侵入を防ぐための予防策

クモを退治するのも大切ですが、最も理想的なのは「そもそもクモが家に入ってこない」状況を作ることです。クモが家の中に侵入するのは、そこにエサがあったり、隠れやすい場所があったりするから。日々のちょっとした心がけで、クモにとって魅力のない環境を作り、侵入を未然に防ぎましょう。
この章では、今日から始められる具体的な予防策を紹介します。
- 家の周りの環境を整える
- クモの侵入経路を徹底的に塞ぐ
家の周りの環境を整える
クモは、エサとなる小さな虫を求めてやってきます。 つまり、家の周りに虫が寄り付く環境があると、それを捕食するクモも集まってきてしまうのです。まずは、クモのエサとなる虫を減らすことから始めましょう。
ベランダや庭の植木鉢の受け皿に水が溜まっていると、蚊などが発生しやすくなります。こまめに水を捨てるように心がけましょう。また、家の周りの雑草を刈ったり、落ち葉を掃除したりして、虫が隠れる場所をなくすことも重要です。夜間、照明に虫が集まっている場合は、虫が寄りにくいLED照明に交換するのも効果的な対策の一つです。
そして、クモの巣を見つけたら、こまめに取り除くこと。 クモは同じ場所に巣を張る習性があるため、巣を張らせないという強い意志を示すことが大切です。
侵入経路を塞ぐ
クモは、ほんのわずかな隙間からでも家の中に侵入してきます。 家中の隙間をチェックし、物理的に侵入経路を断つことが、最も確実な予防策と言えるでしょう。
特に注意したいのは以下の場所です。
- 網戸の破れや隙間: 網戸が破れていたり、サッシとの間に隙間ができていたりすると、絶好の侵入経路になります。ホームセンターなどで手に入る補修シールで修理したり、隙間テープを貼ったりして対策しましょう。
- 換気口や通気口: 換気扇やエアコンのドレンホースの排出口なども、クモの侵入経路になり得ます。専用の防虫フィルターやネットを取り付けると安心です。
- ドアや窓の開閉: 意外と見落としがちなのが、ドアや窓の開閉時です。特に夜間は、室内の光に誘われて虫と一緒にクモが入り込んでくることがあります。開けっ放しにせず、出入りは素早く行いましょう。
これらの対策を徹底することで、クモが家の中に迷い込むリスクを大幅に減らすことができます。
よくある質問

ゴキジェットプロと通常版の違いは?クモにはどっちが効く?
ゴキジェットプロと通常版の主な違いは、配合されている殺虫成分やその効果にあります。「医薬品 ゴキジェットプロ」には、速効性に加えて、ゴキブリを待ち伏せて駆除する「残効性」があります。 一方、通常の「ゴキジェットプロ(防除用医薬部外品)」は、速効性を重視した処方になっています。
クモに対しては、どちらも主成分のピレスロイド系薬剤が効果を発揮するため、直接噴射すれば駆除は可能です。 しかし、より強力な秒速ノックダウン効果を求めるのであれば、速効性に特化した成分「イミプロトリン」を配合しているゴキジェットプロシリーズがおすすめです。
ゴキジェットをペットや子供がいる部屋で使っても大丈夫?
ゴキジェットは強力な殺虫剤なので、ペットや小さなお子様がいる部屋での使用には細心の注意が必要です。 使用する際は、ペットや子供を別の部屋に移動させ、作業が終わって十分に換気した後(薬剤の匂いがなくなるまでが目安)に部屋に戻すようにしてください。
万が一、薬剤がペットの体にかかったり、舐めてしまったりした場合は、すぐに獣医師に相談しましょう。また、おもちゃや食器などに薬剤がかからないよう、事前に片付けておくか、カバーをかけるなどの対策も重要です。アース製薬の公式サイトでも、使用上の注意として喚起されています。
クモを殺さずに追い出す方法はありますか?
はい、あります。クモを殺すことに抵抗がある場合は、傷つけずに外へ逃がしてあげる方法を試してみましょう。一番簡単なのは、ちりとりとほうきを使う方法です。 クモをそっとちりとりに乗せ、ほうきで優しく誘導して外に運びます。ティッシュでそっと捕まえて逃がす方法もありますが、素早いクモだと失敗することもあります。
また、クモが嫌うハッカ油や柑橘系のアロマスプレーをクモの近くに吹きかけることで、クモが自ら逃げていくのを促すこともできます。 ただし、追い詰めると隙間に隠れてしまうこともあるので、逃げ道を開けてあげるのがポイントです。
アシダカグモ(益虫)も駆除していい?
アシダカグモは、体長が10cm以上にもなる大型のクモで、その見た目から多くの人を怖がらせます。しかし、実はゴキブリやハエなどの害虫を捕食してくれる「益虫」として知られています。 アシダカグモが家にいるということは、それだけエサとなるゴキブリなどがいる可能性を示唆しています。
毒はなく、性格も臆病で人間に危害を加えることはほとんどありません。 そのため、もし見た目に耐えられるのであれば、駆除せずにそっとしておくという選択肢もあります。エサとなる害虫がいなくなれば、アシダカグモは自然と別の場所へ移動していきます。 どうしても我慢できない場合は、殺さずに外へ追い出す方法を試してみるのが良いでしょう。
ゴキジェットの匂いが苦手です。代用品はありますか?
ゴキジェットなどの殺虫スプレー特有の匂いが苦手な方は少なくありません。その場合は、無香料タイプの殺虫剤を選ぶか、前述した殺虫成分不使用のアイテムがおすすめです。
フマキラーの「凍殺ジェット」のような冷却スプレーは、匂いが全くなく、殺虫成分も含まれていないため、匂いに敏感な方やペットがいるご家庭でも安心して使用できます。 また、ハッカ油やレモングラスなどの天然アロマオイルを水で薄めてスプレーする手作りの忌避剤も、爽やかな香りでクモ対策ができるため、試してみる価値があります。
まとめ

- ゴキジェットの主成分はクモにも効果がある。
- クモに使う際は本体に直接噴射することが重要。
- ゴキジェットは緊急用として有効な手段。
- 大型のクモには効きにくい場合もある。
- ゴキジェットにクモの巣予防効果はない。
- 根本対策にはクモ専用スプレーがおすすめ。
- 「クモの巣消滅ジェット」は予防効果が高い。
- 殺虫成分が嫌な場合は凍殺ジェットが有効。
- ハッカ油など天然成分の忌避剤も存在する。
- クモの侵入経路を物理的に塞ぐことが大切。
- 網戸の破れや隙間は必ず補修すること。
- 家の周りを清潔に保ち、エサとなる虫を減らす。
- アシダカグモはゴキブリを食べる益虫である。
- ペットや子供がいる家庭では使用に注意が必要。
- 使用後の換気は必ず行うこと。