海外旅行中に体調を崩したり、日本に滞在している外国の方が医療機関を受診したりする際、「処方箋を英語でもらえたら安心なのに」と感じることはありませんか?言葉の壁がある中で、適切な医療を受けるためには、英語の処方箋が非常に役立ちます。本記事では、英語の処方箋が必要となる場面から、日本での取得方法、費用、そして海外での利用に関する大切な注意点まで、詳しく解説します。
英語の処方箋とは?どんな時に必要?

英語の処方箋は、医師が患者さんの病気の治療に必要な薬の種類や量、服用方法などを英語で記載した書類です。日本語の処方箋と同様に、薬剤師が内容を確認した上で薬を調剤するために使われます。海外で医療を受ける際や、日本で外国の方が医療を受ける際に、言語の壁を越えて正確な医療情報が伝わるようにする大切な役割を担っています。
英文処方箋の基本的な役割
英文処方箋は、海外の医療機関や薬局で日本の処方薬と同じ成分の薬を求める際や、海外へ薬を持ち込む際に、その薬が医療目的であることを証明するために使われます。薬の商品名は国によって異なることが多いため、英文処方箋には薬の「成分名(Generic Name)」が記載されていることが重要です。これにより、世界中のどこでも薬の特定がしやすくなります。
海外旅行での薬の持ち込みと英文処方箋の重要性
海外旅行に日本の薬を持参する際、特に麻薬や向精神薬に分類される薬は、英文処方箋や医師の診断書が必須となる国が多くあります。 渡航先の国によっては、薬の持ち込みに厳しい規制があるため、事前にその国の在日大使館や厚生労働省の情報を確認することが大切です。 英文処方箋があれば、入国審査時などに薬の正当性をスムーズに説明でき、不要なトラブルを避ける助けになります。
在日外国人が日本で英語の処方箋を必要とする場面
日本に滞在する外国の方が日本の医療機関を受診する際、日本語でのコミュニケーションが難しい場合があります。英語の処方箋があれば、薬の種類や服用方法を正確に理解でき、安心して治療を受けられます。また、日本の医療機関で英語対応の医師やスタッフが少ない場合でも、英文処方箋があれば、薬局での調剤がスムーズに進むことが期待できます。
日本で英語の処方箋を発行してもらう方法
日本で英語の処方箋を発行してもらうには、いくつかの方法があります。全ての医療機関が英語の処方箋に対応しているわけではないため、事前に確認と準備が大切です。特に、国際病院や外国人向けクリニックでは、英語での対応が充実している傾向にあります。
英語対応可能な医療機関を探すコツ
英語の処方箋が必要な場合は、まず英語対応が可能な医療機関を探すことから始めましょう。インターネットで「国際病院」「外国人向けクリニック」「英語対応 病院」といったキーワードで検索すると、多くの情報が見つかります。 また、地域の国際交流センターや大使館、外国人支援団体なども、英語対応可能な医療機関の情報を提供している場合があります。
国際病院や外国人向けクリニックの活用
聖路加国際病院、東京慈恵会医科大学附属病院、日本赤十字社医療センターなど、国際的な医療機関では英語対応が充実しており、英文処方箋の発行にも慣れています。 東京ステーションインターナショナルクリニックのように、英語や中国語に対応できる医師やスタッフが常駐し、外国人旅行者から日本人まで幅広く対応しているクリニックもあります。
これらの医療機関は、英語での診察から処方箋発行まで一貫してサポートしてくれるため、安心して利用できます。
一般の病院で英文処方箋を依頼する際のポイント
国際病院や外国人向けクリニックが近くにない場合でも、一般の病院で英文処方箋の発行を依頼できることがあります。その際は、診察時に医師に英語の処方箋が必要な旨を明確に伝えましょう。発行には別途費用がかかる場合が多く、また、作成に時間がかかることもあるため、時間に余裕を持って依頼することが重要です。
薬の成分名(Generic Name)を記載してもらうようお願いすると、海外での利用時に役立ちます。
英文処方箋発行にかかる費用と準備するもの

英文処方箋の発行には、通常の診察料とは別に費用がかかることが一般的です。また、スムーズな発行のためには、いくつかの準備が必要です。事前にこれらを確認しておくことで、手続きを円滑に進められます。
発行費用の目安と保険適用について
英文処方箋の発行は、自由診療扱いとなることが多く、健康保険の適用外となるため、全額自己負担となります。費用は医療機関によって異なりますが、数千円から1万円程度が目安です。 海外旅行保険に加入している場合、海外での治療費や薬代が補償の対象となることがありますが、英文処方箋の発行費用自体が補償されるかは、加入している保険会社に事前に確認することをおすすめします。
英文処方箋発行時に必要な情報と持ち物
英文処方箋を発行してもらう際には、以下の情報や持ち物があるとスムーズです。
- パスポートや在留カードなどの身分証明書: 患者さんの正確な氏名や生年月日を確認するために必要です。
- 現在服用している薬の情報: お薬手帳や薬剤情報提供書など、現在服用している薬の名前(商品名と成分名)、用量、用法がわかるものを持参しましょう。
- 渡航先の情報(海外旅行の場合): 渡航先の国名や滞在期間を伝えることで、医師が適切な内容の処方箋を作成する助けになります。
- 海外旅行保険証(加入している場合): 医療機関によっては、保険会社との連携でスムーズな対応が可能な場合があります。
これらの準備をしっかり行うことで、英文処方箋の発行手続きをよりスムーズに進められます。
英語の処方箋に関する注意点

英語の処方箋を取得しても、海外での薬の持ち込みや使用にはいくつかの注意点があります。これらの点を理解し、適切に対応することで、安心して海外での生活や旅行を楽しめます。
渡航先の国による薬の持ち込み規制
多くの国では、薬の持ち込みに関して厳しい規制を設けています。特に、医療用麻薬や向精神薬、一部の鎮痛剤や睡眠薬などは、持ち込みが禁止されていたり、事前の許可申請が必要だったりする場合があります。 渡航先の国の在日大使館や厚生労働省のウェブサイトで、最新の情報を必ず確認しましょう。
処方薬の成分名と一般名の確認
海外では、同じ成分の薬でも商品名が異なることがほとんどです。そのため、英文処方箋には薬の「成分名(Generic Name)」を記載してもらうことが非常に重要です。 これにより、現地の医師や薬剤師が、日本の薬と同じ効果を持つ薬を特定しやすくなります。お薬手帳や薬剤情報提供書で、ご自身の薬の成分名を確認しておくと良いでしょう。
海外での医療機関受診と保険の活用
海外で急に体調を崩し、現地の医療機関を受診する可能性も考慮しておきましょう。海外旅行保険に加入していれば、医療費や薬代が補償される場合があります。 キャッシュレス診療サービスを提供している保険会社もあるため、事前に保険内容を確認し、緊急時の連絡先を控えておくことが大切です。
また、日本の公的医療保険には「海外療養費制度」がありますが、一時的な立て替えが必要となるため、海外旅行保険との併用も検討しましょう。
よくある質問

ここでは、英語の処方箋に関してよくある質問とその回答をまとめました。
英語の処方箋はどこでも発行してもらえますか?
いいえ、全ての医療機関で英語の処方箋を発行してもらえるわけではありません。国際病院や外国人患者を多く受け入れているクリニックでは対応していることが多いです。一般の病院でも対応可能な場合がありますが、事前に確認し、発行には別途費用がかかることを理解しておきましょう。
英文処方箋があれば海外で薬が買えますか?
英文処方箋があれば、海外の薬局で同じ成分の薬を購入できる可能性は高まります。しかし、国によっては処方箋の形式が異なったり、特定の薬の販売が規制されていたりすることもあります。また、薬の商品名ではなく成分名で伝えることが重要です。
海外旅行に薬を持っていく際の注意点は?
海外旅行に薬を持っていく際は、以下の点に注意が必要です。
- 渡航先の国の薬の持ち込み規制を事前に確認する。
- 薬は元の容器に入れたまま持参し、必要以上の量は持ち込まない。
- 英文処方箋や医師の診断書を携帯する。
- 特に医療用麻薬や向精神薬は、事前の申請が必要な場合がある。
これらの注意点を守ることで、安心して薬を持ち運べます。
英文診断書と英文処方箋は同じですか?
いいえ、英文診断書と英文処方箋は異なります。英文診断書(Medical Certificate/Doctor’s Note)は、患者さんの病状や診断名、治療内容などを証明する書類です。一方、英文処方箋(English Prescription)は、処方される薬の種類や用量、用法を記載した書類です。海外旅行保険の請求や、学校・職場への提出には診断書が必要となることが多いです。
費用はどのくらいかかりますか?
英文処方箋の発行費用は、医療機関によって異なりますが、一般的に数千円から1万円程度です。これは自由診療となり、健康保険の適用外となるため、全額自己負担となります。 事前に医療機関に確認し、費用について理解しておくことが大切です。
まとめ
- 英語の処方箋は、海外旅行や在日外国人にとって、適切な医療を受けるための大切な書類です。
- 海外での薬の持ち込みや、現地での薬の購入時に役立ちます。
- 日本で英語の処方箋をもらうには、国際病院や外国人向けクリニックの利用がおすすめです。
- 一般の病院でも依頼可能ですが、事前に確認し、費用や作成期間に余裕を持つことが大切です。
- 英文処方箋には、薬の「成分名」を記載してもらうと海外での利用がスムーズになります。
- 発行費用は自由診療となり、数千円から1万円程度が目安です。
- 海外へ薬を持ち込む際は、渡航先の国の規制を必ず確認しましょう。
- 特に医療用麻薬や向精神薬は、事前の申請が必要な場合があります。
- 海外旅行保険に加入していれば、海外での医療費や薬代が補償されることがあります。
- 英文診断書と英文処方箋は異なる書類であり、それぞれの目的を理解することが重要です。
- 薬は元の容器に入れたまま持参し、必要以上の量は持ち込まないようにしましょう。
- 緊急時に備え、海外旅行保険の連絡先や、現地の医療機関情報を控えておくと安心です。
- 粉薬は違法薬物と疑われる可能性もあるため、剤形変更を医師や薬剤師に相談するのも一つの方法です。
- お薬手帳や薬剤情報提供書は、服用している薬の情報を伝える上で非常に役立ちます。
