ふと鏡を見ると、おでこにポツンと赤いニキビが…。一度できるとなかなか治らず、前髪で隠そうとしても刺激になって悪化してしまったりと、本当に憂鬱ですよね。特に人目につきやすい場所なだけに、一刻も早くなんとかしたい！と感じている方は多いのではないでしょうか。
この記事では、なぜおでこ（デコ）にニキビができてしまうのか、その根本的な理由から、年代別・状況別の原因、そして具体的な治し方と二度と繰り返さないための予防法まで、詳しく解説していきます。もうおでこニキビで悩まない、つるんとしたキレイなお肌を目指しましょう！
なぜ？おでこ（デコ）にニキビができやすい主な理由
おでこは、顔の中でも特にニキビができやすい場所として知られています。その背景には、いくつかの理由が隠されています。しつこいおでこニキビを根本から解決するためには、まずその原因を正しく理解することが大切です。ここでは、おでこにニキビができやすい主な理由を掘り下げていきます。
本章では、以下の項目について詳しく解説します。
- 前髪や帽子の刺激
- シャンプーや洗顔料のすすぎ残し
- 皮脂の過剰分泌
- ホルモンバランスの乱れ
- ストレスや睡眠不足
- 不規則な食生活
- 間違ったスキンケア
- 乾燥
前髪や帽子の刺激
おでこニキビの大きな原因の一つが、前髪や帽子による物理的な刺激です。 前髪がおでこに触れることで、髪の毛に付着したホコリや汚れ、整髪料などが肌に移り、毛穴を詰まらせる原因となります。 特に、ワックスやヘアオイルなどの油分が多いスタイリング剤は、ニキビの原因菌であるアクネ菌のエサになりやすく、ニキビの発生や悪化を招きます。
また、常に前髪がおでこを覆っていると、汗や皮脂が蒸れてしまい、雑菌が繁殖しやすい環境を作り出してしまいます。 帽子も同様で、長時間着用することで蒸れたり、帽子の繊維が肌とこすれて摩擦刺激になったりすることがあります。 ニキビを隠したくて前髪を下ろしている方も多いかもしれませんが、それがかえってニキビを悪化させる悪循環に陥っている可能性があるのです。
シャンプーや洗顔料のすすぎ残し
毎日使っているシャンプーやコンディショナー、そして洗顔料。これらに含まれる成分が、実はニキビの原因になっていることがあります。特に髪の生え際は、すすぎ残しが非常に多い場所です。 シャンプーなどに含まれる油分や界面活性剤が肌に残留すると、毛穴を塞いでしまい、ニキビを引き起こす直接的な原因となります。
洗顔の際も同様で、フェイスラインやおでこの生え際は泡が残りやすい部分。「しっかり洗い流したつもり」でも、意外と残っているケースは少なくありません。すすぎ残しは、肌への刺激となるだけでなく、アクネ菌の栄養源にもなってしまうため、洗顔やシャンプーの際は、ぬるま湯で時間をかけて丁寧に、生え際までしっかりと洗い流すことを意識しましょう。
皮脂の過剰分泌
おでこから鼻にかけての「Tゾーン」は、もともと皮脂腺が多く、皮脂の分泌が活発なエリアです。 皮脂は肌の潤いを守るために必要なものですが、過剰に分泌されると毛穴に詰まりやすくなります。 この詰まった皮脂（コメド）をエサにして、アクネ菌が増殖し、炎症を起こすことで赤ニキビへと発展してしまうのです。
特に10代の思春期は、性ホルモンの影響で皮脂分泌が急激に増えるため、おでこニキビに悩まされることが多くなります。 また、大人であっても、後述するホルモンバランスの乱れや食生活、ストレスなどによって皮脂が過剰になることがあります。おでこのテカリが気になる方は、皮脂の分泌が過剰になっているサインかもしれません。
ホルモンバランスの乱れ
ホルモンバランスの乱れは、大人ニキビの主要な原因の一つです。 ストレス、睡眠不足、不規則な生活、そして女性の場合は生理周期など、様々な要因でホルモンバランスは簡単に乱れてしまいます。 ホルモンバランスが乱れると、男性ホルモンが優位になることがあります。この男性ホルモンには、皮脂の分泌を促進したり、角質を厚くしたりする働きがあるため、毛穴が詰まりやすくなり、ニキビができやすい状態になってしまうのです。
特に、生理前になるとおでこやあご周りにニキビができるという方は、女性ホルモンの変動が影響している可能性が高いでしょう。自分の生活習慣や体調の変化を観察し、ホルモンバランスが乱れるサインに早めに気づくことが、ニキビ予防の第一歩となります。
ストレスや睡眠不足
「最近、仕事が忙しくて寝不足…」「人間関係でストレスが溜まっている…」そんな時、おでこにニキビができてしまった経験はありませんか？ ストレスや睡眠不足は、ニキビの大きな引き金になります。 過度なストレスを感じると、体は対抗するためにコルチゾールというホルモンを分泌します。このコルチゾールが男性ホルモンを刺激し、皮脂の過剰分泌を招いてしまうのです。
また、睡眠不足もホルモンバランスや自律神経の乱れに直結します。 私たちの肌は、睡眠中に成長ホルモンが分泌されることで、日中に受けたダメージを修復し、再生（ターンオーバー）しています。睡眠時間が不足すると、このターンオーバーが正常に行われず、古い角質が肌に溜まりやすくなり、毛穴詰まりの原因となってしまいます。
不規則な食生活
「肌は内臓の鏡」と言われるように、毎日の食事内容は肌の状態に大きく影響します。特に、糖質や脂質の多い食事は、皮脂の分泌を増やす原因となるため注意が必要です。 ケーキやスナック菓子、揚げ物、ジャンクフードなどを頻繁に食べていると、皮脂腺が刺激され、おでこのテカリやニキビにつながりやすくなります。
一方で、美肌作りに欠かせないビタミンやミネラルが不足することも問題です。特に、皮脂の分泌をコントロールする働きのあるビタミンB群や、肌のターンオーバーを正常に保つビタミンA、抗酸化作用のあるビタミンC・Eなどが不足すると、ニキビができやすく、治りにくい肌状態になってしまいます。外食やコンビニ食が多い方は、栄養バランスが偏りがちなので、意識的に野菜や果物を取り入れるようにしましょう。
間違ったスキンケア
ニキビを早く治したい一心で、ゴシゴシと力を入れて洗顔したり、一日に何度も顔を洗ったりしていませんか？ 実は、そのような過剰なスキンケアは逆効果です。 強い摩擦は肌のバリア機能を低下させ、ニキビの炎症を悪化させる原因になります。 また、洗いすぎは肌に必要な皮脂まで奪ってしまい、かえって乾燥を招きます。肌が乾燥すると、それを補おうとして皮脂がさらに過剰に分泌されるという悪循環に陥ってしまうのです。
洗顔は、たっぷりの泡で優しく包み込むように洗い、1日2回までにするのが基本です。また、ニキビ用のスキンケア製品でも、自分の肌に合わないものを使用し続けると、刺激になってしまうことがあります。ヒリヒリしたり、赤みが出たりした場合は、すぐに使用を中止しましょう。
乾燥
「おでこはテカるから、保湿は控えめにしている」という方もいるかもしれませんが、それは大きな間違いです。実は、肌の乾燥もニキビの重要な原因となります。 肌の水分が不足すると、角質層が硬くなり、毛穴の出口が狭くなってしまいます。その結果、皮脂がスムーズに排出されず、毛穴に詰まりやすくなるのです。
さらに、肌は乾燥を感知すると、自らを守ろうとして皮脂の分泌を増やします。 これが「インナードライ」と呼ばれる状態で、肌表面はベタついているのに、内部は乾燥しているという厄介な状態です。おでこニキビに悩む人こそ、化粧水でたっぷりと水分を補給し、乳液やクリームでその水分が逃げないようにしっかりと蓋をする「保湿ケア」が非常に重要になります。
【状況別】おでこニキビの原因を探る
おでこにできるニキビは、実は誰にでも同じ原因でできるわけではありません。できる年代や、ニキビの状態によって、その背景にある原因は異なります。自分のニキビがどのタイプなのかを知ることで、より効果的な対策をとることができます。ここでは、状況別におでこニキビの原因を詳しく見ていきましょう。
本章では、以下の項目について詳しく解説します。
- 思春期にできるおでこニキビ
- 大人にできるおでこニキビ
- かゆみや痛みを伴うおでこニキビ
- 白ニキビ・黒ニキビ・赤ニキビなど種類別の原因
思春期にできるおでこニキビ
10代の中学生や高校生の頃にできる「思春期ニキビ」は、そのほとんどが成長期におけるホルモンバランスの変化によって引き起こされます。 第二次性徴期を迎えると、男女ともに男性ホルモン（アンドロゲン）や成長ホルモンの分泌が活発になります。 これらのホルモンは、皮脂腺を刺激して皮脂の分泌を急激に増加させる働きがあります。
おでこはもともと皮脂腺が多い場所なので、この過剰に分泌された皮脂が毛穴に詰まりやすく、ニキビが大量に発生してしまうのです。 この時期のニキビは、おでこや鼻などのTゾーンに集中しやすいのが特徴です。 これは病気ではなく、大人になる過程での自然な生理現象とも言えますが、炎症が悪化してニキビ跡にならないよう、正しいスキンケアで肌を清潔に保つことが非常に大切です。
大人にできるおでこニキビ
20代以降になってからできる「大人ニキビ」は、思春期ニキビとは異なり、様々な要因が複雑に絡み合っているのが特徴です。 皮脂の過剰分泌だけでなく、以下のような原因が考えられます。
- ストレスや睡眠不足: 生活の乱れがホルモンバランスや自律神経を乱し、肌のターンオーバーを低下させます。
- 不適切なスキンケア: メイクの落とし忘れや、保湿不足による乾燥が原因となることも。
- 食生活の乱れ: 脂っこいものや甘いものの摂りすぎは、皮脂の分泌を促します。
- 外的刺激: 前髪やシャンプーのすすぎ残しなど、物理的な刺激も大きな要因です。
大人ニキビは、一度できると治りにくく、同じ場所に繰り返しできやすいという厄介な性質があります。 そのため、単に皮脂を取り除くだけでなく、生活習慣全体を見直し、ストレスケアや保湿を徹底するなど、根本的な原因にアプローチすることが改善への近道となります。
かゆみや痛みを伴うおでこニキビ
おでこのニキビに、かゆみや痛みが伴う場合、それは単なるニキビではない可能性や、ニキビが悪化しているサインかもしれません。かゆみを伴う場合、ニキビではなく「毛嚢炎（もうのうえん）」や「あせも」「かぶれ（接触皮膚炎）」といった他の皮膚疾患の可能性も考えられます。 これらは、髪の毛の刺激や汗、合わない化粧品などが原因で起こることがあります。
一方、ズキズキとした痛みを伴う場合は、ニキビの炎症がかなり進行している「赤ニキビ」や、さらに悪化して膿が溜まった「黄ニキビ」の状態である可能性が高いです。 この段階になると、セルフケアだけで治すのは難しく、放置するとクレーターのようなニキビ跡が残ってしまうリスクも高まります。自己判断で潰したりせず、早めに皮膚科を受診することをおすすめします。
白ニキビ・黒ニキビ・赤ニキビなど種類別の原因
ニキビは、その進行度によって色や状態が変化します。それぞれの段階と原因を理解しておきましょう。
- 白ニキビ（閉鎖面皰）: ニキビの初期段階です。毛穴に皮脂が詰まった状態で、まだ炎症は起きていません。 ポツっとした小さな白い点に見えます。ターンオーバーの乱れや皮脂の過剰分泌が主な原因です。
- 黒ニキビ（開放面皰）: 白ニキビの毛穴が開き、詰まった皮脂が空気に触れて酸化し、黒く見えている状態です。 これもまだ炎症は起こしていません。
- 赤ニキビ（紅色丘疹）: 白ニキビや黒ニキビが悪化し、詰まった皮脂をエサにアクネ菌が増殖して炎症を起こした状態です。 赤く腫れあがり、触ると少し痛みを感じることもあります。
- 黄ニキビ（膿疱）: 赤ニキビがさらに悪化し、炎症が激しくなって膿が溜まった状態です。 黄色い膿が透けて見え、痛みを伴うことが多いです。この段階で無理に潰すと、ニキビ跡になる可能性が非常に高くなります。
ニキビは、白ニキビや黒ニキビといった炎症を起こす前の段階で、いかに早く対処できるかが、きれいに治すための鍵となります。
もう悩みたくない！おでこニキビの正しい治し方とセルフケア
できてしまったおでこニキビは、一日でも早く治したいもの。しかし、焦って間違ったケアをすると、かえって悪化させたり、厄介なニキビ跡を残してしまったりすることもあります。ここでは、おでこニキビをきれいに治すための、正しいセルフケアの方法をご紹介します。毎日の少しの心がけで、肌はきっと応えてくれます。
本章では、以下の項目について詳しく解説します。
- 基本的なスキンケアの見直し
- 市販薬を上手に活用する
- ニキビ跡にしないための注意点（潰さないなど）
基本的なスキンケアの見直し
おでこニキビを改善するための第一歩は、毎日のスキンケアを見直すことです。特別なことではなく、基本に忠実なケアこそが美肌への一番の近道です。
正しい洗顔方法
ニキビケアの基本は、肌を清潔に保つことです。しかし、洗いすぎは禁物。以下のポイントを守りましょう。
- 洗顔は1日2回まで: 朝と夜の2回で十分です。洗いすぎは肌の乾燥を招き、皮脂の過剰分泌につながります。
- たっぷりの泡で優しく: 洗顔料はしっかりと泡立て、肌の上で泡を転がすように優しく洗いましょう。 ゴシゴシこするのは絶対にNGです。
- ぬるま湯ですすぐ: 熱いお湯は肌に必要な皮脂まで奪ってしまいます。32℃程度のぬるま湯で、シャンプーのすすぎ残しにも注意しながら、髪の生え際まで丁寧に20回以上はすすぎましょう。
- 清潔なタオルで押さえるように: 拭くときも摩擦は避けます。清潔なタオルを顔に優しく押し当て、水分を吸い取るようにしましょう。
保湿の徹底
「ベタつくから」と保湿を怠るのは、おでこニキビを悪化させる原因になります。洗顔後は肌の水分が蒸発しやすい状態なので、すぐに保湿することが重要です。
化粧水でたっぷりと水分を与えた後、乳液やゲルなどの保湿剤で必ず蓋をして、水分の蒸発を防ぎましょう。 ニキビができているときは、油分の少ない「ノンコメドジェニックテスト済み」と表示された製品を選ぶのがおすすめです。これは、ニキビの元になりにくいことが確認された製品の証です。
紫外線対策
紫外線は、ニキビの炎症を悪化させたり、ニキビ跡の色素沈着の原因になったりします。季節や天候に関わらず、一年中紫外線対策を心がけましょう。ニキビ肌に負担の少ない、紫外線吸収剤フリー（ノンケミカル）の日焼け止めや、オイルフリーのものを選ぶと良いでしょう。日焼け止めも、夜にはクレンジングでしっかり落とすことを忘れないでください。
市販薬を上手に活用する
炎症を起こしてしまった赤ニキビには、セルフケアと合わせて市販薬（OTC医薬品）を活用するのも一つの方法です。ニキビ用の市販薬には、以下のような有効成分が含まれているものがあります。
- イブプロフェンピコノール: 炎症を鎮め、赤みや腫れを抑える働きがあります。
- イソプロピルメチルフェノール: ニキビの原因となるアクネ菌を殺菌する効果があります。
- サリチル酸: 硬くなった角質を柔らかくし、毛穴の詰まりを改善する効果が期待できます。
これらの薬は、洗顔後の清潔な肌に、ニキビの部分にだけ塗るようにしましょう。ただし、市販薬を使用しても改善が見られない場合や、症状が悪化するようなら、使用を中止して皮膚科を受診してください。
ニキビ跡にしないための注意点（潰さないなど）
おでこニキビをきれいに治す上で最も大切なことは、ニキビ跡を残さないことです。そのためには、以下のNG行動を絶対に避けてください。
- ニキビを潰す・触る: 気になるからといって、ニキビを触ったり、自分で潰したりするのは絶対にやめましょう。 指先の雑菌が入り込んで炎症を悪化させたり、皮膚組織を傷つけてクレーターのような凹んだ跡や、シミのような色素沈着を残す原因になります。
- 前髪で隠す: 前髪でニキビを隠すと、摩擦や蒸れで症状が悪化します。 自宅にいるときだけでも、ヘアピンやヘアバンドで前髪を上げて、おでこを清潔で風通しの良い状態に保ちましょう。
- コンシーラーの厚塗り: ニキビを隠そうとコンシーラーなどを厚塗りすると、毛穴を塞いでしまい、ニキビの治りを遅らせる原因になります。メイクをする際は、肌に優しいミネラルファンデーションなどを使用し、ポイント的に薄く乗せる程度に留めましょう。
焦らず、刺激を与えず、清潔に保つこと。これがニキビ跡を防ぐための鉄則です。
おでこニキビを繰り返さないための予防法
一度治っても、また同じ場所におでこニキビができてしまう…。そんな「繰り返しニキビ」のループから抜け出すためには、日々の生活習慣を見直し、ニキビができにくい肌環境を育むことが不可欠です。スキンケアだけでなく、体の内側と外側、両方からのアプローチで、根本的な予防を目指しましょう。
本章では、以下の項目について詳しく解説します。
- 生活習慣の改善
- ヘアスタイルや帽子の見直し
- 定期的な寝具の洗濯
生活習慣の改善
健やかな肌は、健やかな生活から作られます。特に大人ニキビは、生活習慣の乱れが大きく影響します。 以下の3つのポイントを意識して、生活リズムを整えていきましょう。
バランスの取れた食事
肌の材料となるのは、私たちが毎日口にする食べ物です。皮脂の分泌を増やす揚げ物やスナック菓子、甘いものの摂りすぎは控えめにしましょう。 代わりに、肌の健康をサポートする以下の栄養素を積極的に摂ることをおすすめします。
- ビタミンB群: 皮脂の分泌をコントロールします。豚肉、レバー、うなぎ、納豆、卵などに多く含まれます。
- ビタミンC: コラーゲンの生成を助け、ニキビ跡の色素沈着を防ぎます。ピーマン、ブロッコリー、キウイフルーツ、柑橘類などに豊富です。
- ビタミンA・E: 肌のターンオーバーを整え、抗酸化作用で肌を守ります。緑黄色野菜、ナッツ類、アボカドなどがおすすめです。
- 食物繊維: 腸内環境を整え、便秘を解消します。便秘は肌荒れの原因になるため、野菜、きのこ、海藻類をたっぷり摂りましょう。
十分な睡眠
睡眠は、肌のゴールデンタイムです。睡眠中に分泌される成長ホルモンが、日中に受けた肌ダメージを修復し、新しい細胞への生まれ変わり（ターンオーバー）を促進します。理想は6〜7時間の質の良い睡眠を確保すること。 就寝前のスマートフォンやパソコンの使用は、脳を覚醒させて眠りの質を下げるため、控えるようにしましょう。リラックスできる音楽を聴いたり、アロマを焚いたりするのもおすすめです。
ストレス解消法を見つける
現代社会でストレスをゼロにするのは難しいですが、上手に発散する方法を見つけることは非常に重要です。ストレスはホルモンバランスを乱し、ニキビの直接的な原因となります。 軽い運動（ウォーキングやヨガなど）、ゆっくりお風呂に浸かる、趣味に没頭する時間を作る、友人と話すなど、自分が心からリラックスできる時間を意識的に作りましょう。自分なりのストレス解消法を持つことが、ニキビ予防、ひいては心身の健康につながります。
ヘアスタイルや帽子の見直し
おでこへの物理的な刺激は、ニキビの大きな原因です。ニキビを予防するためには、おでこをできるだけ清潔で、刺激のない状態に保つことが大切です。
前髪を下ろしている方は、自宅にいる間だけでもヘアピンやヘアバンドで髪を上げる習慣をつけましょう。 これだけで、おでこへの刺激や蒸れを大幅に減らすことができます。外出時も、分け目を変えたり、シースルーバングにしたりして、おでこに髪がべったりと触れないような工夫をすると良いでしょう。
また、帽子をよくかぶる方は、通気性の良い素材のものを選び、こまめに汗を拭くようにしてください。長時間かぶりっぱなしにするのは避け、定期的に帽子を脱いで蒸れを逃がしてあげましょう。
定期的な寝具の洗濯
意外と見落としがちなのが、枕カバーやシーツといった寝具の衛生状態です。人は寝ている間にたくさんの汗をかき、皮脂も分泌します。枕カバーには、これらの汗や皮脂、剥がれ落ちた角質、髪の毛についた汚れなどが付着し、雑菌の温床になりやすいのです。
汚れた枕カバーに毎晩顔をこすりつけていると、それが原因でニキビができてしまうことも。枕カバーは最低でも週に1回、シーツも定期的に洗濯し、常に清潔な状態を保つように心がけましょう。肌触りの良い、吸湿性の高い天然素材（綿やシルクなど）のカバーを選ぶのもおすすめです。
どうしても治らない場合は皮膚科へ相談
セルフケアを色々試してみたけれど、一向に改善しない。むしろ悪化している気がする…。そんな時は、一人で悩まずに皮膚科の専門医に相談することが大切です。特に、炎症が強く痛みを伴うニキビや、同じ場所に繰り返しできるしつこいニキビは、医療機関での治療が必要な場合があります。自己判断で悪化させてニキビ跡を残してしまう前に、プロの力を借りましょう。
本章では、以下の項目について詳しく解説します。
- 皮膚科で受けられる治療法
- 保険適用と自由診療について
皮膚科で受けられる治療法
皮膚科では、ニキビの種類や肌の状態に合わせて、様々な治療法を提案してくれます。市販薬よりも効果の高い、医療用の治療薬や施術を受けることができます。
代表的な治療法には以下のようなものがあります。
- 外用薬（塗り薬）: 毛穴の詰まりを改善する薬（アダパレン、過酸化ベンゾイルなど）や、菌の増殖を抑える抗菌薬（抗生物質）などが処方されます。これらはニキビ治療の基本となります。
- 内服薬（飲み薬）: 炎症が強い場合には、抗菌薬の飲み薬が処方されることがあります。また、皮脂の分泌を抑えるビタミン剤や、ホルモンバランスを整える薬（低用量ピルなど）が用いられることもあります。
- 面皰圧出（めんぽうあっしゅつ）: 専用の器具を使って、毛穴に詰まった皮脂や膿を押し出す処置です。炎症を起こす前の白ニキビや黒ニキビの段階で行うと効果的で、ニキビの悪化を防ぎます。自分で行うと跡が残るリスクが高いので、必ず医療機関で受けるようにしましょう。
- ケミカルピーリング: 肌に酸性の薬剤を塗り、古い角質を取り除くことで、肌のターンオーバーを促す治療法です。 毛穴の詰まりを改善し、ニキビができにくい肌質へと導きます。
保険適用と自由診療について
皮膚科でのニキビ治療には、「保険適用」の治療と「自由診療」の治療があります。
保険適用の治療は、健康保険が使える治療のことで、治療費の自己負担額が原則3割（年齢や所得による）で済みます。アダパレンや過酸化ベンゾイルといった外用薬や、一部の内服薬、面皰圧出などがこれにあたります。まずは保険診療で基本的な治療を行うのが一般的です。
一方、自由診療は、健康保険が適用されない全額自己負担の治療です。ケミカルピーリングやレーザー治療、光線治療、一部の内服薬（イソトレチノインなど）がこれに該当します。 保険診療で十分な効果が得られない場合や、より積極的に美肌を目指したい場合に選択肢となります。費用は高額になりますが、その分高い効果が期待できる治療法もあります。
どの治療法が自分に合っているかは、医師とよく相談して決めることが大切です。費用や治療期間、ダウンタイムの有無などをしっかりと確認し、納得した上で治療に進みましょう。
よくある質問
おでこのニキビはどのくらいで治りますか？
ニキビが治るまでの期間は、その種類や重症度、そしてケアの方法によって大きく異なります。炎症のない白ニキビや黒ニキビであれば、正しいスキンケアや生活習慣の改善によって、数週間程度で改善することが多いです。 一方で、炎症を起こした赤ニキビや黄ニキビは、治るまでに1ヶ月以上かかることもあり、場合によってはニキビ跡が残ることもあります。焦らず根気強くケアを続けることが大切ですが、炎症が強い場合や2週間以上改善が見られない場合は、早めに皮膚科を受診することをおすすめします。
おでこニキビに効く食べ物は何ですか？
特定の食べ物だけでニキビが治るわけではありませんが、肌の健康をサポートし、ニキビの改善や予防に役立つ栄養素はあります。特に積極的に摂りたいのは、皮脂の分泌をコントロールする「ビタミンB2」（レバー、うなぎ、卵、納豆など）や「ビタミンB6」（マグロ、カツオ、バナナなど）、肌のターンオーバーを助ける「ビタミンA」（緑黄色野菜）、抗酸化作用やコラーゲン生成を助ける「ビタミンC」（ピーマン、ブロッコリー、キウイなど）です。 バランスの取れた食事を基本に、これらの栄養素を意識して取り入れてみましょう。
ニキビを隠すメイクのコツはありますか？
ニキビがある時でも、どうしてもメイクが必要な場面はありますよね。その際は、肌への負担を最小限に抑えることが重要です。まず、下地やファンデーションは、油分が少なく毛穴を詰まらせにくい「ノンコメドジェニックテスト済み」のものを選びましょう。ニキビを隠したい部分には、コンシーラーを厚塗りするのではなく、清潔なブラシやチップで優しく叩き込むように薄く重ねます。そして、帰宅後はできるだけ早く、肌に優しいクレンジングで丁寧にメイクを落とすことを徹底してください。
前髪があってもニキビを予防できますか？
はい、工夫次第で予防は可能です。一番良いのは前髪を上げることですが、ヘアスタイルを変えたくない場合もありますよね。 そのような場合は、まず整髪料（ワックスやオイルなど）がおでこに付かないように注意しましょう。つける量を最小限にしたり、髪の中間から毛先を中心につけるようにします。また、日中はあぶらとり紙でおでこの余分な皮脂をこまめにオフしたり、家に帰ったらすぐに前髪を上げる習慣をつけるだけでも、ニキビのリスクを減らすことができます。
オロナインはおでこニキビに効きますか？
オロナインH軟膏の効能・効果には「にきび、吹出物」と記載されており、殺菌作用があるため、軽度のニキビに対して効果が期待できる場合があります。しかし、オロナインの基剤には油分が含まれているため、人によっては毛穴を詰まらせ、かえってニキビを悪化させてしまう可能性も指摘されています。特に、炎症が進行している赤ニキビや黄ニキビへの使用は避けた方が良いでしょう。ニキビ治療を目的とする場合は、ニキビ専用の医薬品を使用するか、皮膚科医に相談することをおすすめします。
まとめ
- おでこは皮脂腺が多く、ニキビができやすい部位である。
- 前髪や帽子の刺激は、ニキビの大きな原因となる。
- シャンプーや洗顔料のすすぎ残しに注意が必要。
- 皮脂の過剰分泌が毛穴を詰まらせ、ニキビを発生させる。
- ストレスや睡眠不足はホルモンバランスを乱し、ニキビを招く。
- 糖質や脂質の多い食事は皮脂分泌を増やすため控える。
- ゴシゴシ洗顔などの間違ったスキンケアは逆効果。
- 肌の乾燥も皮脂の過剰分泌を招き、ニキビの原因になる。
- 思春期ニキビはホルモンによる皮脂増加が主な原因。
- 大人ニキビは生活習慣など複数の要因が絡み合っている。
- ニキビは絶対に潰さず、触らないことが鉄則。
- 洗顔後の保湿ケアを徹底することが重要。
- バランスの取れた食事と十分な睡眠を心がける。
- セルフケアで改善しない場合は、迷わず皮膚科を受診する。
- 皮膚科では保険適用の治療から始められる。
