お子さんが5歳になり、お友達との関わりが増える中で「相手の気持ちを考える力」を育んでほしいと願う親御さんは多いのではないでしょうか。この時期は、子どもの心が大きく成長し、共感力や社会性を身につける大切な時期です。本記事では、5歳児の共感力を高めるためのおすすめ絵本10選と、読み聞かせのコツを徹底解説します。
絵本を通じて、お子さんの優しい心を育むお手伝いができれば幸いです。
5歳児に相手の気持ちを考える絵本が大切な理由

5歳児は、心身ともに大きく成長する時期です。幼稚園や保育園での集団生活を通じて、お友達との関わりが増え、自分の気持ちだけでなく、相手の気持ちを理解しようとする力が芽生え始めます。この大切な時期に、絵本を通して多様な感情や人間関係に触れることは、お子さんの健やかな心の成長に欠かせません。
5歳児の心の成長と共感力の芽生え
5歳児になると、論理的な思考力が発達し、言葉の理解力も飛躍的に向上します。同時に、自分と他者の区別がはっきりし、相手の感情を理解し共感する能力が伸びてくる時期です。例えば、お友達が悲しんでいるのを見て「どうしたのかな?」と心配したり、喜んでいる姿を見て一緒に嬉しくなったりする姿が見られるでしょう。この共感力は、他者との良好な人間関係を築く上で非常に重要な土台となります。
絵本は、登場人物の感情を追体験することで、お子さんが様々な気持ちに気づき、共感する心を育むのに役立ちます。
絵本が育む社会性とコミュニケーション能力
絵本の読み聞かせは、単に物語を楽しむだけでなく、お子さんの社会性やコミュニケーション能力を高める効果も期待できます。絵本の中には、友達との協力、譲り合い、喧嘩と仲直りなど、社会生活で直面する様々なシチュエーションが描かれています。これらの物語に触れることで、お子さんは登場人物の行動や感情から、どのように人と関われば良いのかを学びます。
また、読み聞かせを通じて親子の対話が生まれることで、お子さんは自分の考えを言葉にする練習ができ、コミュニケーション能力の向上にもつながるでしょう。
相手の気持ちを考える絵本の選び方

数多くの絵本の中から、5歳児の共感力を育むのに適した絵本を選ぶには、いくつかのポイントがあります。お子さんの興味を引きつけ、物語の世界に深く入り込めるような絵本を選ぶことが大切です。ここでは、絵本選びの具体的なコツをご紹介します。
ストーリーのわかりやすさと共感しやすい登場人物
5歳児向けの絵本は、ストーリーが複雑すぎず、お子さんが理解しやすい内容であることが重要です。また、登場人物に感情移入しやすいかどうかも大切なポイントです。動物や子どもなど、お子さんにとって身近で親しみやすいキャラクターが登場する絵本は、感情を想像しやすく、物語の世界に自然と入り込めるでしょう。登場人物の気持ちの変化が丁寧に描かれている絵本は、お子さんが共感力を育む良いきっかけとなります。
多様な感情表現が描かれているか
喜び、悲しみ、怒り、不安など、絵本の中に多様な感情表現が描かれていることも選び方のコツです。様々な感情に触れることで、お子さんは感情の種類を学び、自分自身の気持ちを理解し、表現する力を高めることができます。また、登場人物が困難な状況を乗り越える姿は、お子さんの心の強さや問題解決能力を育むことにもつながります。
絵の表情や言葉遣いから、感情の機微を感じ取れる絵本を選びましょう。
親子で対話が生まれる内容か
読み聞かせの後、お子さんと一緒に物語について話し合える絵本は、共感力を深める上で非常に効果的です。例えば、「この時、〇〇ちゃんはどう思ったかな?」「もしあなたが〇〇ちゃんだったらどうする?」といった問いかけができるような内容の絵本を選んでみましょう。物語を通じて、お子さんの考えや感じたことを引き出し、親子のコミュニケーションを深める時間を大切にしてください。
5歳児におすすめ!相手の気持ちを考える絵本10選

ここでは、5歳児の相手の気持ちを考える力を育むのに特におすすめの絵本を10冊ご紹介します。それぞれの絵本が持つ魅力や、お子さんに伝えたいメッセージを詳しく解説しますので、絵本選びの参考にしてください。
- 『おこだでませんように』
- 『どうぞのいす』
- 『ちょっとだけ』
- 『きつねのおきゃくさま』
- 『わすれられないおくりもの』
- 『おおきなかぶ』
- 『三びきのやぎのがらがらどん』
- 『フレデリック』
- 『めがねうさぎのクリスマスったらクリスマス』
- 『ともだちや』
『おこだでませんように』
この絵本は、小学校に入学したばかりの男の子「こう」が主人公です。こうは、毎日「おこだでませんように」と願いながら学校に通っていますが、つい悪さをして先生に叱られてしまいます。しかし、先生はこうの願いを知り、彼の本当の気持ちに寄り添おうとします。この物語は、子どもが抱える複雑な感情や、大人が子どもの気持ちを理解することの大切さを教えてくれます。
お子さんは、こうの素直な気持ちに共感し、自分自身の感情と向き合うきっかけを得られるでしょう。
『どうぞのいす』
うさぎさんが作った「どうぞのいす」。そこに「どうぞのいす」と書かれた立て札を置くと、動物たちが次々にやってきて、置いてあるものを食べたり、代わりに自分の持っていたものを置いていったりします。この絵本は、譲り合いの心や、誰かのために何かをすることの喜びを優しく伝えてくれます。お子さんは、動物たちの温かいやり取りを通じて、思いやりの気持ちがどのように広がっていくのかを自然と学ぶことができます。
『ちょっとだけ』
お姉ちゃんになったばかりの女の子が、赤ちゃんが生まれて「ちょっとだけ」寂しい気持ちになる物語です。お母さんが赤ちゃんにかかりきりになる中で、お姉ちゃんは複雑な感情を抱きますが、最後には赤ちゃんへの愛情に気づきます。この絵本は、兄弟姉妹がいるお子さんや、これから兄弟ができるお子さんにとって、自分の気持ちを理解し、家族の愛情を感じる良い機会となるでしょう。
『きつねのおきゃくさま』
お腹を空かせたきつねが、ひよこを食べようと家に招きますが、ひよこの純粋な優しさに触れて、食べるのをやめてしまう物語です。きつねの心の変化が丁寧に描かれており、相手の優しさに触れることで、自分の気持ちが変わっていく様子が伝わります。お子さんは、きつねの葛藤と変化を通じて、優しさや思いやりの心が持つ力を感じ取ることができるでしょう。
『わすれられないおくりもの』
森の賢者であるアナグマが、死期を悟り、森の仲間たちにそれぞれ「わすれられないおくりもの」を残していく物語です。アナグマが亡くなった後も、仲間たちは彼からもらった言葉や教えを胸に、強く生きていきます。この絵本は、命の尊さや、人とのつながりの大切さ、そして別れを乗り越える強さを教えてくれます。お子さんは、アナグマと仲間たちの絆を通じて、温かい心の交流や、大切な人への感謝の気持ちを育むことができるでしょう。
『おおきなかぶ』
おじいさんが抜こうとしても抜けない大きなかぶを、おばあさん、孫、犬、猫、ねずみと、次々にみんなで力を合わせて抜くロシアの民話です。この絵本は、一人ではできないことも、みんなで協力すれば成し遂げられるというメッセージを伝えます。お子さんは、登場人物たちが力を合わせる姿を見て、助け合いの精神や、仲間と協力することの楽しさを学ぶことができるでしょう。
『三びきのやぎのがらがらどん』
三びきのやぎが、橋の下に住むトロルをだまして、草を食べに行くノルウェーの民話です。知恵と勇気を使って困難を乗り越えるやぎたちの姿が描かれています。この絵本は、ただ怖いだけでなく、弱い者が知恵を絞って強い者に立ち向かう姿を通じて、勇気や機転の大切さを教えてくれます。お子さんは、やぎたちの作戦にハラハラしながらも、問題解決の面白さを感じ取れるでしょう。
『フレデリック』
冬に備えて他の野ねずみたちが食料を集める中、詩人のフレデリックだけは、太陽の光や色、言葉を集めています。冬になり食料が尽きた時、フレデリックが語る「詩」が仲間たちの心を温めます。この絵本は、目に見えないものの価値や、芸術の力、そしてそれぞれの役割を認め合うことの大切さを教えてくれます。お子さんは、フレデリックのユニークな視点を通じて、多様な価値観を受け入れ、心の豊かさを感じることができるでしょう。
『めがねうさぎのクリスマスったらクリスマス』
めがねうさぎがクリスマスの準備をする中で、様々な出来事が起こる物語です。クリスマスのワクワク感や、友達との温かい交流が描かれています。この絵本は、季節の行事を楽しむ気持ちや、友達との絆を深める喜びを伝えてくれます。お子さんは、めがねうさぎの日常を通じて、友達との関わりの中で生まれる優しい気持ちや、季節の移ろいを楽しむ心を育むことができるでしょう。
『ともだちや』
さみしがりやのキツネが「ともだちや」を開き、お金をもらって友達になる物語です。しかし、本当の友達とは何かを考えさせられる展開が待っています。この絵本は、友達とは何か、本当の友情とは何かという深いテーマを、ユーモラスに問いかけます。お子さんは、キツネの行動や心の変化を通じて、友達との関係性や、見返りを求めない友情の大切さについて考えるきっかけを得られるでしょう。
絵本で共感力を高める読み聞かせのコツ

絵本の読み聞かせは、ただ文字を読むだけではありません。お子さんの共感力を最大限に引き出すためには、いくつかのコツがあります。親子のコミュニケーションを深めながら、絵本の世界をより豊かに楽しむための方法をご紹介します。
登場人物の気持ちを言葉にする
読み聞かせの際に、登場人物の気持ちを具体的に言葉にしてあげることが大切です。例えば、「〇〇ちゃんは、今、悲しい気持ちなんだね」「〇〇くんは、嬉しい気持ちでいっぱいだね」といったように、お子さんが感情を理解しやすいように表現してあげましょう。これにより、お子さんは物語の登場人物の感情をより深く理解し、自分自身の感情と結びつけて考える力を養うことができます。
子どもの経験と結びつける
絵本の物語を、お子さん自身の経験と結びつけて話してみましょう。「〇〇ちゃんも、この前お友達と喧嘩した時、こんな気持ちだったかな?」「この場面、〇〇ちゃんが頑張った運動会の時と似ているね」など、具体的なエピソードを交えることで、お子さんは物語をより身近に感じ、登場人物の気持ちを自分事として捉えることができます。
これにより、共感力がより一層深まるでしょう。
読み聞かせ後の対話を大切にする
絵本を読み終えた後も、すぐに終わらせずに、お子さんとの対話の時間を大切にしましょう。「このお話で一番印象に残ったのはどこ?」「もしあなたがこの登場人物だったらどうしたかな?」といった質問を投げかけ、お子さんの感想や考えを引き出してください。お子さんの答えが的外れに思えても、決して否定せず「そういう考え方もあるね」と一度受け止めることが重要です。
この対話を通じて、お子さんは自分の意見を表現する力や、他者の多様な考えを受け入れる心を育むことができます。
よくある質問

ここでは、5歳児の絵本の読み聞かせに関してよくある質問にお答えします。親御さんが抱える疑問や不安を解消し、より充実した読み聞かせの時間に役立ててください。
- 5歳児が絵本に集中しない時の対処法は?
- 相手の気持ちを考える絵本はいつから読み聞かせると良いですか?
- 絵本以外で子どもの共感力を育む方法はありますか?
- 5歳児向けの絵本を選ぶ際の注意点は?
- 読み聞かせの頻度や時間はどのくらいが適切ですか?
5歳児が絵本に集中しない時の対処法は?
5歳児が絵本に集中しない時は、無理強いせず、まずはお子さんの興味を引く工夫をしてみましょう。例えば、お子さんが好きなテーマの絵本を選んだり、読み聞かせの場所や時間を変えてみたりするのも良い方法です。また、読み聞かせ中に、お子さんの反応に合わせて声のトーンや速さを変えたり、絵本を動かしたりするのも効果的です。
集中力が途切れても、「また今度読もうね」と切り替え、絵本を読むことが楽しい時間であると感じさせることが大切です。
相手の気持ちを考える絵本はいつから読み聞かせると良いですか?
絵本の読み聞かせ自体は、生後3ヶ月頃から始めることができます。しかし、相手の気持ちを想像する「認知的共感」の力は、6歳頃から発達し始めると言われています。そのため、5歳児は、登場人物の感情や物語の背景をより深く理解し、共感する力を育むのに最適な時期です。もちろん、それ以前の年齢でも、感情表現が豊かな絵本に触れることで、情動的共感(相手の感情が伝染する共感)は育まれます。
絵本以外で子どもの共感力を育む方法はありますか?
絵本以外にも、子どもの共感力を育む方法はたくさんあります。例えば、ごっこ遊びは、異なる役割を演じることで相手の立場や感情を疑似体験できるため、共感力を高めるのに非常に効果的です。また、日常会話の中で「〇〇ちゃんは今、どんな気持ちかな?」と問いかけたり、お子さんの感情に寄り添い「嬉しいね」「悲しいね」と共感の言葉をかけたりすることも大切です。
親自身が共感的な態度を示すことが、お子さんの共感力を育む上で最も重要です。
5歳児向けの絵本を選ぶ際の注意点は?
5歳児向けの絵本を選ぶ際は、お子さんの興味関心に合わせることが最も重要です。文字の量が多い絵本でも、お子さんが興味を持てば集中して聞くことができます。また、絵が美しく、物語の展開が絵で理解できるような質の高い絵本もおすすめです。ただし、対象年齢にこだわりすぎず、お子さんが「楽しい」と感じる絵本を選ぶようにしましょう。
無理に難しい絵本を選ばず、お子さんが自ら手に取りたくなるような絵本を見つけてあげてください。
読み聞かせの頻度や時間はどのくらいが適切ですか?
読み聞かせの頻度や時間に決まった正解はありませんが、毎日続けることが大切です。たとえ5分や10分といった短い時間でも、毎日続けることでお子さんは絵本に親しみ、集中力を養うことができます。寝る前の読み聞かせは、親子のスキンシップを深め、お子さんの心を落ち着かせる効果も期待できます。お子さんの様子を見ながら、無理なく続けられる範囲で、読み聞かせの習慣を取り入れてみましょう。
まとめ
- 5歳児は共感力や社会性が芽生える大切な時期です。
- 絵本は子どもの語彙力、想像力、共感力、集中力を育みます。
- ストーリーがわかりやすく、感情移入しやすい絵本を選びましょう。
- 多様な感情表現が描かれた絵本は、心の成長を促します。
- 親子で対話が生まれる絵本は、コミュニケーションを深めます。
- 『おこだでませんように』は子どもの複雑な感情に寄り添います。
- 『どうぞのいす』は譲り合いの心や思いやりを伝えます。
- 『ちょっとだけ』は兄弟間の感情や家族の愛情を教えてくれます。
- 『きつねのおきゃくさま』は優しさの力を感じさせます。
- 『わすれられないおくりもの』は命の尊さや絆の大切さを伝えます。
- 『おおきなかぶ』は協力することの喜びを教えてくれます。
- 『三びきのやぎのがらがらどん』は知恵と勇気を育みます。
- 『フレデリック』は目に見えない価値や多様性を認め合う心を育みます。
- 『めがねうさぎのクリスマスったらクリスマス』は友達との温かい交流を描きます。
- 『ともだちや』は本当の友情について深く考えさせます。
- 読み聞かせでは登場人物の気持ちを言葉にしましょう。
- 絵本の物語を子どもの経験と結びつけると共感力が深まります。
- 読み聞かせ後の対話は、子どもの表現力と受容力を高めます。
- 集中しない時は無理強いせず、興味を引く工夫をしましょう。
- 絵本以外にもごっこ遊びなどで共感力を育めます。
- お子さんが「楽しい」と感じる絵本を選ぶことが大切です。
- 毎日短時間でも読み聞かせを続けることが効果的です。
