大切な方を亡くされたご遺族にとって、納骨式は故人との別れを改めて実感し、心の整理をつける大切な節目です。しかし、参列する側としては、どのような言葉をかければご遺族の心に寄り添えるのか、悩んでしまうことも少なくありません。悲しみに暮れるご遺族を前に、不適切な言葉を選んでしまわないか不安に感じる方もいらっしゃるでしょう。
本記事では、納骨式でご遺族へ伝えるねぎらいの言葉について、その意味や関係性別の例文、伝える際のコツやマナーを徹底解説します。ご遺族の心に温かく響く言葉を見つけるための参考になれば幸いです。
納骨ねぎらいの言葉とは?故人を偲び遺族をいたわる気持ちの表し方

納骨式は、故人の遺骨をお墓や納骨堂に納める大切な儀式です。この場に参列する際、ご遺族にかける「ねぎらいの言葉」は、故人を偲ぶ気持ちと、残されたご遺族への深い思いやりを伝えるために非常に重要となります。単なる形式的な挨拶ではなく、ご遺族の心に寄り添い、悲しみを分かち合う姿勢を示すことが求められます。ねぎらいの言葉は、ご遺族が故人の死を受け入れ、前向きな気持ちで新たな一歩を踏み出すための支えにもなり得ます。
納骨式でねぎらいの言葉を伝える意味
納骨式は、故人が亡くなってから一定の期間が経ち、ご遺族が少しずつ心の整理をつけ始める時期に行われることが多いです。この時期にねぎらいの言葉を伝えることは、ご遺族のこれまでの苦労を認め、その労をねぎらう意味合いが強くあります。葬儀から納骨式までの間、ご遺族はさまざまな手続きや準備に追われ、心身ともに疲弊している場合が少なくありません。
そうした状況を理解し、「大変でしたね」「お疲れ様でした」といった言葉をかけることで、ご遺族は「自分の気持ちを理解してくれている」と感じ、大きな安堵を得られるでしょう。
また、故人への最後の別れとなる納骨式において、参列者が故人を偲び、冥福を祈る気持ちを言葉にすることは、ご遺族にとって故人が多くの人に慕われていたことを再認識する機会にもなります。故人の存在が多くの人々の心に生き続けていることを知ることは、ご遺族の悲しみを和らげ、故人を誇りに思う気持ちを高めることにつながります。
ねぎらいの言葉を選ぶ際の心構え
ねぎらいの言葉を選ぶ際には、まず「ご遺族の気持ちに寄り添うこと」を最優先に考えましょう。ご遺族はデリケートな時期にいるため、言葉一つで気持ちが大きく左右されることがあります。自分の気持ちを押し付けるような言葉や、安易な励ましは避けるべきです。例えば、「頑張ってください」といった言葉は、すでに十分頑張っているご遺族にとっては負担になる可能性があります。
故人との関係性やご遺族の状況を考慮し、心からの共感といたわりの気持ちを伝えることが大切です。言葉に詰まってしまっても、無理に多くの言葉を並べる必要はありません。短い言葉でも、真心を込めて伝えることで、その気持ちは必ずご遺族に届きます。また、宗教や宗派によって適切な言葉遣いが異なる場合もあるため、事前に確認しておくと安心です。
関係性別で変わる納骨ねぎらいの言葉の例文集

納骨式でご遺族にかけるねぎらいの言葉は、故人やご遺族との関係性によって適切な表現が異なります。親しい間柄であれば、より個人的な感情を込めた言葉を選べますが、そうでない場合は丁寧で控えめな言葉を選ぶのがマナーです。ここでは、関係性別にねぎらいの言葉の例文をご紹介します。
親しい家族へ伝えるねぎらいの言葉
故人の配偶者や子ども、兄弟姉妹など、親しいご家族へは、これまでのご苦労を深くいたわる言葉を選びましょう。形式張らず、心からの気遣いを伝えることが大切です。
- 「この度は、本当に大変でしたね。〇〇様(故人の名前)も、きっと安らかにお眠りになっていることと思います。どうかご無理なさらないでください。」
- 「〇〇様(故人の名前)の納骨を無事に終えられ、お疲れ様でございました。何か私にできることがあれば、いつでもお声がけください。」
- 「〇〇様(故人の名前)との思い出は尽きませんが、ご家族の皆様がこれからもお元気でいらっしゃることを、〇〇様も願っていることでしょう。どうぞお体を大切にしてください。」
親戚へ伝えるねぎらいの言葉
親戚の方へは、丁寧さを保ちつつも、家族としてのつながりを感じさせる言葉を選ぶと良いでしょう。ご遺族の心情に配慮し、穏やかな口調で伝えることが大切です。
- 「この度は、心よりお悔やみ申し上げます。〇〇様(故人の名前)の納骨を無事に終えられ、さぞお疲れのことと存じます。どうぞご自愛ください。」
- 「〇〇様(故人の名前)も、皆様に見送られてさぞお喜びのことでしょう。ご家族の皆様が健やかに過ごされますよう、心よりお祈り申し上げます。」
- 「大変な時期をお過ごしでしたね。何かとお忙しいことと存じますが、どうぞお体にはお気をつけください。」
友人・知人へ伝えるねぎらいの言葉
故人の友人や知人、あるいはご遺族の友人・知人として参列する場合、丁寧な言葉遣いを心がけつつ、故人との思い出に触れることで、より温かい気持ちを伝えられます。ただし、思い出話はご遺族の様子を見て、差し支えのない範囲に留めましょう。
- 「この度は、誠にご愁傷様でございます。〇〇様(故人の名前)の納骨を無事に終えられ、お疲れ様でございました。心ばかりではございますが、お悔やみ申し上げます。」
- 「〇〇様(故人の名前)には生前大変お世話になりました。安らかにお眠りになられることをお祈りしております。ご遺族の皆様も、どうぞご無理なさらないでください。」
- 「〇〇様(故人の名前)との楽しい思い出は、私の心にも深く刻まれています。ご遺族の皆様が、少しでも心穏やかにお過ごしになれますよう願っております。」
職場関係者へ伝えるねぎらいの言葉
職場関係者へは、簡潔かつ丁寧な言葉を選び、業務上の配慮も示すと良いでしょう。個人的な感情を強く出しすぎず、節度を保つことが重要です。
- 「この度は、誠に残念でなりません。〇〇様(故人の名前)の納骨を無事に終えられ、さぞお疲れのことと存じます。心よりお悔やみ申し上げます。」
- 「〇〇様(故人の名前)には、生前大変お世話になりました。ご遺族の皆様におかれましても、どうぞご無理なさらないでください。何かお手伝いできることがございましたら、お申し付けください。」
- 「ご多忙の中、納骨式を無事に終えられ、お疲れ様でございました。今後とも、どうぞお体ご無理なさいませんよう。」
納骨ねぎらいの言葉を伝える際の具体的なコツとマナー

納骨式でねぎらいの言葉を伝える際には、言葉の内容だけでなく、伝え方やマナーも非常に重要です。ご遺族の心情に配慮し、失礼のないように振る舞うことが、真のねぎらいにつながります。ここでは、直接言葉をかける場合と手紙で伝える場合のコツ、そして避けるべき言葉遣いについて解説します。
直接言葉をかける際の注意点
直接言葉をかける際は、まずご遺族の表情や様子をよく観察し、話しかけるタイミングを見計らいましょう。ご遺族が忙しくしている時や、感情的になっている時に無理に話しかけるのは避けるべきです。言葉をかける際は、静かで落ち着いた声のトーンで、ゆっくりと話すことを心がけてください。
長々と話すのではなく、簡潔に気持ちを伝えることが大切です。ご遺族が返答に困るような質問や、故人の死因に触れるような話題は避けましょう。また、「頑張って」といった励ましの言葉は、ご遺族にとっては負担になることがあるため、「どうぞご無理なさらないでください」など、いたわりの言葉に言い換えるのがおすすめです。
手紙やメッセージで伝える際の例文とコツ
遠方で参列できない場合や、改めてゆっくりと気持ちを伝えたい場合は、手紙やメッセージを活用するのも良い方法です。手紙で伝える際は、以下の点に注意しましょう。
- 時候の挨拶:納骨式が四十九日を過ぎて行われる場合は、時候の挨拶を添えても問題ありません。
- お悔やみの言葉:故人への哀悼の意と、ご遺族へのお悔やみの言葉を丁寧に述べます。
- ねぎらいの言葉:ご遺族のこれまでの苦労をねぎらい、今後の健康を気遣う言葉を添えます。
- 故人との思い出:差し支えのない範囲で、故人との温かい思い出に触れると、ご遺族の慰めになります。
- 句読点や忌み言葉:手紙や挨拶状では、句読点を使用しないのが慣例とされています。また、「重ね重ね」「たびたび」などの重ね言葉や、「死ぬ」「生きる」などの直接的な表現、不吉な意味合いを持つ忌み言葉は避けてください。
- お墓の場所:納骨を終えたことを報告する手紙では、お墓の場所を明記すると、後日お参りしやすくなります。
例文:
拝啓
この度は〇〇様(故人の名前)の納骨式を無事に終えられたとのこと、心よりお悔やみ申し上げます。ご家族の皆様におかれましては、さぞお疲れのことと存じます。どうぞご無理なさらないでください。
〇〇様には生前、大変お世話になり、多くの温かい思い出がございます。安らかにお眠りになられることを心よりお祈り申し上げます。
私どもも、〇〇様のご冥福を心よりお祈りしております。何かお手伝いできることがございましたら、何なりとお申し付けください。
末筆ではございますが、ご家族の皆様のご健康を心よりお祈り申し上げます。
敬具
避けるべき言葉遣いと配慮
納骨式のような弔事の場では、特に言葉遣いに注意が必要です。ご遺族の心情を傷つけたり、不快な思いをさせたりしないよう、以下の点に配慮しましょう。
- 忌み言葉:「重ね重ね」「たびたび」「くれぐれも」「ますます」などの重ね言葉は、不幸が続くことを連想させるため避けます。また、「死ぬ」「生きる」といった直接的な表現や、「苦しむ」「迷う」などの不吉な言葉も使わないようにしましょう。
- 宗教・宗派による違い:仏教で用いられる「ご冥福をお祈りします」という言葉は、神道やキリスト教では使用しません。それぞれの宗教・宗派に合わせた適切な言葉を選ぶことが大切です。
- 安易な励まし:「頑張って」「早く元気を出して」といった言葉は、ご遺族にとってはプレッシャーになることがあります。「お疲れ様でした」「どうぞご無理なさらないでください」など、いたわりの言葉に言い換えましょう。
- 故人の死因や病状に関する質問:ご遺族にとって辛い記憶を呼び起こす可能性があるため、故人の死因や病状について尋ねることは絶対に避けてください。
納骨式におけるその他のマナーと心遣い

納骨式では、ねぎらいの言葉以外にも、服装や香典、供物など、さまざまなマナーが存在します。これらのマナーを守ることは、ご遺族への敬意と故人への追悼の気持ちを示す上で非常に重要です。事前にしっかりと確認し、失礼のないように参列しましょう。
服装や香典に関する基本的なマナー
納骨式の服装は、一般的に「喪服」が基本です。特に、四十九日法要と同時に納骨式が行われる場合は、喪服を着用するのがマナーとされています。男性はブラックスーツに白いワイシャツ、黒いネクタイ、女性は黒のワンピースやスーツに黒いストッキング、黒いパンプスが適切です。
四十九日を過ぎて納骨式が行われる場合は、ご遺族から「平服でお越しください」と案内されることもあります。この場合の平服とは、略喪服を指し、黒や紺、グレーなどの落ち着いた色のスーツやワンピースを選びましょう。カジュアルすぎる服装は避けるべきです。
香典は、故人への供養の気持ちを表すものです。相場は故人との関係性によって異なりますが、一般的には5千円から1万円程度が目安とされています。
香典の表書きは、四十九日までは「御霊前」、四十九日を過ぎたら「御仏前」と書くのが一般的です。ただし、浄土真宗の場合は、時期に関わらず「御仏前」とします。 香典は袱紗に包んで持参し、受付で渡す際に「この度はご愁傷様でございます」など、一言添えて差し出しましょう。
故人を偲ぶ気持ちを伝える供物の選び方
納骨式に供物を持参する場合、故人が生前好きだったものや、日持ちのするお菓子、果物、お酒などが一般的です。ただし、お墓や納骨堂によっては、お酒などのお供えを禁止している場合もあるため、事前に確認しておきましょう。
供物には「のし紙」をかけ、「御供」または「御供物」と表書きし、その下に氏名を書きます。水引は、黒白または双銀の結び切りを選びましょう。供物は、ご遺族の負担にならないよう、持ち運びしやすいものを選ぶなどの心遣いも大切です。
よくある質問

納骨式におけるねぎらいの言葉やマナーに関して、多くの方が抱える疑問にお答えします。
- 納骨式でねぎらいの言葉は必ず必要ですか?
- 納骨式後、改めてお悔やみの言葉を伝えるべきですか?
- 遠方で参列できない場合、どのようにねぎらいの気持ちを伝えれば良いですか?
- 子供にもねぎらいの言葉を伝えさせるべきですか?
- 納骨式で故人の思い出話をしても良いですか?
納骨式でねぎらいの言葉は必ず必要ですか?
納骨式でねぎらいの言葉を必ずしも言わなければならないという厳格な決まりはありません。しかし、ご遺族への配慮と故人への敬意を示す上で、一言でも心からのねぎらいの言葉を伝えることは、ご遺族にとって大きな慰めとなります。特に、ご遺族が疲れている様子であれば、「お疲れ様でございました」といった短い言葉でも、その気持ちは伝わるでしょう。
納骨式後、改めてお悔やみの言葉を伝えるべきですか?
納骨式後、改めてお悔やみの言葉を伝えるかどうかは、ご遺族との関係性や状況によります。納骨式で十分に気持ちを伝えられたと感じる場合は、改めて連絡する必要はありません。しかし、遠方で参列できなかった場合や、納骨式ではゆっくり話せなかった場合は、後日改めて手紙や電話で連絡し、お悔やみの言葉とねぎらいの気持ちを伝えるのも良いでしょう。
その際も、ご遺族の負担にならないよう、簡潔にまとめることが大切です。
遠方で参列できない場合、どのようにねぎらいの気持ちを伝えれば良いですか?
遠方で納骨式に参列できない場合は、弔電を送る、供物や供花を贈る、または手紙やメッセージを送るなどの方法でねぎらいの気持ちを伝えられます。手紙を送る際は、前述の例文やマナーを参考に、ご遺族への配慮を忘れずに作成しましょう。弔電や供花を贈る場合は、事前にご遺族に確認し、受け取っていただけるか確認するとより丁寧です。
子供にもねぎらいの言葉を伝えさせるべきですか?
お子様が参列する場合、無理に大人と同じようなねぎらいの言葉を伝えさせる必要はありません。お子様の年齢や理解度に合わせて、故人を偲ぶ気持ちを表現する方法を考えましょう。例えば、故人の好きだったお花を供える、静かに手を合わせる、短い言葉で「ありがとう」と伝えるなど、お子様なりに故人を悼む気持ちを表現できれば十分です。
ご遺族も、お子様の純粋な気持ちを嬉しく思うことでしょう。
納骨式で故人の思い出話をしても良いですか?
納骨式で故人の思い出話をすることは、ご遺族の心を和ませることもありますが、タイミングと内容には十分な配慮が必要です。ご遺族が故人を偲んで涙しているようなデリケートな状況では、思い出話は控えるべきです。もし話す場合は、故人の人柄がわかるような温かいエピソードや、ご遺族が笑顔になれるような明るい思い出に留めましょう。
長話は避け、ご遺族の様子を見ながら、簡潔に伝えることが大切です。
まとめ
- 納骨ねぎらいの言葉は故人を偲び遺族をいたわる気持ちを表す。
- 納骨式でねぎらいの言葉を伝えることは遺族の苦労をねぎらう意味がある。
- 言葉を選ぶ際は遺族の気持ちに寄り添う心構えが大切。
- 親しい家族へは心からの気遣いを込めた言葉を選ぶ。
- 親戚へは丁寧さを保ちつつ家族のつながりを感じさせる言葉が良い。
- 友人・知人へは故人との温かい思い出に触れる言葉も有効。
- 職場関係者へは簡潔かつ丁寧な言葉遣いを心がける。
- 直接言葉をかける際はご遺族の様子を見てタイミングを見計らう。
- 手紙やメッセージでは句読点や忌み言葉を避ける。
- 手紙にはお墓の場所を明記すると親切。
- 「重ね重ね」「頑張って」などの忌み言葉や安易な励ましは避ける。
- 宗教・宗派によって適切な言葉遣いが異なるため確認が必要。
- 納骨式の服装は四十九日までは喪服が基本。
- 香典の表書きは四十九日前後で変わる(浄土真宗は除く)。
- 供物は故人が好きだったものや日持ちのするものがおすすめ。
- 供物にはのし紙をかけ「御供」と表書きする。
