大切な方が病気や怪我をされた際、心ばかりのお見舞いを贈ることは、日本に古くから伝わる美しい習慣です。しかし、いざお見舞いのし袋を準備しようとすると、「裏側の折り方はどうすれば良いのだろう?」「何か特別なマナーがあるのかな?」と迷ってしまう方も少なくありません。
本記事では、お見舞いのし袋の裏側の正しい折り方から、その背景にある意味、さらには知っておきたい関連マナーまで、詳しく解説します。この記事を読めば、あなたの心遣いが相手にきちんと伝わる、失礼のないお見舞いのし袋を準備できるようになるでしょう。
お見舞いのし袋の裏側、なぜ折り方に決まりがあるの?

のし袋の裏側の折り方には、単なる見た目以上の深い意味が込められています。特に、お見舞いのような慶事(お祝い事)に準じる場面では、その折り方一つで相手への気持ちや願いを表現する大切な要素となるのです。この章では、なぜ折り方に決まりがあるのか、その理由を詳しく見ていきましょう。
慶事と弔事での折り方の違い
のし袋の裏側の折り方には、大きく分けて「慶事(お祝い事)」と「弔事(お悔やみ事)」の2つのパターンがあります。慶事では、裏側の合わせ目が「上包みが下包みの上に重なる」ように折るのが正しい方法です。これは、喜びが上向きになるように、良いことが重なるようにという願いが込められています。一方、弔事では「下包みが上包みの上に重なる」ように折ります。
これは、悲しみが下向きになるように、不幸が二度と起こらないようにという願いが込められているのです。この違いを理解することが、のし袋のマナーの基本となります。
お見舞いは「慶事」に準じる理由
お見舞いは、病気や怪我からの回復を願うものであり、最終的には「快復」という喜ばしい結果を期待するものです。そのため、不幸を願う弔事とは異なり、慶事の折り方に準じるのが一般的です。つまり、お見舞いのし袋の裏側は、上包みが下包みの上に重なるように折るのが正しいマナーとされています。
この折り方には、相手の回復を心から願い、良い方向へ向かうことを祈る気持ちが込められているのです。
折り方で伝わる「気持ち」
のし袋の折り方は、単なる形式ではなく、贈る側の心遣いや相手への敬意を伝える大切な手段です。正しい折り方で準備されたのし袋は、受け取る側にとって、贈る人の丁寧な気持ちが伝わり、より一層感謝の気持ちを抱くきっかけとなります。逆に、折り方を間違えてしまうと、意図せず相手に不快な思いをさせてしまう可能性もあるため、細部にまで気を配ることが大切です。
特に、お見舞いというデリケートな場面では、マナーを守ることで相手への配慮を示すことができます。
お見舞いのし袋後ろの正しい折り方ステップバイステップ

お見舞いのし袋の裏側の折り方は、一度覚えてしまえば決して難しいものではありません。ここでは、誰でも簡単に実践できる、正しい折り方の手順をステップバイステップで解説します。この手順通りに進めれば、自信を持ってお見舞いのし袋を準備できるでしょう。
基本は「上包みを下包みの上に重ねる」
お見舞いのし袋の裏側の折り方の基本は、「上包みが下包みの上に重なる」ことです。これは、先ほども触れたように、慶事の際に用いられる折り方であり、「喜びが上向きになるように」「良いことが重なるように」という願いが込められています。この原則をしっかりと頭に入れておけば、迷うことなく正しい折り方を選ぶことができるでしょう。
この折り方を意識することで、相手への心からの回復を願う気持ちを形にできます。
具体的な折り方の手順
それでは、具体的な折り方の手順を見ていきましょう。まず、のし袋の裏側には、通常、上下に開く二つの包みがあります。この二つの包みを、以下の手順で重ねていきます。
- まず、下の包みを上に折り上げます。
- 次に、上の包みをその上から下に折り重ねます。
- この時、上の包みが下の包みの上に重なる状態になっていることを確認してください。
この手順で折ることで、慶事の正しい折り方となり、相手への良い願いを込めることができます。慣れないうちは、実際にのし袋を手に取って試してみると、より理解が深まるでしょう。
封をするかしないか
お見舞いのし袋は、基本的に封をしないのがマナーです。のし袋は、水引で留められているため、それ自体が封の役割を果たしていると考えられています。封をしてしまうと、かえって開けにくく、相手に手間をかけてしまう可能性があります。また、お見舞いは急を要する場合もあるため、すぐに中身を確認できるよう配慮することも大切です。
ただし、中袋がある場合は、中袋には封をしても問題ありません。この点は、状況に応じて判断するようにしましょう。
のし袋の裏面に書くべきことと書き方

お見舞いのし袋の裏面には、基本的に何も書かないのが一般的ですが、状況によっては記載が必要な場合もあります。ここでは、裏面に何かを書く必要がある場合の書き方や、注意すべき点について解説します。相手に失礼なく、スムーズに受け取ってもらうためのコツを押さえましょう。
住所・氏名の記載は必要?
お見舞いのし袋の裏面には、通常、住所や氏名を記載する必要はありません。表書きに氏名を記載していれば、それで十分とされています。しかし、以下のような場合には、裏面に記載を検討することもあります。
- 連名でお見舞いを贈る場合で、代表者以外の氏名を記載したい時。
- 相手が誰からのお見舞いかすぐに判断できるよう、特に親しい間柄で、かつ表書きに氏名を記載しなかった場合。
- 中袋がないのし袋を使用し、後で誰からのお見舞いか分からなくならないようにしたい時。
もし記載する場合は、のし袋の裏面左下に、小さく控えめに書くのがマナーです。中袋がある場合は、中袋の裏面に住所・氏名・金額を記載するのが一般的です。
薄墨は使わない
お見舞いのし袋の表書きや裏面に何かを記載する際は、薄墨を使用しないように注意してください。薄墨は、弔事の際に「悲しみの涙で墨が薄くなった」という意味合いで使われるものです。お見舞いは慶事に準じるため、濃い墨でしっかりと書くのが正しいマナーです。筆ペンやサインペンを使用する際も、黒色の濃いインクのものを選ぶようにしましょう。
この細かな配慮が、相手への丁寧な気持ちを伝えることにつながります。
よくある間違いと注意点

お見舞いのし袋を準備する際、多くの人が陥りがちな間違いや、特に注意すべき点がいくつかあります。これらのポイントを押さえておくことで、より完璧なマナーでお見舞いを贈ることができ、相手に不快な思いをさせることなく、心からの気遣いを伝えることができるでしょう。
弔事の折り方と混同しない
最もよくある間違いの一つが、お見舞いのし袋の裏側の折り方を、弔事の折り方と混同してしまうことです。繰り返しになりますが、お見舞いは慶事に準じるため、「上包みが下包みの上に重なる」ように折るのが正しいマナーです。弔事の「下包みが上包みの上に重なる」折り方をしてしまうと、相手に不吉な印象を与えかねません。
特に急いでいる時や、普段あまりのし袋を扱う機会がない方は、この点をしっかりと確認するようにしてください。正しい折り方を心がけることで、相手への配慮が伝わります。
水引の種類にも注意
お見舞いのし袋を選ぶ際には、水引の種類にも注意が必要です。お見舞いには、「結び切り」または「あわじ結び」の水引を選びましょう。これらの水引は、「一度きりであってほしい」「二度と繰り返さない」という意味合いが込められており、病気や怪我の回復を願うお見舞いにふさわしいとされています。
一方、「蝶結び」の水引は、「何度でも繰り返したいお祝い事」に使われるため、お見舞いには不適切です。水引の色は、紅白または金銀が一般的です。
お札の入れ方にもマナーがある
のし袋に入れるお札の入れ方にも、実はマナーがあります。まず、お見舞いには新札を用意するのが一般的です。これは、前もって準備していたという気持ちを表すためです。お札は、人物の顔が中袋の表側(のし袋の表側と同じ方向)、上向きになるように入れます。複数枚入れる場合は、向きを揃えて入れるようにしましょう。
また、お札をそのまま入れるのではなく、中袋に入れるのが丁寧な渡し方です。中袋がない場合は、のし袋に直接入れても問題ありませんが、その際も向きに注意してください。
お見舞いのし袋に関するよくある質問

- お見舞いのし袋の裏の折り方は慶事と弔事でどう違うのですか?
- お見舞いのし袋の裏に住所や氏名を書く必要はありますか?
- お見舞いのし袋は封をした方が良いのでしょうか?
- お見舞いのし袋の表書きは何と書けば良いですか?
- お見舞いの金額の相場はどのくらいですか?
- お見舞いのし袋を選ぶ際のポイントは何ですか?
- お見舞いのし袋にお札を入れる際の注意点はありますか?
お見舞いのし袋の裏の折り方は慶事と弔事でどう違うのですか?
慶事(お祝い事やお見舞い)では、のし袋の裏側の合わせ目が「上包みが下包みの上に重なる」ように折ります。これは、喜びが上向きになるように、良いことが重なるようにという願いが込められています。一方、弔事(お悔やみ事)では、「下包みが上包みの上に重なる」ように折ります。これは、悲しみが下向きになるように、不幸が二度と起こらないようにという願いが込められています。
お見舞いは慶事に準じるため、上包みが下包みの上に重なるように折るのが正しいマナーです。
お見舞いのし袋の裏に住所や氏名を書く必要はありますか?
基本的にお見舞いのし袋の裏面に住所や氏名を記載する必要はありません。表書きに氏名を記載していれば十分です。ただし、中袋がある場合は、中袋の裏面に住所、氏名、金額を記載するのが一般的です。中袋がない場合で、特に親しい間柄や連名でお見舞いを贈る際に、誰からのお見舞いか分かりやすくするために、のし袋の裏面左下に小さく控えめに記載することもあります。
お見舞いのし袋は封をした方が良いのでしょうか?
お見舞いのし袋は、基本的に封をしないのがマナーです。のし袋は水引で留められているため、それ自体が封の役割を果たしていると考えられています。封をしてしまうと、かえって開けにくく、相手に手間をかけてしまう可能性があります。ただし、中袋がある場合は、中袋には封をしても問題ありません。
お見舞いのし袋の表書きは何と書けば良いですか?
お見舞いのし袋の表書きは、一般的に「御見舞」と記載します。相手の病状が回復に向かっている場合や退院が決まっている場合は、「御全快御祝」や「御退院御祝」とすることも可能です。水引の上部に表書きを、水引の下部に贈り主の氏名を記載します。氏名はフルネームで、表書きよりもやや小さめに書くのが丁寧です。
お見舞いの金額の相場はどのくらいですか?
お見舞いの金額は、相手との関係性によって異なります。一般的には、親族には10,000円~30,000円、友人・知人には5,000円~10,000円、職場関係者には3,000円~5,000円が相場とされています。複数人で連名でお見舞いを贈る場合は、一人あたり1,000円程度が目安となることが多いです。また、偶数の金額は避けるのが一般的ですが、10,000円は問題ありません。
お見舞いのし袋を選ぶ際のポイントは何ですか?
お見舞いのし袋を選ぶ際のポイントは、水引の種類と色です。水引は「結び切り」または「あわじ結び」を選びましょう。これらは「一度きりであってほしい」という願いが込められています。水引の色は、紅白または金銀が一般的です。また、のし袋の大きさは、包む金額に見合ったものを選ぶようにしましょう。あまりにも豪華すぎるものや、逆に簡素すぎるものは避けるのが無難です。
お見舞いのし袋にお札を入れる際の注意点はありますか?
お見舞いのし袋にお札を入れる際は、新札を用意するのがマナーです。これは、前もって準備していたという心遣いを表します。お札は、人物の顔が中袋の表側(のし袋の表側と同じ方向)、上向きになるように入れます。複数枚入れる場合は、すべて同じ向きに揃えて入れるようにしましょう。中袋がある場合は、中袋に入れてから、のし袋に入れるのが丁寧です。
まとめ
- お見舞いのし袋の裏側は、慶事に準じて「上包みが下包みの上に重なる」ように折る。
- この折り方には、相手の回復を願い、良いことが重なるようにという気持ちが込められている。
- 弔事の折り方(下包みが上包みの上に重なる)と混同しないよう注意が必要。
- お見舞いのし袋は、基本的に封をしないのがマナーである。
- のし袋の裏面に住所や氏名を記載する必要は通常ない。
- 中袋がある場合は、中袋の裏面に住所・氏名・金額を記載する。
- 表書きや裏面に記載する際は、薄墨ではなく濃い墨を使用する。
- 水引は「結び切り」または「あわじ結び」を選び、色は紅白または金銀が適切。
- お見舞いには新札を用意し、お札は人物の顔が上向きになるように入れる。
- お札は中袋に入れ、複数枚の場合は向きを揃える。
- お見舞いの金額は相手との関係性で異なり、偶数は避けるのが一般的(1万円は可)。
- のし袋の準備は、相手への心遣いを形にする大切な行為である。
- 正しいマナーを知ることで、自信を持ってお見舞いを贈れる。
- 細部にまで気を配ることで、より丁寧な気持ちが伝わる。
- この記事で解説したコツを参考に、心を込めたお見舞いを準備しよう。
