「インテルIris Xeグラフィックス」という言葉を耳にして、「一体どんな性能なのだろう?」「自分の使い方に合っているのだろうか?」と疑問に感じている方もいるのではないでしょうか。特にノートパソコン選びでは、グラフィックス性能が作業の快適さに直結するため、重要なポイントです。
本記事では、インテルIris Xeグラフィックスの基本的な特徴から、競合製品との性能比較、そして動画編集やゲームといった具体的な用途での実力まで、詳しく解説します。あなたのパソコン選びの助けとなる情報をお届けしますので、ぜひ最後までご覧ください。
インテルIrisXeグラフィックスとは?その特徴を解説
インテルIris Xeグラフィックスは、インテルが2020年以降に展開しているGPUアーキテクチャ「Xe」シリーズのうち、主にノートパソコン向けに設計された統合型グラフィックス(iGPU)のブランド名です。第11世代Coreプロセッサー(Tiger Lake)から本格的に採用され、従来のIntel UHD Graphics世代から大幅に性能が強化されました。
このグラフィックスは、CPUと同じチップ内に組み込まれているため、薄型軽量ノートパソコンやミニPCでの採用が増えています。 従来のIntel内蔵グラフィックスの常識を覆すほどの性能向上を実現し、実用的なグラフィックス性能を求めるモバイル機器にとって魅力的な選択肢となっています。
Iris Xe Graphicsの基本性能
Iris Xe Graphicsは、IntelのXeグラフィックスアーキテクチャをベースにしており、従来のIntel UHD Graphicsから大きく進化を遂げました。 主な改良点としては、実行ユニット(EU)の大幅な増強が挙げられます。上位構成では最大96EUを搭載し、EU数によって性能が段階的に変わります。
また、HEVC(H.265)やVP9のエンコード・デコードに対応する改良されたメディアエンジンを搭載しており、動画編集や再生での効率改善に貢献します。 最新のAPI(DirectX 12、Vulkan、OpenCLなど)もサポートしているため、ゲームやGPGPU用途にも対応可能です。 さらに、省電力設計が施されており、薄型ノートパソコンでも性能とバッテリー稼働時間のバランスを取りやすいのが特徴です。
従来のIntel内蔵グラフィックスとの違い
Iris Xe Graphicsの登場は、Intelの内蔵グラフィックスの歴史において大きな転換点となりました。従来のIntel HD GraphicsやUHD Graphicsは、基本的な画面表示や動画再生には十分でしたが、3Dグラフィックス処理や動画編集といった負荷の高い作業には力不足と感じる場面が少なくありませんでした。
しかし、Iris Xe Graphicsは、設計思想から根本的に見直されたXeアーキテクチャを採用することで、グラフィックス性能が従来比で約2倍にまで向上しています。 これにより、内蔵GPUでありながら、一部のエントリークラスの専用グラフィックスボードに匹敵する処理能力を持つようになりました。 この性能向上は、薄型軽量ノートパソコンでより多くの作業を快適にこなせるようになったことを意味します。
IrisXeグラフィックスの性能を徹底比較!
インテルIris Xeグラフィックスの性能を具体的に把握するためには、他のグラフィックス製品との比較が欠かせません。ここでは、競合する内蔵グラフィックスやエントリーレベルの外部GPUとの比較、そしてベンチマークスコアから見る実力について詳しく見ていきましょう。
競合する内蔵グラフィックスとの比較(AMD Radeon Graphicsなど)
インテルIris Xeグラフィックスの主な競合となるのは、AMDのRyzenプロセッサーに内蔵されているRadeon Graphicsです。特にAMD Radeon Vega Graphicsや、より新しいRDNAベースの統合型グラフィックスは、長らく内蔵グラフィックスの性能で優位に立っていました。
しかし、Iris Xe Graphicsの登場により、その差は大きく縮まり、一部のモデルではIris Xe GraphicsがAMD Radeon Graphicsを上回る性能を発揮することもあります。 特に、96EUを搭載したIris Xe Graphicsは、AMD Radeon 660Mを約6%上回る性能を示すという検証結果もあります。
どちらも日常使いや軽いゲーム、動画再生には十分な性能を持っていますが、具体的な性能はCPUの世代やモデル、そしてメモリ構成(デュアルチャネルかシングルチャネルか)によって変動するため、注意が必要です。
エントリーレベルの外部GPUとの比較(NVIDIA GeForce MXシリーズなど)
内蔵グラフィックスでありながら、Iris Xe Graphicsはエントリーレベルの外部GPU(ディスクリートGPU)とも比較されるほどの性能を持っています。特にNVIDIA GeForce MXシリーズ(MX350やMX450など)が比較対象となることが多いです。
96EUを搭載したIris Xe Graphicsは、NVIDIA GeForce MX350やMX450に近い性能を発揮するとされています。 また、一部の検証では、NVIDIA GeForce MX450を約8%上回る性能を示すこともあります。 これは、薄型軽量ノートパソコンで、別途外部GPUを搭載しなくても、ある程度のグラフィックス処理能力を期待できることを意味します。
ただし、より高性能な外部GPU(NVIDIA GeForce GTXシリーズやRTXシリーズなど)には及ばないため、本格的なゲーミングやプロフェッショナルなクリエイティブ作業には、やはり外部GPUの搭載されたモデルを検討するのがおすすめです。
ベンチマークスコアで見る実力
Iris Xe Graphicsの実力を客観的に評価するためには、ベンチマークスコアが参考になります。代表的なベンチマークテストである3DMarkのTime Spy Graphicsスコアでは、Iris Xe Graphics(96EU)が2,000~2,500前後を記録することが多いです。
これは、従来のIntel UHD Graphicsと比較して約2倍のグラフィックス性能向上を示しています。 また、Geekbench 6のOpenCLスコアでは、Iris Xeが11957という結果を出すこともあります。 これらのスコアは、日常的な作業はもちろん、軽いゲームや動画編集においても十分な処理能力があることを示しています。
ただし、ベンチマークスコアはあくまで目安であり、実際の使用感はCPUの性能、メモリ容量、ストレージ速度など、システム全体のバランスによっても大きく左右されることを理解しておくことが大切です。
IrisXeグラフィックスはどんな用途に向いている?

インテルIris Xeグラフィックスは、その進化した性能により、幅広い用途で活躍できる内蔵グラフィックスです。ここでは、具体的な使用シーンごとに、Iris Xeグラフィックスがどの程度の実力を発揮するのかを見ていきましょう。
日常使いやビジネス用途
日常的なパソコン作業やビジネス用途において、Iris Xeグラフィックスは非常に快適な使用感を提供します。ウェブブラウジング、文書作成、表計算、プレゼンテーション資料の作成といった一般的なタスクはもちろん、複数のアプリケーションを同時に起動したり、ビデオ会議を行ったりする場合でもスムーズに処理できます。
特に、マルチモニター環境での作業も安定した性能でサポートするため、オフィスワークの効率を高める助けとなるでしょう。 薄型軽量ノートパソコンやミニPCなど、省スペース性が求められるシステムでその力を発揮し、バッテリーの持ちが良い点も、外出先でのビジネス利用には大きなメリットです。
動画編集やクリエイティブ作業
動画編集や写真編集といったクリエイティブ作業においても、Iris Xeグラフィックスは十分に実用的な性能を発揮します。 特にIntelが提供するハードウェアアクセラレーション機能「Quick Sync Video」により、動画のエンコード・デコードが高速化され、フルHD動画の編集や書き出しであれば比較的スムーズに作業を進められます。
4K動画編集も可能ではありますが、エフェクトを多用したり、複雑なプロジェクトを扱ったりすると処理が重くなる傾向があります。 プロ向けの本格的な4K動画制作や3Dレンダリングには、やはり専用の外部GPUを検討するのが賢明です。 しかし、趣味で動画編集を楽しんだり、SNS向けの短い動画を作成したりする程度であれば、Iris Xeグラフィックスは十分な性能を提供してくれるでしょう。
軽いゲームやeスポーツタイトル
「内蔵グラフィックスはゲームには不向き」という一昔前の常識は、Iris Xe Graphicsの登場によって覆されつつあります。 Iris Xeグラフィックスは、軽量なゲームやeスポーツタイトルであれば快適にプレイできる性能を備えています。
例えば、『VALORANT』や『Apex Legends』、『フォートナイト』、『マインクラフト』といった人気タイトルであれば、グラフィックス設定を「低」から「中」に調整することで、60fps以上の快適なフレームレートで遊べるケースが多いです。 特にeスポーツタイトルでは、高いフレームレートが重要となるため、Iris Xe Graphicsは予算を抑えつつゲームを楽しみたいカジュアルゲーマーにとって魅力的な選択肢となります。
ただし、『サイバーパンク2077』や『God of War』のようなグラフィックス負荷の高いAAAタイトルを最高設定で快適にプレイすることは難しいため、本格的なゲーミングを目的とする場合は、外部GPU搭載モデルを検討しましょう。
IrisXeグラフィックス搭載ノートパソコンの選び方

インテルIris Xeグラフィックス搭載のノートパソコンを選ぶ際には、いくつかのポイントを押さえることで、より満足度の高い一台を見つけられます。ここでは、CPUとの組み合わせ、メモリ容量、そしておすすめのモデルと選び方のコツについて解説します。
CPUとの組み合わせで変わる性能
Iris Xeグラフィックスは、インテルCoreプロセッサーに内蔵されているため、その性能は搭載されているCPUのモデルによっても左右されます。主に第11世代以降のCore i5またはCore i7プロセッサーに搭載されており、Core i7の方が実行ユニット(EU)の数が多く、より高いグラフィックス性能を発揮する傾向にあります。
例えば、Core i5に搭載されるIris Xe Graphicsは80EU、Core i7に搭載されるものは96EUといった違いがあります。 EU数が多いほど、グラフィックス処理能力が高まるため、ゲームや動画編集など、より高いグラフィックス性能を求める場合は、Core i7搭載モデルを選ぶのがおすすめです。
また、CPUの世代が新しいほど、Iris Xe Graphics自体のアーキテクチャも改良され、性能が向上していることもあります。
メモリ容量とデュアルチャネルの重要性
Iris Xeグラフィックスは、専用のビデオメモリ(VRAM)を持たず、システムメモリ(RAM)を共有して使用します。 このため、システムメモリの容量と速度が、Iris Xe Graphicsの性能に大きく影響します。快適な動作には、最低でも8GB、できれば16GB以上のメモリ容量を推奨します。
さらに重要なのが、メモリが「デュアルチャネル」で動作しているかどうかです。デュアルチャネル構成とは、2枚のメモリモジュールを同時に使用することで、メモリ帯域幅を広げ、グラフィックス性能を向上させる仕組みです。シングルチャネルと比べて、デュアルチャネルではIris Xe Graphicsの性能が大きく向上することが知られています。
ノートパソコンを選ぶ際は、メモリがデュアルチャネル構成になっているか、または後から増設してデュアルチャネルにできるかを確認すると良いでしょう。
おすすめの搭載モデルと選び方のコツ
Iris Xeグラフィックス搭載ノートパソコンは、その性能と省電力性から、多種多様なモデルが販売されています。選び方のコツとしては、まず自分の主な用途を明確にすることです。
- 日常使いやビジネス用途が中心の場合:Core i5搭載で8GBまたは16GBメモリのモデルで十分快適に利用できます。薄型軽量でバッテリー駆動時間の長いモデルを選ぶと良いでしょう。
- 軽いゲームや写真・動画編集も楽しみたい場合:Core i7搭載で96EUのIris Xe Graphics、そして16GB以上のデュアルチャネルメモリを搭載したモデルがおすすめです。ディスプレイの品質(色域や解像度)も考慮すると、より満足度が高まります。
- コストパフォーマンスを重視する場合:型落ちの第11世代Core i7モデルや、セール対象となっているモデルを探すのも良い方法です。
具体的なモデルとしては、Acer Swift 3やHP Pavilion 14、Dell InspironシリーズなどがIris Xe Graphicsを搭載した人気モデルとして挙げられます。 購入前には、必ずレビューやベンチマーク結果を確認し、自分の求める性能を満たしているかを確認しましょう。
よくある質問

- Iris Xe Graphicsで重いゲームはできますか?
- Iris Xe Graphicsは外付けGPUより優れていますか?
- Iris Xe Graphicsのドライバはどこで入手できますか?
- Iris Xe GraphicsはどのIntel CPUに搭載されていますか?
- Iris Xe Graphics搭載PCで4K動画編集は快適ですか?
Iris Xe Graphicsで重いゲームはできますか?
Iris Xe Graphicsは、グラフィックス負荷の高いAAAタイトルを最高設定で快適にプレイすることは難しいです。しかし、『VALORANT』や『Apex Legends』、『フォートナイト』、『マインクラフト』などの軽いゲームやeスポーツタイトルであれば、グラフィックス設定を調整することで、十分楽しめる性能を持っています。
Iris Xe Graphicsは外付けGPUより優れていますか?
Iris Xe Graphicsは、一部のエントリーレベルの外付けGPU(NVIDIA GeForce MXシリーズなど)に匹敵するか、場合によっては上回る性能を発揮することもあります。 しかし、NVIDIA GeForce GTXやRTXシリーズのような高性能な外付けGPUと比較すると、性能面では劣ります。
用途に応じて、どちらが適しているか検討することが大切です。
Iris Xe Graphicsのドライバはどこで入手できますか?
Iris Xe Graphicsのドライバは、主にIntelの公式ウェブサイトからダウンロードできます。また、お使いのノートパソコンメーカーのサポートページからも提供されている場合があります。最新のドライバに更新することで、性能の向上や不具合の修正が期待できます。
Iris Xe GraphicsはどのIntel CPUに搭載されていますか?
Iris Xe Graphicsは、主に第11世代以降のIntel Core i5およびCore i7プロセッサーに搭載されています。 CPUのモデルによって、実行ユニット(EU)の数が異なり、それによってグラフィックス性能も変わります。
Iris Xe Graphics搭載PCで4K動画編集は快適ですか?
Iris Xe Graphics搭載PCでの4K動画編集は可能です。特にIntel Quick Sync Videoによるハードウェアアクセラレーションを活用すれば、エンコード・デコードは高速に行えます。 しかし、エフェクトを多用したり、複雑なプロジェクトを扱ったりすると、処理が重くなる傾向があります。
プロフェッショナルな4K動画編集には、より高性能な外部GPUを搭載したPCを検討するのがおすすめです。
まとめ
- インテルIris Xeグラフィックスは、第11世代Coreプロセッサー以降に搭載される高性能な内蔵グラフィックスです。
- 従来のIntel内蔵グラフィックスと比較して、約2倍のグラフィックス性能向上を実現しました。
- 実行ユニット(EU)の数(80EUまたは96EU)によって性能が異なり、Core i7搭載モデルの方が高性能な傾向があります。
- AMD Radeon GraphicsやNVIDIA GeForce MXシリーズといった競合製品と比べても、引けを取らない実力を持っています。
- 日常使いやビジネス用途では非常に快適な動作を提供します。
- フルHD動画編集や写真編集などのクリエイティブ作業も十分にこなせます。
- 『VALORANT』や『フォートナイト』などの軽いゲームやeスポーツタイトルであれば、設定次第で快適にプレイ可能です。
- 4K動画編集やグラフィックス負荷の高いAAAタイトルには、高性能な外部GPUが推奨されます。
- メモリ容量(16GB以上推奨)とデュアルチャネル構成が、Iris Xe Graphicsの性能を最大限に引き出すコツです。
- 薄型軽量ノートパソコンやミニPCで、性能と携帯性のバランスを求めるユーザーにおすすめのグラフィックスです。
- ドライバはIntel公式ウェブサイトやPCメーカーのサポートページで入手できます。
- CPUの世代が新しいほど、Iris Xe Graphicsの性能も向上する傾向があります。
- 用途を明確にし、CPUモデルやメモリ構成を考慮してノートパソコンを選ぶことが大切です。
- ベンチマークスコアだけでなく、実際のゲームやアプリケーションでの動作検証も参考にしましょう。
- コストパフォーマンスを重視するなら、型落ちモデルやセール品も選択肢に入ります。
