結婚や離婚などで苗字が変わると、様々な名義変更手続きが必要になりますよね。その中でも、特に重要なのがマイナンバーカードの氏名変更です。身分証明書として利用する機会も多いマイナンバーカード、手続きを忘れると後々面倒なことになるかもしれません。
「苗字が変わったけど、マイナンバーカードの手続きって何が必要なの?」「どこで手続きすればいいの?」「忙しくて自分で行けないんだけど、代理人でも大丈夫?」そんな疑問や不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、マイナンバーカードの苗字変更に必要なものから、具体的な手続きの流れ、代理人による申請方法、そして手続きをしない場合のデメリットまで、詳しく解説していきます。この記事を読めば、あなたの疑問はすべて解決するはずです。安心して手続きを進められるよう、分かりやすくご説明しますので、ぜひ最後までご覧ください。
マイナンバーカードの苗字変更に必要なもの【完全リスト】

結婚や離婚などで苗字が変わった場合、マイナンバーカードの氏名変更手続きが必要です。手続きは、原則として住民票のある市区町村の役所窓口で行います。いざ窓口に行って「必要なものが足りない!」なんてことがないように、事前にしっかりと準備しておきましょう。ここでは、ご本人が手続きする場合と代理人が手続きする場合、それぞれに必要なものを分かりやすくリストアップしました。
本章では、以下の内容について詳しく解説します。
- ご本人が手続きする場合に必要なもの
- 代理人が手続きする場合に必要なもの
ご本人が手続きする場合に必要なもの
ご自身で手続きを行う場合は、比較的シンプルな持ち物で済みます。忘れないように、事前にチェックリストなどで確認しておくと安心です。
一番重要なのは、あなたのマイナンバーカードそのものです。カードの裏面の追記欄に新しい氏名を記載してもらうため、必ず持参してください。
手続きの際には、マイナンバーカード交付時に設定した住民基本台帳用の暗証番号(数字4桁)の入力が必要になります。 もし暗証番号を忘れてしまった場合は、窓口で再設定の手続きが必要になるため、マイナンバーカード以外の本人確認書類(運転免許証やパスポートなど)も持参するとスムーズです。
以下に、ご本人が手続きする場合の持ち物をまとめました。
- あなたのマイナンバーカード
- 住民基本台帳用の暗証番号(数字4桁)の控え(覚えていれば不要)
- (暗証番号を忘れた場合)本人確認書類(運転免許証、パスポートなど)
代理人が手続きする場合に必要なもの
「仕事や育児で平日に役所へ行く時間がない…」という方も多いでしょう。ご安心ください、マイナンバーカードの氏名変更は代理人でも手続きが可能です。ただし、ご本人が手続きする場合よりも必要なものが多くなるため、注意が必要です。
代理人が手続きする場合、ご本人のマイナンバーカードに加えて、代理人の本人確認書類、そして委任状が必要になります。 委任状は、市区町村のホームページからダウンロードできる場合が多いので、事前に確認しておきましょう。
また、手続きにはご本人の住民基本台帳用の暗証番号(数字4桁)が必要です。 代理人に暗証番号を直接教えるのに抵抗がある場合は、ご本人が暗証番号を記入した用紙を封筒に入れ、封をした状態で代理人に渡すといった方法もあります。
代理人が手続きする場合の持ち物は以下の通りです。
- ご本人のマイナンバーカード
- 代理人の本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
- 委任状(ご本人が記入したもの)
- ご本人の住民基本台帳用の暗証番号(数字4桁)がわかるもの
代理人申請は、自治体によって手続きの流れや必要書類が若干異なる場合があります。 そのため、手続きに行く前に、必ずお住まいの市区町村のホームページを確認するか、電話で問い合わせておくと確実です。
マイナンバーカードの苗字変更手続きの具体的な流れ

必要なものが準備できたら、いよいよ手続きです。手続き自体はそれほど難しくありませんが、事前に流れを把握しておくと、当日スムーズに進めることができます。特に、e-Taxなどを利用している方は、署名用電子証明書の手続きも忘れずに行いましょう。
本章では、以下の内容について詳しく解説します。
- 手続きができる場所と時間
- 窓口での手続きステップ
- 署名用電子証明書の失効と再発行
手続きができる場所と時間
マイナンバーカードの氏名変更手続きは、原則として住民票のある市区町村の役所窓口で行います。 具体的な窓口の名称は「市民課」「区民課」「戸籍住民課」など、自治体によって異なりますので、事前にホームページなどで確認しておきましょう。
受付時間は、平日の午前8時30分から午後5時までが一般的です。 しかし、自治体によっては、休日開庁や夜間窓口を設けている場合もあります。 「平日はどうしても時間が取れない」という方は、お住まいの市区町村のホームページで休日開庁日などを確認してみてください。
窓口での手続きステップ
役所の窓口に着いたら、以下の流れで手続きを進めます。
- 番号札を取って待つ: 多くの役所では、まず受付で番号札を受け取ります。
- 窓口で申請書を記入・提出: 順番が来たら、窓口で氏名変更の旨を伝え、備え付けの申請書に必要事項を記入します。持参した必要書類も一緒に提出しましょう。
- 暗証番号の入力: 職員の案内に従って、端末に住民基本台帳用の暗証番号(数字4桁)を入力します。
- カードの追記欄に新氏名を記載してもらう: 手続きが完了すると、職員がマイナンバーカードの裏面にある追記欄に新しい氏名を記載してくれます。
- カードの受け取り: 記載内容に間違いがないか確認し、カードを受け取って手続きは完了です。
手続きにかかる時間は、窓口の混雑状況にもよりますが、おおむね15分から30分程度です。ただし、暗証番号を忘れて再設定が必要な場合などは、もう少し時間がかかる可能性があります。
署名用電子証明書の失効と再発行
ここで注意が必要なのが、氏名や住所に変更があると、マイナンバーカードに搭載されている「署名用電子証明書」が自動的に失効してしまうという点です。
署名用電子証明書は、e-Tax(国税電子申告・納税システム)での確定申告や、行政手続きのオンライン申請などで本人確認のために利用されるものです。 これらが利用できなくなると困るという方は、氏名変更の手続きと同時に、署名用電子証明書の再発行手続きも行いましょう。
再発行手続きには、署名用電子証明書の暗証番号(英数字6桁以上16桁以下)が必要になります。 もし忘れてしまった場合は、こちらも窓口で再設定が可能です。氏名変更の手続きの際に、併せて申し出るようにしてください。
なお、「利用者証明用電子証明書」(数字4桁の暗証番号)は、氏名や住所が変わっても失効しません。 こちらは、マイナポータルへのログインや、コンビニでの住民票交付サービスなどで利用するものです。
マイナンバーカードの苗字変更で知っておくべき重要ポイント

マイナンバーカードの苗字変更手続きは、単にカードの表記を変えるだけではありません。手続きの期限や、放置した場合のデメリットなど、知っておくべき重要なポイントがいくつかあります。後で困ったことにならないよう、しっかりと確認しておきましょう。
本章では、以下の内容について詳しく解説します。
- 手続きの期限はいつまで?
- 手続きしないとどうなる?デメリットを解説
- 手続きに手数料はかかる?
手続きの期限はいつまで?
法律上、氏名や住所などマイナンバーカードの記載事項に変更があった場合、14日以内に届け出ることが定められています。 この14日という期間は、婚姻届や転入届を提出した日からカウントされます。
「14日を過ぎてしまったら、もう手続きできないの?」と心配になるかもしれませんが、ご安心ください。期限を過ぎてしまっても、罰則はなく、通常通り手続きを行うことができます。 気づいた時点で、速やかに手続きを済ませるようにしましょう。
ただし、市外から転入した場合の継続利用手続きには注意が必要です。転入届を提出してから90日以内に手続きを行わないと、マイナンバーカード自体が失効してしまい、再発行(有料)が必要になる場合があります。 氏名変更と住所変更を同時に行う方は、特に期限に注意してください。
手続きしないとどうなる?デメリットを解説
「手続きが面倒だから、後回しでいいや」と考えている方もいるかもしれません。しかし、苗字変更の手続きをしないままでいると、様々なデメリットが生じる可能性があります。
最も大きなデメリットは、公的な身分証明書として利用できなくなる可能性があることです。金融機関での口座開設や、行政手続きの際に、マイナンバーカードを提示しても、券面の氏名と現在の氏名が異なるため、本人確認がスムーズに行えず、手続きに時間がかかったり、受け付けてもらえなかったりするケースが考えられます。
また、前述の通り、署名用電子証明書が失効したままになるため、e-Taxでの確定申告や、マイナポータルを利用したオンライン申請などができなくなります。 これは、行政サービスの利便性を大きく損なうことになります。
さらに、マイナンバーカードを健康保険証として利用している場合(マイナ保険証)、医療機関の窓口で資格確認ができないといったトラブルにつながる可能性もゼロではありません。いざという時に困らないためにも、早めの手続きが肝心です。
手続きに手数料はかかる?
マイナンバーカードの氏名変更(券面記載事項変更)手続きに、手数料はかかりません。 無料で手続きできますので、費用面の心配は不要です。
ただし、これはあくまでカードの記載内容を更新する場合の話です。もしマイナンバーカードを紛失してしまったり、期限切れなどで失効させてしまったりした場合は、再発行となり、手数料(通常は1,000円、電子証明書を発行しない場合は800円)が必要になります。
また、カードの追記欄が満杯になってしまい、新しい情報を記載できなくなった場合も、再発行となり手数料はかかりません。 大切なカードですので、紛失しないように注意して管理しましょう。
希望すれば可能!マイナンバーカードへの旧姓(旧氏)併記

「結婚して苗字は変わったけど、仕事では旧姓を使い続けたい」「様々な契約で旧姓を使っているから、証明が大変…」そんな悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。2019年11月5日から、こうしたニーズに応えるため、住民票やマイナンバーカードに旧姓(旧氏)を併記できるようになりました。
本章では、以下の内容について詳しく解説します。
- 旧姓(旧氏)併記とは?
- 旧姓併記の手続きに必要なもの
- 旧姓併記のメリットと注意点
旧姓(旧氏)併記とは?
旧姓(旧氏)併記とは、その名の通り、現在の氏名と並べて、過去の戸籍上の氏(旧姓)を住民票やマイナンバーカード、印鑑登録証明書に記載する制度です。 これにより、旧姓が公的に証明されるようになります。
マイナンバーカードには、氏名欄に「(旧氏)山田 (氏)鈴木 花子」のように、現在の氏名と旧姓が両方記載されます。 これ一枚で、旧姓と現在の姓のつながりを証明できるため、様々な場面で本人確認がスムーズになります。
記載できる旧姓は、過去の戸籍上の氏の中から一つだけ選ぶことができます。 一度記載した旧姓は、結婚や離婚で氏が変わってもそのまま引き継がれますが、希望すれば変更することも可能です。
旧姓併記の手続きに必要なもの
旧姓併記の手続きは、住民票のある市区町村の役所窓口で行います。氏名変更の手続きと同時に行うことも可能です。手続きには、以下のものが必要になります。
- 併記したい旧姓が記載された戸籍謄本等
- 旧姓が記載されている戸籍から、現在の氏が記載されている戸籍に至るまでの、すべての戸籍謄本等が必要です。
- マイナンバーカード
- 住民票に旧姓を併記すると、マイナンバーカードにも必ず旧姓が併記されます。
- 本人確認書類(運転免許証など)
- マイナンバーカードを持参する場合は不要です。
最も重要なのは、旧姓が記載された戸籍謄本等です。本籍地が遠い場合は、郵送で取り寄せることもできますので、事前に準備しておきましょう。
旧姓併記のメリットと注意点
旧姓併記の最大のメリットは、旧姓での本人確認が容易になることです。仕事で旧姓を使用している場合、契約や銀行口座の開設などで、旧姓と現在の姓のつながりを証明するために、複数の書類を提出する必要がありましたが、旧姓併記されたマイナンバーカードがあれば、その手間を省くことができます。
また、国家資格の免許証など、旧姓で登録されている資格の証明にも役立ちます。
一方で、注意点もあります。住民票に旧姓を併記すると、住民票の写しや印鑑登録証明書にも必ず旧姓が記載され、省略することはできません。 旧姓を知られたくない場面がある場合は、慎重に検討する必要があります。
また、旧姓で印鑑登録をすることも可能になります。旧姓併記は、ライフスタイルに合わせて活用できる便利な制度ですが、メリットと注意点の両方を理解した上で、手続きを行うようにしましょう。
よくある質問

マイナンバーカードの苗字変更に関して、多くの方が抱く疑問をQ&A形式でまとめました。手続き前の最終チェックとして、ぜひお役立てください。
苗字変更の手続きはオンラインでできますか?
残念ながら、2025年7月現在、マイナンバーカードの氏名変更手続きをオンラインで完結させることはできません。
カードの裏面に新しい氏名を追記する必要があるため、必ず住民票のある市区町村の役所窓口へ出向く必要があります。 今後のデジタル化の進展に期待したいところですが、現時点では窓口での手続きが必須となります。
土日でも手続きは可能ですか?
多くの市区町村では、平日の開庁時間内に手続きを行うのが基本です。しかし、自治体によっては、月に1~2回程度、土曜日や日曜日に休日開庁窓口を設けている場合があります。
「平日は仕事でどうしても行けない」という方は、お住まいの市区町村のホームページで休日開庁のスケジュールを確認してみてください。事前に予約が必要な場合もあるため、合わせて確認しておくと安心です。
手続きの際に新しい写真は必要ですか?
氏名変更の手続きだけの場合、新しい顔写真は必要ありません。
現在お持ちのマイナンバーカードの情報を更新し、裏面に新しい氏名を追記するだけです。 写真の交換は、カードの有効期限が来て更新する際や、紛失・盗難で再発行する際に必要となります。
手続きにかかる時間はどのくらいですか?
窓口の混雑状況にもよりますが、手続き自体は15分~30分程度で完了することがほとんどです。
ただし、暗証番号を忘れてしまい再設定が必要な場合や、署名用電子証明書の再発行も同時に行う場合、また休日開庁日などで窓口が混雑している場合は、通常より時間がかかる可能性があります。時間に余裕を持って役所へ向かうことをおすすめします。
苗字変更と住所変更は同時にできますか?
はい、苗字の変更と住所の変更(転入・転居)手続きは同時に行うことができます。
結婚と引越しが同じタイミングだった場合などは、一度に手続きを済ませられるので効率的です。転入届や転居届を提出する際に、マイナンバーカードを持参し、氏名変更の手続きもしたい旨を窓口で伝えましょう。必要な持ち物は、それぞれのケース(本人・代理人)で解説したものを参考にしてください。
手続きをしないと罰則はありますか?
法律上は14日以内の届出が定められていますが、期限を過ぎたことによる罰則は現在のところありません。
しかし、前述の通り、身分証明書として使えなかったり、オンラインの行政サービスが利用できなかったりと、様々なデメリットが生じます。罰則がないからといって放置せず、ご自身の利便性のためにも、気づいた時点ですぐに手続きを済ませましょう。
まとめ

- 苗字が変わったらマイナンバーカードの変更手続きが必要。
- 手続きは住民票のある市区町村の役所窓口で行う。
- 本人が手続きする場合、マイナンバーカードと暗証番号が必要。
- 代理人でも手続き可能だが、委任状などが追加で必要になる。
- 手続きの期限は原則14日以内だが、過ぎても罰則はない。
- 手続きをしないと身分証明書として使えない等のデメリットがある。
- 氏名変更の手続きに手数料はかからない。
- 氏名が変わると署名用電子証明書は失効する。
- e-Tax等を利用する人は署名用電子証明書の再発行が必要。
- 手続きはオンラインではできず、窓口に行く必要がある。
- 休日開庁している自治体もあるので確認すると良い。
- 氏名変更だけなら新しい顔写真は不要。
- 希望すれば、マイナンバーカードに旧姓(旧氏)を併記できる。
- 旧姓併記には、旧姓が記載された戸籍謄本等が必要。
- 苗字変更と住所変更の手続きは同時に行える。