「初めての実習、何をどうすればいいんだろう…」「失敗したらどうしよう…」そんな不安を抱えていませんか?初めての環境は誰でも緊張するものです。しかし、しっかりとした心構えと準備があれば、その不安は自信に変わります。本記事では、実習を成功に導くための基本的な心構えから、挨拶や自己紹介で使える具体的な例文、さらには職種別のポイントまで、あなたの実習を徹底的にサポートします。この記事を読めば、実習初日を安心して迎えられるはずです。
これで安心!実習に臨むための基本的な心構え5選

いよいよ始まる実習。期待と同時に、大きな不安を感じている方も多いのではないでしょうか。しかし、基本的な心構えを事前に知っておくだけで、その不安は大きく和らぎます。ここでは、どんな職種の実習にも共通する、最も大切な5つの心構えをご紹介します。これらを意識するだけで、実習先でのあなたの印象は格段に良くなるでしょう。
この章では、以下の心構えについて詳しく解説していきます。
- 積極性と主体性を持つ
- 感謝の気持ちと謙虚な姿勢を忘れない
- ほう・れん・そう(報告・連絡・相談)を徹底する
- 時間厳守と体調管理を徹底する
- 学ぶ姿勢と探究心を持つ
積極性と主体性を持つ
実習は、ただ指示を待つだけの受け身の姿勢では、得られるものが半減してしまいます。「何かできることはありませんか?」と自ら仕事を探しに行く積極性や、与えられた課題に対して「もっとこうすれば良くなるのではないか」と考える主体性が、あなたの成長を大きく後押しします。もちろん、最初は分からないことだらけで当然です。 しかし、失敗を恐れずに挑戦する気持ちが何よりも大切です。 指導者の方々は、完璧な結果よりも、あなたの意欲的な姿勢を評価してくれるはずです。自分から動くことで、より多くの学びの機会を引き寄せることができるでしょう。
感謝の気持ちと謙虚な姿勢を忘れない
実習先は、忙しい業務の合間を縫って、あなたの指導のために時間と労力を割いてくれています。 この事実を常に心に留め、「学ばせていただいている」という感謝の気持ちと謙虚な姿勢を忘れないようにしましょう。 挨拶やお礼はもちろんのこと、指導を受けた際には「ありがとうございます。勉強になります」と素直に感謝を伝えることが大切です。また、清掃や片付けなど、実習生でもできる雑務は進んで手伝う姿勢を見せることで、あなたの感謝の気持ちがより伝わります。 謙虚な姿勢は、指導者との良好な関係を築く第一歩です。
ほう・れん・そう(報告・連絡・相談)を徹底する
「報告・連絡・相談」、いわゆる「ほう・れん・そう」は、社会人としての基本中の基本であり、実習においても極めて重要です。 特に、実習生はまだ判断できないことが多いため、自己判断で行動する前に、必ず指導者に確認を取る習慣をつけましょう。 例えば、少しでも遅刻しそうな場合は、分かった時点ですぐに連絡を入れる、指示された業務が終わったら「〇〇が終わりました」と報告するなど、こまめなコミュニケーションを心がけてください。 「こんなことまで報告する必要はないかな?」と思うような些細なことでも、指導者にとっては重要な情報である場合があります。ほう・れん・そうを徹底することで、ミスを未然に防ぎ、信頼関係を築くことができます。
時間厳守と体調管理を徹底する
時間厳守は、社会人として最も基本的なマナーの一つです。 実習開始時間の10分前には到着し、いつでも業務に取り掛かれるように準備を整えておきましょう。 交通機関の遅延なども考慮し、余裕を持った行動を心がけることが大切です。 また、慣れない環境での実習は、心身ともに想像以上の負担がかかります。十分な睡眠と栄養をとり、万全の体調で実習に臨むことも、あなたの責任の一つです。 体調が優れない場合は、無理をせず、正直に指導者に相談しましょう。 最高のパフォーマンスを発揮するためにも、自己管理を徹底することが求められます。
学ぶ姿勢と探究心を持つ
実習は、教科書だけでは学べない、現場の生きた知識や技術を吸収できる絶好の機会です。 指導者の動きや言葉の一つひとつに「なぜそうするのだろう?」という探究心を持ち、疑問に思ったことは積極的に質問する姿勢が大切です。 もちろん、質問する際には相手の状況を考え、忙しい時間帯を避けるなどの配慮が必要です。事前に自分で調べてみて、それでも分からない点を質問すると、より学びが深まり、意欲も伝わるでしょう。メモを取る習慣をつけ、その日のうちに振り返りを行うことで、学びを確実に自分のものにすることができます。
【場面別】すぐに使える!実習の挨拶・自己紹介・目標の例文集

心構えはできても、「具体的に何を話せばいいの?」と不安に思う方も多いでしょう。特に、第一印象を左右する挨拶や自己紹介は、誰しも緊張するものです。ここでは、様々な場面でそのまま使える具体的な例文を豊富に用意しました。これらの例文を参考に、あなたらしい言葉を加えて、自信を持って実習に臨みましょう。
この章では、以下の場面で使える例文をご紹介します。
- 第一印象が決まる!実習初日の挨拶と自己紹介の例文
- 意欲を伝える!実習目標の例文
- 感謝を伝える!実習最終日の挨拶の例文
- 質問する際の例文とポイント
第一印象が決まる!実習初日の挨拶と自己紹介の例文
実習初日は、誰にとっても緊張の瞬間です。しかし、明るくハキハキとした挨拶と、簡潔で分かりやすい自己紹介ができれば、好印象を与えることができます。大切なのは、感謝の気持ちと学ぶ意欲を伝えることです。 ここでは、職員の方々への挨拶と、子どもや利用者さんへの自己紹介の例文をそれぞれご紹介します。
職員・先生方への挨拶
職員の方々への挨拶は、簡潔かつ丁寧に行うのがポイントです。 長々と話す必要はありません。所属、氏名、実習期間、そして指導をお願いする気持ちを伝えましょう。
<例文>
「おはようございます。本日より〇週間、実習をさせていただきます、〇〇大学から参りました〇〇(氏名)と申します。皆様お忙しい中、実習の機会をいただき、誠にありがとうございます。一日も早く仕事に慣れ、少しでも皆様のお力になれるよう、精一杯頑張りますので、ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。」
子ども・利用者さんへの自己紹介
子どもや利用者さんへの自己紹介は、親しみやすさと安心感を与えることを意識しましょう。 難しい言葉は避け、笑顔で、相手の目を見て話すことが大切です。自分の好きなことや得意なことを加えると、会話のきっかけにもなります。
<例文(保育実習の場合)>
「みなさん、おはようございます!今日からみんなと一緒に遊ぶことになった、〇〇先生です。〇〇って呼んでくださいね。先生は、絵本を読むことと、外で元気に走り回ることが大好きです!みんなの好きな遊びもたくさん教えてください。これからどうぞ、よろしくお願いします!」
意欲を伝える!実習目標の例文
実習目標を明確にすることは、学びの質を高める上で非常に重要です。 また、目標を指導者に伝えることで、あなたの意欲を示し、より的確なアドバイスをもらいやすくなります。ここでは、実習全体を通した目標と、1日ごとの具体的な目標の例文をご紹介します。
実習全体の目標
実習全体の目標は、実習を通して何を学び、どのような自分になりたいかを具体的に記述します。
<例文(介護実習の場合)>
「今回の実習では、利用者様一人ひとりの尊厳を尊重したコミュニケーション技術を習得することを目標とします。学校で学んだ知識を実践に繋げ、利用者様の心に寄り添い、信頼関係を築けるような関わり方を学びたいです。また、多職種連携における介護福祉士の役割を理解し、チームケアの一員として貢献できるよう努めます。」
1日の目標(デイリー目標)
1日の目標は、その日に特に意識して取り組みたいことを具体的に設定します。
<例文(看護実習の場合)>
「本日は、患者様への声かけのタイミングと内容を意識し、不安を軽減できるようなコミュニケーションを実践します。また、バイタルサイン測定の手順を正確に実施し、異常の早期発見に繋がる観察点を学びます。」
感謝を伝える!実習最終日の挨拶の例文
実習最終日には、お世話になった方々へ感謝の気持ちを伝える挨拶をします。 実習を通して学んだことや、心に残ったエピソードを具体的に盛り込むと、より心のこもった挨拶になります。 長々と話す必要はなく、感謝の気持ちを誠実に伝えることが最も大切です。
<例文>
「皆様、〇週間、大変お世話になりました。本日で実習は最終日となります。初めは右も左も分からず、ご迷惑をおかけしてばかりでしたが、皆様が温かく、そして熱心にご指導くださったおかげで、毎日多くのことを学ぶことができました。特に、〇〇様との関わりを通して、〇〇ということの大切さを実感いたしました。この貴重な経験を糧に、今後も〇〇(職種)を目指して精一杯努力して参ります。本当に、ありがとうございました。」
質問する際の例文とポイント
実習中に疑問点が出てくるのは当然のことであり、質問することは学ぶ意欲の表れです。 しかし、質問するタイミングや聞き方には配慮が必要です。指導者の方が忙しくしている時間帯は避け、「今、少しよろしいでしょうか?」と相手の都合を伺うのがマナーです。また、「何が分からないのか」を明確にしてから質問しましょう。
<例文>
「お忙しいところ申し訳ありません。〇〇先生、今少しだけお時間をいただいてもよろしいでしょうか。先ほどの〇〇の件で、〇〇という部分がよく分からなかったので、教えていただけますでしょうか。自分なりに〇〇だと考えてみたのですが、合っていますでしょうか?」
実習で失敗しないために!知っておくべき注意点とマナー

実習を無事に終えるためには、専門的な知識や技術だけでなく、社会人としての基本的なマナーを守ることが不可欠です。知らず知らずのうちにマナー違反をしてしまい、評価を下げてしまうのは非常にもったいないことです。ここでは、実習生が特に注意すべき服装や言葉遣いなどのマナーについて、具体的なポイントを解説します。事前に確認し、自信を持って実習に臨みましょう。
この章では、以下の注意点とマナーについて詳しく解説します。
- 服装や身だしなみのマナー
- 挨拶や言葉遣いのマナー
- 報・連・相の具体的なタイミングと方法
- 個人情報や守秘義務の遵守
服装や身だしなみのマナー
実習生の身だしなみは、実習先の職員だけでなく、患者さんや利用者さん、保護者の方々からも見られています。清潔感と機能性が最も重要なポイントです。 髪が長い場合は一つにまとめ、爪は短く切り、華美な化粧やアクセサリー、香水は避けましょう。 服装は、実習先の規定に従うのが基本ですが、指定がない場合でも、シワや汚れのない清潔なものを着用します。 通勤時の服装も、スーツやオフィスカジュアルなど、社会人としてふさわしいものを選びましょう。 「見られている」という意識を常に持ち、誰から見ても好感の持てる身だしなみを心がけることが大切です。
挨拶や言葉遣いのマナー
挨拶はコミュニケーションの基本です。実習先では、指導者や職員の方々はもちろん、すれ違う全ての人に明るく、はっきりとした声で挨拶することを心がけましょう。 また、言葉遣いも非常に重要です。学生気分で使うような若者言葉や「タメ口」は厳禁です。 職員の方々に対しては、尊敬語や謙譲語を正しく使い、丁寧な言葉遣いを徹底してください。 子どもや利用者さんに対しても、馴れ馴れしい言葉遣いではなく、一人ひとりを尊重した丁寧な言葉で接することが求められます。 正しい言葉遣いは、あなたの信頼性を高めることに繋がります。
報・連・相の具体的なタイミングと方法
「報告・連絡・相談」は、ミスを防ぎ、円滑な業務遂行のために不可欠です。 「何かあったら」ではなく、常に意識して行うことが重要です。
報告は、指示された業務が完了した時や、何か変化があった時に行います。「〇〇の件、完了しました」と結論から先に伝え、必要に応じて経緯を説明すると分かりやすいです。
連絡は、遅刻や欠席など、予定に変更がある場合に、できるだけ早く伝えます。
相談は、判断に迷った時や、困ったことがある時に行います。「〇〇について、どうすればよいか分からず困っています。ご意見をいただけますでしょうか」と、自分の状況と求めていることを明確に伝えましょう。 タイミングを逃さず、適切な報・連・相を行うことが、責任ある行動の証です。
個人情報や守秘義務の遵守
実習では、患者さんや利用者さん、園児などの非常にデリケートな個人情報に触れる機会があります。 実習中に知り得た情報を、実習先の許可なく外部に漏らすことは、絶対に許されません。 これは、法律で定められた守秘義務であり、最も厳格に守らなければならないルールの一つです。SNSへの投稿や、友人・家族との会話の中で、個人が特定できるような情報を話すことも厳禁です。実習記録などの書類の管理にも細心の注意を払い、紛失や盗難がないように徹底しましょう。 個人情報を扱うことの重みを常に自覚し、責任ある行動をとることが強く求められます。
周りと差がつく!実習で高評価を得るための応用的な心構え

基本的なマナーを身につけたら、次は一歩進んで、より高い評価を得るための応用的な心構えを意識してみましょう。「ただ真面目にこなす」だけの実習から、「積極的に貢献し、深く学ぶ」実習へとステップアップするためのコツをご紹介します。これらの心構えを実践することで、あなたの存在価値は格段に高まり、実習がより有意義なものになるはずです。
この章では、以下の応用的な心構えについて解説します。
- 自分の役割を理解し、貢献する意識を持つ
- 指導者や職員との良好なコミュニケーションを築く
- 実習日誌の質の高い書き方
- 積極的に質問し、学びを深める
自分の役割を理解し、貢献する意識を持つ
実習生は「お客様」ではありません。チームの一員であるという自覚を持ち、自分に与えられた役割を理解し、その中で最大限の貢献をしようと意識することが大切です。 たとえ小さな仕事であっても、それが全体の業務にどう繋がっているのかを考えることで、仕事への理解が深まります。また、「何か手伝えることはありませんか?」と常に周囲に気を配り、指示されたこと以上の働きをしようとする姿勢は、指導者に高く評価されます。自分の行動が、利用者さんや患者さん、そして職場の役に立っているという意識を持つことで、仕事へのやりがいも大きく変わってくるでしょう。
指導者や職員との良好なコミュニケーションを築く
実習を円滑に進め、多くのことを学ぶためには、指導者や他の職員の方々と良好な関係を築くことが不可欠です。挨拶や感謝の言葉を忘れないのはもちろんのこと、相手の話を真摯に聴く「傾聴」の姿勢を大切にしましょう。 相手の目を見て、相槌を打ちながら聴くことで、「あなたの話をしっかり聞いています」というメッセージが伝わります。また、休憩時間などに、業務以外の会話を交わすことも、相手の人間性を知る良い機会になります。ただし、プライベートに踏み込みすぎる質問は避け、相手への配慮を忘れないようにしましょう。良好な人間関係は、円滑な業務連携に繋がり、結果としてあなた自身の学びを深めることにも繋がります。
実習日誌の質の高い書き方
実習日誌は、単なる一日の記録ではありません。その日の学びを振り返り、自身の課題や次の目標を明確にするための重要なツールです。 「〇〇をした」という事実の羅列で終わらせず、「その出来事から何を考え、何を感じたか(考察)」、「その学びを次にどう活かすか(課題・目標)」までを具体的に記述することを心がけましょう。 例えば、「〇〇という声かけをしたら、利用者が笑顔になった」という事実に対し、「なぜ笑顔になったのか」「他の場面でも応用できないか」と深く掘り下げて考察します。指導者からのアドバイスも必ず記録し、それに対する自分の考えも書き加えることで、思考のプロセスが明確になり、より質の高い日誌になります。
積極的に質問し、学びを深める
「分からないことをそのままにしない」ことは、成長するための絶対条件です。 疑問に思ったことは、積極的に質問して解決する習慣をつけましょう。ただし、やみくもに質問するのではなく、まずは自分で調べてみる姿勢が大切です。「〇〇について調べてみたのですが、この点で理解ができませんでした。教えていただけますか?」というように、自分で考えたプロセスを示すことで、あなたの学習意欲が伝わり、指導者もより的確なアドバイスをしやすくなります。また、一つの事象に対して「なぜ?」「どうして?」と繰り返し問いかけることで、物事の本質に迫ることができ、学びの深さが格段に変わってきます。
【職種別】実習の心構えとポイント(看護・保育・介護など)

これまで述べてきた心構えは、全ての職種に共通する基本的なものです。しかし、職種によって求められる専門性や、特に注意すべき点は異なります。ここでは、代表的な職種である「看護」「保育」「介護」の実習に焦点を当て、それぞれの分野で特に重要となる心構えやポイントを解説します。ご自身の専門分野に合わせて、より深い理解を得るための参考にしてください。
この章では、以下の職種別のポイントを解説します。
- 看護実習で求められる心構え
- 保育実習で大切な心構え
- 介護実習で意識すべき心構え
看護実習で求められる心構え
看護実習では、何よりも患者さんの安全とプライバシーへの配慮が最優先されます。 命を預かる現場であるという強い責任感を持ち、一つひとつのケアを正確に行うことが求められます。 指示された手順を遵守し、少しでも不安や疑問があれば、必ず実施前に指導者に確認しましょう。また、患者さんとのコミュニケーションにおいては、傾聴の姿勢を基本とし、患者さんの不安や苦痛に寄り添う共感的な態度が重要です。 患者さんから得た情報は、守秘義務を徹底し、慎重に取り扱う必要があります。常に「患者さんにとって最善の看護とは何か」を考え、行動することが、看護師を目指す者としての基本的な心構えです。
保育実習で大切な心構え
保育実習では、子どもたちの安全確保が第一です。 常に子どもたちの活動から目を離さず、危険な箇所がないか周囲の環境にも気を配る必要があります。また、子どもたちは「先生」の言動を非常によく見ています。子どもたちの模範となるような、明るく前向きな態度と言葉遣いを心がけましょう。 子ども一人ひとりの発達段階や個性を理解し、それぞれの気持ちに寄り添った関わりをすることが大切です。 保護者の方々に対しては、丁寧な挨拶と言葉遣いを徹底し、安心感を与えられるように努めましょう。 子どもたちの健やかな成長を支える一員であるという自覚と愛情を持って実習に臨むことが求められます。
介護実習で意識すべき心構え
介護実習では、利用者一人ひとりの尊厳を守り、その人らしい生活を支えるという視点が非常に重要です。 利用者さんを「お世話をする対象」としてではなく、人生の先輩として敬意を持って接する姿勢が基本となります。 これまでの生活歴や価値観を尊重し、自己決定を支援する関わりを心がけましょう。また、利用者さんの残存能力を最大限に活かすことも大切なポイントです。 何でも手伝ってしまうのではなく、自分でできることは見守り、必要な部分だけを支援するという視点が求められます。利用者さんのプライバシーに深く関わる場面も多いため、守秘義務の遵守はもちろんのこと、デリケートな問題に対する高い倫理観が不可欠です。
よくある質問

実習で質問がないときはどうすればいいですか?
質問がないと感じる時は、まず自分の観察が足りているか振り返ってみましょう。指導者の動き一つひとつに「なぜ今このタイミングで声かけをしたのか」「このケアにはどんな目的があるのか」など、深く考えることで疑問が生まれることがあります。また、「今日の〇〇さんのご様子で、私が気づいていない点で何か変化はありましたか?」のように、自分の観察と指導者の視点を比較するような質問も有効です。それでも質問が思い浮かばない場合は、正直に「今は特にありませんが、また疑問点が出てきたら質問させてください」と伝えるのも一つの手です。無理に質問を探すよりも、学ぶ姿勢を見せることが大切です。
実習がつらい、辞めたいと感じたらどうすればいいですか?
実習がつらいと感じるのは、あなただけではありません。慣れない環境での緊張やプレッシャーで、多くの実習生が同じように悩みます。まずは、なぜつらいと感じるのか、原因を自分なりに分析してみましょう。人間関係、知識不足、体力的負担など、原因によって対処法は異なります。一人で抱え込まず、まずは学校の先生や実習担当者に相談することが最も重要です。彼らは多くの実習生を見てきた専門家であり、的確なアドバイスをくれるはずです。また、信頼できる友人や家族に話を聞いてもらうだけでも、気持ちが楽になることがあります。決して自分を責めず、助けを求めることをためらわないでください。
実習先に持っていくと便利なものはありますか?
実習先の指示に従うのが基本ですが、一般的にあると便利なものをいくつかご紹介します。
- ポケットに入るサイズのメモ帳と複数の色のペン: 気づいたことをすぐにメモしたり、色分けして情報を整理したりするのに便利です。
- 腕時計: 時間管理は必須です。スマートフォンを時計代わりに使うのは避けましょう。
- 印鑑: 出勤簿などで必要になる場合があります。
- 絆創膏: 些細な怪我に備えて。
- 小腹を満たすお菓子: 休憩時間に手軽にエネルギー補給できます。(休憩室など許可された場所で)
- 折りたたみ傘: 急な雨に備えて。
これらはあくまで一例です。オリエンテーションなどで事前に確認し、必要なものを準備しましょう。
実習のお礼状は必要ですか?書き方は?
はい、基本的には実習後にお礼状を出すのがマナーです。 忙しい中、指導していただいたことへの感謝を伝える大切な機会です。実習終了後、できれば3日以内、遅くとも1週間以内には投函しましょう。
書き方の基本構成は以下の通りです。
- 頭語(拝啓など)
- 時候の挨拶
- お礼の言葉:実習を受け入れていただいたことへの感謝を述べます。
- 本文:実習で学んだことや心に残ったエピソードなどを具体的に書きます。
- 結びの言葉:今後の抱負や、実習先の発展を祈る言葉で締めくくります。
- 結語(敬具など)
- 日付、自分の大学・氏名、宛名
手書きで丁寧に書くことで、より感謝の気持ちが伝わります。
実習生が嫌われる行動とは何ですか?
実習生が意図せずとも、指導者から見て「嫌われる」あるいは「困る」と感じさせてしまう行動がいくつかあります。これらを避けるだけでも、実習はスムーズに進みます。
- 挨拶をしない、声が小さい: 社会人としての基本ができていないと見なされます。
- 遅刻や無断欠勤: 信頼を著しく損ないます。
- 指示待ちで動かない: 学ぶ意欲がないと判断されがちです。
- 同じミスを繰り返す: 指導内容を理解していない、反省していないと思われます。
- メモを取らない: 真剣に聞いているのか疑問に思われます。
- 私語が多い、スマートフォンをいじる: 勤務態度を疑われます。
- 知ったかぶりをする、言い訳をする: 素直さがないと見なされ、指導しにくくなります。
これらの行動は、基本的な心構えができていれば防げるものばかりです。常に謙虚な姿勢と学ぶ意欲を忘れずにいれば、問題ありません。
まとめ

- 実習は「学ばせていただく」という感謝と謙虚な姿勢が基本です。
- 積極性と主体性を持って行動することで、学びの機会は増えます。
- 社会人の基本である「報・連・相」と時間厳守を徹底しましょう。
- 清潔感のある身だしなみと、丁寧な言葉遣いを心がけてください。
- 挨拶は明るくハキハキと、誰に対しても行いましょう。
- 自己紹介では、感謝と学ぶ意欲を伝えることが大切です。
- 実習目標を明確にすることで、学びの質が向上します。
- 質問は、自分で調べた上で、相手の状況に配慮して行いましょう。
- 個人情報の取り扱いには細心の注意を払い、守秘義務を遵守してください。
- 実習日誌は、事実だけでなく考察と次の課題まで書くことが重要です。
- チームの一員としての自覚を持ち、貢献する意識を持ちましょう。
- 看護実習では、患者の安全とプライバシー保護が最優先です。
- 保育実習では、子どもの安全確保と模範となる言動が求められます。
- 介護実習では、利用者の尊厳と自己決定の尊重が大切です。
- 困ったときは一人で抱え込まず、学校の先生や指導者に相談しましょう。