愛する老犬が食事をなかなか食べてくれない、硬いドッグフードだと食べにくそうにしている…そんなお悩みはありませんか？老犬になると、歯の衰えや消化機能の低下、食欲不振など、食事に関する様々な変化が現れます。本記事では、市販されている柔らかいドッグフードの中から、愛犬にぴったりの一品を見つけるための選び方や、おすすめの商品を徹底解説します。
愛犬が毎日美味しく、そして健康に過ごせるよう、最適な食事選びのコツをご紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。
なぜ老犬には柔らかいドッグフードが必要なのか
老犬にとって、食事は健康を維持するための大切な要素です。しかし、加齢とともに体の機能が変化し、これまでと同じように食事を摂ることが難しくなる場合があります。特に、柔らかいドッグフードが必要となる理由はいくつかあります。
歯や口腔内のトラブルを抱える老犬のため
老犬になると、歯周病や歯の欠損、顎の力の低下など、口腔内のトラブルが増えてきます。硬いドッグフードでは痛みを感じたり、うまく噛み砕けなかったりするため、食事が苦痛になってしまうことも少なくありません。柔らかいドッグフードであれば、歯に負担をかけずにスムーズに食べられるため、食事の時間を快適に過ごせるようになります。
消化吸収能力の低下に対応するため
加齢とともに、犬の消化器官の働きも衰えてきます。硬いドッグフードは消化に時間がかかり、胃腸に負担をかける可能性があります。柔らかいドッグフードは水分量が多く、消化しやすいように作られているものが多いため、効率的に栄養を吸収しやすくなります。これにより、消化不良による下痢や嘔吐のリスクを減らし、老犬の体に優しく栄養を届けられます。
食欲不振や嚥下能力の低下をサポートするため
老犬は活動量が減ることで食欲が落ちたり、嗅覚や味覚が鈍くなることで食事への興味を失ったりすることがあります。また、食べ物を飲み込む「嚥下（えんげ）」の能力が低下し、むせやすくなることも。柔らかいドッグフードは、香りが強く食欲を刺激しやすいものや、喉を通りやすい形状のものが多いため、食欲不振の老犬でも食べやすく、栄養補給をサポートできます。
市販で買える柔らかい老犬用ドッグフードの選び方
市販されている老犬用の柔らかいドッグフードは種類が豊富で、どれを選べば良いか迷ってしまうかもしれません。愛犬の健康状態や好みに合わせて、最適なドッグフードを見つけるための選び方のコツをご紹介します。
ドッグフードの形状とタイプで選ぶ
柔らかいドッグフードには、主にウェットタイプ、半生タイプ、そしてドライフードをふやかすタイプがあります。それぞれの特徴を理解し、愛犬に合ったものを選びましょう。
- ウェットタイプ（缶詰・パウチ）：水分量が非常に多く、最も柔らかい形状です。食欲がない老犬や、歯がほとんどない老犬でも食べやすいのが特徴です。香りが強く、食いつきが良い傾向にあります。
- 半生タイプ（セミモイスト）：ドライフードとウェットフードの中間の柔らかさで、しっとりとした食感が特徴です。ドライフードからの切り替えもしやすく、嗜好性が高い製品が多いです。
- ドライフードをふやかすタイプ：普段与えているドライフードをぬるま湯や犬用ミルクでふやかす方法です。手軽に柔らかくでき、愛犬が慣れている味なので抵抗なく食べやすいメリットがあります。
老犬の健康状態に合わせた成分で選ぶ
老犬は特定の栄養素の摂取が重要になったり、逆に制限が必要になったりすることがあります。愛犬の健康状態に合わせて、適切な成分が含まれているかを確認しましょう。
- 関節ケア成分：グルコサミンやコンドロイチンは、関節の健康維持をサポートします。老犬は関節炎を患いやすいため、これらの成分が含まれているか確認すると良いでしょう。
- 消化しやすいタンパク質：高品質で消化吸収の良いタンパク質は、筋肉量の維持に不可欠です。鶏肉や魚など、消化しやすい動物性タンパク質が主原料になっているかを確認しましょう。
- 低リン・低ナトリウム：腎臓病や心臓病を抱える老犬には、リンやナトリウムの含有量が調整された療法食を選ぶ必要があります。獣医師と相談し、適切なフードを選びましょう。
- 抗酸化成分：ビタミンEやC、ポリフェノールなどの抗酸化成分は、老化による体のダメージを軽減する働きが期待できます。
特に、腎臓病や心臓病などの持病がある場合は、必ず獣医師に相談し、指示された療法食を与えるようにしてください。
グレインフリーやアレルギー対応で選ぶ
食物アレルギーを持つ老犬や、穀物不使用の食事を好む老犬もいます。愛犬の体質に合わせて、グレインフリー（穀物不使用）や特定のアレルゲンを除去したドッグフードを選ぶことも大切です。
- グレインフリー：穀物（小麦、トウモロコシ、米など）を使用していないドッグフードです。穀物アレルギーを持つ犬や、消化器が敏感な犬に適しています。
- 特定のアレルゲン除去：鶏肉、牛肉、卵、乳製品など、特定の食材にアレルギーを持つ犬のために、それらの食材を使用していないドッグフードもあります。原材料表示をよく確認しましょう。
アレルギーが疑われる場合は、獣医師と相談の上、アレルゲンを特定し、それに合ったフードを選ぶことが重要です。
おすすめの市販柔らかい老犬用ドッグフード
ここでは、市販で手軽に購入できる、柔らかい老犬用ドッグフードの中から特におすすめの製品をいくつかご紹介します。愛犬の好みや健康状態に合わせて参考にしてください。
- ロイヤルカナン 療法食 犬用 消化器サポート 低脂肪 ウェット
- ヒルズ サイエンス・ダイエット シニア 高齢犬用 ウェット
- ニュートロ シュプレモ カロリーケア シニア犬用 トレイ
- このこのごはん 半生タイプ
- ブッチ・ドッグフード
ロイヤルカナン 療法食 犬用 消化器サポート 低脂肪 ウェット
消化器の健康維持に特化した療法食で、低脂肪でありながら必要な栄養をしっかり摂取できます。ウェットタイプなので、食欲が落ちた老犬や、消化器が敏感な老犬に特におすすめです。獣医師の指導のもとで与えることが推奨されます。
ヒルズ サイエンス・ダイエット シニア 高齢犬用 ウェット
高品質なタンパク質と消化しやすい原材料を使用し、老犬の健康維持をサポートします。特に、関節の健康維持に役立つ成分も配合されており、総合栄養食としてバランスの取れた食事を提供できます。様々なフレーバーがあるので、愛犬の好みに合わせて選べます。
ニュートロ シュプレモ カロリーケア シニア犬用 トレイ
自然素材にこだわり、栄養バランスの取れたレシピが特徴です。シニア犬の健康維持に必要な抗酸化成分や関節ケア成分も含まれています。トレイタイプで与えやすく、食いつきが良いと評判の製品です。総合栄養食なので、これだけで必要な栄養を摂取できます。
このこのごはん 半生タイプ
国産の原材料にこだわり、人間も食べられる品質のヒューマングレードで作られています。半生タイプなので適度な柔らかさがあり、食欲をそそる香りで老犬の食いつきを促します。小型犬の老犬に特に人気があり、アレルギーに配慮したグレインフリー設計も魅力です。
ブッチ・ドッグフード
ニュージーランド産の新鮮な肉を主原料としたフレッシュフードです。まるで手作りごはんのような見た目と香りで、非常に嗜好性が高く、食欲不振の老犬でも喜んで食べることが多いです。冷蔵保存が必要ですが、その分新鮮な栄養を摂取できます。様々な種類があり、愛犬の好みに合わせて選べます。
ドッグフードを柔らかくする工夫と与え方のコツ
市販の柔らかいドッグフードだけでなく、普段与えているドライフードを工夫して柔らかくする方法や、老犬がより美味しく食事を摂れるようにするためのコツもあります。愛犬の状況に合わせて試してみてください。
ドライフードをふやかす方法
ドライフードをふやかすことで、硬くて食べにくいと感じている老犬でも食べやすくなります。正しいふやかし方を知っておきましょう。
- ぬるま湯を使う：人肌程度のぬるま湯（30～40℃）にドライフードを浸します。熱すぎるお湯は栄養素を破壊する可能性があるので避けましょう。
- 犬用ミルクやスープを使う：食いつきを良くしたい場合は、犬用ミルクや無塩の鶏ガラスープなどでふやかすのも良い方法です。香りが増して食欲を刺激します。
- 浸す時間：フードの種類にもよりますが、10～20分程度浸すと柔らかくなります。完全にふやけて、指で潰せるくらいが目安です。
- 与える直前にふやかす：ふやかしたフードは傷みやすいので、与える直前に準備し、食べ残しはすぐに片付けましょう。
ふやかすことで水分も一緒に摂取できるため、水分不足になりがちな老犬にもおすすめです。
トッピングで食欲を刺激する
いつものドッグフードにトッピングを加えることで、老犬の食欲を刺激し、食事への興味を高めることができます。ただし、与えすぎには注意し、総合栄養食の栄養バランスを崩さないようにしましょう。
- 茹でた鶏むね肉やささみ：脂肪が少なく、良質なタンパク源です。細かくほぐして与えましょう。
- 茹でた野菜：カボチャ、サツマイモ、ブロッコリーなどを柔らかく茹でて潰したものを少量加えます。食物繊維も摂取できます。
- 犬用ヨーグルト：無糖・無脂肪のプレーンヨーグルトは、腸内環境を整える効果も期待できます。
- 犬用レトルトフードや缶詰：少量混ぜるだけで、香りが増して食いつきが良くなることがあります。
新しいトッピングを試す際は、少量から始め、愛犬の体調に変化がないかよく観察してください。
よくある質問
老犬のドッグフードに関する疑問は多く、飼い主さんの不安も大きいものです。ここでは、よくある質問にお答えします。
- 老犬が食べやすいドッグフードは？
- 老犬がご飯を食べない時にどうしたらいい？
- 老犬に柔らかいご飯をあげるには？
- 老犬にふやかすドッグフードは良くない？
- 老犬に与えるドッグフードの量は？
- 老犬は何歳からシニアフード？
- 老犬のドッグフードは何回に分ける？
老犬が食べやすいドッグフードは？
老犬が食べやすいドッグフードは、柔らかく、消化しやすく、嗜好性の高いものです。具体的には、ウェットフードや半生フード、またはぬるま湯でふやかしたドライフードが挙げられます。また、香りが強く食欲をそそるものや、粒が小さく喉を通りやすいものも食べやすいと感じるでしょう。愛犬の歯の状態や食欲に合わせて選ぶことが大切です。
老犬がご飯を食べない時にどうしたらいい？
老犬がご飯を食べない場合、まずは体調不良の可能性も考えられるため、獣医師に相談することが最も重要です。その上で、食事の工夫として、ドッグフードを温めて香りを立たせる、少量を複数回に分けて与える、手から与える、トッピングで嗜好性を高めるなどの方法を試してみてください。食事環境を静かで落ち着ける場所にすることも効果的です。
老犬に柔らかいご飯をあげるには？
市販のウェットフードや半生フードを与える他に、ドライフードをぬるま湯や犬用ミルクでふやかす方法があります。フードが完全に柔らかくなるまで浸し、指で潰せるくらいの状態にして与えましょう。また、フードプロセッサーでペースト状にすることで、さらに食べやすくすることも可能です。
愛犬の嚥下能力に合わせて調整してください。
老犬にふやかすドッグフードは良くない？
ふやかすドッグフード自体が悪いわけではありません。むしろ、歯が悪い老犬や消化機能が低下した老犬にとっては、食べやすく消化しやすいメリットがあります。ただし、ふやかしたフードは傷みやすいので、作り置きはせず、与える直前に準備し、食べ残しはすぐに片付けることが重要です。また、栄養バランスが偏らないよう、総合栄養食をふやかすようにしましょう。
老犬に与えるドッグフードの量は？
老犬に与えるドッグフードの量は、犬種、体重、活動量、健康状態によって大きく異なります。一般的に、老犬は活動量が減るため、若い頃よりも必要なカロリーが少なくなる傾向があります。パッケージに記載されている給与量を参考にしつつ、愛犬の体重や体型を観察しながら調整してください。
肥満は関節や心臓に負担をかけるため、適正体重の維持が重要です。迷った場合は獣医師に相談しましょう。
老犬は何歳からシニアフード？
一般的に、小型犬は7歳頃から、中型犬は6歳頃から、大型犬は5歳頃からシニア期に入ると言われています。ただし、個体差が大きいため、愛犬の健康状態や活動量を見て判断することが大切です。シニアフードは、老犬に必要な栄養素（関節ケア成分、抗酸化成分など）が強化され、消化しやすいように配慮されていることが多いです。
早めに切り替えることで、老犬の健康維持に役立ちます。
老犬のドッグフードは何回に分ける？
老犬のドッグフードは、1日2回以上に分けて与えるのが理想的です。一度に大量に与えると消化器に負担がかかる可能性があるため、少量ずつ複数回に分けることで、消化吸収を助け、胃腸への負担を軽減できます。食欲不振の老犬の場合、少量をこまめに与えることで、総摂取量を増やすことにもつながります。
愛犬のライフスタイルに合わせて、無理のない範囲で回数を調整しましょう。
まとめ
- 老犬には歯のトラブルや消化機能の低下から柔らかいドッグフードが適しています。
- ウェットタイプ、半生タイプ、ふやかすドライフードなど様々な形状があります。
- 関節ケア成分や消化しやすいタンパク質、低リン・低ナトリウムのフードを選びましょう。
- アレルギー対応やグレインフリーの選択肢も考慮に入れると良いでしょう。
- ロイヤルカナン、ヒルズ、ニュートロ、このこのごはん、ブッチなどが市販で人気です。
- ドライフードはぬるま湯や犬用ミルクでふやかすと食べやすくなります。
- 茹でた鶏むね肉や野菜、犬用ヨーグルトなどのトッピングで食欲を刺激できます。
- 老犬がご飯を食べない時はまず獣医師に相談することが大切です。
- ふやかしたフードは傷みやすいので、与える直前に準備し、食べ残しはすぐに片付けましょう。
- ドッグフードの量は愛犬の体重や活動量に合わせて調整が必要です。
- 一般的に小型犬は7歳、中型犬は6歳、大型犬は5歳頃からシニアフードへの切り替えが目安です。
- 老犬の食事は1日2回以上に分けて与えるのが消化器への負担を減らすコツです。
- 愛犬の健康状態や好みに合わせて最適なドッグフードを選びましょう。
- 食事は老犬の生活の質を高める重要な要素です。
