PlayStation 5(PS5)の美しいゲーム画面をPCに映し出し、録画や配信を楽しみたいと考えている方は多いでしょう。しかし、どのキャプチャーボードを選べば良いのか、どのように接続すれば良いのか、迷ってしまうことも少なくありません。本記事では、PS5の映像をPCに映すためのキャプチャーボードの選び方から、具体的な接続設定、よくあるトラブルとその解決策まで、分かりやすく解説します。
PS5をPCに映すメリットとは?ゲーム体験をさらに高める方法

PS5のゲームをPCに映すことで、単に大画面でプレイするだけでなく、様々なメリットを享受できます。これにより、あなたのゲーム体験は新たな次元へと広がるでしょう。
大画面でのプレイと録画・配信の可能性を広げる
PS5のゲーム画面をPCに映す最大のメリットの一つは、PCモニターやより大きなディスプレイでゲームを楽しめる点です。さらに、PCの高性能な録画・配信ソフトウェア(OBS Studioなど)を活用することで、PS5単体では難しい高画質でのゲームプレイ録画や、カスタマイズされたライブ配信が可能になります。
これにより、YouTubeやTwitchといったプラットフォームで、より魅力的なコンテンツを発信できるようになります。
PC環境での快適な操作性を手に入れる
PCにPS5の画面を映すことで、ゲームプレイ中にPCの他のアプリケーション(チャットツール、ブラウザなど)を同時に利用できる利便性があります。例えば、ゲームの攻略情報を調べながらプレイしたり、配信中に視聴者のコメントをリアルタイムで確認したりすることが容易になります。これにより、ゲームとPC作業の切り替えがスムーズになり、より快適なゲーミング環境を構築できます。
PS5をPCに映すためのキャプチャーボード選びのコツ

PS5の性能を最大限に引き出し、快適な録画や配信を行うためには、適切なキャプチャーボードを選ぶことが重要です。ここでは、キャプチャーボード選びで押さえておきたい大切なコツを解説します。
- 解像度とフレームレートの確認で後悔しない選択を
- パススルー機能の重要性を理解する
- 接続端子の種類(USB 3.0、PCIe)とPCスペック
- 遅延の少なさがゲームプレイに与える影響
- HDCP対応と解除の必要性について
解像度とフレームレートの確認で後悔しない選択を
PS5は最大4K解像度、120fpsのゲームプレイに対応しています。キャプチャーボードを選ぶ際は、このPS5の性能を活かせるかどうかが重要なポイントです。一般的な配信や録画では1080p(フルHD)60fpsでも十分なクオリティですが、より高画質な映像を求めるなら4K/60fps対応のモデルを検討しましょう。
特に、競技性の高いゲームをプレイし、その様子を高いフレームレートで記録したい場合は、1080p/120fpsに対応した製品を選ぶのがおすすめです。
パススルー機能の重要性を理解する
パススルー機能とは、キャプチャーボードに入力されたゲーム映像を、ほとんど遅延なく別のモニターに出力できる機能のことです。この機能があれば、PC画面に配信や録画画面を映しつつ、普段ゲームを遊んでいるモニターで遅延なく快適にプレイできます。特に一瞬の判断が求められるアクションゲームやリズムゲームでは、パススルー機能の有無がゲーム体験に大きく影響するため、購入前に必ず確認すべき機能と言えます。
接続端子の種類(USB 3.0、PCIe)とPCスペック
キャプチャーボードには、主にUSBでPCと接続する「外付けタイプ」と、PC内部に直接取り付ける「内蔵タイプ(PCIe接続)」があります。外付けタイプはノートPCでも使用でき、手軽に導入できる点が魅力です。一方、内蔵タイプは遅延が少なく、より安定した動作が期待できますが、デスクトップPC専用であり、取り付けにはある程度のPC知識が必要です。
また、高画質での録画や配信には、PCのCPUやメモリ、グラフィックボードといったスペックも重要になるため、お使いのPC環境に合わせて選びましょう。
遅延の少なさがゲームプレイに与える影響
キャプチャーボードを介してPCにPS5の画面を映す際、映像や音声に遅延が発生することがあります。この遅延が大きいと、ゲームプレイに支障をきたす可能性があります。特にFPSやアクションゲームなど、リアルタイム性が求められるジャンルでは、わずかな遅延も致命的になりかねません。そのため、製品を選ぶ際には「低遅延」を謳っているモデルや、パススルー機能によってゲームプレイ自体は遅延なく行える製品を選ぶことが大切です。
HDCP対応と解除の必要性について
HDCP(High-bandwidth Digital Content Protection)は、デジタルコンテンツの不正コピーを防ぐための著作権保護技術です。PS5では初期設定でHDCPが有効になっており、この状態ではキャプチャーボードに映像信号が送られず、画面が映らないことがあります。そのため、キャプチャーボードを使ってPS5のゲーム画面をPCに映すには、PS5本体の設定でHDCPを無効にする必要があります。
ただし、HDCPを無効にすると、一部のストリーミングサービスやBlu-ray/DVDの再生ができなくなる場合があるため、注意が必要です。
おすすめのPS5対応キャプチャーボード比較

市場には様々なキャプチャーボードがありますが、PS5での利用を考えると、特定の機能や性能を持つ製品がおすすめです。ここでは、人気の高いキャプチャーボードをいくつかご紹介します。
定番の「Elgato」シリーズ
Elgato(エルガト)は、キャプチャーボードの分野で非常に高い人気を誇るブランドです。特に「Elgato Game Capture HD60 S+」や「HD60 X」は、手軽に高画質録画・配信を始めたい方に適しています。4Kパススルーに対応しつつ、1080p/60fpsでの安定したキャプチャーが可能で、専用ソフトウェアも直感的で使いやすいのが特徴です。
より高解像度を求めるなら「4K60 Pro MK.2」や「4K X」といった内蔵型モデルも選択肢に入ります。
高性能で人気の「AVerMedia」製品
AVerMedia(アバーメディア)も、Elgatoと並んで多くのゲーマーや配信者から支持されています。「Live Gamer EXTREME 3 (GC551G2)」は、4K/60fpsパススルーと4K/60fps録画に対応し、VRRやHDRパススルー機能も備えているため、PS5の映像美を損なわずにキャプチャーできます。
また、「LIVE GAMER 4K 2.1 (GC575)」はHDMI 2.1に対応し、4K/144Hzパススルーを実現するなど、最新のゲーミング環境にも対応した高性能モデルが揃っています。
国内ブランド「I-O DATA」の選択肢
I-O DATA(アイ・オー・データ)は、国内メーカーならではの安心感とサポートが魅力です。「GV-HDREC」はPC不要で単体録画ができる手軽さが人気で、PC接続が苦手な方や、手軽にゲームプレイを記録したい方におすすめです。また、「GV-USB3/HDS」は4K60fpsパススルーと最大4K30fpsの録画に対応しており、スタイリッシュなデザインも特徴です。
その他の注目キャプチャーボード
上記以外にも、Razerの「Ripsaw HD」のようにゲーミングブランドからリリースされている製品や、UGREENの「15390A」のように4K高画質でのプレイと配信を両立できるモデルも存在します。製品選びの際は、自身のPC環境、予算、そして最も重視する機能(画質、遅延、手軽さなど)を明確にして比較検討することが大切です。
PS5とPCをキャプチャーボードで接続する進め方

PS5とPCをキャプチャーボードで接続する進め方は、一見複雑に思えるかもしれませんが、手順を追って行えば誰でも簡単に設定できます。ここでは、必要なものから具体的な接続方法、PCでの設定までを解説します。
接続に必要なものを準備する
PS5とPCをキャプチャーボードで接続するために、以下のものを事前に準備しましょう。
- PS5本体
- PC(WindowsまたはMac、配信ソフトを動かすためのスペックが必要)
- キャプチャーボード(PS5対応のもの)
- HDMIケーブル(PS5からキャプチャーボードへ、キャプチャーボードからモニターへ、合計2本)
- USBケーブル(キャプチャーボードとPCを接続するため、キャプチャーボードに付属していることが多い)
- ゲームプレイ用のモニター(PC画面で代用も可能ですが、パススルー機能を使う場合は別途用意すると快適です)
- 画面録画/配信ソフト(OBS Studioなど)
キャプチャーボードの配線方法
配線は以下の手順で行います。
- PS5本体のHDMI出力端子から、1本目のHDMIケーブルをキャプチャーボードの「HDMI IN(入力)」端子に接続します。
- キャプチャーボードの「HDMI OUT(出力)」端子から、2本目のHDMIケーブルをゲームプレイ用のモニターのHDMI入力端子に接続します。
- キャプチャーボードとPCを、付属のUSBケーブルで接続します。PCのUSB 3.0ポートに接続するようにしましょう。
この配線により、PS5からの映像信号がキャプチャーボードに入力され、同時にモニターへパススルー出力されます。そして、キャプチャーボードが取り込んだ映像データがUSBケーブルを通じてPCに送られます。
PCでの専用ソフトウェアインストールと設定
物理的な接続が完了したら、PC側での設定に移ります。
- まず、キャプチャーボードのメーカーが提供する専用ドライバーやソフトウェアをPCにインストールします。多くの製品はプラグアンドプレイに対応していますが、安定した動作のためには専用ソフトウェアの導入がおすすめです。
- 次に、OBS Studioなどの配信・録画ソフトウェアを起動します。
- ソフトウェア内で「映像キャプチャデバイス」などのソースを追加し、使用しているキャプチャーボードを選択します。正しく設定できていれば、OBSのプレビュー画面にPS5のゲーム映像が表示されるはずです。
- 最後に、PS5本体の「設定」から「システム」→「HDMI」へと進み、「HDCPを有効にする」のチェックを外してHDCPを無効にします。これを忘れると、PCに映像が映らない原因となります。
これらの手順で、PS5のゲーム画面がPCに映し出され、録画や配信の準備が整います。
キャプチャーボード使用時のよくあるトラブルと解決策

キャプチャーボードを使ってPS5をPCに映す際、いくつかのトラブルに遭遇することがあります。ここでは、よくある問題とその解決策を具体的に解説します。
画面が映らない、認識しない場合の対処法
キャプチャーボードを接続してもPCにPS5の画面が映らない場合、いくつかの原因が考えられます。まず、最も多いのがHDCP(High-bandwidth Digital Content Protection)が有効になっているケースです。PS5の設定でHDCPを無効にしているか確認しましょう。
次に、ケーブルの接続不良も考えられます。
HDMIケーブルやUSBケーブルがしっかりと接続されているか、断線していないかを確認してください。また、キャプチャーボードの入力(IN)と出力(OUT)を間違えて接続していないかも重要な確認ポイントです。
PC側の問題としては、キャプチャーボードのドライバーが正しくインストールされていない、または最新ではない可能性があります。
メーカーのウェブサイトから最新のドライバーをダウンロードしてインストールし直すことで解決することがあります。さらに、PCのUSBポートがUSB 3.0に対応しているか、十分な電力を供給できているかも確認しましょう。
音声が出ない時の確認ポイント
映像は映るものの音声が出ない場合も、いくつかの原因が考えられます。まず、PS5の音声出力設定を確認しましょう。HDMIからの音声出力が正しく設定されているか確認してください。
次に、PC側の音声設定も重要です。使用している配信・録画ソフトウェア(OBS Studioなど)の音声ミキサーで、キャプチャーボードからの音声が有効になっているか、音量が適切に設定されているかを確認します。
PCのサウンド設定で、キャプチャーボードが音声入力デバイスとして認識されているかも確認しましょう。
また、HDMIケーブル自体が音声信号を正しく伝送できていない可能性もゼロではありません。別のHDMIケーブルを試してみるのも一つの方法です。
遅延が気になる場合の改善策
ゲームプレイ中の遅延が気になる場合、いくつかの対策を試すことができます。最も効果的なのは、パススルー機能を利用して、キャプチャーボードの出力から直接ゲームプレイ用のモニターに接続することです。これにより、PC画面の遅延を気にせず、ゲーム自体は低遅延でプレイできます。
PC側の設定としては、配信・録画ソフトウェアのプレビュー画面の遅延設定を調整したり、PCのグラフィックボードドライバーを最新にしたりすることも有効です。
また、PCのスペックが不足していると処理が追いつかず遅延が発生しやすくなるため、PCの性能を見直すことも検討しましょう。キャプチャーボードによっては、ハードウェアエンコードに対応しているモデルを選ぶことで、PCへの負荷を軽減し、遅延を抑えることも可能です。
HDCPエラーの具体的な対処法
HDCPエラーが表示される、または画面が真っ暗になる場合は、PS5のHDCP設定が原因です。以下の手順でHDCPを無効にしてください。
- PS5のホーム画面から右上の「設定」(歯車アイコン)を選択します。
- 「システム」を選択します。
- 左側のメニューから「HDMI」を選択し、右側の「HDCPを有効にする」のチェックを外します。
この設定変更後、画面が一時的に真っ暗になることがありますが、すぐに復旧します。これでHDCPが無効化され、キャプチャーボードを通じて映像を出力できるようになります。ただし、HDCPを無効にすると、一部の著作権保護されたコンテンツ(Blu-rayディスクや特定のストリーミングサービスなど)が再生できなくなる場合があるため、注意が必要です。
キャプチャーボードなしでPS5をPCに映す方法はある?リモートプレイの活用

キャプチャーボードを使わずにPS5の画面をPCに映す方法として、「PS Remote Play(リモートプレイ)」があります。これは、PS5の映像をネットワーク経由でPCにストリーミングする公式機能です。
リモートプレイを利用するには、まずPCに専用アプリ「PS Remote Play」をインストールし、PS5と同じPlayStation Network(PSN)アカウントでサインインします。PS5側でもリモートプレイを有効にする設定が必要です。
この方法のメリットは、キャプチャーボードを購入する必要がないため、手軽に始められる点です。また、外出先からでもインターネット環境があればPS5を操作できるため、場所を選ばずにゲームを楽しめます。
しかし、デメリットもあります。ネットワーク環境に大きく左右されるため、回線速度が遅いと映像や音声の遅延、画質の低下が発生しやすくなります。特に、競技性の高いゲームでは操作遅延が気になるかもしれません。また、HDR出力やPS5のゲームプレイをPCローカルに高画質で録画するといった高度な機能は利用できません。
そのため、高画質での録画や安定した配信、低遅延でのゲームプレイを重視するなら、やはりキャプチャーボードの導入がおすすめです。
よくある質問

- PS5の画面をPCに映すのにキャプチャーボードは必須ですか?
- キャプチャーボードの遅延はどれくらいですか?
- 4K対応のキャプチャーボードは必要ですか?
- HDCPとは何ですか?解除は必要ですか?
- キャプチャーボードの代わりにHDMI分配器は使えますか?
PS5の画面をPCに映すのにキャプチャーボードは必須ですか?
高画質での録画やライブ配信、低遅延でのゲームプレイをPCモニターで行いたい場合は、キャプチャーボードの利用が強く推奨されます。PS5の公式機能である「PS Remote Play」を使えばキャプチャーボードなしでもPCに画面を映せますが、画質や遅延、録画機能に制限があります。
キャプチャーボードの遅延はどれくらいですか?
キャプチャーボードの遅延は製品によって異なりますが、パススルー機能を利用すれば、ゲームプレイ用のモニターにはほとんど遅延なく映像が出力されます。PC画面に表示されるプレビュー映像にはわずかな遅延が発生することが一般的です。低遅延を謳う製品や内蔵型キャプチャーボードは、遅延を最小限に抑える工夫がされています。
4K対応のキャプチャーボードは必要ですか?
PS5は4K解像度に対応していますが、一般的な配信や録画では1080p(フルHD)60fpsでも十分なクオリティです。しかし、PS5の美しい4K映像をそのままの解像度で録画したい、または4Kモニターでゲームをプレイしながら配信したい場合は、4Kパススルーおよび4K録画に対応したキャプチャーボードを選ぶと良いでしょう。
HDCPとは何ですか?解除は必要ですか?
HDCP(High-bandwidth Digital Content Protection)は、デジタルコンテンツの不正コピーを防ぐための著作権保護技術です。PS5のゲーム画面をキャプチャーボード経由でPCに映すには、PS5本体の設定でHDCPを無効にする必要があります。これをしないと、画面が真っ暗になったり、エラーメッセージが表示されたりします。
キャプチャーボードの代わりにHDMI分配器は使えますか?
HDMI分配器は、一つのHDMI信号を複数のディスプレイに分配するための機器であり、キャプチャーボードのように映像をPCに取り込む機能はありません。HDCP解除のために一時的に使用されることもありますが、PS5のゲーム画面をPCに映して録画・配信するためには、キャプチャーボードが必須です。
まとめ
- PS5をPCに映すにはキャプチャーボードが最も効果的な方法です。
- 録画や配信、PC環境での快適な操作性が主なメリットです。
- キャプチャーボード選びでは解像度とフレームレートが重要です。
- パススルー機能は遅延なくゲームをプレイするために不可欠です。
- 接続端子の種類(USB 3.0、PCIe)とPCスペックを確認しましょう。
- ElgatoやAVerMediaはPS5対応キャプチャーボードの主要ブランドです。
- I-O DATAなど国内ブランドも選択肢に入ります。
- PS5とキャプチャーボード、PCの配線は手順通りに行えば簡単です。
- PCでの専用ソフトウェアインストールと設定が必要です。
- PS5のHDCPを無効にすることが画面表示の必須条件です。
- 画面が映らない場合はHDCP設定やケーブル接続を確認しましょう。
- 音声が出ない場合はPS5とPCの音声設定を見直します。
- 遅延が気になる場合はパススルー機能の活用が有効です。
- キャプチャーボードなしではPS Remote Playが代替手段です。
- リモートプレイは手軽ですが、画質や遅延に制限があります。
