新生活への期待に胸を膨らませて入居したのに、不動産会社から入居時チェックリストをもらえず不安に感じていませんか?チェックリストがないと、退去時に身に覚えのない傷の修繕費用を請求されるのではないかと心配になりますよね。本記事では、チェックリストをもらえなかった場合の具体的な対処法から、自分でできるチェックポイント、トラブル防止のための記録方法まで、あなたの不安を解消するための情報を詳しく解説します。
なぜ?入居時チェックリストをもらえない理由と重要性

新しいお部屋での生活を始めるにあたり、「入居時チェックリスト」という書類の存在をご存知でしょうか。まずは、このチェックリストがなぜ必要なのか、そしてもらえない場合があるのはなぜか、その理由と重要性について詳しく見ていきましょう。
- そもそも入居時チェックリストとは?
- なぜチェックリストが必要不可欠なのか
- チェックリストをもらえないケースとその背景
そもそも入居時チェックリストとは?
入居時チェックリスト(「現況確認書」とも呼ばれます)とは、賃貸物件に入居した時点での部屋の状態を記録するための書類です。 壁や床の傷、設備の不具合、汚れなど、入居前から存在した損傷を、入居者と大家さん(または管理会社)の双方で確認し、記録として残すことを目的としています。
このリストがあることで、退去時に「この傷は元からあったものか、入居者がつけたものか」という水掛け論になるのを防ぐことができます。 つまり、あなた自身を守るための重要な盾となるのです。
なぜチェックリストが必要不可欠なのか
チェックリストの最大の役割は、退去時の原状回復に関するトラブルを未然に防ぐことです。 賃貸物件には「原状回復義務」があり、入居者の故意や過失によって生じた傷や汚れは、退去時に修繕して元の状態に戻す必要があります。
しかし、どこまでが「入居者の責任」で、どこからが「経年劣化」や「通常の使用による損耗」なのか、その線引きは非常にあいまいです。 チェックリストがないと、本来大家さんが負担すべき修繕費用まで請求されてしまう可能性があります。
国土交通省が公表している「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」でも、入居時に物件の状態を確認し、記録に残しておくことの重要性が示されています。 このガイドラインは、裁判例などを基に作成されており、トラブル解決の際の基準となるものです。 しっかりと初期の状態を記録しておくことで、不当な請求から身を守り、安心して生活を送ることができるのです。
チェックリストをもらえないケースとその背景
本来であれば、トラブル防止のために入居者へ渡されるべきチェックリストですが、もらえないケースも存在します。その背景には、いくつかの理由が考えられます。
- 管理会社の方針: 全ての管理会社がチェックリストを用意しているわけではありません。特に小規模な不動産会社や、自主管理の大家さんの場合、書類のやり取りを簡略化していることがあります。
- 単なる渡し忘れ: 契約手続きが立て込んでいる時期など、担当者が単純に渡し忘れている可能性も考えられます。
- 義務ではないという認識: 入居時チェックリストの提出は、法律で定められた義務ではありません。 そのため、重要性を認識していない管理会社も存在するのです。
しかし、もらえなかったからといって諦める必要は全くありません。むしろ、チェックリストがない状況は、退去時のリスクを高めるだけです。次の章で、もらえなかった場合にどうすれば良いのか、具体的な対処法を詳しく解説します。
【今すぐやるべき】入居時チェックリストをもらってない場合の対処法

入居時チェックリストをもらえなかったからといって、泣き寝入りする必要はありません。退去時のトラブルを避けるために、今すぐあなた自身で行動を起こすことが重要です。ここでは、具体的な4つのステップに分けて対処法を解説します。
- ステップ1:まずは管理会社・大家さんに連絡する
- ステップ2:自分でチェックリストを作成する【テンプレート付き】
- ステップ3:証拠となる写真・動画を撮影する
- ステップ4:作成したリストと写真を送付・保管する
ステップ1:まずは管理会社・大家さんに連絡する
まず最初に行うべきことは、管理会社または大家さんに連絡を取り、チェックリストがもらえるか確認することです。単に渡し忘れているだけの可能性もあります。 電話やメールで、「入居時の状況を確認したいので、チェックリスト(現況確認書)をいただけないでしょうか?」と丁寧に問い合わせてみましょう。
もし、書式がないと言われた場合でも、「それでは、こちらで作成したもので確認してもよろしいでしょうか?」と確認を取っておくと、後のやり取りがスムーズになります。連絡した日時や担当者名、会話の内容は必ずメモに残しておきましょう。メールでやり取りすれば、記録が残るのでより安心です。
ステップ2:自分でチェックリストを作成する【テンプレート付き】
管理会社からチェックリストがもらえない場合は、自分で作成しましょう。 難しく考える必要はありません。国土交通省のウェブサイトで公開されている「入退去時の物件状況及び原状回復確認リスト」を参考にしたり、下記のテンプレートをダウンロードして活用してください。
【自作チェックリストのポイント】
- 物件情報: 物件名、部屋番号、入居日、確認日を明記する。
- 場所ごと: 玄関、リビング、キッチン、浴室など、場所ごとに項目を分けると分かりやすい。
- 具体的な状況: 「リビングの壁に5cmほどの引っかき傷」「キッチンの床に黒いシミ」など、誰が見ても分かるように具体的に記述する。
- 日付と署名: 確認した日付を記入し、ご自身の署名を忘れずに行いましょう。
以下に、すぐに使えるチェックリストのテンプレートを用意しました。ぜひご活用ください。
入居時状況確認チェックリスト(テンプレート)
物件名: ____________________ 部屋番号: ________ 号室
入居日: ______年____月____日 確認日: ______年____月____日
場所 | 確認項目 | 状況(傷、汚れ、不具合など) |
---|---|---|
玄関 | 壁・床・天井・ドア・下駄箱 | |
リビング/居室 | 壁・床・天井・窓・網戸・収納 | |
キッチン | シンク・コンロ・換気扇・収納・床 | |
浴室/洗面所 | 浴槽・壁・鏡・蛇口・換気扇 | |
トイレ | 便器・床・壁・換気扇 | |
その他 | エアコン・給湯器・インターホン・照明 |
確認者署名: ____________________
ステップ3:証拠となる写真・動画を撮影する
チェックリストと合わせて、必ず写真や動画で証拠を残しましょう。 文章だけでは伝わりにくい傷の大きさや汚れの程度も、映像なら客観的な証拠として非常に有効です。
撮影は、荷物を運び込む前の何もない状態で行うのがベストです。 家具を置いてしまうと、隠れて見えなくなる部分が出てきてしまいます。
撮影のポイントは、「引き」と「寄り」の2枚を撮ることです。 まずは部屋全体が写るように「引き」で撮影し、その後、傷や汚れの部分をアップで「寄り」で撮影します。こうすることで、「どの場所の、どのような傷か」が明確になります。 また、日付が自動で記録される設定にしておくと、いつ撮影したかの証明になるのでおすすめです。
ステップ4:作成したリストと写真を送付・保管する
作成したチェックリストと撮影した写真は、管理会社または大家さんに送付します。郵送する場合は、コピーを必ず手元に保管しておきましょう。 内容証明郵便で送ると、送付した事実と内容を証明できるため、より確実です。
メールで送る場合は、送信日時と内容が記録として残るため便利です。 送付したメールは、退去時まで大切に保存しておきましょう。
これらの記録は、万が一退去時にトラブルになった際に、あなたを守るための強力な武器となります。少し面倒に感じるかもしれませんが、将来の安心のために、必ず実行してください。
【完全網羅】プロが教える!場所別チェック項目リスト

いざ部屋のチェックを始めようとしても、「具体的にどこを見ればいいの?」と迷ってしまいますよね。ここでは、見落としがちなポイントも含めて、場所別にチェックすべき項目をリストアップしました。このリストを片手に、隅々まで確認していきましょう。
- 玄関・廊下
- リビング・居室
- キッチン
- 浴室・洗面所
- トイレ
- ベランダ・バルコニー
- その他(窓・網戸・収納など)
玄関・廊下
毎日通る場所だからこそ、細かい傷や汚れを見落としがちです。特にドア周りは荷物の搬入などで傷がつきやすいポイントです。
- ドア(内側・外側): 傷、へこみ、塗装の剥がれ、ドアクローザーの動作
- 鍵・鍵穴: スムーズに施錠・解錠できるか、鍵の傷や曲がり
- インターホン・ドアホン: 正常に作動するか、モニターの映り
- 床(たたき): タイルやコンクリートのひび割れ、タイルの欠け、汚れ
- 壁・天井のクロス: 傷、汚れ、剥がれ、画鋲の穴
- 下駄箱・収納: 扉の開閉、棚板の傷や汚れ、内部のカビ
- 照明: 点灯するか、カバーの割れや汚れ
リビング・居室
生活の中心となる空間は、壁や床の面積が広い分、チェック箇所も多くなります。日当たりの良い日中に確認すると、細かい傷が見つけやすいでしょう。
- 床(フローリング・畳・カーペット): 傷、へこみ、シミ、日焼けによる色あせ、きしみ
- 壁・天井のクロス: 傷、汚れ、剥がれ、画鋲の穴、結露によるシミやカビ
- 窓・サッシ: ガラスのひび割れや傷、鍵(クレセント錠)の締まり具合、サッシの動き、網戸の破れやたるみ
- 収納(クローゼット・押入れ): 扉の開閉、内部の傷や汚れ、ハンガーパイプのぐらつき、カビの臭い
- エアコン: 正常に作動するか(冷暖房・送風)、異音や異臭、リモコンの動作、フィルターの汚れ
- コンセント・スイッチ類: プレートの割れや変色、通電の確認
- カーテンレール: 歪み、ランナーの不足や破損
キッチン
水や油を使うキッチンは、汚れや設備の不具合が発生しやすい場所です。実際に水を流したり、火をつけたりして動作確認をしましょう。
- シンク: 傷、サビ、水垢、蛇口からの水漏れ、水の出方(勢い)
- 排水口: 詰まり、悪臭、ぬめり
- ガスコンロ・IHクッキングヒーター: 点火・通電の確認、五徳やグリルの汚れ・サビ
- 換気扇・レンジフード: 正常に作動するか、異音、フィルターの油汚れ
- 調理台・ワークトップ: 傷、シミ、焦げ跡
- 収納(吊戸棚・シンク下): 扉の開閉、棚板の傷や汚れ、内部の配管からの水漏れの跡
- 給湯器のリモコン: 正常に作動するか、お湯が出るか
浴室・洗面所
湿気がこもりやすい浴室や洗面所は、カビや水垢のチェックが重要です。換気扇の動作もしっかり確認しましょう。
- 浴槽: ひび割れ、傷、コーキングの切れやカビ
- 壁・床・天井: タイルのひび割れ、目地のカビ、塗装の剥がれ
- 鏡: 傷、うろこ状の水垢
- シャワー・蛇口: 水漏れ、お湯の出方、シャワーヘッドの目詰まり
- 換気扇: 正常に作動するか、異音、ホコリの詰まり
- 洗面台: 洗面ボウルのひび割れや傷、蛇口からの水漏れ、収納内部の湿気やカビ
- 洗濯機パン: ひび割れ、排水口の詰まりや臭い
トイレ
毎日使うトイレは、清潔さが気になるところ。見えにくい便器の後ろ側や床もしっかりチェックしましょう。
- 便器・便座: ひび割れ、傷、黄ばみ、ウォシュレットの動作確認
- タンク: 水漏れ、タンク内の汚れ
- 床・壁: シミ、黄ばみ、臭い
- 換気扇: 正常に作動するか、異音
- ペーパーホルダー・タオル掛け: ぐらつき、破損
ベランダ・バルコニー
室外も見落とせません。避難経路にもなる場所なので、安全性もしっかり確認が必要です。
- 床: ひび割れ、コケや汚れ、排水溝の詰まり
- 手すり: ぐらつき、サビ
- 物干し竿受け: 破損、ぐらつき
- 避難はしご・隔て板: 破損していないか、すぐに使える状態か
その他(窓・網戸・収納など)
最後に、これまで紹介した箇所以外の細かい部分もチェックします。
- 照明器具: 全ての照明が点灯するか、シェードやカバーに割れや汚れがないか
- ドアというドア: 室内ドア、収納の扉など、全ての扉を開け閉めし、きしみ音や立て付けの悪さがないか確認
- カーテンレール: 曲がりや破損、部品の不足がないか
これらの項目を参考に、漏れなくチェックを行い、快適で安心な新生活をスタートさせましょう。
トラブルを未然に防ぐ!証拠写真の撮り方とポイント

入居時の状況を記録する上で、写真は文章以上に雄弁な証拠となります。 退去時に「言った、言わない」の不毛な争いを避けるためにも、ポイントを押さえた写真撮影が不可欠です。ここでは、誰でも簡単にできる効果的な撮影方法と、データの保管について解説します。
- 全体像とアップの両方を撮影する
- 日付がわかるように撮影する
- 動画で記録するのも効果的
- 撮影したデータの保管方法
全体像とアップの両方を撮影する
証拠写真の基本は、「引き(全体像)」と「寄り(アップ)」の2枚をセットで撮影することです。
まず「引き」の写真で、部屋のどの部分なのかが分かるように、壁全体や床全体を撮影します。 これにより、傷や汚れの位置関係が明確になります。
次に、「寄り」の写真で、指摘したい傷や汚れそのものを大きく写します。メジャーやコインなどを一緒に写し込むと、傷の大きさが客観的に伝わりやすくなるため、さらに効果的です。
例えば、壁の傷を撮るなら、
- リビングの壁全体が写るように撮影(引き)
- 傷の部分にメジャーを当ててアップで撮影(寄り)
この2ステップを意識するだけで、証拠としての価値が格段に上がります。
日付がわかるように撮影する
撮影した写真が「いつ撮られたものか」を証明することは非常に重要です。 これがないと、「入居後に付いた傷ではないか」と反論される可能性があります。
多くのスマートフォンやデジタルカメラには、撮影日時を自動で記録する機能が備わっています。設定を確認し、必ずオンにしておきましょう。
さらに確実な方法として、その日の日付が分かる新聞や、スマートフォンの時計アプリの画面などを一緒に写し込むという方法もあります。少し手間はかかりますが、これにより証拠能力はさらに高まります。
動画で記録するのも効果的
写真だけでなく、動画で記録を残すのも非常に有効な手段です。特に、以下のようなケースで役立ちます。
- 設備の動作確認: エアコンの異音、換気扇の吸い込みの弱さ、蛇口からの水の出方、ドアの開閉のスムーズさなど、写真では伝わりにくい不具合を記録できます。
- 部屋全体の状況: 玄関から入って各部屋をぐるりと撮影することで、部屋全体の状況を一度に記録できます。ナレーションで「リビングの壁、ここに傷があります」などと説明を加えながら撮影すると、より分かりやすい記録になります。
動画も写真と同様に、撮影日時の記録を忘れないようにしましょう。
撮影したデータの保管方法
せっかく撮影した写真や動画も、退去時に見つけられなければ意味がありません。撮影したデータは、必ずバックアップを取り、大切に保管しておきましょう。
おすすめの保管方法は以下の通りです。
- クラウドストレージに保存: GoogleドライブやDropbox、iCloudなどのクラウドサービスに保存すれば、スマートフォンの故障や紛失のリスクに備えられます。「(物件名)入居時写真」といった分かりやすい名前のフォルダを作成して整理しておくと、後から探しやすいです。
- 管理会社にメールで送付: 撮影した写真の中から特に気になる箇所のものを、作成したチェックリストと一緒に管理会社へメールで送付します。 これにより、管理会社に伝えたという記録が残り、送信日時も証明になります。送ったメールは、退去時まで削除せずに保存しておきましょう。
- CD-RやUSBメモリに保存: パソコンをお持ちの場合は、CD-RやUSBメモリなどの外部メディアにコピーして保管しておくのも一つの手です。
これらのポイントを実践し、万全の状態で新生活をスタートさせてください。
よくある質問

入居時のチェックリストに関して、多くの方が抱く疑問にお答えします。不安な点を解消して、スッキリした気持ちで新生活を始めましょう。
チェックリストはいつまでに提出すればいいですか?
チェックリストの提出期限は、管理会社や大家さんによって異なりますが、一般的には入居後1週間から2週間以内と定められていることが多いです。 契約時や鍵渡しの際に渡される書類に期限が記載されている場合が多いので、必ず確認しましょう。 期限が特に設けられていない場合でも、記憶が新しいうちに、なるべく早く(10日以内を目安に)提出することをおすすめします。 荷物を運び込む前にチェックを済ませ、すぐに提出するのが理想的です。
提出を忘れた・期限を過ぎた場合はどうなりますか?
万が一、提出を忘れたり期限を過ぎてしまったりした場合、「入居時には室内に損傷はなかったもの」と見なされてしまう可能性があります。 そうなると、退去時に元からあった傷や汚れの修繕費用を請求されても、反論するのが難しくなります。
もし期限を過ぎてしまった場合でも、諦めずにすぐに管理会社に連絡しましょう。「遅れて申し訳ありません」と一言添えて、できるだけ早く提出することが大切です。正直に事情を話せば、受け取ってもらえるケースも多いです。
経年劣化と入居者の過失の線引きはどこですか?
これは非常に重要なポイントで、トラブルの最も大きな原因の一つです。国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、以下のように区別されています。
- 経年劣化・通常損耗(貸主負担): 普通に生活していて自然に発生する損耗のことです。 例えば、日光による壁紙やフローリングの色あせ、家具の設置による床のへこみ、画鋲の穴などがこれにあたります。 これらの修繕費用は、基本的に大家さんが負担すべきものとされています。
- 入居者の故意・過失による損傷(借主負担): 入居者の不注意や通常とは言えない使い方によって生じた損傷のことです。 例えば、飲み物をこぼしてできたシミを放置した、タバコのヤニで壁紙が変色した、壁に物をぶつけて穴を開けた、掃除を怠ってカビを発生させた、といったケースが該当します。 これらの修繕費用は、入居者が負担する必要があります。
この線引きは、契約書の特約によって変わる場合もあるため、契約内容をしっかり確認することが重要です。
軽微な傷や汚れも報告すべきですか?
はい、報告すべきです。「これくらい大丈夫だろう」と自己判断するのは危険です。自分にとっては軽微な傷でも、退去時の立会人によっては修繕が必要と判断される可能性があります。
後々のトラブルを避けるためにも、少しでも気になる点があれば、大小にかかわらずチェックリストに記載し、写真にも残しておくことを強くおすすめします。 「こんな細かいことまで…」と思うかもしれませんが、その一手間があなたを不要な出費から守ってくれます。
退去時に高額な請求をされたらどうすればいいですか?
もし退去時に、入居時の記録と照らし合わせても納得のいかない高額な費用を請求された場合は、その場で安易にサインせず、以下の手順で対応しましょう。
- 請求書の内訳を詳しく確認する: まずは、何にいくらかかっているのか、詳細な見積書や請求書を要求します。
- 入居時の記録と照合する: 保管しておいたチェックリストや写真と見比べ、請求内容が妥当か確認します。
- ガイドラインを基に交渉する: 明らかに経年劣化と思われるものや、入居時からあった傷が含まれている場合は、「国土交通省のガイドラインでは貸主負担とされています」と、冷静に交渉しましょう。
- 専門機関に相談する: 交渉がうまくいかない場合は、消費生活センターや、日本賃貸住宅管理協会などの専門機関に相談することをおすすめします。 第三者の客観的な意見を聞くことで、解決の糸口が見つかることがあります。
大切なのは、慌てずに、証拠に基づいて冷静に対応することです。
まとめ

- 入居時チェックリストは退去時のトラブルを防ぐ重要な書類です。
- もらえない場合は、まず管理会社に連絡し、なければ自分で作成します。
- チェックリストと合わせて、必ず写真や動画で証拠を残しましょう。
- 撮影は荷物を入れる前に行い、「引き」と「寄り」で撮るのがコツです。
- 日付がわかるように撮影し、データはクラウド等に保管します。
- チェックは玄関からベランダまで、場所別に漏れなく行いましょう。
- 設備の動作確認(エアコン、水回り、コンロ等)も忘れずに行います。
- チェックリストの提出期限は通常1~2週間以内です。
- 提出が遅れると、元からあった傷の証明が難しくなります。
- 経年劣化は貸主負担、故意・過失による損傷は借主負担が原則です。
- 軽微な傷や汚れでも、気になる点は全て記録に残すべきです。
- 作成したリストや写真は、コピーを取って退去まで保管します。
- 不当な高額請求には、その場でサインせず、まず内訳を確認します。
- トラブル時は、証拠を基に冷静に交渉し、専門機関に相談しましょう。
- 少しの手間を惜しまないことが、将来の安心に繋がります。