ロックフィッシュゲームの愛好家にとって、根掛かりは避けたいトラブルの一つです。しかし、根掛かりを恐れて攻めきれないと、釣果を伸ばすのは難しいと感じる方もいるでしょう。そんな悩みを解決してくれるのが、一誠(issei)の海太郎シリーズから登場している「根魚玉(ねうおだま)」です。このジグヘッドは、その独特な形状と設計により、根掛かりを大幅に減らし、アングラーが積極的にポイントを攻められるように作られています。
本記事では、根魚玉の魅力や実際の使用感、効果的な使い方、そして相性の良いワームについて詳しく解説します。
根魚玉とは?ロックフィッシュゲームの定番ジグヘッドを深掘り

根魚玉は、一誠の村上晴彦氏が手掛ける海太郎シリーズのロックフィッシュ専用ジグヘッドです。根魚(ロックフィッシュ)をターゲットに開発され、その名の通り、根の多い場所での使用を想定しています。ジグヘッドとフックがスプリットリングを介して接続されている点が大きな特徴で、これによりワームの自由な動きを妨げず、根掛かりを効果的に回避する設計となっています。
エコギアが手掛ける根魚玉の基本情報
根魚玉は、エコギアというブランドから販売されていますが、実際には一誠の海太郎シリーズの製品として知られています。 そのヘッド部分は、球体をベースにした変則的な8面体で構成されており、光を多方向に反射して魚にアピールする効果も期待できます。 また、ボトムと接する面はフラットにデザインされているため、着底時の安定感が抜群で、潮の流れがある場所でも転がりにくいのが特徴です。
根魚玉が根魚釣りに強い理由
根魚玉が根魚釣りに強い最大の理由は、その卓越した根掛かり回避性能にあります。 ヘッドの下面がフラットなため、岩の隙間に入り込みにくく、岩を乗り越えるようにして根掛かりを防ぎます。 また、ラインアイがヘッド上部に設定されているため、ラインにテンションをかけるとヘッドが上を向き、障害物をかわしやすくなります。
さらに、フックには刺さり抜群のフッ素加工が施されたカルティバ製マルチオフセットフックが標準で採用されており、フッキング性能も非常に高いです。
実際に使って分かった!根魚玉のインプレッションと釣果

実際に根魚玉を使ってみると、その高い性能を実感できます。特に、これまで根掛かりに悩まされていたアングラーにとっては、釣りの快適さが格段に向上するでしょう。
驚異的な根掛かり回避能力を実感
根魚玉の最大の魅力は、やはり根掛かりの少なさです。 テトラ帯や岩礁帯、藻場といった根掛かりしやすいポイントを積極的に攻められるため、これまで諦めていた場所でも魚を狙えるようになります。実際に使用すると、他のジグヘッドでは引っかかってしまうような場所でも、根魚玉はスルリとすり抜けてくれる場面が多く、ストレスなく釣りに集中できるのが嬉しい点です。
ワームの動きを最大限に引き出す設計
スプリットリングを介してフックが接続されているため、ワームがより自然で滑らかな動きを見せます。 特にボトムバンプやリフト&フォールといった縦方向のアクションでは、ワームが直線的ではなく、ヘコヘコと柔らかく動くことで、魚へのアピール力が高まります。 このワームの自由な動きが、警戒心の強い根魚にも効果的にアプローチし、バイトを誘発する要因となるのです。
根魚玉で狙える魚種と具体的な釣果
根魚玉は、その名の通りカサゴ、アイナメ、ソイ、ハタ類(アカハタ、オオモンハタ、キジハタなど)といったロックフィッシュ全般に有効です。 また、ヒラメやマゴチなどのフラットフィッシュ、さらにはシーバスにも対応できる汎用性の高さも持ち合わせています。 実際に、険しい根周りで良型のアカハタをキャッチしたという報告もあり、その釣果は多くの釣り人によって実証されています。
根魚玉の選び方とおすすめラインナップ

根魚玉には様々な重さやフックサイズがあり、釣りの状況に合わせて適切なものを選ぶことが釣果に繋がります。ここでは、選び方のコツとラインナップについて解説します。
釣りの状況に合わせた重さの選び方
根魚玉の重さは2gから45gまでと幅広く展開されており、狙う水深や潮の流れ、使用するタックルによって使い分けることが大切です。 一般的に、水深が浅い場所や潮の流れが緩やかな場所では軽いもの、水深が深い場所や潮の流れが速い場所では重いものを選ぶのが基本です。例えば、水深1mにつき1gを目安にするという考え方もあります。
重すぎるシンカーは根掛かりのリスクを高める可能性もあるため、状況に応じて最適な重さを選ぶようにしましょう。
フックサイズの目安とワームとの相性
根魚玉に標準装備されているフックは、カルティバ製のマルチオフセットフックです。 フックサイズは、2gから28gまでのモデルで#2から#1/0、35gと45gのモデルでは太軸の#2/0や#3/0が採用されています。 ワームのサイズに合わせてフックを選ぶことが重要で、ワームのボディにフックポイントを隠せるオフセットフックの特性を活かし、根掛かりをさらに減らすことができます。
また、フックは交換可能なので、針先が鈍ったり、ワームのサイズに合わない場合は、縦アイ構造のオフセットフックを選んで交換することも可能です。
根魚玉を使いこなす!効果的なアクションと釣り方

根魚玉の性能を最大限に引き出すためには、基本的なアクションと根掛かりをさらに減らすコツを理解しておくことが大切です。ここでは、具体的な釣り方について解説します。
基本的なリフト&フォールとズル引き
根魚玉を使った基本的な釣り方として、リフト&フォールとズル引きが挙げられます。リフト&フォールは、ルアーを底から持ち上げて(リフト)、再び落とす(フォール)動作を繰り返す方法です。 このアクションは、ルアーが底に接する時間を限定するため、根掛かりを減らしつつ、魚にアピールできます。
特に、フォール中にバイトが出ることが多いため、集中してアタリを取ることが重要です。ズル引きは、ルアーを海底に這わせるようにゆっくりと引いてくる方法で、カサゴやマゴチなどを狙う際に効果的です。 根魚玉は底面がフラットなため、ボトムで転がりにくく、ズル引きとの相性も良いと言えます。
根掛かりをさらに減らすためのコツ
根魚玉は根掛かりしにくい設計ですが、完全にゼロにすることはできません。そこで、さらに根掛かりを減らすためのコツをいくつか紹介します。まず、リグの着底をしっかり感じ取ることが重要です。着底が分からずに放置すると、知らぬ間に障害物に引っかかってしまうことがあります。 また、ボトムにコンタクトする時間を短くする意識を持つことも大切です。
リフト&フォールでルアーが底から離れている時間を長くしたり、スイミングで中層を狙うのも有効な方法です。 もし根掛かりしてしまった場合は、すぐに強く引っ張らず、軽くテンションを抜いてみたり、ロッドで軽くシェイクしてみたり、引っ張る角度を変えてみたりすることで、回収できる確率が高まります。
根魚玉と組み合わせたい!おすすめワームの種類と選び方

根魚玉は様々なワームと組み合わせることで、その性能をさらに引き出すことができます。ここでは、特におすすめのワームと選び方について解説します。
根魚玉との相性抜群!定番ワームを紹介
根魚玉はオフセットフックを使用するため、ロックフィッシュ用にリリースされているワームであれば、基本的にどんなものでも組み合わせが可能です。 中でも、一誠の海太郎シリーズから出ているワームは、根魚玉との相性が抜群です。例えば、「キャラメルシャッド」は、シャッドテールが力強い波動を生み出し、広範囲の魚にアピールします。
「ジャコバグ」は、甲殻類を模したデザインで、特にカサゴやソイといった底に潜む根魚に効果的です。 また、「うまはたグラブ」も実績の高いワームとして知られています。 これらのワームは、根魚玉の根掛かり回避性能と相まって、より多くのバイトを引き出すことに繋がります。
シチュエーション別ワームの使い分け
ワームは、その形状やカラーによってアピール力が異なります。状況に応じて使い分けることで、釣果をさらに高めることができます。例えば、活性が高い魚を広範囲から引き寄せたい場合は、シャッドテール系のワームが有効です。 一方、魚の活性が低い時や、ピンポイントでじっくり誘いたい時には、グラブ系やホッグ系といった甲殻類を模したワームが効果を発揮します。
また、水の色や天候に合わせてカラーを選ぶことも大切です。澄んだ水質ではナチュラルカラー、濁った水質ではアピール力の高いチャート系やオレンジ系が有効な場合があります。様々なワームを試して、その日の状況に合った最適な組み合わせを見つけることが、釣果を伸ばすコツです。
根魚玉に関するよくある質問

- 根魚玉のデメリットはありますか?
- 根魚玉はどんな場所で使うのがおすすめですか?
- 根魚玉以外におすすめのジグヘッドはありますか?
- 根魚玉のフックが折れたり曲がったりすることはありますか?
- 根魚玉はソルトウォーター専用ですか?
根魚玉のデメリットはありますか?
根魚玉は根掛かり回避性能に優れていますが、デメリットもいくつかあります。例えば、スプリットリングを介してフックが接続されているため、フックの選択肢が限られる場合があります。 また、フック交換の際に、縦アイ構造のオフセットフックが市場に少ないため、入手しにくいと感じることもあるかもしれません。 しかし、これらの点は、根掛かりのストレスを大幅に軽減できるメリットと比べると、些細なものだと言えるでしょう。
根魚玉はどんな場所で使うのがおすすめですか?
根魚玉は、その根掛かり回避性能から、テトラ帯、岩礁帯、藻場、ゴロタ場といった、根掛かりしやすい場所での使用が特におすすめです。 こうした場所には多くの根魚が潜んでいるため、根掛かりを恐れずに積極的に攻めることで、釣果を大きく伸ばすことができます。また、水深のある場所や潮の流れが速い場所でも、重めの根魚玉を選べば対応可能です。
根魚玉以外におすすめのジグヘッドはありますか?
根魚玉以外にも、ロックフィッシュゲームで人気のジグヘッドは多数存在します。例えば、メジャークラフトの「ジグパラヘッド」や、がまかつの「レンジスイマー」、オーナーばりの「ロックンベイト」、ダイワの「月下美人ジグヘッド」などが挙げられます。これらのジグヘッドもそれぞれ特徴があり、状況やアングラーの好みに合わせて使い分けることで、様々なアプローチが可能です。
また、一誠からは「スイミング根魚玉」や「根魚玉スピン」といった派生モデルも出ており、スイミングやフラッシングに特化した釣りに対応できます。
根魚玉のフックが折れたり曲がったりすることはありますか?
根魚玉に標準装備されているフックは、刺さり抜群のカルティバ製マルチオフセットフックであり、十分な強度を持っています。 しかし、大型の魚との強引なやり取りや、根掛かりを無理に外そうとした場合など、状況によってはフックが折れたり曲がったりする可能性はあります。特に、スイミング根魚玉のフックは、PE1.5号~2号程度のタックルで根掛かった際に強く引っ張ると、針を少し伸ばして回収できる確率が高いという情報もあります。
フックの状態は釣果に直結するため、釣行前や釣行中に定期的に確認し、必要であれば交換することをおすすめします。
根魚玉はソルトウォーター専用ですか?
根魚玉は、一誠の「海太郎」シリーズとしてリリースされており、主にソルトウォーター(海水)でのロックフィッシュゲームを想定して開発されています。 しかし、その根掛かり回避性能の高さから、バス釣り用にマットブラック塗装を施した「根魚玉ブラック」も存在します。 これは、バスフィッシングにおいても、カバーやストラクチャーを攻める際に根掛かりを減らす目的で使用されます。
そのため、基本的にはソルトウォーターでの使用がメインですが、バスフィッシングにも応用できる汎用性も持ち合わせています。
まとめ
- 根魚玉は一誠の海太郎シリーズから販売されているロックフィッシュ専用ジグヘッド。
- 最大の強みは独特のヘッド形状とフック構造による高い根掛かり回避性能。
- ヘッド下面のフラット形状がボトムでの安定性を高め、根掛かりを防ぐ。
- スプリットリング接続によりワームが自然に動き、魚へのアピール力が高い。
- カサゴ、アイナメ、ハタ類など幅広い根魚がターゲット。
- ヒラメ、マゴチ、シーバスなどにも有効な汎用性がある。
- 2gから45gまで豊富な重さのラインナップがあり、状況に応じた選択が可能。
- フックは刺さり抜群のカルティバ製マルチオフセットフックを標準装備。
- 基本的な使い方はリフト&フォールとズル引き。
- 根掛かりを減らすには着底感知とボトムコンタクト時間の調整がコツ。
- 一誠のキャラメルシャッドやジャコバグなどとの相性が良い。
- ワームは活性や水質に合わせて形状やカラーを使い分けるのが効果的。
- フック交換の際は縦アイ構造のオフセットフックを選ぶ必要がある。
- テトラ帯や岩礁帯など根掛かりしやすい場所で特に真価を発揮する。
- 「スイミング根魚玉」や「根魚玉スピン」といった派生モデルも存在する。
- ソルトウォーターでの使用がメインだが、バス釣りにも応用可能。
