寒い夜、足元が冷えてなかなか寝付けない時、つい靴下を履いて寝てしまう方は多いのではないでしょうか。しかし、「靴下を履いて寝ると風邪をひく」「体に良くない」といった話も耳にし、本当に良いのか悪いのか迷ってしまいますよね。
本記事では、靴下を履いて寝ることの真偽から、そのメリットとデメリット、そして快適な睡眠のための正しい靴下の選び方や、靴下以外で足元を温める方法まで、詳しく解説します。あなたの睡眠の質を高めるための参考にしてください。
靴下を履いて寝ると風邪をひくって本当?その真偽を解説

「靴下を履いて寝ると風邪をひく」という話を聞いたことがあるかもしれません。しかし、この説には誤解が含まれていることが多いです。風邪の主な原因はウイルス感染であり、靴下を履くこと自体が直接的な風邪の原因になるわけではありません。
ただし、靴下の使い方によっては、体温調節のバランスを崩し、結果的に風邪を引きやすい状態を作ってしまう可能性はあります。
体温調節と睡眠の質
人間は眠りにつく際、体の中心部の温度である「深部体温」を下げ、手足の皮膚温度を上げることで熱を放出し、スムーズに眠りに入ります。
靴下を履いて寝ると、足元が温まり寝つきが良くなるというメリットがある一方で、熱がこもりすぎてしまうと、この自然な熱放出が妨げられることがあります。 深部体温がうまく下がらないと、睡眠の質が低下し、免疫力が落ちる原因となる可能性も考えられます。
風邪の原因は靴下ではない
風邪は、主にウイルスが鼻や喉などの上気道に感染することで発症します。 靴下を履くこと自体がウイルス感染を引き起こすわけではありません。
しかし、睡眠の質が低下したり、足が蒸れて不衛生な状態が続いたりすると、体の抵抗力が弱まり、結果的にウイルスに感染しやすくなる可能性は否定できません。 したがって、靴下を履くことと風邪の直接的な因果関係はないものの、間接的な影響は考慮すべきでしょう。
靴下を履いて寝ることで得られるメリット

足元が冷えて眠れない方にとって、靴下を履いて寝ることはいくつかのメリットをもたらします。特に冷え性の方にとっては、快適な睡眠への第一歩となることもあります。
ここでは、靴下を履いて寝ることで期待できる良い点について詳しく見ていきましょう。
足元が温まり寝つきが良くなる
足先が冷えていると、なかなか寝付けない経験はありませんか。 人は手足の皮膚温度が上昇し、そこから熱を放出することで深部体温が下がり、眠気が誘発されます。 冷たい足先は血管が収縮し、この熱放出がうまくいかなくなるため、入眠が妨げられがちです。
靴下を履くことで足元が温まり、血行が促進されると、スムーズな熱放出が促され、結果として寝つきが良くなる効果が期待できます。
冷え性対策として有効
特に女性に多い冷え性の方にとって、就寝時の足元の冷えは深刻な悩みです。 靴下は、足元を物理的に温めることで、冷えからくる不快感を和らげる有効な手段となります。
ただし、締め付けの強い靴下はかえって血行を妨げる可能性があるので、ゆったりとした素材やデザインを選ぶことが大切です。
リラックス効果で質の高い睡眠へ
足元が温かいと、全身がリラックスしやすくなります。 体が温まり、心地よさを感じることで、心身の緊張がほぐれ、質の高い睡眠へとつながるでしょう。
特に寒い季節には、足元の温かさが安心感を与え、深い眠りをサポートする重要な要素となり得ます。
靴下を履いて寝る際の注意点とデメリット

靴下を履いて寝ることにはメリットがある一方で、いくつかの注意点やデメリットも存在します。これらの点を理解せずに着用を続けると、かえって睡眠の質を下げたり、健康上のトラブルを引き起こしたりする可能性があるので注意が必要です。
ここでは、靴下を履いて寝る際に気をつけたい点について詳しく解説します。
汗をかきやすく蒸れやすい
寝ている間、私たちの足は意外と多くの汗をかきます。靴下を履いていると、この汗が靴下の中にこもり、蒸れやすくなります。 蒸れた状態は不快感を引き起こし、睡眠を妨げる原因となるだけでなく、足の臭いや湿疹などの皮膚トラブルにつながる可能性もあります。
特に、ポリエステルやアクリルなどの化学繊維の靴下は熱がこもりやすく、蒸れやすい傾向があるため、素材選びには注意が必要です。
血行不良を引き起こす可能性
締め付けの強い靴下を履いて寝ると、足首や足の指が圧迫され、血行が悪くなることがあります。 血行が滞ると、足先への温かい血液の供給が妨げられ、かえって足が冷えてしまう「冷えの悪循環」に陥る可能性も考えられます。
また、足指が自由に動かせなくなることで、毛細血管が圧迫され、むくみの原因となることもあります。
体温調節機能の低下
前述の通り、人間は手足から熱を放出して深部体温を下げることで眠りにつきます。 靴下で足元を覆ってしまうと、この自然な熱放散が妨げられ、深部体温がうまく下がらないことがあります。
深部体温が下がらないと、脳が十分に休息できず、睡眠の質が低下する原因となります。 長期的に見ると、体の本来持つ体温調節機能が鈍くなる可能性も指摘されています。
水虫などの皮膚トラブルのリスク
足が蒸れて不衛生な状態が続くと、水虫などの真菌感染症や、その他の皮膚トラブルのリスクが高まります。 特に、汗をかきやすい方や、通気性の悪い靴下を着用している方は注意が必要です。
清潔を保つためにも、吸湿性・放湿性に優れた素材を選び、毎日洗濯することが大切です。
快適な睡眠のための寝る時用靴下の選び方

足元の冷えが気になり、どうしても靴下を履いて寝たいという方もいるでしょう。その場合、選び方を間違えるとデメリットが大きくなってしまうため、快適な睡眠を妨げないための靴下選びが重要です。
ここでは、寝る時に適した靴下の選び方について解説します。
素材選びのコツ(吸湿性・放湿性・通気性)
寝ている間に汗をかいても、その汗をしっかり吸い取り、外に逃がしてくれる素材を選ぶことが大切です。 吸湿性・放湿性・通気性に優れた素材として、以下のようなものが挙げられます。
- シルク(絹): 人間の肌に近い天然繊維で、吸湿性・放湿性・保温性に優れています。 蒸れにくく、肌触りも滑らかで快適です。
- 綿(コットン): 吸湿性が高く、肌に優しい素材です。通気性の良い薄手の綿素材がおすすめです。
- ウール: 保温性が高く、吸湿性にも優れています。ただし、チクチク感が気になる場合は避けた方が良いでしょう。
ポリエステルやアクリルなどの化学繊維は、熱がこもりやすく蒸れやすいため、就寝時の着用は避けるのが無難です。
締め付けないゆったりとしたデザイン
血行不良を防ぐためにも、足首や足の指を締め付けない、ゆったりとしたデザインの靴下を選びましょう。 ゴムの跡が残らないくらいの、緩やかなフィット感が理想です。
就寝中に自然と脱げてしまうくらいの緩さでも問題ありません。足指が自由に動かせることで、血行が妨げられにくくなります。
5本指ソックスやレッグウォーマーも選択肢に
足指の間の汗や蒸れが気になる方には、5本指ソックスもおすすめです。足指が独立することで、汗を吸収しやすくなり、蒸れを軽減する効果が期待できます。
また、足首を温めつつ、足裏からの熱放散を妨げないレッグウォーマーも良い選択肢です。 締め付けが緩いものを選び、足首をしっかり温めることで、全身の血行促進にもつながります。
靴下以外で足元を温める効果的な方法

靴下を履いて寝ることに抵抗がある方や、より効果的に足元を温めたい方のために、靴下以外にも様々な方法があります。これらの方法を試すことで、足元の冷えを解消し、快適な睡眠を手に入れることができるでしょう。
ここでは、靴下以外で足元を温める効果的な方法を紹介します。
就寝前の足湯や入浴
就寝前にゆっくりと湯船に浸かったり、足湯をしたりすることは、足元だけでなく全身を温めるのに非常に効果的です。 体が温まることで血行が促進され、手足の末端まで温かい血液が巡りやすくなります。
特に足湯は、手軽に実践でき、リラックス効果も高いためおすすめです。38~40度くらいのぬるめのお湯に15分程度浸かるのが良いでしょう。
湯たんぽや電気毛布の活用
布団に入る前に湯たんぽや電気毛布で足元を温めておくのも良い方法です。 布団の中がじんわりと温かくなることで、冷たい足先がすぐに温まり、スムーズな入眠をサポートします。
ただし、低温やけどのリスクがあるため、湯たんぽは直接肌に触れないようにタオルで包む、電気毛布は寝る前に電源を切るなど、使用方法には十分注意してください。
寝具やパジャマの工夫
寝具やパジャマの素材を見直すことも、足元の冷え対策につながります。保温性の高い羽毛布団や、吸湿発熱素材のシーツなどを活用すると良いでしょう。
パジャマは、吸湿性・放湿性に優れた綿やシルク素材を選び、体を締め付けないゆったりとしたデザインのものがおすすめです。また、足首まで覆う丈の長いパジャマや、レッグウォーマーを併用するのも効果的です。
よくある質問

- 寝る時に靴下を履くと足が臭くなるって本当?
- 赤ちゃんに靴下を履かせて寝かせても大丈夫?
- 寝る時に靴下を履くのは良くないって聞くけどなぜ?
- 冷え性だけど寝る時に靴下を履かない方がいいの?
- 寝る時に靴下を履くのはいつから始めたらいい?
寝る時に靴下を履くと足が臭くなるって本当?
靴下を履いて寝ると、足が蒸れやすくなり、雑菌が繁殖しやすい環境になるため、足の臭いの原因となることがあります。 汗をかきやすい方は特に注意が必要です。通気性の良い素材を選び、毎日清潔な靴下を着用することが大切です。
赤ちゃんに靴下を履かせて寝かせても大丈夫?
基本的に、室温が適切に保たれている場合、赤ちゃんに靴下を履かせて寝かせる必要はありません。 赤ちゃんは手足を使って体温調節をしているため、靴下で覆ってしまうと熱がこもり、体温調節が難しくなる可能性があります。 ただし、極端に寒い場合は、締め付けのない緩やかな靴下やレッグウォーマーを一時的に使用することも検討できます。
寝る時に靴下を履くのは良くないって聞くけどなぜ?
寝る時に靴下を履くのが良くないと言われる主な理由は、体温調節の妨げになることと、血行不良を引き起こす可能性があるためです。 人は手足から熱を放出して深部体温を下げることで眠りにつきますが、靴下で足元を覆うとこの熱放散が妨げられ、睡眠の質が低下する恐れがあります。
冷え性だけど寝る時に靴下を履かない方がいいの?
冷え性で足が冷えて眠れない場合は、一時的に靴下を履いて足元を温めることで、寝つきが良くなるメリットがあります。 しかし、寝入った後は熱がこもりすぎないよう、通気性の良い素材を選んだり、足が温まったら脱いだりする工夫が大切です。 レッグウォーマーや湯たんぽなど、靴下以外の方法も検討してみましょう。
寝る時に靴下を履くのはいつから始めたらいい?
「いつから」という明確な基準はありませんが、足元の冷えを感じて寝つきが悪くなる場合に検討すると良いでしょう。特に寒い季節や、冷え性で悩んでいる方が対象となります。ただし、足が温まったら脱ぐ、締め付けのない素材を選ぶなど、適切な使い方を心がけることが重要です。
まとめ
- 靴下を履いて寝ることが直接風邪の原因になるわけではない。
- 風邪の主な原因はウイルス感染であり、靴下は間接的な影響を与える可能性がある。
- 靴下を履くメリットは、足元が温まり寝つきが良くなること。
- 冷え性対策として有効で、リラックス効果も期待できる。
- デメリットは、汗をかきやすく蒸れること。
- 血行不良や体温調節機能の低下を引き起こす可能性もある。
- 水虫などの皮膚トラブルのリスクも考慮すべきである。
- 寝る時用の靴下は、吸湿性・放湿性・通気性に優れた素材を選ぶ。
- 締め付けないゆったりとしたデザインが理想的である。
- 5本指ソックスやレッグウォーマーも有効な選択肢となる。
- 靴下以外では、就寝前の足湯や入浴が効果的である。
- 湯たんぽや電気毛布で布団を温めるのも良い方法である。
- 寝具やパジャマの素材を工夫することも冷え対策につながる。
- 足が臭くなる原因は蒸れと雑菌の繁殖である。
- 赤ちゃんには基本的に靴下を履かせない方が良い場合が多い。
- 冷え性でも、足が温まったら脱ぐなどの工夫が大切である。
