愛するペットのために、毎日与えるフード選びはとても大切です。インターネットで「ロイヤルカナンはダメ」という言葉を目にして、不安を感じている飼い主さんもいらっしゃるのではないでしょうか。本当にロイヤルカナンは愛犬や愛猫にとって良くないフードなのでしょうか。本記事では、ロイヤルカナンに関する様々な評判や、フード選びで知っておきたい大切なコツを詳しく解説します。
ロイヤルカナンが「ダメ」と言われる主な理由とは?

ロイヤルカナンが一部の飼い主さんから「ダメ」と言われる背景には、いくつかの懸念点があります。これらの声は、主に原材料や添加物に関するものが多く見られます。愛犬や愛猫の健康を願うからこそ、飼い主さんはフードの品質に敏感になるものです。
原材料の品質に対する懸念
ロイヤルカナンの製品には、主原料として米やトウモロコシなどの穀物が使われていることが多く、これが一部の批判の対象となっています。犬や猫は本来肉食動物であり、穀物の消化が得意ではないという意見があるためです。また、動物性タンパク質源の表記が「肉類(鶏、七面鳥など)」と抽象的で、具体的な部位や品質が不明瞭であると感じる飼い主さんもいます。
さらに、副産物(By-products)の使用も、品質への疑問を抱かせる要因となることがあります。
穀物(コーン、小麦など)の使用
多くのロイヤルカナン製品で、コーンや小麦、米といった穀物が主原料として使用されています。穀物は炭水化物源としてエネルギーになりますが、一部の犬や猫では穀物アレルギーの原因となる可能性も指摘されています。 穀物アレルギーがない場合でも、消化器に負担をかけるのではないかと心配する声も聞かれます。しかし、穀物は加熱調理することで消化しやすくなるという見解もあります。
添加物への不安
ロイヤルカナンの一部の製品には、BHA、ソルビン酸カリウム、没食子酸プロピルなどの合成添加物が使用されていることが、飼い主さんの不安を煽る要因となっています。 特にBHAは、一部の動物実験で発がん性が示唆されたことがあるため、「危険な添加物」として認識されることがあります。 しかし、これらの添加物の使用量はペットフード安全法で定められた基準量を下回っており、長期間摂取しても健康に害はないとされています。
また、ロイヤルカナンは2020年以降、BHAの使用を段階的に廃止し、現在はミックストコフェロールやローズマリーエキスといった天然成分の酸化防止剤を主に使用している製品が多いです。
コストパフォーマンスに関する意見
ロイヤルカナンは、他の一般的なペットフードと比較して価格が高めに設定されていると感じる飼い主さんも少なくありません。 高価であるにもかかわらず、主原料が穀物であることや、合成添加物の使用が指摘されることから、「コストに見合わない」という意見が出ることがあります。しかし、ロイヤルカナンは消化吸収率が高いフードであり、少量でも必要な栄養を摂取できるため、1日あたりのコストで考えると、必ずしも割高ではないという考え方もあります。
ロイヤルカナンのメリットも知っておこう

「ロイヤルカナンはダメ」という声がある一方で、多くの獣医師や飼い主から支持され続けている理由も確かに存在します。そのメリットを知ることで、より客観的にフードを評価できるでしょう。ロイヤルカナンが長年にわたり信頼されている背景には、科学に基づいた製品開発と、ペットの健康を第一に考えた取り組みがあります。
獣医師推奨の療法食としての実績
ロイヤルカナンの最大の強みの一つは、特定の疾患を持つ犬や猫のために開発された「療法食」の分野で高い実績と信頼を得ていることです。 腎臓病、消化器疾患、皮膚疾患、尿路疾患、アレルギーなど、様々な健康問題に対応した療法食が豊富に揃っており、世界中の獣医師がこれらの製品を推奨しています。 療法食は、病気の進行を遅らせたり、症状を緩和したりするために、特定の栄養バランスで設計されており、獣医療現場では欠かせない存在です。
犬種・猫種別、ライフステージ別の豊富なラインナップ
ロイヤルカナンは、犬種別、猫種別、年齢別(子犬・子猫、成犬・成猫、シニア)、避妊・去勢後など、非常に細かくペットのニーズに合わせたフードを開発しています。 例えば、特定の犬種が抱えやすい健康問題に配慮した栄養設計や、それぞれの犬種の顎の形に合わせた粒のサイズや形(キブル)にこだわることで、食べやすさや消化吸収をサポートしています。
この豊富なラインナップは、個々のペットに最適なフードを見つけやすいという大きなメリットです。
高い嗜好性と食いつきの良さ
「いくら栄養バランスが良くても、食べてくれなければ意味がない」と考える飼い主さんは多いでしょう。ロイヤルカナンは、多くのペットが喜んで食べる「食いつきの良さ」で高い評価を得ています。 これは、独自の香りコーティング技術や、ペットが食べやすいように工夫された粒の形状など、嗜好性を高めるための研究開発に力を入れている結果です。
偏食気味のペットでも食べてくれたという声も多く、食欲不振のペットの栄養摂取を助ける役割も果たしています。
愛犬・愛猫に最適なフードを選ぶためのコツ

愛犬や愛猫にとって本当に良いフードを選ぶためには、単に「良い」「悪い」という評判に流されるのではなく、いくつかの大切なコツを押さえることが重要です。ペットの健康状態や個性を考慮し、賢くフードを選びましょう。
原材料表示をしっかり確認する
フードを選ぶ際は、パッケージに記載されている原材料表示を必ず確認しましょう。原材料は使用量の多い順に記載されているため、最初に何が書かれているかが重要です。肉や魚などの動物性タンパク質が上位に記載されているフードは、犬や猫の本来の食性に合っていると考えられます。 また、「肉類」といった曖昧な表記ではなく、「鶏肉」「サーモン」のように具体的な種類が明記されているかどうかもチェックするポイントです。
ペットの体質やアレルギーを考慮する
すべてのペットに合う万能なフードは存在しません。愛犬や愛猫の体質、年齢、活動量、そしてアレルギーの有無を考慮してフードを選びましょう。例えば、穀物アレルギーを持つペットにはグレインフリー(穀物不使用)のフードが適しています。 また、皮膚が弱い、お腹を壊しやすいなど、特定の健康上の悩みがある場合は、それに対応した成分が配合されているフードを選ぶことが大切です。
新しいフードを試す際は、少量から始めて体調の変化をよく観察しましょう。
獣医師と相談して決める重要性
ペットの健康状態やフード選びに迷ったときは、必ず獣医師に相談しましょう。獣医師は、ペットの病歴や現在の健康状態を把握しているため、個々のニーズに合った最適なフードを提案してくれます。特に、療法食が必要な場合は、獣医師の指導のもとで選ぶことが不可欠です。 獣医師は、フードに関する豊富な知識と臨床データを持っており、飼い主さんの不安を解消するための助けとなってくれます。
複数のフードを比較検討する
一つの情報源やブランドに囚われず、複数のフードを比較検討する姿勢も大切です。原材料、成分、価格、そして他の飼い主さんの口コミや評判など、様々な情報を集めて総合的に判断しましょう。インターネット上には、プレミアムドッグフードの比較サイトも多数存在します。 実際にサンプルを取り寄せて、愛犬や愛猫の食いつきや便の状態を確認するのも良い方法です。
ロイヤルカナン以外の選択肢!おすすめのプレミアムフード

ロイヤルカナン以外にも、愛犬や愛猫の健康をサポートする高品質なプレミアムフードはたくさんあります。もしロイヤルカナンの原材料や添加物に懸念を感じる場合や、愛犬・愛猫に合わないと感じる場合は、これらの選択肢を検討してみるのも良いでしょう。それぞれのフードが持つ特徴を理解し、愛するペットにぴったりのものを見つけてください。
グレインフリーフードの選択肢
穀物アレルギーを持つペットや、消化器への負担を減らしたいと考える飼い主さんには、グレインフリー(穀物不使用)のフードがおすすめです。 グレインフリーフードは、主原料に肉や魚などの動物性タンパク質を多く使用しており、犬や猫の本来の食性に近い栄養バランスを目指しています。 代表的なブランドとしては、オリジン、アカナ、モグワン、ウェルネスコア、ジウィピークなどがあります。
これらのフードは、消化吸収が良く、アレルギー対策としても効果が期待できます。
高品質な動物性タンパク質を重視したフード
犬や猫にとって、良質な動物性タンパク質は筋肉や被毛、内臓の健康を維持するために不可欠です。主原料に新鮮な肉や魚を豊富に使用し、その品質にもこだわっているフードを選ぶことは、ペットの健康を考える上で非常に重要です。ヒューマングレード(人間が食べられる品質)の原材料を使用していることを明記しているブランドもあります。
例えば、カナガンやモグワンは、高品質なチキンやサーモンを主原料としており、高い嗜好性も特徴です。
無添加・自然素材にこだわったフード
合成保存料、着色料、香料などの人工添加物を避けたいと考える飼い主さんには、無添加や自然素材にこだわって作られたフードが適しています。 これらのフードは、ハーブやフルーツなどの自然由来の成分で酸化防止や風味付けを行っていることが多いです。 例えば、「このこのごはん」や「UMAKA(うまか)」といった国産ブランドは、人間も食べられる品質の原材料を使用し、添加物にも配慮していることで知られています。
自然に近い形で栄養を摂取させたい場合に検討する価値があります。
よくある質問

ロイヤルカナンに関する疑問や不安は尽きないものです。ここでは、飼い主さんからよく寄せられる質問にお答えします。
ロイヤルカナンは獣医さんがおすすめしないって本当?
いいえ、そのようなことはありません。多くの獣医師は、特定の疾患を持つペットのための「療法食」としてロイヤルカナンを推奨しています。 ロイヤルカナンは、長年の研究と豊富な臨床データに基づいて製品を開発しており、その栄養学的な信頼性は獣医療現場で高く評価されています。 ただし、健康なペットに対しては、獣医師も様々な選択肢の中から最適なフードを提案することがあります。
ロイヤルカナンでアレルギーが出やすいって聞くけど?
ロイヤルカナンに限らず、どのフードでも特定の原材料にアレルギーを持つペットには症状が出る可能性があります。ロイヤルカナンの一部製品に多く含まれる穀物(米、コーンなど)や、特定の動物性タンパク質が、アレルギーの原因となるケースも報告されています。 もし愛犬や愛猫にアレルギー症状が見られる場合は、速やかに獣医師に相談し、アレルゲンを特定して、それに合わないフードへの切り替えを検討しましょう。
ロイヤルカナンから他のフードに切り替える方法は?
急にフードを切り替えると、ペットがお腹を壊したり、食べなくなったりすることがあります。 そこで、現在与えているフードに新しいフードを少量ずつ混ぜ始め、7〜10日間かけて徐々に新しいフードの割合を増やしていく方法がおすすめです。 このように段階的に切り替えることで、ペットの消化器への負担を減らし、スムーズに新しいフードに慣れさせることができます。
子犬・子猫にロイヤルカナンを与えても大丈夫?
はい、ロイヤルカナンには子犬・子猫の成長段階に合わせた専用のフードが豊富に用意されています。 子犬・子猫の健やかな成長に必要な栄養素がバランス良く配合されており、獣医師の指導のもとで与える分には問題ありません。ただし、個体差があるため、子犬・子猫の体調や便の状態をよく観察し、何か異変があれば獣医師に相談することが大切です。
まとめ
- ロイヤルカナンが「ダメ」と言われる主な理由は、原材料の穀物使用や一部の合成添加物に対する懸念です。
- 過去に発がん性が示唆されたBHAの使用が指摘されていましたが、現在は天然由来の酸化防止剤への切り替えが進んでいます。
- ロイヤルカナンの大きなメリットは、獣医師推奨の療法食としての実績と、犬種・猫種別、ライフステージ別の豊富なラインナップです。
- 高い嗜好性も特徴で、食いつきが良いと多くの飼い主さんから評価されています。
- 愛犬・愛猫に最適なフードを選ぶには、原材料表示の確認、体質やアレルギーの考慮が重要です。
- 獣医師との相談は、フード選びの重要なコツであり、特に療法食の場合は必須です。
- ロイヤルカナン以外の選択肢として、グレインフリーや高品質な動物性タンパク質を重視したフードも多数存在します。
- 無添加や自然素材にこだわったプレミアムフードも、選択肢の一つとして検討する価値があります。
- フードの切り替えは、7〜10日間かけて徐々に混ぜていく方法がペットの負担を減らすためにおすすめです。
- 子犬・子猫には、それぞれの成長段階に合わせたロイヤルカナンの専用フードを与えることができます。
- 「ダメ」という一言で判断せず、多角的な視点から情報を集め、愛するペットに合ったフードを選ぶことが大切です。
- ペットの健康状態やライフスタイルに合わせて、柔軟にフード選びを見直す姿勢が求められます。
- フード選びは、愛犬・愛猫の健康と幸せに直結する大切な決定です。
- インターネット上の情報だけでなく、専門家である獣医師の意見も参考にしましょう。
- 最終的には、愛犬・愛猫が喜んで食べ、健康を維持できるフードが「良いフード」と言えるでしょう。