寝転がると鼻が詰まってしまい、寝苦しい夜を過ごしていませんか?日中は気にならなくても、横になった途端に鼻が詰まり、呼吸がしづらくなるのは本当につらいものです。睡眠の質が低下すると、日中の集中力や体調にも悪影響を及ぼしかねません。
本記事では、寝転がると鼻が詰まる主な原因から、今すぐ試せる解消法、そして根本的な対策までを詳しく解説します。あなたの悩みを解決し、快適な睡眠を取り戻すための一助となれば幸いです。
寝転がると鼻が詰まるのはなぜ?主な原因を理解しよう

寝転がると鼻が詰まる現象は、多くの人が経験する一般的な悩みです。この不快な症状には、いくつかの明確な原因が考えられます。原因を理解することで、適切な対策を見つける第一歩となるでしょう。
自律神経の乱れと血流の変化
私たちは、活動時に優位になる交感神経と、リラックス時に優位になる副交感神経という2つの自律神経によって体の状態を調節しています。夜になり、体が休息モードに入ると副交感神経が優位になります。このとき、鼻の粘膜にある血管が拡張し、血流が増加することで粘膜が腫れやすくなるのです。その結果、鼻腔が狭くなり、鼻詰まりを感じやすくなります。
横になると、頭部に血液が集まりやすくなるため、さらに鼻粘膜のむくみが増して呼吸がしづらくなることがあります。
また、冷たい空気に触れることでも副交感神経が刺激され、鼻水や鼻詰まりを引き起こすことがあります。 特に冬場やエアコンの効いた部屋では、室温の低さが鼻詰まりを悪化させる要因となりやすいでしょう。
アレルギー性鼻炎
花粉やハウスダスト、ダニ、ペットの毛などのアレルゲンに体が反応することで起こるのがアレルギー性鼻炎です。これらのアレルゲンが鼻の粘膜に触れると、炎症が起こり、粘膜が腫れて鼻水が過剰に分泌されます。 寝具にはダニやハウスダストが潜みやすいため、就寝中にアレルゲンにさらされる機会が増え、症状が悪化することが少なくありません。
アレルギー性鼻炎は、くしゃみや透明な鼻水だけでなく、鼻詰まりも引き起こす代表的な原因の一つです。
副鼻腔炎(蓄膿症)
副鼻腔炎は、鼻の奥にある副鼻腔に炎症が起こり、膿や粘液がたまる病気です。 この膿や粘液が鼻腔に流れ出てくることで、鼻の通りが悪くなり、鼻詰まりが生じます。 急性の場合は頭痛や顔面痛を伴うこともありますが、慢性化すると鼻詰まりが長期間続くことがあります。 特に、粘り気のある黄色や緑色の鼻水が出る場合は、副鼻腔炎の可能性が高いでしょう。
鼻の構造的な問題
鼻の内部の構造に問題がある場合も、鼻詰まりの原因となります。例えば、鼻中隔湾曲症は、鼻の穴を左右に隔てる壁である鼻中隔が曲がっている状態を指します。 これにより、片側の鼻腔が狭くなり、空気の通りが悪くなることで鼻詰まりが起こりやすくなります。 また、鼻ポリープ(鼻茸)や腫瘍が鼻腔内にできている場合も、空気の通り道を塞いで鼻詰まりを引き起こすことがあります。
これらの構造的な問題は、薬では改善しづらく、症状が重い場合は手術が検討されることもあります。
その他の原因
風邪やインフルエンザなどの感染症によって鼻の粘膜が炎症を起こし、腫れることで鼻詰まりが生じることもあります。 また、妊娠中にホルモンバランスの変化によって鼻粘膜が腫れやすくなる「妊娠性鼻炎」や、点鼻薬の使いすぎによる「薬剤性鼻炎」も鼻詰まりの原因として挙げられます。 逆流性食道炎が原因で、喉の炎症と共に鼻詰まりが悪化するケースも報告されています。
寝転がった時の鼻詰まりを今すぐ解消するコツ

寝転がると鼻が詰まって苦しい時、すぐに試せる対処法を知っていると安心です。ここでは、自宅で手軽に実践できる解消のコツをご紹介します。
寝る姿勢を工夫する
仰向けで寝ていると、鼻の中の粘膜が膨張し、鼻詰まりを感じやすくなります。 上半身を少し高くするだけでも、頭部に集まる血液の量を減らし、鼻粘膜の充血を和らげることができます。枕やクッションを使って、頭を少し高くして寝てみましょう。 また、鼻が詰まっている側を上にして横向きに寝るのも有効です。 下になった側の脇が圧迫されることで、反対側の鼻の通りが良くなることがあります。
ただし、首だけを高くしすぎると血栓症の原因になる可能性もあるため、上半身全体を緩やかに持ち上げるように工夫することが大切です。
蒸しタオルで鼻を温める
鼻に冷たい空気が当たり続けると血行が悪くなり、鼻粘膜が狭くなります。 蒸しタオルで鼻を温めることは、血行を良くし、鼻の通りを改善するのに効果的です。 濡らしたタオルを固く絞り、電子レンジで1分ほど温めれば簡単に蒸しタオルが作れます。 やけどに注意しながら、仰向けに寝た状態で鼻の付け根に乗せてみましょう。
タオルの温かさと蒸気が鼻の中に取り込まれ、鼻の通りが楽になるはずです。
ツボを刺激する
鼻詰まりに効果的とされるツボを刺激するのも、手軽に試せる方法です。小鼻の両脇にある「迎香(げいこう)」や、その少し上にある「上迎香(じょうげいこう)」、眉と眉の中間にある「印堂(いんどう)」などが知られています。 これらのツボを心地よく感じる程度の力で優しく押してみましょう。 ツボ刺激は、血行を促進し、鼻の粘膜の腫れを和らげる効果が期待できます。
脇の下を圧迫する
詰まっている鼻の反対側の脇の下に、水の入ったペットボトルやテニスボールなどを挟んで20秒から30秒ほど力を入れてみましょう。 この方法で、圧迫した脇と反対側の鼻の通りが良くなることがあります。 これは、脇の下を圧迫することで体の反対側にある交感神経が刺激され、鼻の血管が収縮するためと考えられています。
両方の鼻が詰まっている場合は、片方ずつ交互に行うと良いでしょう。
鼻うがいをする
鼻うがいは、鼻の中にたまった鼻水や膿、アレルゲンなどを洗い流すのに有効な方法です。 市販の鼻うがい薬や、ご自身で作った生理食塩水(体液に近い塩分濃度のぬるま湯)を使って、優しく鼻腔内を洗浄します。 「あー」と声を出しながら行うと、水が気管に入りにくくなります。 鼻うがい後は、清潔なティッシュで軽く鼻をかみ、残った水分を取り除きましょう。
市販薬を活用する
すぐに鼻詰まりを解消したい場合は、市販薬を使うことも一つの選択肢です。 血管収縮剤を含む点鼻薬は、鼻粘膜の血管を収縮させて腫れや充血を抑え、一時的に鼻の通りを良くする即効性があります。 ただし、使いすぎるとかえって鼻詰まりが悪化する「薬剤性鼻炎」を引き起こす可能性があるため、用法・用量を守って使用することが重要です。
アレルギー性鼻炎による鼻詰まりには、抗ヒスタミン成分を含む内服薬や点鼻薬も有効です。
寝転がると鼻が詰まる状態を根本的に解決するための対策

一時的な解消法だけでなく、寝転がると鼻が詰まる状態を根本的に解決するためには、日頃からの対策や生活習慣の見直しが重要です。ここでは、長期的な視点での対策をご紹介します。
寝室環境を整える
寝室の環境は、鼻詰まりに大きく影響します。特に乾燥は鼻の粘膜を刺激し、鼻詰まりを悪化させる原因となります。 加湿器などを使って、室内の湿度を40~60%程度に保つようにしましょう。 また、寝具に潜むダニやハウスダストはアレルギー性鼻炎の大きな原因となるため、定期的な掃除や洗濯、布団乾燥機の使用などで清潔に保つことが大切です。
空気清浄機を導入して、室内のアレルゲンを減らすのも有効な方法です。
生活習慣を見直す
健康的な生活習慣は、鼻詰まりの改善にもつながります。体を温めることは血行を促進し、鼻の通りを良くする効果が期待できます。 入浴で体を温めたり、首元を冷やさないようにしたりする工夫も有効です。 また、適度な運動は交感神経を活発にし、血行を改善することで鼻詰まりの解消に役立ちます。 ただし、口呼吸にならない程度の負荷で行い、鼻呼吸を意識することが大切です。
飲酒は血管を拡張させ、鼻粘膜の腫れを悪化させる可能性があるため、就寝前の飲酒は控えることをおすすめします。 バランスの取れた食事や十分な睡眠も、体の免疫力を高め、鼻の症状を和らげる上で欠かせません。
医療機関での治療を検討する
自宅でのセルフケアや生活習慣の改善でも鼻詰まりが良くならない場合や、症状が長引く場合は、医療機関を受診することが大切です。 鼻詰まりの原因は多岐にわたるため、専門医による正確な診断と適切な治療が必要です。 耳鼻咽喉科では、鼻詰まりの原因に応じた薬の処方(抗ヒスタミン薬、ステロイド点鼻薬など)や、鼻洗浄、ネブライザー治療などが行われます。
鼻中隔湾曲症や鼻ポリープなど、構造的な問題が原因の場合は、手術による根本的な治療が検討されることもあります。
特に、片方の鼻だけが長期間詰まる、粘り気のある鼻水や頭痛を伴う、いびきがひどいなどの症状がある場合は、早めに耳鼻咽喉科を受診しましょう。
よくある質問

- 寝ると鼻が詰まる原因は?
- 寝ると片方の鼻だけ詰まるのはなぜ?
- 鼻詰まりをすぐに治す方法は?
- 寝る時の鼻詰まりを解消するには?
- 鼻詰まりで寝れない時はどうすればいい?
- 鼻詰まりは自力で治せる?
- 鼻詰まりは何科に行けばいい?
- 鼻詰まりを放置するとどうなる?
寝ると鼻が詰まる原因は?
寝ると鼻が詰まる主な原因は、副交感神経が優位になることで鼻の粘膜の血管が拡張し、粘膜が腫れるためです。横になることで頭部に血液が集まりやすくなることも、鼻詰まりを悪化させる要因となります。
寝ると片方の鼻だけ詰まるのはなぜ?
片方の鼻だけが詰まる場合、鼻中隔湾曲症(鼻の仕切りが曲がっている状態)や、片側の鼻腔にポリープや腫瘍がある可能性が考えられます。 また、自律神経の働きで左右の鼻の通りが数時間おきに入れ替わる生理的な現象もありますが、常に同じ側が詰まる場合は注意が必要です。
鼻詰まりをすぐに治す方法は?
すぐに鼻詰まりを治したい場合は、蒸しタオルで鼻を温める、脇の下を圧迫する、ツボを刺激する、寝る姿勢を工夫する(上半身を高くする、詰まっている側を上にして横向きに寝る)などの方法が有効です。
寝る時の鼻詰まりを解消するには?
寝る時の鼻詰まりを解消するには、寝室の湿度を適切に保つ(40~60%)、寝具を清潔にする、就寝前の飲酒を控える、上半身を少し高くして寝る、蒸しタオルで鼻を温める、鼻うがいをするなどの方法が役立ちます。
鼻詰まりで寝れない時はどうすればいい?
鼻詰まりで寝れない時は、無理に我慢せず、鼻洗浄(鼻うがい)で鼻の中をきれいにしたり、市販の点鼻薬を適切に使用したりすることを検討しましょう。 また、体を温めたり、寝る姿勢を工夫したりするのも有効です。 症状が続く場合は、早めに耳鼻咽喉科を受診してください。
鼻詰まりは自力で治せる?
風邪などによる一時的な鼻詰まりであれば、蒸しタオルや鼻うがい、ツボ押しなどのセルフケアで改善することが多いです。 しかし、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎、鼻の構造的な問題が原因の場合は、自力での完治は難しく、医療機関での治療が必要となることがあります。
鼻詰まりは何科に行けばいい?
鼻詰まりの症状がある場合は、耳鼻咽喉科を受診するのが適切です。 専門医が正確な診断を行い、原因に応じた適切な治療を提案してくれます。
鼻詰まりを放置するとどうなる?
鼻詰まりを放置すると、口呼吸が増え、喉の乾燥や痛み、いびきの悪化、睡眠の質の低下につながります。 睡眠不足は日中の集中力低下や倦怠感を引き起こし、仕事や学業に支障をきたすこともあります。 また、慢性的な鼻詰まりは副鼻腔炎のリスクを高める可能性もあります。
まとめ
- 寝転がると鼻が詰まるのは自律神経や血流の変化が主な原因です。
- アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎も鼻詰まりの大きな要因となります。
- 鼻中隔湾曲症など鼻の構造的な問題も考えられます。
- 寝る姿勢の工夫で鼻詰まりが和らぐことがあります。
- 蒸しタオルで鼻を温めると血行が良くなり楽になります。
- ツボ押しや脇の下の圧迫も即効性のある解消法です。
- 鼻うがいは鼻の中を清潔にし、アレルゲンを洗い流します。
- 市販薬は一時的な症状緩和に役立ちますが、使いすぎに注意が必要です。
- 寝室の湿度を適切に保ち、寝具を清潔に保つことが大切です。
- 体を温めることや適度な運動も鼻詰まり対策になります。
- 就寝前の飲酒は鼻詰まりを悪化させる可能性があるため控えましょう。
- 症状が続く場合は耳鼻咽喉科を受診することが重要です。
- 鼻詰まりを放置すると睡眠の質や日中の活動に悪影響が出ます。
- 片方の鼻だけ詰まる場合は鼻中隔湾曲症の可能性もあります。
- 専門医による診断と治療で根本的な解決を目指しましょう。
