大切な方を亡くされた際、悲しみの中で迎える年末年始は、普段とは異なる対応が求められます。特に年賀状については、「どうすれば良いのだろう」と悩む方も多いのではないでしょうか。本記事では、忌引き中の年賀状に関する疑問を解決し、喪中期間のマナーや適切な対処法を詳しく解説します。
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忌引き中の年賀状、どうすればいい？基本的な考え方
身内に不幸があった際、年賀状をどうすべきか迷うのは当然のことです。まずは、忌引きと喪中の違いを理解し、年賀状に関する基本的なマナーを押さえることが大切になります。
喪中と忌引きの違いを理解しよう
「忌引き」と「喪中」は、どちらも身内の不幸に関連する言葉ですが、それぞれ意味合いが異なります。忌引きとは、親族が亡くなった際に、葬儀の準備や手続きのために取得する休暇のことです。会社や学校の福利厚生として定められており、故人との続柄によって日数が変わるのが一般的です。
一方、「喪中」は、故人を偲び、お祝い事を控えて身を慎む期間を指します。 一般的には、故人が亡くなってから一周忌（翌年の同月同日）までが喪中期間とされています。 この期間は、故人の冥福を祈り、華やかな行事や社交的な活動を避けるのがマナーです。
喪中期間は年賀状を控えるのがマナー
喪中期間中は、新年の挨拶である年賀状を控えるのが一般的なマナーです。 これは、故人を悼み、お祝いの言葉を交わすことを避けるという考え方に基づいています。 喪中に年賀状のやり取りを控えることを伝えるために、「喪中ハガキ（年賀欠礼状）」を送るのが習わしです。
ただし、喪中ハガキは「年賀状を送らないでください」という意味合いではなく、あくまで「こちらから新年の挨拶ができません」ということを伝えるものです。 相手方が喪中であることを知らずに年賀状を送ってきても、受け取ることに問題はありません。
喪中ハガキの送り方と注意点
喪中期間に年賀状を控える場合、喪中ハガキを送るのが一般的な対応です。しかし、いつまでに誰に送るべきか、どのような内容で書けば良いのかなど、迷う点も多いでしょう。ここでは、喪中ハガキの送り方と注意点について詳しく解説します。
喪中ハガキを送るべき範囲と時期
喪中ハガキを送る対象は、基本的に毎年年賀状のやり取りをしている方です。 故人との関係性でいえば、一般的に2親等以内の親族が亡くなった場合に喪中ハガキを出すとされています。 ただし、同居していたなど関係が深かった場合は、3～4親等の方でも喪中とすることもあります。 また、故人が生前年賀状をやり取りしていた相手にも送るのが丁寧な対応です。
喪中ハガキを送る時期は、相手が年賀状の準備を始める前に届くように、11月中旬から12月初旬までがマナーとされています。 遅くとも12月上旬までには投函できるよう準備を進めましょう。
喪中ハガキの文例と書き方のコツ
喪中ハガキは、年賀欠礼の挨拶から始め、故人の情報、生前お世話になったことへの感謝、今後のお付き合いのお願い、締めの挨拶、年号・月を記載するのが基本的な構成です。 句読点は使用せず、縦書きで、行頭の一字下げは不要です。 また、「年賀」「おめでとうございます」といったお祝いの言葉は使用しません。 近況報告や個人的な内容は記載せず、簡潔にまとめることが大切です。
以下に一般的な文例を示します。
- 新年のご挨拶を申し上げるべきところではございますが
本年〇月に〇〇（故人の氏名）が永眠いたしましたため
年末年始のご挨拶をご遠慮させていただきます
生前に賜りましたご厚情に深く感謝いたしますとともに
明年も変わらぬご厚誼のほど謹んでお願い申し上げます
寒さ厳しき折柄皆様のご健康を心よりお祈り申し上げます
令和〇年〇月
故人の続柄や亡くなった月、享年（数え年）または行年（満年齢）も記載するとより丁寧です。 夫婦連名で出す場合は、筆頭者から見た続柄を記載します。
喪中ハガキを出すのが遅れてしまったら？
年末に不幸があった場合など、喪中ハガキの準備が間に合わず、12月上旬までに送れなかった場合はどうすれば良いでしょうか。このような時は、松の内（一般的に1月7日まで）が明けてから「寒中見舞い」を出すことで、喪中であったことを伝え、新年の挨拶ができなかったことをお詫びします。
寒中見舞いは、季節の挨拶状であり、お祝いの要素を含まないため、喪中の方へ送っても問題ありません。 寒中見舞いを送る時期は、松の内が明けてから立春（2月4日頃）までが目安です。
喪中に年賀状を受け取ってしまった場合の対応
喪中期間中に、喪中ハガキを送っていない方や、喪中であることを知らずに年賀状を送ってきてしまう方もいるでしょう。年賀状を受け取ること自体はマナー違反ではありませんが、その後の対応には配慮が必要です。
年賀状への返信は寒中見舞いで
喪中に年賀状を受け取った場合、年賀状で返信することは控えます。代わりに、松の内が明けてから「寒中見舞い」を送るのが適切な対応です。 寒中見舞いでは、年賀状をいただいたことへのお礼とともに、自身が喪中であったため新年の挨拶を控えた旨を伝えます。
相手が喪中であることを知らずに年賀状を送ってくれた場合は、喪中の連絡ができなかったことをお詫びする一文を添えると、より丁寧な印象になります。
寒中見舞いの送り方と文例
寒中見舞いは、松の内が明けてから立春（2月4日頃）までに届くように送ります。 喪中の返信として送る寒中見舞いでは、お祝いの言葉は避け、「新年おめでとう」などの挨拶は「年始のご挨拶」などと言い換えるようにしましょう。 句読点は使用しないのが一般的です。
以下に、喪中に年賀状を受け取った場合の寒中見舞いの文例を示します。
- 寒中お見舞い申し上げます
ご丁寧な年賀状をいただきありがとうございました
実は昨年〇月に〇〇（故人の氏名）が永眠いたしましたため
新年のご挨拶を控えさせていただきました
ご連絡が遅れましたこと深くお詫び申し上げます
寒さ厳しき折柄皆様のご健康を心よりお祈り申し上げます
令和〇年〇月
故人を知っている相手には、故人を偲ぶ言葉や、生前の感謝を伝える一文を添えることもできます。
自分が喪中の相手に年賀状を送ってしまったら？
喪中であることを知らずに、相手に年賀状を送ってしまったというケースもあるかもしれません。このような場合でも、慌てずに適切な対応を心がけることが大切です。
慌てず、適切な対応を心がける
もし、年賀状を投函した後に相手が喪中であることを知った場合は、まず電話などで直接お詫びの連絡を入れるのが丁寧な対応です。 「存じ上げず、年賀状を出してしまい申し訳ありません」と伝え、相手の気持ちに寄り添う言葉をかけましょう。
年が明けてから、改めて「寒中見舞い」を送ることで、お悔やみの気持ちを伝えることができます。 寒中見舞いには、年賀状を送ってしまったことへのお詫びと、故人への哀悼の意、そして遺族を気遣う言葉を記します。
また、年内に喪中であることを知った場合は、「喪中見舞い」としてお詫びの言葉を送ることも可能です。 喪中見舞いは、喪中ハガキを受け取ってからなるべく早く、遅くとも年内に届くように送るのが良いとされています。
よくある質問
忌引きや喪中期間の年賀状に関する疑問は多く、個々の状況によって対応に迷うことも少なくありません。ここでは、よくある質問とその回答をまとめました。
- 忌引き中に年賀状を出すのは問題ないですか？
- 喪中ハガキは誰に送るべきですか？
- 喪中ハガキを出す時期はいつまでですか？
- 喪中期間中に結婚式や新年の挨拶に行っても良いですか？
- 喪中ハガキが届いた場合、返信は必要ですか？
忌引き中に年賀状を出すのは問題ないですか？
忌引きは、親族が亡くなった際に取得する休暇を指し、その期間は故人を悼む期間である喪中に含まれます。 したがって、忌引き中に年賀状を出すことは、お祝い事を控えるという喪中のマナーに反するため、控えるべきです。 喪中ハガキを送ることで、新年の挨拶を辞退する旨を周囲に伝えましょう。
喪中ハガキは誰に送るべきですか？
喪中ハガキは、毎年年賀状のやり取りをしている方全員に送るのが基本です。 具体的には、故人から見て2親等以内の親族が亡くなった場合に送ることが多いですが、同居していたなど関係が深かった場合は、3親等以上の親族にも送ることがあります。 また、故人が生前年賀状をやり取りしていた相手にも送ると丁寧です。
仕事関係の方には、法人には喪中という考え方がないため、喪中ハガキは出さずに通常通り年賀状を送ることもありますが、プライベートな付き合いがある場合は送ることもあります。
喪中ハガキを出す時期はいつまでですか？
喪中ハガキは、相手が年賀状の準備を始める前に届くように、11月中旬から12月初旬までに出すのがマナーです。 遅くとも12月上旬までには投函できるよう準備しましょう。 もし12月に入ってから不幸があり、喪中ハガキの準備が間に合わない場合は、松の内が明けてから寒中見舞いを送ることで、喪中であったことを伝えます。
喪中期間中に結婚式や新年の挨拶に行っても良いですか？
喪中期間中は、お祝い事を控えるのが一般的なマナーです。 特に、故人が亡くなってから四十九日までの「忌中」期間は、結婚式などの慶事への出席は見合わせるのが一般的とされています。 忌中を過ぎた喪中期間であれば、結婚式への参加を許容する考え方も増えていますが、最終的には両家の意向や故人との関係性を考慮して判断することが大切です。
新年の挨拶についても、喪中期間中は控えるのが望ましいでしょう。
喪中ハガキが届いた場合、返信は必要ですか？
喪中ハガキへの返信は、基本的に必須ではありません。 しかし、故人や遺族と親しい関係にある場合や、お悔やみの言葉を伝えたい場合は、返信することも可能です。 その際は、年賀状ではなく「寒中見舞い」や「喪中見舞い」として送ります。 寒中見舞いは松の内が明けてから、喪中見舞いは喪中ハガキを受け取ってからなるべく早く、遅くとも年内に送るのが良いでしょう。
まとめ
- 忌引きは葬儀のための休暇、喪中は故人を偲びお祝い事を控える期間です。
- 喪中期間中は年賀状を控えるのがマナーであり、喪中ハガキを送ります。
- 喪中ハガキは、毎年年賀状をやり取りする相手に、11月中旬から12月初旬までに送るのが一般的です。
- 喪中ハガキの文面には、お祝いの言葉や近況報告は含めず、簡潔にまとめます。
- 喪中ハガキを出し忘れた場合や年末に不幸があった場合は、寒中見舞いで対応します。
- 喪中に年賀状を受け取った場合、返信は寒中見舞いで行い、お祝いの言葉は避けます。
- 喪中と知らずに年賀状を送ってしまったら、電話でお詫びし、後日寒中見舞いを送りましょう。
- 忌引き中に年賀状を出すのは控え、喪中ハガキで新年の挨拶を辞退する旨を伝えます。
- 喪中ハガキを送る範囲は、主に2親等以内の親族と、毎年年賀状をやり取りする方です。
- 喪中期間中の結婚式や新年の挨拶は、忌中期間は特に控え、喪中期間も慎重に判断します。
- 喪中ハガキへの返信は必須ではありませんが、お悔やみを伝えたい場合は寒中見舞いや喪中見舞いを送ります。
- 寒中見舞いは松の内明けから立春まで、喪中見舞いは年内に送るのが目安です。
- 喪中ハガキの文面では、句読点を使わず、縦書きで記載するのが一般的です。
- 故人の続柄や亡くなった日付、享年などを記載すると、より丁寧な印象になります。
- 喪中であっても、暑中見舞いや残暑見舞いを送ることはマナー違反ではありません。
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