\ ポイント最大5倍! /

70歳以上被用者とは?社会保険の仕組みと手続きを徹底解説

当ページのリンクには広告が含まれています。
70歳以上被用者とは?社会保険の仕組みと手続きを徹底解説
  • URLをコピーしました!

70歳を超えても意欲的に働き続ける方が増えています。しかし、「70歳以上被用者」という言葉を聞いたことはあっても、具体的にどのような制度なのか、社会保険がどうなるのか、不安や疑問を感じている方もいるのではないでしょうか。

本記事では、70歳以上被用者の定義から、健康保険、厚生年金、雇用保険といった社会保険の取り扱い、そして事業主が行うべき手続きまで、分かりやすく徹底解説します。70歳を超えても安心して働き続けるため、また、高齢の従業員を雇用する事業主の方も、ぜひ参考にしてください。

社会保険出版社
¥4,840 (2025/12/15 23:26時点 | Amazon調べ)
\クリスマスタイムセール祭り開催中!/
Amazon
ナツメ社
¥1,760 (2025/12/15 23:26時点 | Amazon調べ)
\クリスマスタイムセール祭り開催中!/
Amazon
著:川越雄一
¥1,540 (2025/12/15 23:26時点 | Amazon調べ)
\クリスマスタイムセール祭り開催中!/
Amazon
目次

70歳以上被用者とは?基本的な定義と対象者

70歳以上被用者とは?基本的な定義と対象者

「70歳以上被用者」とは、厚生年金保険の適用事業所で働く70歳以上の従業員を指す言葉です。厚生年金保険の加入資格は原則として70歳未満と定められていますが、70歳以降も働き続ける方については、年金受給額の調整(在職老齢年金制度)のために、報酬額を把握する必要があります。

このため、70歳未満の被保険者と同様に社会保険の手続きを行う対象として「70歳以上被用者」と定義されています。

70歳以上被用者の明確な定義

70歳以上被用者に該当するためには、以下の要件を全て満たす必要があります。

  • 年齢が70歳以上であること
  • 厚生年金保険の適用事業所に勤務していること
  • 過去に厚生年金保険の被保険者であった期間があること
  • 厚生年金保険の適用除外要件に該当しないこと(日雇い労働者や短時間労働者でないなど)

これらの要件を満たすことで、厚生年金保険料の支払い義務はなくなりますが、在職老齢年金制度の対象となり、年金受給額に調整が入る可能性があります。

70歳以上で働くことの現状

近年、少子高齢化や平均寿命の延伸に伴い、70歳を超えても働き続ける方が増えています。2021年4月には「改正高年齢者雇用安定法」が施行され、企業に対して65歳までの雇用確保義務に加え、70歳までの就業機会の確保が努力義務となりました。 これは、働く意欲のある高齢者が長く活躍できる社会を目指す国の取り組みの一環です。

企業側も、人手不足の解消や多様な人材の活用といったメリットから、高齢者雇用に積極的に取り組む傾向にあります。


70歳以上被用者の社会保険はどうなる?

70歳以上被用者の社会保険はどうなる?

70歳以上で働く場合、社会保険の取り扱いは年齢によって変化します。特に厚生年金保険と健康保険、雇用保険については、それぞれ異なるルールが適用されるため、しっかりと理解しておくことが大切です。

健康保険・介護保険の取り扱い

健康保険と介護保険については、70歳を過ぎても75歳未満であれば、引き続き被保険者として加入できます。 70歳に到達したからといって、健康保険の資格を喪失するわけではありません。 ただし、70歳から74歳までの間は、医療費の自己負担割合を示す「高齢受給者証」が交付されます。

そして、75歳に到達すると、健康保険の被保険者資格を喪失し、後期高齢者医療制度に移行します。 この際、被扶養者がいる場合は、その被扶養者も健康保険の資格を失うため、国民健康保険などに加入する手続きが必要になります。

厚生年金の取り扱いと在職老齢年金

厚生年金保険は、原則として70歳になる誕生日の前日に被保険者資格を喪失します。 そのため、70歳以降は厚生年金保険料の支払い義務がなくなります。 しかし、70歳以降も厚生年金保険の適用事業所で働き、給与や賞与を受け取っている場合は、「70歳以上被用者」として在職老齢年金制度の対象となります。

在職老齢年金制度とは、老齢厚生年金の月額と給与・賞与の月額(総報酬月額相当額)の合計が一定額(令和6年度は50万円)を超える場合に、年金の一部または全部が支給停止される仕組みです。 70歳以上被用者期間は、年金額の計算には反映されませんが、この支給停止調整のために報酬額を年金事務所に届け出る必要があります。

雇用保険の取り扱い

雇用保険については、2017年の法改正により年齢の上限が撤廃されました。 そのため、70歳以上の労働者でも、以下の要件を満たせば雇用保険に加入できます

  • 1週間の所定労働時間が20時間以上であること
  • 31日以上の雇用見込みがあること

これらの条件を満たせば、新たに70歳以上で雇用される方も、継続して雇用されている方が70歳に達した場合も、雇用保険の加入手続きが必要です。 2020年4月1日からは、64歳以上の高年齢被保険者についても、他の被保険者と同様に雇用保険料の納付が必要となっています。

労災保険の取り扱い

労災保険(労働者災害補償保険)は、労働者が業務上または通勤途中に負傷したり、病気になったり、死亡した場合に保険給付を行う制度です。労災保険には年齢制限がなく、70歳以上の労働者も、雇用形態にかかわらず全員が適用対象となります。保険料は全額事業主が負担するため、労働者自身が手続きを行う必要はありません。

70歳以上被用者に関する事業主が行う手続き

70歳以上被用者に関する事業主が行う手続き

70歳以上の従業員を雇用する場合、事業主はいくつかの社会保険に関する手続きを行う必要があります。これらの手続きは、従業員が70歳に到達した時や、報酬額に変動があった時など、特定のタイミングで発生します。

届出の種類と提出期限

70歳以上被用者に関する主な届出は以下の通りです。

  • 70歳以上被用者該当届:従業員が70歳に到達し、引き続き同一の事業所で働く場合に提出します。以前は「被保険者資格喪失届」と併せて提出していましたが、現在は70歳到達時に標準報酬月額相当額が変更となる場合に提出が必要です。提出期限は、70歳到達日から5日以内です。
  • 被保険者報酬月額算定基礎届:毎年1回、70歳以上被用者の報酬月額を届け出る手続きです。
  • 被保険者報酬月額変更届:固定的賃金に大幅な変動があり、標準報酬月額相当額が2等級以上変動した場合に提出します。
  • 賞与支払届:70歳以上被用者に賞与を支払った場合に提出します。
  • 70歳以上被用者不該当届:70歳以上の従業員が退職したり、厚生年金保険の加入基準を満たさなくなった場合に提出します。提出期限は、事実発生日から5日以内です。

これらの届出は、管轄の年金事務所に提出します。電子申請に対応している場合もあり、業務効率化につながることもあります。

届出を怠った場合の注意点

70歳以上被用者に関する届出を怠ると、従業員の年金受給額の調整が適切に行われなかったり、事業主が法的な義務を果たしていないと見なされたりする可能性があります。特に在職老齢年金制度は、年金と報酬のバランスを調整する重要な仕組みです。届出が遅れると、過払いが生じたり、本来受け取れるはずの年金が停止されたままになったりするなどの問題が発生することもあります。

正確な情報に基づいて、期限内に適切な手続きを行うことが、事業主にとっても従業員にとっても安心につながります。不明な点があれば、年金事務所や社会保険労務士に相談することをおすすめします。

70歳以上で働くメリット・デメリット

70歳以上で働くメリット・デメリット

70歳を超えても働き続けることは、個人の生活だけでなく、社会全体にとっても様々な影響をもたらします。ここでは、70歳以上で働くことのメリットと、考慮すべきデメリットについて見ていきましょう。

働くことのメリット(健康維持、社会とのつながり、収入)

70歳以上で働くことには、多くのメリットがあります。まず、身体的・精神的な健康維持に役立つ点が挙げられます。仕事を通じて適度な運動や頭を使う機会が増え、生活にハリが生まれることで、健康寿命の延伸にもつながるでしょう。

次に、社会とのつながりを維持できることも大きなメリットです。職場での人間関係や社会貢献を通じて、孤立感を防ぎ、生きがいを感じられます。 また、収入を得ることで経済的な安定が図れるだけでなく、趣味やレジャーに使えるお金が増え、より豊かな生活を送ることにもつながります。

考慮すべきデメリット(年金との調整、体力的な負担)

一方で、70歳以上で働く際には、いくつかのデメリットも考慮する必要があります。最も大きな点は、在職老齢年金制度による年金支給額の調整です。 収入が多い場合、年金が一部または全額停止される可能性があるため、手取り額が思ったより増えないこともあります。事前に年金事務所などでシミュレーションを行い、自身の状況を把握しておくことが重要です。

また、年齢を重ねることで、体力的な負担が増える可能性も考慮しなければなりません。無理な働き方は健康を損なう原因となるため、自身の体調と相談しながら、柔軟な働き方や労働時間の調整を検討することが大切です。企業側も、高齢の従業員が安心して働けるよう、業務内容や労働環境の配慮が求められます。

よくある質問

よくある質問

70歳以上で働くことに関して、多くの方が抱える疑問にお答えします。

70歳以上でも厚生年金に加入できる?

厚生年金保険の被保険者資格は、原則として70歳になる誕生日の前日に喪失します。 そのため、70歳以降は厚生年金保険料を支払うことはありません。 しかし、厚生年金保険の適用事業所で働き続ける場合は、「70歳以上被用者」として扱われ、在職老齢年金制度の対象となります。 これは、年金受給額の調整のために報酬額を把握する必要があるためです。

70歳以上被用者と75歳以上の後期高齢者医療制度の関係は?

70歳以上被用者であっても、75歳になるまでは健康保険に加入し続けます。 そして、75歳に到達すると、健康保険の被保険者資格を喪失し、後期高齢者医療制度に移行します。 この移行は自動的に行われますが、被扶養者がいる場合は、その被扶養者も健康保険の資格を失うため、国民健康保険などへの加入手続きが必要です。

70歳以上で雇用保険の加入は必要?

はい、必要です。2017年の法改正により、雇用保険の加入対象年齢の上限が撤廃されました。 そのため、70歳以上の労働者でも、1週間の所定労働時間が20時間以上で、かつ31日以上の雇用見込みがある場合は、雇用形態にかかわらず雇用保険に加入する必要があります。 企業は、これらの条件を満たす70歳以上の従業員についても、雇用保険の加入手続きを行わなければなりません。

70歳以上被用者の社会保険料はどのように計算される?

70歳以上被用者は、厚生年金保険料の支払い義務がありません。 健康保険料と介護保険料(40歳以上65歳未満の場合)については、75歳になるまでは引き続き徴収されます。これらの保険料は、標準報酬月額に基づいて計算され、事業主と従業員で折半して負担します。雇用保険料については、加入要件を満たしていれば、他の被保険者と同様に労使双方で負担します。

70歳以上で働く場合、年金は減額される?

70歳以上で働き、厚生年金保険の適用事業所から給与や賞与を受け取っている場合、在職老齢年金制度により、老齢厚生年金の一部または全部が支給停止される可能性があります。 これは、年金月額と総報酬月額相当額の合計が一定額(令和6年度は50万円)を超える場合に適用されます。 老齢基礎年金は、在職老齢年金制度の対象外であるため、全額受給できます。

まとめ

  • 70歳以上被用者とは、厚生年金適用事業所で働く70歳以上の従業員のこと。
  • 厚生年金保険の加入資格は原則70歳未満。
  • 70歳以降も働く場合、厚生年金保険料の支払いは不要。
  • 70歳以上被用者は在職老齢年金制度の対象となる。
  • 在職老齢年金は、年金と報酬の合計額が一定以上で支給停止される。
  • 健康保険・介護保険は75歳未満まで継続加入。
  • 75歳で後期高齢者医療制度へ移行する。
  • 雇用保険は年齢上限なく加入可能(要件あり)。
  • 労災保険は年齢制限なく全員が適用対象。
  • 事業主は70歳以上被用者該当届などの提出が必要。
  • 届出を怠ると年金調整や法的義務の問題が生じる。
  • 70歳以上で働くメリットは健康維持、社会とのつながり、収入。
  • デメリットは年金調整や体力的な負担。
  • 2021年4月より70歳までの就業確保が努力義務化。
  • 老齢基礎年金は在職老齢年金制度の対象外。
  • 不明点は年金事務所や社会保険労務士に相談がおすすめ。
社会保険出版社
¥4,840 (2025/12/15 23:26時点 | Amazon調べ)
\クリスマスタイムセール祭り開催中!/
Amazon
ナツメ社
¥1,760 (2025/12/15 23:26時点 | Amazon調べ)
\クリスマスタイムセール祭り開催中!/
Amazon
著:川越雄一
¥1,540 (2025/12/15 23:26時点 | Amazon調べ)
\クリスマスタイムセール祭り開催中!/
Amazon
70歳以上被用者とは?社会保険の仕組みと手続きを徹底解説

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次